マレーシアで誘拐された結果
数年前の話だけど、書かせて
書きためてないのですまんが…
俺は社会人になる前に語学留学したいと在学中から思っていたので、最悪家業を継ぐつもりで一年どこか海外に行こうと思っていた。
それで色々調べた結果、マレーシアが予算とスケジュール的に合っていた。
本当は欧米のつもりでいたけど、予算の倍くらい必要だったのであきらめた。
それで仲介業者経由で支払いを済ませて、あっさりマレーシアに到着した。
住む場所は自分で決めてもいいし、学校が用意した場所を選択する事もできると言われた。
最初に学校が用意しているアパートを見てみたが、アメリカとかのスラム街みたいなボロさだったので自分で探す事にした。
学校が始まるまで一週間ほど時間があるので、時間的には余裕があった。
二日目ほどで最初に見たアパートより上等なカードキー付きのコンドミニアムを借りることができた
一年契約で一括で払えば7割引きでいいよとオーナーが言ってくれた。日本に留学経験があるらしくて、日本語が結構うまかった。
ボビーオロゴンみたいな喋り方。
生活用品も揃えて、学校も始まった。
ひとつのクラスは12人程で日本人は俺以外にいなかった。
ブラジル人と中国人がほとんどだった。
初日は自己紹介でほぼ終わったが、何故か俺への質問が多かった。
ナルトやワンピースの話が…。
でもなんとかやっていけそうな雰囲気を実感した。
学校の話はほとんど関係ないので飛ばすわ。
書きためて用意していたんだけど、操作ミスって上書きしちゃった。遅くてすまん…。
マレーシア生活もあと2か月で終了という頃、学校の先生から学校が終わった後の事で話があった。
曰く、「あと2か月でビザが切れるけど、観光ビザで入り直したらもう3か月は滞在できるよ」とのこと。
ビザが終了した後の事をどうしようか考えていた俺はそういう方法もあるんだなと、滞在延長して3か月放浪の旅に出ようかと考え始めた。
一年ほどクアラルンプールに滞在していたが、クアラルンプールの外にはほとんど出た事がなかった。
名前をよく聞くペナンだとか、ジョホールバルとか、どんな街なのか興味があった。
クラスで一番仲が良いブラジル人のイケメンは、友達達とタイの方にバックパッカーをしながら北上してタイまで旅行するつもりだと言っていた。
中国人のお姉さん(すごく美人)は、マレーシアで働けないか学校に相談中と言っていた。
俺は資金的には多少余裕があったし、ブラジル人達と一緒にタイ国境まで見送りに行くのもいいなと思っていたが、彼らは学校の卒業のセレモニーを待たずして出発してしまった。
(公的な物ではないが、卒業証書のような物は前日に貰っていた。)
あれこれ考えたがどこでどうするか決めないまま、とうとう学校も終わった。
学校のビザを観光ビザに切り替えるにはそのままだと罰金が発生するらしく、罰金を避けるには一度国外に出て、今度は普通に観光ビザで入れば罰金は発生しないらしかった。
ブラジル人達はそれを狙っていたのかと今更気づいた。
その時点でビザ失効まで3週間ほどだったと思う。
自分もタイまで行って、戻ってくる足で観光ビザに替えようと決意した。
クアラルンプールからペナンに行き、更にタイのソンクラーという街を目指して、そこからバンコクまで向かってクアラルンプールに飛行機で戻ってくるというプランを立てた。
ゆっくり一週間ほどかけてのんびりやるつもりでいた。
マスジット・ジャメという高速バスや鉄道なんかが集まる場所から、ペナンに向かうバスに乗って出発した。
高速バスはすごく乗り心地が悪くて、シートなのか他の客なのか分からないけど独特の匂いがして落ち着かなかった。
それでも2時間ほど揺られていた辺りで眠ってしまい、起きたら日の暮れかけたどこか田舎のバスターミナルだった。
しかしそこからバスが発車する様子がない。気づいたら車内にいるのは自分ひとり。
ペナンに直行のはずだったのだが、ペナンではない場所で止まっている。
流石に焦ったので、一旦下りて、周りの様子をみる事にした。
バスの運転席には運転手はいなくて、バスの周りにもいないみたいだった。
こういうのはマレーシア生活で散々見慣れていたので、時間ぎりぎりまで自分の休憩に使うつもりなんだと理解して、バスを降りたら、当の運転手が俺が乗っていた事に驚いた様子だった。
「このバスはここが終点だから明日まで動かない」「ペナン行は1時間待て」という事を教えてもらった。
直通だったはずなんだが、遠くに同じバスに乗っていた人を見かけたので、ちょっと安心してそのバスを待った。
そのペナンまで行くバスは2時間ほど待ったが来ない…。
モスクから夕方に聞こえてくる時報みたいな歌が聞こえてくる中、俺はひたすら待った。
同じバスに乗っていた仲間がいるからと安心していた。
が、その人は程なく迎えに来た家族らしき人と自家用車に乗って行ってしまった。
自分と同じペナン行のバスを待っていた人ではなかった…。
既に元々乗ってきたバスもいつの間にかいなくなっていて、閑散としたバスターミナルに取り残されている事に気付いた。