「バンドで売れたい」と思って10年間頑張ってきたけどもうダメだ
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64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:49:48.88 ID:PPg+erii0
翌日 起きると父親から話があると呼び出された。
怒られた、今までこんなに怒られたことはなかったというくらい怒られた。
父親は音楽が好きだから、許してくれると思っていた。甘かった。
僕は黙って聞いていたが、
「そんなにギターが学業の邪魔をするならギターなんて捨ててやる。持って来い」
の一言で僕は今までにないくらい怒った。
父親と初めて殴り合いの喧嘩をした。
が貧弱な僕は勝てなかった。
父親は僕のギターを折って捨てた。
僕は泣いた。一晩中泣いた。
ギターを捨てられたことより、僕がバンドと出会ってからの変化を父親が認めてくれなかったのが悲しかった。
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:54:13.48 ID:PPg+erii0
翌日僕は生まれて初めて学校をサボって家出した。
まっさきにRくんに電話した。Rくんは大学のために地元からこっちに出てきて彼女と暮らしていた。
結局のところ僕はただの高校生で誰かに頼らなくては生活できないということが悲しかった。
Rくんは理由も聞かずに泊めてくれた。
その優しさもまた痛かった。
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:58:41.80 ID:PPg+erii0
Rくんの彼女は時々僕を邪魔そうにみてくるので、そういう時は ちょっと散歩に行ってくるなんて言って3時間くらい公園で暇をつぶしたりした。
1週間後僕は家に帰った。
父親は そのうち戻ってくるだろうという態度だったのか驚かなかった。
母親はひたすらに今までどうしていたのとか、なんでこんなことしたのとか聞いてきた。
その日の晩、僕はバンドのために学校をやめること、高校卒業の歳までは家で貯金をして家をでることを伝えた。
母親は泣いていた。
父親は「勝手にしろ。ただ、いざとなったら親に頼ろうなんてことを考えてるならやめておけ」
と言ったが、何故かその時 僕は自信満々だった。
バンドをやっていれば、生活するお金なんていくらでも手に入る。そう思っていた。
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:02:21.66 ID:PPg+erii0
高校を辞めたことはバンドのふたりには言わなかった。
学校はいいの?とか聞かれても、まあ大丈夫だよとか誤魔化したりして。
9月のライブは そこそこに成功して無料配布CDも200枚用意したが、すべて配りきった。
配った時に女の子に「かっこよかったです!」っていわれるのは いい気分になった。
Uさんも「たくさん聞くね!」って言ってくれて何もかもうまく行っているような気分になった。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:08:22.98 ID:PPg+erii0
それから2年ほど経った夏。
Aくんは僕の1つ年上だったので高校を卒業し就職した。20歳。
Rくんの大学は そこそこに有名で就職活動したくねえ〜とかいいつつも就職活動しながらバンドを続けてくれた。
22歳。
僕は家を出てコンビニで夜勤のアルバイトをしながらバンドを続けていた。19歳。
バンドは そこそこに有名になっていた。
地元のライブハウスでは知らない人はいないくらいだった。
ただ自分のイメージしていたほど有名になっているわけでもなく、なんとなくやりきれない気持ちもあった。
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:13:39.73 ID:PPg+erii0
バンドのコンテストに出ようという話になった。
賞を取ればメジャーデビューにも繋がるという話で、かなりテンションが上がっていた。
結果 そのコンテストでは審査員特別賞を取った。
その年にアルバムのレコーディングに入った。
今まで何度かデモCDを作ったことはあったがプレスしたCDを作るというのは やったことがなかったので完成した時は感動で泣きそうになった。
結局CDは全国に流通し、500枚だかそのくらい売れていたと思う。
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:19:38.91 ID:PPg+erii0
ただ500枚CDを売ったところで生活は楽にはならなかった。
レコ発ツアーで全国を回っても、お金はかかるし、ギターを捨てられたあたりから機材集めに はまってしまって、ギターやらエフェクターやらを買ってお金はなくなる。
もっと楽々と生活できるようにならないとダメだと、焦っていた。
翌年、成人式で中学の同窓会があった。一応呼ばれてはいたけど、僕は行かなかった。
学校の奴らなんて嫌いだと思っていたし、僕を道端の石ころ程度にしか見ていなかったあいつらを見返してやるという気持ちも強くなった。
バンドはゆっくりと活動していくが、僕は焦りっぱなしだった。
