2chの男女恋愛に関わる 復讐話寝取られ話旅スレ に特化した話題を掲載していきます。
easterEgg
 
 

おすすめ記事

 
 
 

おすすめ記事(短め)

 
 
 
 
 

こちらもどうぞ

 

 

三十路の喪女に彼氏ができたときのお話
(17ページ目)  最初から読む >>

 

\ シェアする /


205 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:40:31.72 ID:LZSY7jKs.net
「………どうしてそんなことを?」


「M君が、ひょっとしたら子どものころ虐待受けてたんじゃないかな?と感じたから」

「あー……………なんだよ、それ…」

どういう意味なのか、絞り出すようにM君は言った。


「Oは なんだって?」

「養子のこととか、M君が家族と疎遠になった経緯とか、話してくれた」


「うん、そこらへんは あいつには話してあるから。そうじゃなくて、その、さっき喪子が言ったやつとか、そっち」


「ん?虐待のこと………??わからないけど、そうじゃないかと思ってるって」

「俺がそういうの受けてたって?」


「うん、たぶんって」

「俺、それはないから」


206 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:40:55.61 ID:LZSY7jKs.net
M君は、明らかに「虐待」という言葉を口に出すのを避けていて、このあとも「それ」とか「そんなこと」とか抽象的に言ってたんだけど

すんごいわかりにくいので、一応ちゃんと「虐待」って言葉で書いときます。


「そう…そうなんだ」

「そんなふうに見えた?」

「そんなふうって言うか…なんか私、M君に対していろんな違和感があってさ。

それで総合的に考えて、ひょっとしたらって思っただけ。違ってたのならごめん、変な勘繰りだったね」


「あの、俺いま、カウンセリング受けてるんだよ」


「えっ………!」

いきなりのカミングアウトに度肝をぬかれる私。


「さっき言いたかったのはそれ。ありがとう、言いやすくなった」


「ありがとう」とはほど遠い、強張った口調でM君は言った。




207 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:41:21.41 ID:LZSY7jKs.net
「俺さ、自覚ないんだよ。虐待とか言われても」


「んん…………?じゃあ、なんでカウンセリング受けようと思ったの? てか、なんのカウンセリング受けてるの?」


「ワーカホリックの」


ワーカホリックとは仕事依存症のこと。

表面的には「仕事を頑張ってる人」っていうプラスイメージがあるし アルコールやギャンブルの依存症とは、ちょっと性質が違うので本人も自覚しづらいし、周りからもわかりにくいやつ。

たしかに、以前のM君の働き方はそんな感じだった。M君、そこは自覚できたんだ…。


208 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:41:44.75 ID:LZSY7jKs.net
「そしたら、問題はワーカホリックなことじゃなくて どうしてワーカホリックになったかだ、と言われた。

たぶん、子どものころのことが影響してるんだろうって。

だけどさ、よくわからないんだよね。昔のことだし」


「記憶が曖昧になっちゃってるんだ?」


「うん。虐待された覚えもないから、別に問題ないと思ったんだ。

でも、"覚えがない"と"覚えてない"では、全然意味が違うって言われてさ。

俺は ちょっと忘れすぎらしくて…」


「忘れすぎって?何年のとき何組だったかとか?」


「あのー、そういうのじゃなくて………」


「じゃなくて?」


209 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:42:15.23 ID:LZSY7jKs.net
「小1のとき、自分が何組で担任が誰で出席番号が何番で誰と友だちで どんなことがあって…ていうのを、何も覚えてない」


「え?………遠足でどこ行った、とかは?」


「いや、そもそも、自分が小1だったことが思い出せないと言ったほうが早いかな。小1のだけじゃなくて、すっぽり記憶が抜けてるところが、ちょこまかあってさ」


「自分でおかしいなって思わなかったの?」


「単に俺が記憶力悪いだけだと思ってた。昔のことを忘れるのは当たり前のことだから」


確かにM君、「俺、忘れっぽいから」ってよく言ってた。解離性健忘という症状なんだそうだけど、このときの私は そんな言葉は知りませんでした。


「M君………はっきり言って、それは当たり前な忘れ方じゃないよ…」


「うん…」


「しかも、それを当たり前だと思っちゃってることが、なんて言うか……ごめん、私からすると、ものすごいヘンだ……」


「そっか…」



210 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:42:40.38 ID:LZSY7jKs.net
「でも、でもね、私いま、いきなり猛烈に納得できちゃったよ………!」


