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数年前、自殺しようとしてた俺が未だに生きてる話
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319 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 05:39:31.61 ID:3y8Xfu8b.net
けど、レイはその言葉通りに振る舞った。

「今日は行かない」

ある夜、そう言ってみた俺に、レイはあっさりうなずいた。

「わかった」

「じゃ、また明日」

そう言って消え、翌日も何の変わりもなく俺に接してくれたのだ。

それは、俺にとって不思議で、けど すごく大切な経験になった。

「明日も学校ね」(宿題と明日の準備はすべて済んだか?の意)

ってな感じに、究極遠回しな親のもとに生まれ育った俺は、(まあ、親のせいとも一概には言わないが・・・・・・)

人の言葉の裏の意味を読むことに必死になって生きてきた。

だから、言われた言葉をそのまま信じていい、そう思えることは、俺にとって すごく楽なことだったんだ。



321 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 11:14:29.44 ID:3y8Xfu8b.net
俺は時々休みながらも、Aの観察を続けた。

そして、そういう日には必ず記録をつけた。


3/13 Aいない。見逃した?

3/14 いなかった。

それから、日付が飛んで、

3/17 いた。前見たのと同じ時間で、コンビニ。

3/18 いない。


・・・・・・という具合に。



322 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 11:21:26.63 ID:3y8Xfu8b.net
記録は俺の大事な宝物、といっても過言じゃなかった。

俺は自信がなくなりそうになると、よくその記録を眺めた。

そうすると、そこには書き付けたままの事実が並んでいて、それは俺を安心させてくれた。

俺は もっと記録をつけたくなった。

それだけのために、早く明日になればいいのにとさえ思った。

記録が増えれば、それだけ俺は成長したんだ、そう思えるような気がした。


Aの出没パターンがわかったのは、俺の〈努力の跡〉が少しずつ増えていった、そんなころだった。



323 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 11:33:40.63 ID:3y8Xfu8b.net
それは、いつものようにAの後ろ姿を見送ったあとだった。

その日、俺はレイとのチャットで、

「多分、Aは火・木・土、が塾の日だと思うんだけど」

と、憶測の発言をして、

「だと思う、じゃ完璧とは言えないわ」

レイにそうダメ出しされていた。

「もちろん、Aが風邪を引くとか、予測不可能な不確定要素はある」

「でも、それ以外のことは きちんと確かめるべき」

「けど」

レイはこうも言った。

「そろそろ、場所や時機をうかがってもいい頃」

「目的達成の手段も」

「周囲の観察も始めるといい」

それを聞いて、やった! 俺は心の中でガッツポーズをした。



324 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 11:46:14.78 ID:3y8Xfu8b.net
次の段階へ進む許可。

それは俺が努力を続けた証拠で、同時にそれをレイが認めてくれた証拠だった。

俺はAが消え、ほかの塾生が消えたのも確認してから、そっと公園の外に出た。

それは初めてのことだった。

俺は自分が何だか無防備に思えてどきどきした。

いままで自分を隠してくれてたフェンスや植木がないと、こんなにも違うんだって、そう思った。



325 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 11:50:06.14 ID:3y8Xfu8b.net
それと、いままでと違うことは もう一つあった。

コンビニだ。

夜の中に煌々と輝くコンビニの光は、できるだけ暗闇に溶けていたい俺には少しまぶしすぎた。

それに何より、あそこには人間がいる。

俺は しばらくためらったあと、Aの去った方向に足を向けた。

もちろん、できるだけ暗い道の端を選んで。



326 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 11:54:35.75 ID:3y8Xfu8b.net
一度帰ったAが戻ってくる心配は、さしてしていなかった。

だって、いままでAが戻ってきたことはなかったし、それに戻ってくる理由もない。

さすがに塾は閉まってるんだろうし、ただでさえ遅いのに忘れ物を取りに戻るなんて、そんなことはしないような気がした。

・・・・・・そんな気がした、ってだけで うかつにうろつくとか、完全犯罪はどうしたんだよ、ってツッコミはこの際しないことにする。



327 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 11:56:38.68 ID:3y8Xfu8b.net
俺は、いつもAが消える曲がり角まで歩いた。

もう少し、Aの後を追ってみようかな。

そう思って、この先、Aがどの道を帰っているのか知らないことに気づいた。

レイの言ってた〈周囲の観察〉ってこういうことか。

俺は非常に低いレベルで、そう納得した。



328 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 12:07:37.08 ID:3y8Xfu8b.net
けど、どうやってAの詳細な帰り道を知るべきか。

怪しまれないように、とりあえずは歩きながら、俺は考えた。

Aを殺す、場所と手段。

それを考えるためには、どうしても それを知らなくてはならない。

なぜなら、公園とコンビニに挟まれたあの通りは大きく、人目があるし、曲がり角を曲がったこの通りもやはり明るく、いまにも人が通りそうだ。

それに、やっぱ捕まりにくいのは、通り魔的な殺人だろうしな。

観察を続ける間に、俺は殺しの手段を ほぼ刺殺に絞っていた。

なぜなら、いままでの観察の成果からは、毒殺や密室トリック(!)は できなさそうだったし、実際起きた事件を調べるうちに、その方法が一番いいと思ったのだ。



329 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 12:12:14.87 ID:3y8Xfu8b.net
近づいて、グサッ。

近づいて、グサッ、だ。

片手でナイフの素振りを真似ながら、俺は進んだ。

〈考えるより、行動〉

〈努力とは練習量〉

その二つの考えは、俺の中に かなり染みこんでいた。

本番前に、こうして素振りをすることも きっと糧になる。

俺は真剣だった。



330 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 12:20:20.59 ID:3y8Xfu8b.net
「そう」「わかった」

暗がりで、追い越しざまにナイフで殺す。

次の日、そんな計画を打ち明けると、レイはやっぱり冷静に言った。

「どう思う?」

「あなたができると思うなら、できる」

「このまま、きちんと手順を踏めば」


やった!

俺は またしても喝采をあげた。

物事は一度うまく転がり出せば、ゴールまで一直線に進む。

怖いくらい順調に進む計画に、俺は満足だった。



331 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 12:29:46.39 ID:3y8Xfu8b.net
「でも、いざ現場が見つかったとして」

「解決すべきことは いろいろある」

喜ぶ俺に、レイは ほんの少したしなめるように言った。

「えっと、それって・・・・・・」


「例えば、刃物の調達先」
「その処分方法」
「返り血をどうするか」

「ああ・・・・・・」


返り血。

その言葉は少し生々しく、俺はごくりと唾を飲み込んだ。

「それから一番の問題としてだけど」

レイは続けた。

「あなたは自転車に乗ってる相手を、どうやって刺すつもり?」



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:すっきりした話, 修羅場・人間関係, ためになる話, これはすごい, ためになる話, ちょっといい話,
 


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