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数年前、自殺しようとしてた俺が未だに生きてる話
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558 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 04:33:22.52 ID:lfHPtk8i.net
いつもご飯ありがとう。

レイの言う当たり前ってのは、そういうことだとぼんやり思った。

そして、俺はそう言うことができる。

そう思った。


何か気配を感じているのか、ドアの前の親も、そこからなかなか立ち去らなかった。


559 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 04:36:03.94 ID:lfHPtk8i.net
もしかして、親も俺と同じことを考えてるのかもしれない。

俺は ふとそう思った。


手に食事の載ったお盆を持って、どうしようかって。

俺に声をかけようか、ドアをノックしてみようかって、そう考えてるんじゃないかって。


560 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 04:39:59.49 ID:lfHPtk8i.net
ドアを挟んだ俺と親との葛藤?は、長く続いた。

いや、それは長く感じられただけで、本当は1分とか、そんなもんだったのかもしれない。

けど、結局、親はいつものようにお盆を廊下に置いて立ち去って、俺は一言も発しないまま、突っ立ってた。

当たり前のことって難しいな。

俺はのろのろと椅子に座った。




561 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 04:44:44.29 ID:lfHPtk8i.net
それから、俺は覚えてしまうほどレイの言葉を読み返した。

とうとう睡魔に勝てなくなり、机に突っ伏しても、頭の中ではレイの声が淡々と流れていた。


自信を持って。

当たり前のことをして。

〈答え〉を見つけて。


それは冷淡だけど、優しい子守歌みたいな声だった。


565 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 09:59:54.10 ID:lfHPtk8i.net
本当ならレイの夢を見たかった。

けど、俺は夢を見ずに眠った。


どうやら途中で机から移動したらしいが、それも覚えていない。

目が覚めると、俺はベッドの上にいた。


567 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 10:03:45.56 ID:lfHPtk8i.net
長く眠りすぎたせいか、一瞬、記憶が混乱して俺はぼんやりと思った。

俺は誰だっけ。

何をしていたんだっけ。

どうして ここにいるんだっけ。


けど、それはすぐに思い出せた。

思い出すと、ほんの少しの期待を込めて、パソコンの画面を見た。

〈さよなら〉

レイの言葉はやっぱり そこで止まっていた。


568 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 10:09:59.40 ID:lfHPtk8i.net
レイはもう俺の前に現れることはない。

俺はなぜかわかっていた。

辛いだろうか。

自分に聞いた。

そんなの辛いに決まってる。

自分で答えた。

やっぱ辛いよな。

自分でつぶやいた。

でも、それって当たり前だろ。

そう思った。

だって、レイは俺を助けてくれた、大事な人だ。

その人がいなくなったんだ。

そんなの、辛いのが当たり前だ。


569 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 10:15:59.22 ID:lfHPtk8i.net
そうだ、辛いのが当たり前なんだ。

俺は顔を伏せて、少し泣いた。


それから、レイの〈証拠〉を取り出して、それを見てもう少しだけ泣いた。

心臓が直接傷つけられたように胸が痛かった。

もう二度と立ち直れないような、そんな気がしたが、それはいまだけだって知っていた。

俺はきっと再び立ち上がって、・・・・・・どうするだろう。

〈答え〉を探すことができるだろうか。

そうできるなら、それが一番いい。


570 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 10:21:58.55 ID:lfHPtk8i.net
俺は、それからしばらくは、以前と同じ、引きこもりの生活を続けた。

レイが戻ってくるかも、希望を抱いて、画面を見つめる生活が続いた。

せっかく始めた筋トレも、やめてしまったから、体力は みるみる落ちた。

それでも、何もする気にはなれなかった。

けど、いつまで経ってもレイが戻ってくることはなかった。


俺がやっと立ち上がったのは、それから数ヶ月後、中学三年の秋のことだった。




571 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 10:34:22.79 ID:lfHPtk8i.net
それはもちろん、中学卒業後の進路はどうするか。

最初の難問が俺に降りかかったからなんだが・・・・・・。

さて、それから俺がどうしたのか。


ここからは いまの俺の話になる。

そして、どうして俺がこんな話を書き込んでいるのか、その理由だ。


572 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 10:47:32.74 ID:lfHPtk8i.net
まず、俺はいま何をしているか。

俺が少し変な時間に書き込むから、気づいている人はいると思うけど、俺はいま、海外で暮らしている。

そこで、ある目標に向かって努力を続けている。


三年間。

それが俺がこの目標にかけている年数で、客観的な数字だ。

俺はレイの残してくれた言葉を信じ、〈答え〉を見つけることができたんだ。


574 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 10:54:39.63 ID:lfHPtk8i.net
それなら、俺の〈答え〉ってのは何だったのか。

・・・・・それは別にカッコイイ〈答え〉!!ってほどのもんじゃないから、こうやって人に言うのは恥ずかしいような気もするんだけど、ちゃんと言おうと思う。


俺はどう在りたいのか。

人生をどう生きていきたいのか。

それは、、、

「できるだけ楽で、穏やかな状態で生きたい」。


え、そんなのが〈答え〉?って思われるかもしれない。

もうちょっと、熟語かなんかでまとめろよ!って言われるかもしれない。

けど、いいんだ。それは俺の〈答え〉だから。


575 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 11:00:47.71 ID:lfHPtk8i.net
中学三年の秋、俺は進路を迫られて、実は無職を選んだ。

つまり、高校へも行かないで、就職もしないで、ただの16才でいることを。

学校からは散々電話が来たし、親も遠回しに「どうするの?」的なことを言ってきたけど、俺は そうすることしかできなかった。

高校へ行くのは怖かったし、就職なんてもっと怖かった。

最低だな、自分と思った。


576 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/18(金) 11:04:59.69 ID:lfHPtk8i.net
けど、俺にはもう一つ嫌なことがあった。

それは、そのまま引きこもりでいることだ。

部屋の中で最悪なことをぐるぐる考えて、自分でもどうしたら良いかわからなくなるあの状態に戻るのだけは嫌だった。

あれも嫌だ、これも嫌だ。

俺は頭を抱えた。



で、そのとき思った。

じゃ、俺は何をしたいんだ?



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:すっきりした話, 修羅場・人間関係, ためになる話, これはすごい, ためになる話, ちょっといい話,
 


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