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三十路の喪女に彼氏ができたときのお話
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169 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:07:25.38 ID:LZSY7jKs.net
「でもそんなの、今しなくてもいい話じゃない。私が結婚したいと思ったら、そのとき考えればいいことで…」
「いずれしなくちゃならないなら、今してもいいんじゃないかな。俺、自分のわがままに喪子を付き合わせることはできない」
「なによそれ………M君の言ってること、なんかおかしいよ」
「どこが?」
「だってさ…私だってもういい歳だし、結婚話が出るのは自然じゃない。
でもM君は、自分に結婚願望ないことなんて、始めからわかってたでしょ?
なのに、どうして最初の時じゃなく、今なの?
しかもそれが私のためだって言うの?全然意味わかんないよ、そんなの。
ひょっとして、これはあれ?一年経つと別れたくなっちゃうっていうやつ?」
170 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:07:49.20 ID:LZSY7jKs.net
M君の顔から、すーっと表情が消えた。
わかってもらえるかな? それまでも無表情ではあったんだけど、なんていうか、無表情って表情まで消えた感じだった。
正直言って、怖かった。私、いまM君の地雷踏み抜いたんだってわかった。
「そうだね、最初に言っておいたよね、俺はこういうことするって。でも、それでもいいって言ったのは、喪子だよね?」
ん?どこかで聞いたな、このセリフ。
…………あー。
M君、それは言ったら駄目だよ。それを言ったら、おしまいになっちゃうよ…
「でもそんなの、今しなくてもいい話じゃない。私が結婚したいと思ったら、そのとき考えればいいことで…」
「いずれしなくちゃならないなら、今してもいいんじゃないかな。俺、自分のわがままに喪子を付き合わせることはできない」
「なによそれ………M君の言ってること、なんかおかしいよ」
「どこが?」
「だってさ…私だってもういい歳だし、結婚話が出るのは自然じゃない。
でもM君は、自分に結婚願望ないことなんて、始めからわかってたでしょ?
なのに、どうして最初の時じゃなく、今なの?
しかもそれが私のためだって言うの?全然意味わかんないよ、そんなの。
ひょっとして、これはあれ?一年経つと別れたくなっちゃうっていうやつ?」
170 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:07:49.20 ID:LZSY7jKs.net
M君の顔から、すーっと表情が消えた。
わかってもらえるかな? それまでも無表情ではあったんだけど、なんていうか、無表情って表情まで消えた感じだった。
正直言って、怖かった。私、いまM君の地雷踏み抜いたんだってわかった。
「そうだね、最初に言っておいたよね、俺はこういうことするって。でも、それでもいいって言ったのは、喪子だよね?」
ん?どこかで聞いたな、このセリフ。
…………あー。
M君、それは言ったら駄目だよ。それを言ったら、おしまいになっちゃうよ…
171 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:08:15.29 ID:LZSY7jKs.net
「…よし!それじゃあ私、帰るわ!」
それ以外、なんにも思いつかなかった。
「そうだよ、私あのとき言ったもんね、これは私の選択だって。だからM君は、なんにも悪くないもんね!」
こういうのも売り言葉に買い言葉って言うのかな。
私は とにかくその場から離れたくてしかたなかった。初めて見るM君の冷たい態度が怖かったし、悲しかったし
それに最初の話からすれば、いま彼は、私を憎悪してるんだから。
……………どうして私が憎悪されなくちゃならないのかなあ……?
