厳しい上司の下で働いていたら大変な事になった
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69 :名も無き被検体774号+:2012/03/01(木) 23:21:08.82 ID:H7gVIJ/10
その時点で俺の車は電気系統が全て息絶えておりハザードランプすら付かない状態だった。
免許を持っている人なら「暗順応」という言葉を知ってるかもしれない。
明るい所から急に暗い所へ行くと視力が著しく低下し、その回復に時間が掛かる、というものである。
あろうことか、明るいトンネルから出た真っ暗な道の先には俺の車が真っ黒なトカゲのように寝そべっていた。しかも このトカゲ足が一本取れているので全く動く気配すらない。
これはとてつもなく危険な状態であった。
70 :名も無き被検体774号+:2012/03/01(木) 23:27:08.83 ID:RqTr+CtIO
やべぇ状況だな…
二次被害起きたか?
71 :名も無き被検体774号+:2012/03/01(木) 23:27:14.97 ID:WURel+sV0
三角板と発煙筒は使えなかったの?
72 :名も無き被検体774号+:2012/03/01(木) 23:33:04.45 ID:H7gVIJ/10
>>ふ、ぬかしおるw。しかし現実ってのはもっと怖いんだぜ?w
悪い気配は「後続車」だった。
夜の高速道路の右車線を走る車は多分120km/h以上は出しているだろう。
トンネルの奥から「ぅぉぉぉおおおおおーーーーん!!!」と後続車のエンジン音が近づいて来ていたのだった。
俺は身の危険を感じ、すぐさまガードレールによじ登った。
後続車は俺の車の直前で その存在に気づき、俺の車のすぐそばギリギリをかすめ衝突を免れた。
がしかし、急ハンドルが祟ったのか今度は逆方向に向きを変えキキキーーーー!っというスキール音を上げながら蛇行し続け最終的にはゴッシャーンン!と右のガードレールに激突してその動きを止めた。
俺はその様子を目の当たりにして一気に全身から血の気が引いた。
このままでは大惨事になってしまう。何とかしなければ・・・。
その時点で俺の車は電気系統が全て息絶えておりハザードランプすら付かない状態だった。
免許を持っている人なら「暗順応」という言葉を知ってるかもしれない。
明るい所から急に暗い所へ行くと視力が著しく低下し、その回復に時間が掛かる、というものである。
あろうことか、明るいトンネルから出た真っ暗な道の先には俺の車が真っ黒なトカゲのように寝そべっていた。しかも このトカゲ足が一本取れているので全く動く気配すらない。
これはとてつもなく危険な状態であった。
70 :名も無き被検体774号+:2012/03/01(木) 23:27:08.83 ID:RqTr+CtIO
やべぇ状況だな…
二次被害起きたか?
71 :名も無き被検体774号+:2012/03/01(木) 23:27:14.97 ID:WURel+sV0
三角板と発煙筒は使えなかったの?
72 :名も無き被検体774号+:2012/03/01(木) 23:33:04.45 ID:H7gVIJ/10
>>ふ、ぬかしおるw。しかし現実ってのはもっと怖いんだぜ?w
悪い気配は「後続車」だった。
夜の高速道路の右車線を走る車は多分120km/h以上は出しているだろう。
トンネルの奥から「ぅぉぉぉおおおおおーーーーん!!!」と後続車のエンジン音が近づいて来ていたのだった。
俺は身の危険を感じ、すぐさまガードレールによじ登った。
後続車は俺の車の直前で その存在に気づき、俺の車のすぐそばギリギリをかすめ衝突を免れた。
がしかし、急ハンドルが祟ったのか今度は逆方向に向きを変えキキキーーーー!っというスキール音を上げながら蛇行し続け最終的にはゴッシャーンン!と右のガードレールに激突してその動きを止めた。
俺はその様子を目の当たりにして一気に全身から血の気が引いた。
このままでは大惨事になってしまう。何とかしなければ・・・。
73 :名も無き被検体774号+:2012/03/01(木) 23:41:21.21 ID:H7gVIJ/10
そうだ!!発炎筒が助手席の下にあった筈だ。あれを点けて後続車に危険を知らせよう!
しかし発炎筒を入手するには再び車道に降りて、あのグシャグシャの黒いトカゲ(車)の中に入らなければならない。
もしも車の中で発炎筒を探している時に、さっきみたいな車が衝突してきたら・・・
俺は間違い無く、死ぬ。
そんな葛藤が頭の中でずっとグルグル回っていたが気が付くと俺は再び車道へ降り、あの黒いトカゲへと向かって行った。
74 :名も無き被検体774号+:2012/03/01(木) 23:48:36.21 ID:H7gVIJ/10
心臓のドクドクとした鼓動が、こめかみを伝うのがはっきり分かる。
緊張し過ぎてさっき食べたラーメンと肉まんが胃から飛び出してきそうだ。
車に駆け寄り汗でびしょびしょの手でドアを開ける。
ギ・ギ・ギ・・・
車内は荷物が滅茶苦茶に散乱していた。
携帯電話の明かりを頼りに発炎筒を見つける作業は困難を極めた。
無い・・・発炎筒が見つからない。
その時また一台の後続車が近づいて来た気配に気づき、慌てて車外に逃げ出すと後続車は俺の顔の横を猛スピードでかすめて行った。
76 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:01:31.25 ID:zZtEBpyd0
その後続車は、あろうことか先程から前方に止まってた、あの親切なトラッック目掛けて突っ込んで行ってしまった。
ゴワッ・シャーーーーッン!!
