数年前、自殺しようとしてた俺が未だに生きてる話
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216 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 11:07:34.65 ID:e4i9ERjX.net
だめだろ、そんなの!
俺は思ったが、だからといって どうしたらいいのかわからなかった。
「レイ、俺、ここから出られない」
すがるようにパソコンに飛びつき、そう打ち込んだが、反応はない。
「レイ・・・・・・」
家の外に出て、他人の視線にさらされる。そう考えただけで、動悸はひどくなった。
〈見えもしない、聞こえもしない他人の心なんて どうでもいい〉
必死な思いでログをたどると、そんなレイの言葉が見つかったが、やっぱり俺は どうでもいいだなんて思えなかった。
結局、俺はいつものように毛布をかぶり、暗闇に逃げた。
この毛布をかぶるという行為も、部屋の中から さらに引きこもっているのだと考えると、どうしようもなく辛かった。
217 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 11:14:38.37 ID:e4i9ERjX.net
「出られない?」
次の夜、チャットに俺が大騒ぎした跡を見つけて、レイは言った。
「そうなんだよ」
俺は感情を込めて言った。
少々大げさに言っているという自覚は・・・・・・認めたくないけど、少しはあった。
でも、当然だろって気持ちも同時にあった。
だって、外に他人がいるって思うだけで、部屋から出られないんだぜ?
明らかに異常だ。それを認めてほしかった。
218 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 11:21:08.04 ID:e4i9ERjX.net
「動悸がして」「冷や汗が出て」「足なんか、もう震えちゃってさ」「全然止まらないんだよ」
ここぞとばかりに俺は力説した。
すると、レイは意外なことを言った。
「午前六時に出てこれる?」
「○○公園で待ってるわ」
「ブランコのところ」
「それじゃ」
「え、それって」
動揺した俺が何度もタイプミスしているうちに、その日のレイは消えてしまった。
219 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 11:27:07.93 ID:e4i9ERjX.net
〈午前六時、○○公園で〉
俺は何度もレイの言葉を読み返した。
これって、俺と会ってくれるってこと・・・・・・だよな?
降ってわいたような幸運に、俺は興奮した。
レイが俺と会ってくれる。
謎の美少女が、その姿を俺の前に見せてくれる!
221 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:13:35.84 ID:e4i9ERjX.net
レイに会える!
俺は それから小一時間ほど、考え得る限りのことで一通り浮かれまくった。
服はどうしよう。
髪が伸びっぱなしなのは、帽子でごまかせるか?
それなら、風呂は? やっぱ入っていくべきか?
会ったら、まずなんて言う?
おはよう?それじゃおかしいよな。片手をあげるくらいでいいか?
どうでもいいようなことばっかだったが、あのときの俺には大事なことだった。
222 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:17:53.31 ID:e4i9ERjX.net
このとき、もし、その約束の午前六時が すぐそこに迫っていたら、俺は浮かれたまま出かけられたかもしれない。
昨日感じた動悸や冷や汗も何のその、レイに会いに家を飛び出したかもしれない。
けど、浮かれ終わった俺が気づくと、時間はまだ午前三時ごろだった。
約束までには三時間もある。
この三時間で、俺はあることに気づいてしまった。
そう、レイの約束は本当かどうか、ということである。
223 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:25:47.00 ID:e4i9ERjX.net
まさか、俺を家から出すための嘘じゃないだろうな。
黒いTシャツに縞のシャツを羽織り、下はジーンズという、当時の俺が思ってたイケてる格好で鏡の前に立ち、俺はふと考えた。
そういう実体のない疑いは、考え出すと止まらないもんだ。
俺は どんどんその疑いの虜になった。
224 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:29:37.50 ID:e4i9ERjX.net
第一、だ。
○○公園で待ち合わせ、レイはそう言ったけど、そもそもそれはおかしくないか?
Aの家を探すときに、俺の住んでる場所に見当をつけたとしても、どうしてレイがそこまで来れる?
だって、レイはインターネットの向こうの人間だ。
それが、たまたま俺の家の近くに住んでた、なんて偶然、ありえるか??
225 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:34:44.92 ID:e4i9ERjX.net
いまからここまでの電車やバスが出てるなんてあり得ないし、可能性としては車で来るっていうのはあるが・・・・・・
レイが車を運転できるような年だなんて、あまり考えたくはない。
いや、十八とか、二十歳とか、それくらいだったらアリか?