172 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:08:43.29 ID:LZSY7jKs.net
家に帰ると、母から「あれ、早かったね」とかなんとか声をかけられた。
その瞬間、私の涙腺は信じられないほど大爆発した。
「なに!?どうしたの!」
「ぎゃーす!ぎゃーす!」
「なにがあったの!?どうしたの!?」
「ぎゃーす!ぎゃーす!」
「………あーあーまったく…そんな子どものときみたいな顔して泣いてー」
何十年かぶりで母に抱きしめられた。
173 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:09:09.84 ID:LZSY7jKs.net
「おがあざん!ぐやじいよー!!!」
「うんうん、付き合ってれば色々あるよねえ」
「でも、もうだめだー!おわりだー!!!」
「うんうん、人の心は難しいよねえ。
でもお母さんは知ってるよ、喪子はとっても頑張ってたよ。
M君と付き合ってから、喪子はうんときれいになったよ」
三十女が、母親にしがみついて泣いた。
もうグロ注意って感じ。ほんとごめんなさい。
しかも一部親バカ発言も書いた。ほんとごめんなさい。
でも、母親って本当に偉大だよね。
そうされてると、たいしたこと言われたわけでもないのに落ち着いちゃうんだ。
さすがお母さん、私を産んだ人。
そしてM君は、この安心感を知らずに生きてきたんだなあ…。
174 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:09:47.17 ID:LZSY7jKs.net
O君は、電話口で声を詰まらせている私を、また家に呼んでくれた。
私は二人に謝った。
せっかくあんなにアドバイスもらったのに、なにもできませんでした。ごめんなさい…
「そんなことがあったんですかー。でもそれ、喪子さんは何にも悪くないですよねえ」
「そ、そうでしょうか…」
「喪子さん、あんなに気をつけてたのにMさんに乗せられちゃいましたね。すごい、感心しちゃう。あざやかだなあ」
「そんなところに感心しないでくださいよお。私は これまでの彼女と違って、いろんなこと知ってたはずなのに…一年のジンクス、破れなかったなあ…」
175 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:10:11.16 ID:LZSY7jKs.net
「やっぱり別れるんだ?」
O君の声が、心なしか沈んでいる。
「だって、別れるしかないもん…」
「でも喧嘩して仲直りするって、男女の付き合いの基本じゃないか」
「だけど、普通の喧嘩じゃないんだよ?私、いまM君から憎悪されてるんだから…」
「今回、あいつは自覚的に変わろうとしてたわけだし いまごろ、やっちまった!ってなってるんじゃないかね?」
「でも、別れることで彼の不安は解消されるんでしょ?だったら私、M君のために別れるよ……」
176 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:10:47.31 ID:LZSY7jKs.net
「喪子さん!」
Sさんが、強い口調になった。
「別れるのなら、Mさんのためじゃなくて、自分のためになさい!」
「ふお!?」
「Mさんは、いつものMさんのセオリーどおりに動いています。でも喪子さんが、それにあわせなきゃならない決まりなんてありません。
別れるなら別れるで、喪子さん自身が納得できる理由で別れればいいんです。
納得できない消化不良のまま別れてしまうと、その消化不良を解消しようとして他の人と同じような恋愛を繰り返すことになっちゃいますよ?」
「だ、だめんずうぉーかー…」
「そういうことです。喪子さんが、あんな顔だけの屁理屈男、もういいやってのならいいんですけど」
うわあ…Sさんにかかるとひどい言われようだな、M君。
177 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:11:13.35 ID:LZSY7jKs.net
「………私、本当はこのままM君と別れたくなんかないです。
悲しいし悔しいし、何より納得いかない…。どうして私が憎悪されなきゃならないの?
別れるなら別れるで、こんな一方的な形じゃなくてちゃんと話し合って、二人で決めたいんです」
「だったら、その気持ちをMさんにぶつけてみたら?」
「でも…………怖いんです。私、憎悪されちゃってるわけだし… あんな冷たいM君には、もう会いたくないんです…」
「あー、それ…。普段穏やかな人が急に機嫌悪くなったら誰だってビビって、自分が悪いんだって思っちゃいますよねー」
「はい…」
「そうやって自分を悪者にしておけば相手がどんなに理不尽でも、立ち向かわなくて済みますもんねー」
「あああああ………はい…」
178 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:11:44.77 ID:LZSY7jKs.net
「あのね、ずっとそうやって逃げ続けてきたわけですよ、Mさんも」
「………あ〜。」
「親は悪くない。自分が悪い。そういうことにしておきたいんです。 だって、親が悪いと気づいてしまうことは親が自分を愛していないと気づいてしまうことになるから」
グサッときた。ああ…。
言い換えれば、私がM君が悪いと気づいてしまうことはM君が私を愛していないと気づいてしまうことになるのか…。
察してくれたのか、Sさんはちょっと優しい声になった。
「喪子さんに変わりたいと言ったMさんの気持ちは、嘘じゃないでしょう。
だけど、今回彼は、変わらないことを選んだ。ただそれだけの話なんです。
だったら喪子さんだって、どうするかは自分で選んでいい。Mさん基準で行動する必要は どこにもないですよ」
>>次のページへ続く
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