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昨日、嫁の墓参りに行ってきた
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259 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:14:10 ID:n4c(主)
「あの子には感謝しても感謝しきれない、頭も上がらない。あの子がいなければ娘は本当に寂しい思いをしてたんだぞ」
「わかってるよ」
「わかってない、お前は何にもわかってない」
「じゃあ親父は何がわかってるんだよ!」
真昼間、酒が入ったわけでもないのに大の大人が大声張りあげ合う
「向き合え!娘のためにも嫁ちゃんのためにも、幼馴染みちゃんのためにも、男だろ!」
殴られた痛みなんか一瞬だった、本当のパンチは この言葉だった
260 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:16:36 ID:n4c(主)
その日の夜、幼馴染みが家にやってきた
この前 変な雰囲気で帰ったお詫びだとビール数本とおつまみを持って
娘は幼馴染みが来たことでテンション最高潮、アンパンマンのチョコレートを貰って興奮の坩堝だった
娘が眠り、幼馴染みと二人での晩酌の時間になった時親父の言葉が頭の中に浮かんだ
「なぁ」
「ん、なに?」
「変なこと言うけどさ」
「もしこの子のママになってくれないかって言ったら」
「うん」
「お前なんて答える」
262 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:27:15 ID:n4c(主)
情けない話だけど この時の俺には精一杯の向き合いだった
「それは…無理な話かな」
「娘ちゃんのママは嫁ちゃんだけなんだよ」「だから私には無理だ」「私にはできない」
「おう、そうか…変なこと言って悪いな」
「酔ってんじゃないのおじさん、らしくないぞ?」
この会話から、幼馴染みと少しの間距離ができた
お互いに気まずさを持っていたんだろうけど、1日2日では修復できなかった、
それでも半月もたつと以前と同じような間柄には戻れていた
「あの子には感謝しても感謝しきれない、頭も上がらない。あの子がいなければ娘は本当に寂しい思いをしてたんだぞ」
「わかってるよ」
「わかってない、お前は何にもわかってない」
「じゃあ親父は何がわかってるんだよ!」
真昼間、酒が入ったわけでもないのに大の大人が大声張りあげ合う
「向き合え!娘のためにも嫁ちゃんのためにも、幼馴染みちゃんのためにも、男だろ!」
殴られた痛みなんか一瞬だった、本当のパンチは この言葉だった
260 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:16:36 ID:n4c(主)
その日の夜、幼馴染みが家にやってきた
この前 変な雰囲気で帰ったお詫びだとビール数本とおつまみを持って
娘は幼馴染みが来たことでテンション最高潮、アンパンマンのチョコレートを貰って興奮の坩堝だった
娘が眠り、幼馴染みと二人での晩酌の時間になった時親父の言葉が頭の中に浮かんだ
「なぁ」
「ん、なに?」
「変なこと言うけどさ」
「もしこの子のママになってくれないかって言ったら」
「うん」
「お前なんて答える」
262 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:27:15 ID:n4c(主)
情けない話だけど この時の俺には精一杯の向き合いだった
「それは…無理な話かな」
「娘ちゃんのママは嫁ちゃんだけなんだよ」「だから私には無理だ」「私にはできない」
「おう、そうか…変なこと言って悪いな」
「酔ってんじゃないのおじさん、らしくないぞ?」
この会話から、幼馴染みと少しの間距離ができた
お互いに気まずさを持っていたんだろうけど、1日2日では修復できなかった、
それでも半月もたつと以前と同じような間柄には戻れていた
264 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:32:18 ID:n4c(主)
それから さらに少し経ったある日、また幼馴染みがうちに遊びに来た
またもや娘はテンション最高潮だった、
マサイ族並みのジャンプで幼馴染みを歓迎してた
幼馴染みも いつも通り娘にハグして嫁似のほっぺたに頬ずりしてた
「可愛いなぁいつも、パパに似なくて良かったねぇ」とか余計なことも言ってた
しばらく三人で人形遊びをして、娘がハンバーグ食べたいと言ったから夕飯に近くの洋食屋へ出かけた
265 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:32:33 ID:n4c(主)
娘は幼馴染みがいる上に大好物のハンバーグを食べるという幸福感からか、ハンバーグを一口食べては幼馴染みに抱きつき、また食べては抱きつきを繰り返していた
俺がお行儀悪いからやめなさいと注意しても なかなかやめない
だけど、幼馴染みがダメでしょ!というと一発で言うことを聞いた
あぁ、やっぱり父親として まだまだダメなんだなぁと感傷に浸っていたその時、娘がとんでも無いことを言った
「お母さんごめんなさい」