俺の思考はほんの少しそれた。
レイの顔が、綾波レイじゃなく、一瞬ミサトさんに変わった。
226 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:37:53.17 ID:e4i9ERjX.net
まあ、ミサトさんでも、全然いけr・・・・・・
いやいやいやいや。俺は自分でツッコんだ。
そういう問題じゃない。問題は、レイが本当に待ち合わせ場所に現れるのか、だ。
俺をだますわけじゃなく、本当に来てくれるのか。
227 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:40:18.13 ID:e4i9ERjX.net
俺が決断できないまま、時間は刻々と過ぎていった。
午前四時。
午前五時。
午前五時半。
俺の家から○○公園までは、徒歩で十五分。ダッシュで十分。
午前五時四十五分。
ああ、もう出ないと間に合わない。
228 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:50:12.31 ID:e4i9ERjX.net
よし、行こう!
俺は土壇場でそう決めると、ドアノブを握った。
親が起きるのは、いつも六時過ぎだ。
けれど、俺は音がしないように、細心の注意を払ってノブを回した。
そのときだった。
カタン、郵便受けが音を立てた。
そうだ、昨日もこの時間に新聞配達が来たんだ!
見られるわけでもないというのに、俺は反射的に床に座り込んだ。
ややあって、バイクの音は遠ざかっていく。
けど、俺はしばらく そこから動けなかった。
時計の長針の立てた、やけに大きな音に顔を上げると、それはちょうど五時五十分を指したところだった。
229 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:55:17.41 ID:e4i9ERjX.net
まだ、走れば間に合う時間だ。
ばくばくいう心臓を抱えて、俺は必死で立ち上がろうとした。
けど、一旦縮こまってしまった体は言うことを聞かず、時計はその間も進み続けた。
五時五十一分、五時五十二分、五時五十三分、、、、、、
行かなきゃ。
俺は震える足で立ち上がった。
まだ間に合う。
レイはきっと待っててくれてる。
230 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:58:33.98 ID:e4i9ERjX.net
ドアが大きな音を立てるのも構わず、俺は部屋の外に飛び出した。
慌てたもんだから、久々の靴下を履いた足が廊下を滑って、危うく階段からも落っこちそうになった。
後ろを振り返らずに、玄関に走った。
そして、思わず舌打ちをした。
やべえ、俺の靴がねえ。
231 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 15:07:26.50 ID:e4i9ERjX.net
長い間、出てなかったんだから、それは当然と言えば当然かもしれなかった。
使わない人間の靴なんて、出しておいてもしょうがないんだから。
「あーもう・・・・・・」
俺は小さくつぶやきながら、手当たり次第に靴箱を開けた。
でも、慌ててるせいか、どっか奥にしまわれちまったのか、全然見当たらない。
「くそっ」
俺は口汚くつぶやくと、便所サンダルを突っかけて外に出た。
小学校の頃買ってもらったマリナーズの帽子を目深にかぶって、鞄も何も持つことなく。
初対面の女子に会う、というよりは、完全に不審者の格好だった。
234 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 03:15:20.86 ID:s7iJPSG6.net
玄関ドアを開けると、当たり前だが、そこは外だった。
家の中の空気とは違う、なんか冷たいっていうか、さらっとしてるっていうか、そう、新鮮な、っていうのが近いかな?
そんな空気が俺を包んだ。あたりはまだ暗かった。
近所の家の窓からは明かりが漏れていたが、道を歩く人は誰もいなかった。
午前六時に家を出るなんて、たぶんラジオ体操のとき以来だ。
俺は一瞬ぼうっと立ち尽くし、それから慌てて下を向いて歩き出した。
犬を連れたじいさんが角を曲がって こっちに来るのが見えたからだ。
235 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 03:25:04.85 ID:s7iJPSG6.net
まあ、それで歩き出したはいいが、じいさん&犬に驚いた俺が向かったのは、公園とは逆方向だった。
やばい。。。。。。
後ろを振り向けないまま、俺は後悔した。
ただでさえ時間に遅れそうだってのに、走らなきゃ間に合わないってのに!
どうして俺はとっさに歩き出しちまったんだろう。
じいさんを避けたいなら、もう一回、玄関の中に引っ込めばよかっただけなのに。
そしたら、いまごろ安全な場所に、ベッドに潜り込んでいられたのに。
とっさの二択で、俺は引き負けたんだ・・・・・・
236 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 03:31:22.93 ID:s7iJPSG6.net
俺はぺったんぺったん音を立てる便所サンダルを見下ろした。
この格好で走ったら、まじやばいやつだよな。ってか、不審者だって通報されたらどうしよう。
いや、とはいっても、チビの俺ならそこまで思われないか?
でも、家出だって思われても・・・・・・
頭の中を渦巻く思いに吐き気がしてきたときだった。
コツコツコツコツコツ・・・・・・
後ろからハイヒールが俺を追い越した。
うわあ、やべえ!
何がやばいかっていうと、その瞬間 弾けたように走り出した俺が一番やばいんだが、ギョッとしたように振り向いたハイヒールOL?を振り切るように、俺は公園に向かって全速力で走り出した。
だめだろ、そんなの!