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:20:48.07 ID:D5Hy5dsR0
バンドマンらしくなってきたな
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:22:10.69 ID:zdbiUcI10
ふむふむふむ
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:23:19.46 ID:PPg+erii0
メンバーふたりは仕事で活動出来る時間が限られていたけど、いつしか僕は その時間もフルに使って活動して行かないとダメだと思っていた。
そのことを提案すると、ふたりは少し驚いたような顔をしていた。
「ちょっと焦り過ぎじゃないか?」
「そんなことはないよ、むしろこれでも遅いくらいだと思う」
「俺達もバンドは好きだけど、でもそれだけにすべての時間を使えるわけじゃないんだよ」
僕はその時に気付いた。
ああ、ふたりはバンドを趣味レベルにしか見ていなかったんだ。プロになりたいだとか、真剣に考えていたのは僕だけだったんだ。
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:24:39.47 ID:J2XtuwYq0
このまま低空飛行のまま日の目を見ることは ついぞ叶わなかったのか…と考えると胸熱だな
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:28:03.17 ID:zdbiUcI10
でも本気でやれんのすげえよ
割とマジですげえよ尊敬するよ
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:28:07.65 ID:PPg+erii0
Uさんはライブハウスのアルバイトを辞めて就職してからも僕達のライブを見に来てくれていて、毎回良いと言ってくれたわけではなかったが そのたびに思ったことを真剣に僕に教えてくれていた。
正直Uさんのことが その時でも好きだった。
むしろUさんに見てもらいたいという気持ちでバンドを続けてきた僕はUさんにバンドのこういう面を見せるのを躊躇ってはいたが もう僕の話を聴いてくれるのは彼女だけだと思った。
Uさんにそのことをメールで伝えると、詳しい話をききたいから週末に飲みに行こうと言われた。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:30:53.45 ID:iHlOeE+8i
いいなーUさんいいなー
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:34:19.80 ID:PPg+erii0
ふたりで居酒屋に入り、僕はバンドに対する思いとか、他のメンバーに対する思いとか、恥ずかしいことまでべらべらしゃべっていたと思う。
Uさんは真剣に話を聞いてくれて、ひと通り話を聞いたあとに
「難しいけど、いろんなテンポとか思いとか そういうのを集めてバンドが出来上がるんだと思う。
1人の気持ちで周りがくっついて動くだけなんて、バンドとはいえないんじゃないかな」
といってくれた。
悲しいけど事実そういうことだったんだと思う。
結局、僕が夢見ていた栄光の道は現実には存在しないということがはっきりとわかった。
このバンドを続けていく以上は僕とふたりのペースは明らかにバラバラで、そのテンポをうまくみんなであわせていくしかないんだ。
バンドをやめて別のバンドを組むというのは僕には考えられなかった。
とにかく僕にはこのバンドしかなかった。
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:38:03.54 ID:PPg+erii0
その日僕はベロンベロンに酔いつぶれて終電を逃した。
Uさんの「家泊まってく?」という問にうつろな意識で首を縦に振ったが、冷静になって考えてみると
「一人暮らしの社会人女性の家に泊まりに行くっていうのは・・・・・つまりそういうことだよな・・・・・・」
と僕の童貞脳はビンビンに反応していた。
伊達にこの歳まで童貞を守ってこなかった。
むしろ、Uさんのために僕の童貞はある。とか考えていた。アホだ。
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:41:23.29 ID:PPg+erii0
家についたらいい匂いだし、Uさんの生活してるスペースってだけで相当に興奮して酔いも冷めた。
正直 今でもあの時の感覚とか匂いとか思い出してしまうくらい。
ベッドにふたりで腰掛けて軽くウィスキーとか飲みながらもう少し話をしていた。
僕は この人が好きなんだって再確認した。
今日、この人に思いを伝えようと思った。相変わらずせっかちだった。
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:41:39.10 ID:46CwE/3PO
こういうのって始める理由は簡単に見つかるけど辞める理由はなかなか見つからないんだよな
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:41:59.74 ID:Afvd0Cxj0