266 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:37:53 ID:n4c(主)
その場の空気が一瞬止まった、
言われた幼馴染みは驚いて何も返事が出来ない状態だった
「幼馴染みおねぇちゃんは お母さんじゃないの?」
「違うよ、幼馴染みおねぇちゃんはママじゃないんだ、娘ちゃんのママはお空に行ったんだよ?」
娘が続けて喋る、
俺は娘が私のママはどこにいったのと聞かれた時の言葉で返す
「知ってるよ、ママはお空に行ったんだよね」
「そうだよ、だからね…」
「ママとお母さんは違うんじゃないの?」
「えっと、それはね…」
267 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:39:53 ID:n4c(主)
俺が答えに窮していると さっきまで動かなくなっていた幼馴染みが急に笑い出した
「そうか、ママとお母さんは違うのか!面白いな娘ちゃんは!」
幼馴染みの急激なテンションの上がり具合に今度は俺と娘が驚いて黙ってしまった
とてもじゃないけど、冗談も返せなかった
268 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:43:44 ID:n4c(主)
洋食屋からの帰り道、熟睡状態の娘をおぶり三人で歩いている時、幼馴染みが ふとさっきの話に戻った
「ねぇ?」
「ん?」
「面白いよね、ママとお母さんは違うって」
「なんとも子供ならではの発想だよな」
「でもあれでなんか吹っ切れた、あんたさ、私にこの前あの子のママになってって言ったよね」
「うん言ったね」
269 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:47:45 ID:n4c(主)
「私あの時も言ったけどママにはなれない、嫁ちゃんには絶対になれないの」
「わかってるよ」
「でもね、私お母さんにだったらなりたいかな」
「本気で言ってんのかよ?」
「本気も本気よ、30超えた女こんな事冗談で言えないって…どう、嬉しい?」
「お、おう…嬉しい」
「ならさ、聞かせてよ」
「あんたは私の事、女として好き?」
270 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:48:02 ID:n4c(主)
「私は あんたのこと5歳からずーっと好きだった、でも素直に言えなかった」
「お前彼氏いたろうがよ」
「この歳で男性経験無い方が異常でしょ?」
「まぁそうだけどさ」
「あんたのこと好きだったのに、素直になれないし、そうこうしてると あんたちょくちょく彼女作っちゃうし、そりゃこっちだって作りますよ」
271 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:48:16 ID:n4c(主)
「嫁ちゃんとあんたが結婚した時、正直悔しかった、でも嫁ちゃんのことも大好きだったから心の底から二人に幸せになって欲しかった」
「私が娘ちゃんを可愛がるのは この子が可愛いってからだけじゃないの、娘ちゃんが私が好きだった嫁ちゃんと ずっと好きだったあんたの子供だから」
「もしあんたが私を女として好きじゃなければ、無理にはしないほうがいい、このままの関係でも充分だもん」
「でも嫁ちゃんと娘ちゃんの次でも良い、私の事も好きになってくれるなら」
「私を娘ちゃんのお母さんにしてください」
「おう」
「おうってなによ」
「いや、好きです」
「俺と結婚して、家族になってください」
「たまには素直な言い方も出来るじゃん」
272 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:48:38 ID:n4c(主)
唐突な話だった、でも迷いはなかった
嫁に続き2回目のプロポーズ
街灯の明かりぐらいしかなひっそりとした近所の見慣れた道だった
嫁への気持ちは変わらないが、一方で確かに幼馴染みに好意を持っていたし、幼馴染みなら娘を本気で愛してくれると思ったから
ふと気づくと いつの間にかおぶっていた娘が起きていた
寝ぼけているようだったが、「お姉ちゃんがお母さんになってくれるってさ」と話すと嫁似のほっぺたを両手で挟んではにかんで、また眠ってしまった
273 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:48:57 ID:n4c(主)
翌日、互いの両親に挨拶に行った
幼馴染みの両親は意外な迄に あっさりと受け入れてくれた
うちの方は母ちゃんが「大変な思いをするかもしれないけど、大丈夫?」とか聞いてたが、幼馴染みの「はい」の一言に納得した様子だった
親父は「息子と孫娘を宜しくお願いします」って言いながら頭を下げていた
さて俺には もう一つ話をしなければならない家族がいた
嫁の家族だ
電話をかけると、お母さんは とても喜んでくれた、あなたが選んだ人なら間違いない むしろ今までありがとうとまで言ってくれた
274 :名無しさん@おーぷん :2016/07/14(木)23:49:23 ID:n4c(主)
そして日曜日、俺は娘と幼馴染みと三人で嫁さんの墓参りに行ってきて
手を合わせたきた
娘は小さな手を合わせながら嫁に一生懸命語りかけていた
幼馴染みも手を合わせて ただずっと目を瞑っていた
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