俺の嫁が寝とられた時の話をしようか
俺の嫁が寝とられた時の話をしようか…
たまたま最近は仕事で帰りが遅くなったり、会社に泊まりになることが多かったんだ。
糞みたいな上司が、俺に大量に仕事を押し付けてとっとと帰っちまうんだ。
しかし俺じゃないとできない仕事も多かったから、仕方ないと言えば仕方ない。
しぶしぶ残業の毎日だった。
これで残業代たまったら、有給とって嫁と旅行でも行こうかなとか思ってた
嫁は岐阜の出身なんだが、どうも「海」というのにあまり馴染みがないらしく、休みと言えば、水族館だ、海水浴だっていうんだ。
だから今度の休みには、日本海を見に行こうかって…
佐渡島行ってみようか…とか…話してた
とにかくまぁせっせと稼いださ
期限より早く終わらせれば そのぶんゆっくりと休日が迎えられると。
必死でやったんだ
それはもう必死で
おかげで、自分で思っていたよりも早く片付いた。
書類とかはできてたから、翌日に上司に渡して明後日から有給がとれるな、と。
そう思って急いで会社を出て、自宅まで向かった
いつもより…久しぶりに早い退社だった
自宅に近付いて来て、何か二人で飯を作ろうかと思って、スーパーから嫁のケータイに電話したんだ。
出ない
いつもなら鳴らし続けて出ないということはないんだが。
専業主婦だから特に用事という用事もないし、シャワーを浴びてるような時間でもない
不思議に思いながら、適当にビールかなんかを買っていたら電話がかかってきた
嫁「あれ?どうしたの?」
俺「いや、仕事早く終わったから今から帰る」
嫁「えっ!?今会社?」
俺「いや、家の前」
家の前のスーパーだったが、めんどくさいからこう言った
たしかに覚えてる
嫁「えっちょっとまって、スーパーよってきて欲しかったんだけど」
俺「ああ、いいけど。」
今、思えば、わざわざ俺に買い物に行かすような女じゃ無かった。
仕事帰りの俺には、特に、最近優しかった。
ともあれ、この日はハチ合わせることは無かったんだ。ニアミスで済んだ。
ちょっと仕事しながら書いてる
ごめんな
今月の請求書がまだ出来てないんだ
この夜は、二人でご飯作った。
シチュー美味しかった
癒された
何も知らなかったから、すごい癒されて、休みの予定とか話した。どこに行こうかって感じで
その夜は、久しぶりにセクロスしたかったんだが、生理だったらしい
まぁ、嘘だったわけだが。
「旅行先でしようね♪」
あの笑顔は可愛かった
翌日、上司に資料を渡して、有給の話をした。
ちょっと仕事が出てきて、どうしてもあと、二日仕事をしなければならなくなった。
ムッとしたが、仕方ない。
その後は絶対に休みをくれるという話になった。
嫁に予定が変更したことを話したら、仕方ないねぇって感じだったが、逆に言えば予定は決まったので、それを元に、新潟行きの予定とかを立てた。
マリンピア日本海を見に行こうとか、二つ亀の海水浴場って行きたいとかなんか。
行きたかったな
次の日、上司と昼を食べた。
今回の仕事が片付いたら たぶん昇給してやれるって。こっそり教えてくれた。
なんだこいつ。いいやつだなと、思った。
なんとなく打ち解けた感じがした。
自分で思ってるより、頼りにされてて、俺のことをなんとかしたいんだなっていう気持ちが伝わった。
忙しい思いさせてごめんなっていうのが、今思えば変な流れだった。
その日の夜に、上司に飲みにも誘われた。
なんだかちょっと強引だった。
昼に沢山話をしたから もう充分だったんだが、奢ってくれるというし、俺の給料は こいつの手の上だから しぶしぶながら付き合ってやった。
やたら俺の仕事を褒める上司。
俺に、もっと自信を持っていいぞとか、なんかそんなことを言っていた。
次第に酔っ払っていったのか、ポロリとこぼしやがった。
未だに、知るべきだったのか知らぬべきだったのかはわからない
「おまえの嫁さんなぁ、彼氏いるんだよ」