結構人気あったみたいだけど守ってきちゃったのか
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:43:28.74 ID:AxJLlCUBO
ありがちと言えばありがちだけど若い頃にそれだけ熱意持てるのはスゴい
ツラいかもしれないが良い人生送ってるな
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:44:32.34 ID:PPg+erii0
「真剣な話してもいいですか?」
「ん、なに?」
「す、好きです・・・・・・」
Uさんは驚いたような、困ったような、なんか色々考えてたような気もするけど最終的に
「私も好きだよ」
って言ってくれて、僕は彼女と付き合うようになった。
それから、僕は今まで以上にバンドを頑張ろうと思った。
焦ることではなく周りに歩調を合わせて。
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:45:21.00 ID:zdbiUcI10
えんだああああああああああああああああ
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:46:50.62 ID:uy2gQJ3Y0
付き合ってんじゃねえよハゲ
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:49:29.41 ID:PPg+erii0
それから2ヶ月ほど、僕はたまにUさんの家に行くようになっていた。
バンドのメンバーには付き合っていることを言わなかった。
なんとなく自分が腑抜けているように見えるのではないかと思ったからだ。
ある日の練習後Rくんから「今日これから軽く飲まない?」と提案された。
「いや、これからちょっと用事あってさ」
「なに?女の子?お前もついに?」
「あー、まあUさんのとこに用があって」
と言うとAくんに
「え、お前Uさんと付き合ってんの?」
と聞かれた。
僕は、「いや、まあ、そういうんじゃないよ・・・・・」
とお茶を濁してしまった。
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:53:31.41 ID:PPg+erii0
その2週間ほどあと、Aくんに呼び出されて僕とRくんとで集まった。
個室の居酒屋に入り、Aくんが話を始める。
「Uさんに告白した」
「・・・・・は?」
僕もRくんも結構驚いていたと思う。
「そしたら、Uさんはもう付き合ってる人がいるって言ってた」
Rくんはヘラヘラとしながら「え、だれ?」と聞く。僕は その時変な汗が止まらなかった。
翌日 起きると父親から話があると呼び出された。
怒られた、今までこんなに怒られたことはなかったというくらい怒られた。
父親は音楽が好きだから、許してくれると思っていた。甘かった。
僕は黙って聞いていたが、
「そんなにギターが学業の邪魔をするならギターなんて捨ててやる。持って来い」
の一言で僕は今までにないくらい怒った。
父親と初めて殴り合いの喧嘩をした。
が貧弱な僕は勝てなかった。
父親は僕のギターを折って捨てた。
僕は泣いた。一晩中泣いた。
ギターを捨てられたことより、僕がバンドと出会ってからの変化を父親が認めてくれなかったのが悲しかった。
65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:54:13.48 ID:PPg+erii0
翌日僕は生まれて初めて学校をサボって家出した。
まっさきにRくんに電話した。Rくんは大学のために地元からこっちに出てきて彼女と暮らしていた。
結局のところ僕はただの高校生で誰かに頼らなくては生活できないということが悲しかった。
Rくんは理由も聞かずに泊めてくれた。
その優しさもまた痛かった。
66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 06:58:41.80 ID:PPg+erii0
Rくんの彼女は時々僕を邪魔そうにみてくるので、そういう時は ちょっと散歩に行ってくるなんて言って3時間くらい公園で暇をつぶしたりした。
1週間後僕は家に帰った。
父親は そのうち戻ってくるだろうという態度だったのか驚かなかった。
母親はひたすらに今までどうしていたのとか、なんでこんなことしたのとか聞いてきた。
その日の晩、僕はバンドのために学校をやめること、高校卒業の歳までは家で貯金をして家をでることを伝えた。
母親は泣いていた。
父親は「勝手にしろ。ただ、いざとなったら親に頼ろうなんてことを考えてるならやめておけ」
と言ったが、何故かその時 僕は自信満々だった。
バンドをやっていれば、生活するお金なんていくらでも手に入る。そう思っていた。
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:02:21.66 ID:PPg+erii0
高校を辞めたことはバンドのふたりには言わなかった。
学校はいいの?とか聞かれても、まあ大丈夫だよとか誤魔化したりして。
9月のライブは そこそこに成功して無料配布CDも200枚用意したが、すべて配りきった。
配った時に女の子に「かっこよかったです!」っていわれるのは いい気分になった。