俺は思ったが、だからといって どうしたらいいのかわからなかった。
「レイ、俺、ここから出られない」
すがるようにパソコンに飛びつき、そう打ち込んだが、反応はない。
「レイ・・・・・・」
家の外に出て、他人の視線にさらされる。そう考えただけで、動悸はひどくなった。
〈見えもしない、聞こえもしない他人の心なんて どうでもいい〉
必死な思いでログをたどると、そんなレイの言葉が見つかったが、やっぱり俺は どうでもいいだなんて思えなかった。
結局、俺はいつものように毛布をかぶり、暗闇に逃げた。
この毛布をかぶるという行為も、部屋の中から さらに引きこもっているのだと考えると、どうしようもなく辛かった。
217 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 11:14:38.37 ID:e4i9ERjX.net
「出られない?」
次の夜、チャットに俺が大騒ぎした跡を見つけて、レイは言った。
「そうなんだよ」
俺は感情を込めて言った。
少々大げさに言っているという自覚は・・・・・・認めたくないけど、少しはあった。
でも、当然だろって気持ちも同時にあった。
だって、外に他人がいるって思うだけで、部屋から出られないんだぜ?
明らかに異常だ。それを認めてほしかった。
218 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 11:21:08.04 ID:e4i9ERjX.net
「動悸がして」「冷や汗が出て」「足なんか、もう震えちゃってさ」「全然止まらないんだよ」
ここぞとばかりに俺は力説した。
すると、レイは意外なことを言った。
「午前六時に出てこれる?」
「○○公園で待ってるわ」
「ブランコのところ」
「それじゃ」
「え、それって」
動揺した俺が何度もタイプミスしているうちに、その日のレイは消えてしまった。
219 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 11:27:07.93 ID:e4i9ERjX.net
〈午前六時、○○公園で〉
俺は何度もレイの言葉を読み返した。
これって、俺と会ってくれるってこと・・・・・・だよな?
降ってわいたような幸運に、俺は興奮した。
レイが俺と会ってくれる。
謎の美少女が、その姿を俺の前に見せてくれる!
221 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:13:35.84 ID:e4i9ERjX.net
レイに会える!
俺は それから小一時間ほど、考え得る限りのことで一通り浮かれまくった。
服はどうしよう。
髪が伸びっぱなしなのは、帽子でごまかせるか?
それなら、風呂は? やっぱ入っていくべきか?
会ったら、まずなんて言う?
おはよう?それじゃおかしいよな。片手をあげるくらいでいいか?
どうでもいいようなことばっかだったが、あのときの俺には大事なことだった。
222 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:17:53.31 ID:e4i9ERjX.net
このとき、もし、その約束の午前六時が すぐそこに迫っていたら、俺は浮かれたまま出かけられたかもしれない。
昨日感じた動悸や冷や汗も何のその、レイに会いに家を飛び出したかもしれない。
けど、浮かれ終わった俺が気づくと、時間はまだ午前三時ごろだった。
約束までには三時間もある。
この三時間で、俺はあることに気づいてしまった。
そう、レイの約束は本当かどうか、ということである。
223 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:25:47.00 ID:e4i9ERjX.net
まさか、俺を家から出すための嘘じゃないだろうな。
黒いTシャツに縞のシャツを羽織り、下はジーンズという、当時の俺が思ってたイケてる格好で鏡の前に立ち、俺はふと考えた。
そういう実体のない疑いは、考え出すと止まらないもんだ。
俺は どんどんその疑いの虜になった。
224 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:29:37.50 ID:e4i9ERjX.net
第一、だ。
○○公園で待ち合わせ、レイはそう言ったけど、そもそもそれはおかしくないか?
Aの家を探すときに、俺の住んでる場所に見当をつけたとしても、どうしてレイがそこまで来れる?
だって、レイはインターネットの向こうの人間だ。
それが、たまたま俺の家の近くに住んでた、なんて偶然、ありえるか??
225 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:34:44.92 ID:e4i9ERjX.net
いまからここまでの電車やバスが出てるなんてあり得ないし、可能性としては車で来るっていうのはあるが・・・・・・
レイが車を運転できるような年だなんて、あまり考えたくはない。
いや、十八とか、二十歳とか、それくらいだったらアリか?