「え、何に?」


「私からすると ものすごいヘンなことでもM君は、それが当たり前な世界に住んでたんだね。

だったら、私がM君に違和感があるなんて、それこそ当たり前だったんだ…

だって私たち、住んでる世界が、見てる世界が、そもそも全然違うんだもん。

私、M君と付き合うってことは、M君と世界が同じじゃなきゃいけないんだと思ってた。

だけど そうじゃないから、もう付き合っていくことはできないんだって……


でも、それ違ったわ!人それぞれ、世界なんて違ってて当たり前だよね!

だって、M君はM君、私は私!それぞれがそれぞれに生きてるんだもん!

私、大切なことに気づけた気がする!ありがとうM君!

ねえ、よければ私ともう一度付き合ってください!!」


「はっ?えっ?」





211 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:43:03.66 ID:LZSY7jKs.net
「どうかな、だめかな?」


「だめだよ、当たり前でしょ」


「また即答かい。なんでだめなの?」


「なんでって、そりゃ…俺たち、一度別れてるんだよ?しかも原因のほとんどが俺でさ。俺、こんな人間なんだぞ?だめに決まってるだろ」


「こんな人間って、どんな人間さ?」


「最悪の人間だろ、喪子や他の人のことも散々傷つけて…カウンセリングなんか受けてるし、まともじゃないし……」


「M君!そろそろいい加減にしてもらおうか!」


「……はい?」


212 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:43:34.73 ID:LZSY7jKs.net
「M君は私を傷つけてなんかないよ。

あのことで一番私を傷つけたのは、私自身だったからね。

確かに、M君がきっかけで いっぱい泣いたさ。だけどそれは、自分でも気づいてなかった私の存在をM君が気づかせてくれたからなんだよ。

正直それって、M君よりもずっと強烈で、どデカイ存在だったんだよね。


M君が自己卑下するのは勝手だよ。それは好きにしていいさ。

だけど、M君の中に"俺が傷つけた女一覧"みたいにして私が残るのは、絶対にイヤだ!!

私が聞きたいのは、そういうのじゃないんだよ。こうだからダメとかなんとか、そんな言い訳、私にはどーでもいいの。

M君が本当はどうしたいのか、私はそれが聞きたいだけなの!

なんで今!なんのために!君は私に電話してきてるんだ!

この後におよんで理屈で取り繕って、カッコつけてんじゃねーよカッコ悪い!

だけど!私はそんなカッコ悪いM君のことも大好きなんだよっ!!!」


213 :1@\(^o^)/:2017/01/03(火) 21:43:59.18 ID:LZSY7jKs.net
はっはーまた言ってやったぜ こんちくしょおーっ!!

だけど このときの私には確信があったんだ。

M君が言いたいのは、絶対にそんなことじゃない!

あのカラオケボックスのときだってそうだし、きっと それだけじゃなくて

私たちがすごしてきた毎日に、彼が言わないままにしてしまった沢山の言葉があるんだ。


そんなM君がどういうわけか、わざわざ電話までかけてきた。

その勇気は、絶対に私がすくい上げて、受け止めなくちゃならない。

またもや黙り込んでしまったM君に、私は尋ねた。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:純愛, 相手の過去, メンタル, メンタル,
 


\ シェアする /


関連記事

 
































easterEgg記事特集ページ

 

新着記事

 

 
 
 
 
 

こちらもどうぞ

 

 

おすすめ記事1

 

 
 

おすすめ記事2

 


 

おすすめ記事3

 


 

人気記事(7days)

 

 

新着記事