Uさんも「たくさん聞くね!」って言ってくれて何もかもうまく行っているような気分になった。
71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:08:22.98 ID:PPg+erii0
それから2年ほど経った夏。
Aくんは僕の1つ年上だったので高校を卒業し就職した。20歳。
Rくんの大学は そこそこに有名で就職活動したくねえ〜とかいいつつも就職活動しながらバンドを続けてくれた。
22歳。
僕は家を出てコンビニで夜勤のアルバイトをしながらバンドを続けていた。19歳。
バンドは そこそこに有名になっていた。
地元のライブハウスでは知らない人はいないくらいだった。
ただ自分のイメージしていたほど有名になっているわけでもなく、なんとなくやりきれない気持ちもあった。
72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:13:39.73 ID:PPg+erii0
バンドのコンテストに出ようという話になった。
賞を取ればメジャーデビューにも繋がるという話で、かなりテンションが上がっていた。
結果 そのコンテストでは審査員特別賞を取った。
その年にアルバムのレコーディングに入った。
今まで何度かデモCDを作ったことはあったがプレスしたCDを作るというのは やったことがなかったので完成した時は感動で泣きそうになった。
結局CDは全国に流通し、500枚だかそのくらい売れていたと思う。
73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:19:38.91 ID:PPg+erii0
ただ500枚CDを売ったところで生活は楽にはならなかった。
レコ発ツアーで全国を回っても、お金はかかるし、ギターを捨てられたあたりから機材集めに はまってしまって、ギターやらエフェクターやらを買ってお金はなくなる。
もっと楽々と生活できるようにならないとダメだと、焦っていた。
翌年、成人式で中学の同窓会があった。一応呼ばれてはいたけど、僕は行かなかった。
学校の奴らなんて嫌いだと思っていたし、僕を道端の石ころ程度にしか見ていなかったあいつらを見返してやるという気持ちも強くなった。
バンドはゆっくりと活動していくが、僕は焦りっぱなしだった。
74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:20:48.07 ID:D5Hy5dsR0
バンドマンらしくなってきたな
75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:22:10.69 ID:zdbiUcI10
ふむふむふむ
76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:23:19.46 ID:PPg+erii0
メンバーふたりは仕事で活動出来る時間が限られていたけど、いつしか僕は その時間もフルに使って活動して行かないとダメだと思っていた。
そのことを提案すると、ふたりは少し驚いたような顔をしていた。
「ちょっと焦り過ぎじゃないか?」
「そんなことはないよ、むしろこれでも遅いくらいだと思う」
「俺達もバンドは好きだけど、でもそれだけにすべての時間を使えるわけじゃないんだよ」
僕はその時に気付いた。
ああ、ふたりはバンドを趣味レベルにしか見ていなかったんだ。プロになりたいだとか、真剣に考えていたのは僕だけだったんだ。
77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:24:39.47 ID:J2XtuwYq0
このまま低空飛行のまま日の目を見ることは ついぞ叶わなかったのか…と考えると胸熱だな
79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:28:03.17 ID:zdbiUcI10
でも本気でやれんのすげえよ
割とマジですげえよ尊敬するよ
80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:28:07.65 ID:PPg+erii0
Uさんはライブハウスのアルバイトを辞めて就職してからも僕達のライブを見に来てくれていて、毎回良いと言ってくれたわけではなかったが そのたびに思ったことを真剣に僕に教えてくれていた。
正直Uさんのことが その時でも好きだった。
むしろUさんに見てもらいたいという気持ちでバンドを続けてきた僕はUさんにバンドのこういう面を見せるのを躊躇ってはいたが もう僕の話を聴いてくれるのは彼女だけだと思った。
Uさんにそのことをメールで伝えると、詳しい話をききたいから週末に飲みに行こうと言われた。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:30:53.45 ID:iHlOeE+8i
いいなーUさんいいなー
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:34:19.80 ID:PPg+erii0
ふたりで居酒屋に入り、僕はバンドに対する思いとか、他のメンバーに対する思いとか、恥ずかしいことまでべらべらしゃべっていたと思う。
