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駆け落ちした後に別れた元カノからメールが来たんだが
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20 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 21:42:36.34 ID:BvDn+r7B0.net
有名な観光地に着いて、車を降りた直後に俺は

「ありがとう。運転お疲れ様。あ、あのさ、手繋ぎたい、なぁ。」

多分顔真っ赤だったと思う。元カノは さっと手を握ってきた。

その後の観光は ずっと手を握って、手汗ごめんねって言いながら離さなかった。


一日目の観光終わって、予約してたビジネスホテルに車を停めて、夕飯を食べにその辺のお店に。

オシャレなレストランでもなければ、雰囲気もない普通の居酒屋だった。

お酒が好きな俺だが、あえて飲まなかった。好きだと伝えるために。酒の力を借りて言うのはなんか卑怯な気がしたからだ。



他愛のない話をしながら、唐突に

「俺さ、あれから考えてたんだけど、好きだよ。俺も恋愛として好きだ。遠距離だから直ぐ付き合ってなんて言わないけど、好きなんだ。」

察しのいい元カノだが、この時ばかりは驚いたような顔をしてた。直後に笑顔になって

「ありがとう。嬉しい。私も好きだよ。」と言ってくれた。


その日泊まったビジネスホテルで初めてキスをした。



21 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 21:51:49.34 ID:BvDn+r7B0.net
二日目、三日目と観光して、一緒に寝泊まりしてたんだけど、最後まではいかなかった。というよりもいかなかった。遠距離になるのがわかってたから。


三日目の夜、俺は関東に戻らなきゃいけなかったので新幹線の駅に向かった。

その時に元カノの家の事情を初めて聞いた。

母と死別しているので父親と二人暮らしをしていること。兄は上京して東京にいること。そして父親がいるので実家から出られないこと。

男手一つで育ててくれた父親を一人にすることは出来ないから、地元に残るしかないってこと。

卒業したら関東に来ないかなぁ?って妄想は、ここで終わった。でも次の瞬間、俺は元カノに

「俺、仕事辞めてこっちに来るよ。すぐにとは言わないけど。落ち着かせて仕事片付けて転職するから。」

結局これは嘘にならずに、3年働いた職場を辞めて関西に引っ越すことにした。

その時、お互いに23才。付き合って半年になっていたけど、肉体関係はなかった。



29 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 22:09:49.48 ID:BvDn+r7B0.net
いざ関西に引っ越した俺。

元カノと付き合いだして、一緒に過ごしてたんだが、文化の違いからなかなか転職した仕事が上手くいかずに数ヵ月で辞めることになる。

職種を変えたのも悪かったのかな。と考えた俺は以前していた職種を探すもなかなかなくて、無職が二ヶ月ほど続いていた。

この二ヶ月の間に駆け落ちするきっかけとなることが起こる。

元カノ父は学歴主義者で、元カノの彼氏は絶対に同等程度以上じゃないと許さない人だったのだ。

最初に書いたように俺は高卒、元カノは大卒なので、話すまでもなく反対されることが決まっていた。

それでも俺は話し合えば なんとかなるんではないかと思ってたのだが、現実は甘くなかった。


元カノ父は娘に男の影があるとわかると、興信所に依頼していたらしく、俺の素性を調べていた。

無職だったこともあり、激怒していたらしいのだが、元カノには何も言ってなかった。

平日の日中、元カノと家で待ち合わせをしていたので合流すると、合流した直後に一台の車が横付けされた。

元カノ父が車から降りるやいなや

「君が俺くんか。単刀直入に言うが娘と別れてくれ。」と言い出した。

唖然とする俺、驚く元カノ。さらに元カノ父は続ける

「君は高卒で無職だ。うちの娘と釣り合いが取れない。それくらいわかるだろう?」

元カノの家柄が良いことは知っていたが、そんな俺でも初対面で そこまで言われる筋合いはないと思ったし、何より釣り合いが取れないってバカにしてるのかよと思って反論した。

が、何の意味もなかった。

とにかく引きはなそうとする元カノ父、泣きじゃくる元カノ、激怒する俺。アパートの住人が何事かと現れ、大事になる。

結局この日は元カノが父親に連れられて帰っていった。




30 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 22:20:33.66 ID:BvDn+r7B0.net
この事がきっかけで元カノ父の監視が元カノと俺に対して物凄く厳しくなる。

何とか希望の職種に就いた俺は仕事をしていたが、それでも元カノ父は反対していた。もちろん学歴が覆せないためだ。

お互いの仕事の合間、監視の目を掻い潜って会う日々が二年ほど続いていた。

二年経った頃には元カノ父も別れたのだと思っていたらしいのだが、これもある日 突然バレることになる。

バレたのは元カノの仕事を見に行った時のことだった。元カノ父の知り合いが俺の顔を知っていたらしく、それを元カノ父に報告されてバレた。

再度激昂する元カノ父、泣きながら元カノから電話がかかってきて、家だとバレているので少し離れたところで会うことにした。

元カノの電話には着信の嵐、留守電には怒濤のメッセージ。

元カノは泣いて泣いて取り乱しながら過呼吸になっているし、俺はその対処に追われて どうしようもなくなっていた。

そんな俺の電話に知らない番号からの着信、元カノ父からだった。



32 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 22:29:04.26 ID:BvDn+r7B0.net
「もしもし、元カノ父だが、俺くんだね?今元カノと一緒にいるね?帰さないなら警察に届け出ることになる。わかったか?」