俺の思考はほんの少しそれた。
レイの顔が、綾波レイじゃなく、一瞬ミサトさんに変わった。
226 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:37:53.17 ID:e4i9ERjX.net
まあ、ミサトさんでも、全然いけr・・・・・・
いやいやいやいや。俺は自分でツッコんだ。
そういう問題じゃない。問題は、レイが本当に待ち合わせ場所に現れるのか、だ。
俺をだますわけじゃなく、本当に来てくれるのか。
227 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:40:18.13 ID:e4i9ERjX.net
俺が決断できないまま、時間は刻々と過ぎていった。
午前四時。
午前五時。
午前五時半。
俺の家から○○公園までは、徒歩で十五分。ダッシュで十分。
午前五時四十五分。
ああ、もう出ないと間に合わない。
228 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:50:12.31 ID:e4i9ERjX.net
よし、行こう!
俺は土壇場でそう決めると、ドアノブを握った。
親が起きるのは、いつも六時過ぎだ。
けれど、俺は音がしないように、細心の注意を払ってノブを回した。
そのときだった。
カタン、郵便受けが音を立てた。
そうだ、昨日もこの時間に新聞配達が来たんだ!
見られるわけでもないというのに、俺は反射的に床に座り込んだ。
ややあって、バイクの音は遠ざかっていく。
けど、俺はしばらく そこから動けなかった。
時計の長針の立てた、やけに大きな音に顔を上げると、それはちょうど五時五十分を指したところだった。
229 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:55:17.41 ID:e4i9ERjX.net
まだ、走れば間に合う時間だ。
ばくばくいう心臓を抱えて、俺は必死で立ち上がろうとした。
けど、一旦縮こまってしまった体は言うことを聞かず、時計はその間も進み続けた。
五時五十一分、五時五十二分、五時五十三分、、、、、、
行かなきゃ。
俺は震える足で立ち上がった。
まだ間に合う。
レイはきっと待っててくれてる。
230 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:58:33.98 ID:e4i9ERjX.net
ドアが大きな音を立てるのも構わず、俺は部屋の外に飛び出した。
慌てたもんだから、久々の靴下を履いた足が廊下を滑って、危うく階段からも落っこちそうになった。
後ろを振り返らずに、玄関に走った。
そして、思わず舌打ちをした。
やべえ、俺の靴がねえ。
231 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 15:07:26.50 ID:e4i9ERjX.net
長い間、出てなかったんだから、それは当然と言えば当然かもしれなかった。
使わない人間の靴なんて、出しておいてもしょうがないんだから。
「あーもう・・・・・・」
俺は小さくつぶやきながら、手当たり次第に靴箱を開けた。
でも、慌ててるせいか、どっか奥にしまわれちまったのか、全然見当たらない。
「くそっ」
俺は口汚くつぶやくと、便所サンダルを突っかけて外に出た。
小学校の頃買ってもらったマリナーズの帽子を目深にかぶって、鞄も何も持つことなく。
初対面の女子に会う、というよりは、完全に不審者の格好だった。
234 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 03:15:20.86 ID:s7iJPSG6.net
玄関ドアを開けると、当たり前だが、そこは外だった。
家の中の空気とは違う、なんか冷たいっていうか、さらっとしてるっていうか、そう、新鮮な、っていうのが近いかな?
そんな空気が俺を包んだ。あたりはまだ暗かった。
近所の家の窓からは明かりが漏れていたが、道を歩く人は誰もいなかった。
午前六時に家を出るなんて、たぶんラジオ体操のとき以来だ。
俺は一瞬ぼうっと立ち尽くし、それから慌てて下を向いて歩き出した。
犬を連れたじいさんが角を曲がって こっちに来るのが見えたからだ。
235 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 03:25:04.85 ID:s7iJPSG6.net
まあ、それで歩き出したはいいが、じいさん&犬に驚いた俺が向かったのは、公園とは逆方向だった。
やばい。。。。。。
後ろを振り向けないまま、俺は後悔した。
ただでさえ時間に遅れそうだってのに、走らなきゃ間に合わないってのに!
どうして俺はとっさに歩き出しちまったんだろう。
じいさんを避けたいなら、もう一回、玄関の中に引っ込めばよかっただけなのに。
そしたら、いまごろ安全な場所に、ベッドに潜り込んでいられたのに。
とっさの二択で、俺は引き負けたんだ・・・・・・
236 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 03:31:22.93 ID:s7iJPSG6.net
俺はぺったんぺったん音を立てる便所サンダルを見下ろした。
この格好で走ったら、まじやばいやつだよな。ってか、不審者だって通報されたらどうしよう。
いや、とはいっても、チビの俺ならそこまで思われないか?
でも、家出だって思われても・・・・・・
頭の中を渦巻く思いに吐き気がしてきたときだった。
コツコツコツコツコツ・・・・・・
後ろからハイヒールが俺を追い越した。
うわあ、やべえ!
何がやばいかっていうと、その瞬間 弾けたように走り出した俺が一番やばいんだが、ギョッとしたように振り向いたハイヒールOL?を振り切るように、俺は公園に向かって全速力で走り出した。
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