Uさんは真剣に話を聞いてくれて、ひと通り話を聞いたあとに
「難しいけど、いろんなテンポとか思いとか そういうのを集めてバンドが出来上がるんだと思う。
1人の気持ちで周りがくっついて動くだけなんて、バンドとはいえないんじゃないかな」
といってくれた。
悲しいけど事実そういうことだったんだと思う。
結局、僕が夢見ていた栄光の道は現実には存在しないということがはっきりとわかった。
このバンドを続けていく以上は僕とふたりのペースは明らかにバラバラで、そのテンポをうまくみんなであわせていくしかないんだ。
バンドをやめて別のバンドを組むというのは僕には考えられなかった。
とにかく僕にはこのバンドしかなかった。
85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:38:03.54 ID:PPg+erii0
その日僕はベロンベロンに酔いつぶれて終電を逃した。
Uさんの「家泊まってく?」という問にうつろな意識で首を縦に振ったが、冷静になって考えてみると
「一人暮らしの社会人女性の家に泊まりに行くっていうのは・・・・・つまりそういうことだよな・・・・・・」
と僕の童貞脳はビンビンに反応していた。
伊達にこの歳まで童貞を守ってこなかった。
むしろ、Uさんのために僕の童貞はある。とか考えていた。アホだ。
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:41:23.29 ID:PPg+erii0
家についたらいい匂いだし、Uさんの生活してるスペースってだけで相当に興奮して酔いも冷めた。
正直 今でもあの時の感覚とか匂いとか思い出してしまうくらい。
ベッドにふたりで腰掛けて軽くウィスキーとか飲みながらもう少し話をしていた。
僕は この人が好きなんだって再確認した。
今日、この人に思いを伝えようと思った。相変わらずせっかちだった。
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:41:39.10 ID:46CwE/3PO
こういうのって始める理由は簡単に見つかるけど辞める理由はなかなか見つからないんだよな
88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:41:59.74 ID:Afvd0Cxj0
結構人気あったみたいだけど守ってきちゃったのか
90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:43:28.74 ID:AxJLlCUBO
ありがちと言えばありがちだけど若い頃にそれだけ熱意持てるのはスゴい
ツラいかもしれないが良い人生送ってるな
92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:44:32.34 ID:PPg+erii0
「真剣な話してもいいですか?」
「ん、なに?」
「す、好きです・・・・・・」
Uさんは驚いたような、困ったような、なんか色々考えてたような気もするけど最終的に
「私も好きだよ」
って言ってくれて、僕は彼女と付き合うようになった。
それから、僕は今まで以上にバンドを頑張ろうと思った。
焦ることではなく周りに歩調を合わせて。
93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:45:21.00 ID:zdbiUcI10
えんだああああああああああああああああ
95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:46:50.62 ID:uy2gQJ3Y0
付き合ってんじゃねえよハゲ
99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:49:29.41 ID:PPg+erii0
それから2ヶ月ほど、僕はたまにUさんの家に行くようになっていた。
バンドのメンバーには付き合っていることを言わなかった。
なんとなく自分が腑抜けているように見えるのではないかと思ったからだ。
ある日の練習後Rくんから「今日これから軽く飲まない?」と提案された。
「いや、これからちょっと用事あってさ」
「なに?女の子?お前もついに?」
「あー、まあUさんのとこに用があって」
と言うとAくんに
「え、お前Uさんと付き合ってんの?」
と聞かれた。
僕は、「いや、まあ、そういうんじゃないよ・・・・・」
とお茶を濁してしまった。
101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/11/18(日) 07:53:31.41 ID:PPg+erii0
その2週間ほどあと、Aくんに呼び出されて僕とRくんとで集まった。
個室の居酒屋に入り、Aくんが話を始める。
「Uさんに告白した」
「・・・・・は?」
僕もRくんも結構驚いていたと思う。
「そしたら、Uさんはもう付き合ってる人がいるって言ってた」
Rくんはヘラヘラとしながら「え、だれ?」と聞く。僕は その時変な汗が止まらなかった。
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