バレンタインデーが原因で女子に嫌われた話をする
(2ページ目) 最初から読む >>
\ シェアする /
32 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 22:08:38.99 ID:rJNFqAHX0
ある日の休み時間の事だった。
「俺の好きな子って、富田さんでしょ?」
中澤が聞いてきた。
33 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 22:24:59.46 ID:rJNFqAHX0
「だって、いつも富田さんを見てるよ。」
俺の隣の机の上に座っている中澤は、足を振りながらニヤニヤ笑いながら聞いてきた。
「そうだけど・・・悪い?」
「ううん、悪いなんて言ってないよ。豊川君って、ああいう感じの女の子が好きなんだなって思っただけ。」
「・・・そういう中澤は、好きな男子はいないの?」
「・・・うーん、いるよ。」
「誰?」
「言わない。」
そう言うと中澤は俺から離れて、別の男子に話しかけていた。
俺は中澤に富田さんを好きな事を認めてしまった事を後悔した。
俺は中澤が、俺が富田さんを好きな事を言いふらすんじゃないかと思って焦っていた。
でも、中澤はそんな事はしなかった。
34 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 22:38:37.38 ID:rJNFqAHX0
バレンタインデー。
チョコなんて母親からしか貰ったことがないが、女が好きな男にチョコを渡す日という事くらいは知っていた。
俺は、富田さんが俺にチョコをプレゼントしてくれるんじゃないかと思って、朝からドキドキしていた。
ある日の休み時間の事だった。
「俺の好きな子って、富田さんでしょ?」
中澤が聞いてきた。
33 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 22:24:59.46 ID:rJNFqAHX0
「だって、いつも富田さんを見てるよ。」
俺の隣の机の上に座っている中澤は、足を振りながらニヤニヤ笑いながら聞いてきた。
「そうだけど・・・悪い?」
「ううん、悪いなんて言ってないよ。豊川君って、ああいう感じの女の子が好きなんだなって思っただけ。」
「・・・そういう中澤は、好きな男子はいないの?」
「・・・うーん、いるよ。」
「誰?」
「言わない。」
そう言うと中澤は俺から離れて、別の男子に話しかけていた。
俺は中澤に富田さんを好きな事を認めてしまった事を後悔した。
俺は中澤が、俺が富田さんを好きな事を言いふらすんじゃないかと思って焦っていた。
でも、中澤はそんな事はしなかった。
34 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 22:38:37.38 ID:rJNFqAHX0
バレンタインデー。
チョコなんて母親からしか貰ったことがないが、女が好きな男にチョコを渡す日という事くらいは知っていた。
俺は、富田さんが俺にチョコをプレゼントしてくれるんじゃないかと思って、朝からドキドキしていた。
37 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 22:45:03.69 ID:rJNFqAHX0
「富田さん?・・・どうして俺を、こんな所に呼び出すの?・・・どうしたの?・・・顔が赤いよ?」
「・・・豊川君・・・これを受け取って下さい・・・」
「富田さん・・・何故、俺にチョコをくれるの?」
「今日がバレンタインデーだから・・・」
「富田さん・・・それって・・・」
「豊川君・・・・・私・・・私・・・・・豊川君の事が、ずっとずっと前から好きでした!豊川君の事ばかり見ていました!だから・・・だから・・・・・私と付き合って下さい!」
「・・俺も・・・富田さんの事が好きだったんだ!」
「えっ??・・・ と・・豊川君・・・本当?・・・本当に?・・・・嬉しい・・・グスッ・・グスッ・・・」
「バカだな・・・泣く奴があるか・・・富田さん・・・いや、靖子って呼んでいいか?ほら靖子・・・ハンカチ・・・」
授業中に富田さんの後ろ姿を見ながら、そんな妄想をしていた。
40 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:11:08.68 ID:rJNFqAHX0
「豊川君、放課後に自転車置き場で待っていてくれる?」
昼休みに、喋ったこともない同じクラスのブス女子に言われた。
「・・・何で?」
「いいから来てよ。」
「何でだよ?・・・俺、友達と一緒に帰るんだけど。」
「友達には適当に言って、帰ってもらってよ。それと、この事は誰にも言わないでよ。」
そう言うと、そのブスは去っていった。
富田さんを見ると、一瞬目が合ったように見えた。
(富田さん・・・やっぱり俺にチョコをくれるのか?)
俺はチョコを食べていないのに鼻血が出そうだった。
41 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:22:59.30 ID:rJNFqAHX0
放課後、言われるがままに自転車置き場で待っていた。
頭は富田さんの事でフル回転。
俺が脳内で、富田さんと付き合っている頃・・・
俺に「ここで待て」と言ったブスの姿が見えた。
そのブスの後ろにいたのが・・・
中澤だった。
42 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:27:27.51 ID:rJNFqAHX0
「義理チョコじゃないよ。」
そう言って、中澤は俺に紙袋を渡した。
中澤の、ほっぺたは赤かった。
俺は中澤からチョコを貰ったことと、富田さんからは貰えなかった現実に呆然とした。
44 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:34:32.50 ID:rJNFqAHX0
暫くボーッと中澤の赤い顔を見ていたが、富田さんの顔が頭から離れなかった。
やっぱり俺は富田さんが好きなんだ。
「知っていると思うけど、俺、富田さんが好きだから・・・」
「うん、知ってるよ。でも気持ちは伝えたかったんだ。」
そう言うと、中澤は小走りに去っていった。
俺を呼んだブスは、何度もこちらを振り向いた。
中澤は一度もこちらを振り向かなかった。
俺は一人で自転車に囲まれ、呆然としていた。
45 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:40:02.69 ID:rJNFqAHX0
いつもは友達と、くだらない話をしながら帰る家までの道を一人で帰った。
手には中澤から貰ったチョコの入った紙袋を持ちながら・・・
46 : 忍法帖【Lv=10,xxxPT】(1+0:8) :2014/02/08(土) 23:46:01.48 ID:X77WNDq/0
もらえたのかよ、リア充か
47 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:48:13.37 ID:rJNFqAHX0
一人で家に帰る途中で、何故か俺は、そのチョコが気になったんだ。
そして帰る途中にあったスーパーの横の路地に入って、その紙袋を広げて覗いてみた。
今でも覚えているんだけど、その紙袋の中には小さな白い箱があった。
箱を開けると、中にはイチゴの上に生チョコがかけられていて、その上には白いパウダーみたいな粉がかかっていた。
ひと目で手作りチョコだと分かった。
48 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:53:40.38 ID:rJNFqAHX0
で・・・ここからが、俺の最悪に・・・アホな所なんだけど・・・
なんか嫌だったんだよ。そのチョコが・・・
好きな女の子以外から、本命チョコを貰ったということが・・・
分かってくれるかな?
49 :1 ◆Mf1nWfjAb6 :2014/02/08(土) 23:59:32.33 ID:rJNFqAHX0
俺には好きな富田さんがいる。
それなのに異性として好きでもない中澤からチョコを貰ったということが・・・
浮気じゃないけど、そんな感じ・・・
分かってくれるかな?
もし、彼女がいるのに他の女から本命チョコを貰ったら、なんか後ろめたくない?
もし、彼氏が他の女から本命チョコを貰ったら、なんか嫌じゃない?
そんな感じ。
当時は中学一年生。
男女交際なんてしたこともない。
恋愛については少女漫画のような、綺麗な理想のイメージしかない。
そんなガキの俺にとって、そのチョコが不純で汚らわしい物に思えてしまったんだよ・・・
>>次のページへ続く
\ シェアする /
関連記事
easterEgg記事特集ページ