この後続車、「ハイエース」といってワンボックスタイプなのだが車の前の部分が極端に短く、衝突した際のダメージが普通車に比べやや大きいタイプの車だった。
しばらくしてハイエースの運転席から「たぁすけてくれーーーっ!」という悲鳴が聞こえてきた。
どうやらハンドルに体が挟まれて身動きが出来なくなっているようだった。
俺は極度の緊張と絶望で大量の嘔吐物をビチャビチャと撒き散らした。
ラーメンと肉まんが変わり果てた姿で戻って来た。
もはや素人ではどうしようもないレベルの事故の域に達してしまったのであった。
77 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:06:40.06 ID:AqwauoMn0
考えただけでもぞっとするな・・・
78 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:07:41.54 ID:xLQOpReF0
ニュースになりそうな事故だな
((((;゚Д゚)))))))
79 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:12:04.90 ID:zZtEBpyd0
今更ながらに我に返った俺は携帯で119番に通報した。
119「はい、119番です。どうされましたか?」
だが口元が震えて声が出ない。やっとの思いで喋ろうともまともな会話が出来ない。
「助けて!」とか「車が大変なことに!」とか「人が車に挟まって」とかしか断片的にしか喋る事が本当に出来ないのだ。
そんな時、またもや一台の後続車が俺の体の真横を猛スピードで駆け抜けたかと思うと、左のガードレールにガガガガガッ・・ガアガガァァァ・・と火花を散らしながら激突した。
俺「あばばばばば・・・もうやめてぇぇぇぇーーー!!(涙&ゲロ)」
そう叫ぶと、先程切った筈の携帯に119番から折り返し電話が掛かって来てくれた。ながら
80 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:17:15.39 ID:4I46xVOX0
ここまで5台…
なんてこった
81 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:21:21.40 ID:zZtEBpyd0
119番
「大丈夫ですか?!運転手さん。あなたの現在地はもう特定しましたので ご安心ください!!」
GPSも無い時代に どういうシステムでこの現場が分かったのか、今でも謎である。
程なくして事故現場には パトカー、消防車、救急車、特殊車両が数台ずつ、合計10台以上の緊急車両が大集結した。
それは さながらテレビでやってる「交通機動隊24時!」の映像そのものの地獄絵図が目の前に広がっていた。
俺は「ああ、赤いランプがぴかぴか光って・・なんか綺麗だ・・」
などと、ぼんやり強制現実逃避を味わっていた。
これから2時間。N自動車道上り線は完全通行止めとなったのである。
83 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:25:11.97 ID:AkjEUrLh0
>>81
なんで特定出来たんだろう?
トラックの運ちゃんが通報したとしても>>1だとは分からないよね。
携帯の基地局から割り出したにしては早いような…。
85 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:27:31.57 ID:djuMmz/m0
>>83
従兄弟が高速で働いてるけど常に監視してるって言ってたからカメラに映ってたんじゃないかな
90 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:33:49.46 ID:AkjEUrLh0
>>85
なるほど。トンネルの出入り口付近ならカメラもあるか。
91 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:39:44.30 ID:zZtEBpyd0
>>85
が正解! すげー!
82 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:23:42.59 ID:Yo30E1+P0
これで帰ったら上司待ってるんだろ
胸熱すぎるw
88 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:30:21.43 ID:zZtEBpyd0
俺を含む事故関係者は救急車やパトカーに乗せられ最寄りの高速機動隊駐在所へ移送された。
取調室で各人、実況見分が行われた。
これには1時間を要した。
俺は交通刑務所行きを覚悟した。
ああ・・・、もう人生全て終わりだと。会社もクビ。
今後はその償いに全てを捧げなければならない・・・と。
しかし警察官のその後の発言は意外なものであった。
警察官
「えー・・・。今回の事故関係者の皆様、よく聞いてください。」
事故関係者達
「ざわ・・・ざわ・・・。」
87 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:29:29.49 ID:IYFXd4Tp0
気になったんだけど、最初のトラックにはぶつかったの?
ぶつかってないなら、後から後続車にぶつけられた運ちゃんは本当にかわいそうだね。
91 :名も無き被検体774号+:2012/03/02(金) 00:39:44.30 ID:zZtEBpyd0
>>87
良いポイントに気が付いたね。これは大きな誤算だったよ。
警察官
「簡易実況見分の結果ッ!全員、自損事故としますッ!
因みに、一番の加害者は・・・トラックに追突したハイエースさんです!
あ、ハイエースさんはさっき油圧カッターの特殊車両で無事に救出され病院に搬送されたようです。テヘペロ。」
どういうことだってばよ!?
つまり、最初にトラックに衝突していた、と思っていたのは俺の勘違いであり、衝突していなかったのだ。
また、俺の車に接触した車はゼロ。
5台にも及ぶ大事故で最大の加害者は「前方不注意」のあのハイエースの運転手だ、(法的には)というのである。
>>次のページへ続く
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