俺はそれに対して

「あなたは父親なんですよね?元カノは今、取り乱して冷静ではないです。それを帰せと?運転もままならない状況になっているのに?事故ったらどうするんですか?」と返した。

すると元カノ父は続けざまに

「そうか。なら警察に届け出るまでだ。」と言って電話を切られた。スピーカー通話にしてたので元カノもこの会話を聞いていた。


この後、元カノと話し合いをして、この日は帰ることにした。

そして裏で駆け落ちをする計画を立てた。

俺は仕事をやめることに、アパートを解約する手続きを。

元カノは反抗しつつも普段通りに生活していた。


そして計画実行日。駆け落ちすることにした。



33 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 22:29:20.73 ID:C6+4pvsy0.net
病気どうなったんだよ


35 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 22:31:44.30 ID:BvDn+r7B0.net
>>33
今でも治療中だよ

最悪ではなかったけど、不摂生してたら死に至る可能性もあるというと大袈裟だが、まぁそんな感じ




36 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 22:38:20.51 ID:BvDn+r7B0.net
駆け落ち決行当日、元カノの仕事終わりを待って合流し、駆け落ち先へ向かった。

駆け落ち先は隣の県の地方都市。あらかじめ借りてあったアパートに着くと お互いに電話番号を変えて、仕事を探して、同棲し始めた。

この間は物凄く幸せだった。結婚資金を貯めてたので、それを切り崩しながら毎日笑って、一緒にご飯作って、知らない土地だったけど近所がいい人ばかりで、助け合いながら一年ほど生活していた。



38 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 22:46:30.43 ID:BvDn+r7B0.net
一年経った頃、俺の祖母が亡くなった。

その葬儀のために元カノを残して帰省したとき、5年ぶりに実母と会った。実母ながらも久しぶりに合った感動等もなく、他人のように接していた。

滞りなく葬儀が終わって埋葬し終わったあと、実母から話しかけられた。

「あんた、今どこに住んでるの?○○さんって人からいきなり電話がきて、あんたを誘拐犯だとかなんとかって言われたんだけど、どういうこと?」

元カノの名字だった。ということは元カノ父なんだろう。そう思った。

実母に詳しく聞くと、その男から週に一回ほど電話がかかってきているとのこと。時には冷静な口調で、またある時には発狂したような口調で留守電を吹き込まれているらしい。

これを聞いた俺は元カノ父に対しておかしな人だとか、非常識だとか思わずに、物凄く悪いことをしている気分になっていた。



40 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 22:57:24.93 ID:BvDn+r7B0.net
もやもやしたまんま住んでいた家に帰る。

実母とのやり取りは元カノには話さずにいた。話してしまったら元カノの性格上、ますます意固地になって反発しそうだったからだ。

そして自分の中では別れようと決意していた部分もあった。

5年ぶりに合った実母とのこともあったからかもしれないが、肉親と離れることって不幸そのものではないかと思ってしまったからだ。それを元カノに強制していいものかと。

俺が高卒だから こうなってしまったのではないかと。

元カノは贔屓目なしでも美人だし、性格も育ちも良かったので俺なんかより相応しい人がいるんではないかと。

自分勝手だがそう考えていた。それに年齢も結婚適齢期に差し掛かっていたので、ここをやり過ごしたら未婚のまま終わるのではないかと。

その時は本気でそう思っていた。

そう考えると、関係を終わらせるまでは数ヵ月だった。喧嘩した訳でもないし、敢えて嫌われようとした訳でもなく、自分の中では自然に別れに持っていったつもりだった。

今まで書いた実母とのやり取りや経緯を伏せたまま、俺たちは別れた。



43 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2015/08/14(金) 23:14:45.76 ID:BvDn+r7B0.net
別れたあとは元カノは実家に戻り、俺はまた別のところへ引っ越した。

連絡も別れた直後は少し取り合っていたものの、引っ越した先は教えなかった。

別れた日から一度も会っていないし、連絡自体も途絶えた。



別れてから4年の月日が経ったある日、SNSのアカウントに1通のメッセージがきていた。

あまり頻繁に更新するでもなく、ほぼ放置していたので何かと思って見てみたら、元カノからだった。

そこには

「久しぶり。どころじゃないか。でも久しぶり。俺くんだと思ってメッセージ送ってみました。だって、登録画像が俺くんの趣味だもん笑」

「別れてからどうしてますか?彼女とか出来たのかな?仕事頑張ってる?色々聞きたいことはあるけど。」

「私事ながら、この度 結婚することになりました。こんな報告、別に必要ないかもしれないけど、俺くんには言いたくて。あのね、別れた時のこと、何となくだけど わかってはいたんだ」

「俺くんのことだから、私のことを考えて別れたんだろうなってこと。案の定、父を問い詰めたら俺くんの家族に迷惑をかけていたことも知りました。」

「でも俺くんが決めたこと、私が決めたことを振り返るのは前向きに考えてくれた俺くんを裏切ることになるような感じがして、復縁しようとしなかったんだ」

「今、結婚する彼も俺くんに負けないくらい、いい人です。この出会いもきっと俺くんがくれたものだと思っています。」

「勝手ながらも俺くんにも幸せになっていたらいいな。突然ごめんね。そして、ありがとう。」


強がりとかでも何でもなく、別れて良かったなぁと思えた。




>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:純愛,
 


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