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田舎という環境での不倫連鎖
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二人はうな垂れて帰って行きます。

「さあ。俺達はどうする?

どうすると言ってもこれだけの事をしておいて、謝罪もしない奴とは一緒に暮らす気などないが」


すると妻は、床に正座して頭を下げます。


「待って。私が悪かったです。どのような償いでもしますから、出て行くなんて言わないで」


流石の妻も、夫婦間で どちらが優位な立場に立てるかなど、どうでもよく思えてきたのでしょう。

とにかく今は世間に白い目で見られる事だけは避けたくて、私が村の連中にふれ歩いて出て行く事だけは阻止したいのだと思います。


その夜、妻は子供達を両親に預け、私の前に立つとパジャマを脱いでいきます。

すると妻は見た事も無い濃いピンクの下着を着けていましたが、それは下着と言うには余りにも小さく、掌の半分ほどの三角の生地が三枚あるだけに見えました。

こうやって改めて見ると、妻は昔と体形もそれ程変わっておらず、相変わらず整った顔をしたいい女です。

これが浮気した妻でなければ、私は飛び掛かっていたでしょう。

しかし、妻の裏切りを考えれば その気は起きず、私は詩織と香澄の事を思い出していました。

彼女達も それぞれタイプは違っていても、いい女には違いありません。

美人の妻、色っぽく男好きのする顔をした詩織、童顔で可愛い香澄。

三人が並んで歩けば、このような田舎でなくても人目を惹くと思います。

いつしか私は妻の両側に、詩織と香澄が同じ様な下着を着けて立っている姿を想像していました。

そして頭に浮かんだのは、兄の言ったもう一つの言葉。

目には目を。

6年も夫婦をやっているのに、健二や幸三に ちやほやされて勘違いしたのか、妻は色仕掛けで私を説得する気のようです。

「そんな格好をしてどうした!」

「抱いて欲しいの」

「それなら健二か幸三に頼めばいいだろ。おまえのような汚れた女が抱けるか!」

断られて急に恥ずかしくなったのか、妻は両腕で身体を隠して俯いてしまいます。

「おまえを抱く気などないから、したいのなら自分で慰めろ」

身体を使ってサービスすれば、このような重大な問題からも逃れられると思っていた妻は、思惑が狂ってしまってうろたえます。

「こんな厭らしい女とは暮らせない。今週中には出て行く」

そう言いながらも私は興奮していました。

それは妻に対してではなくて、詩織と香澄が上は辛うじて乳輪を隠せる程度の、下は陰毛を隠しきれないほど小さな下着を着けて、二人並んで私を誘っている姿を想像していたからです。



「出て行くなんて言わないで・・・・・・・・・少し待って・・・・・」



翌朝、妻は詩織に電話してから出掛けて行き、二時間ほどして戻って来ました。

「昨夜、俺にしてもらえなかったから、健二に抱いてもらってきたのか?」

「違います。どうすればあなたに許してもらえるか、詩織の家に集まって」

「馬鹿じゃないのか。どうすれば許してもらえるかなんて、何があっても許すはずがないだろ。

例え慰謝料を貰っても、許したなんて勘違いするなよ。

それと俺は真希にも当然慰謝料を請求する。

例え離婚する事になってもならなくても」


俯いて話していた妻は、険しい顔で私の顔を見ました。


「皆はまだ健二の家にいるのか?」


詩織の家の離れに行くと、4人は一斉に私の顔を見ます。

「どうなりました?裁判でいいですか?」


すると健二が顔を上げます。

「裁判だけは許して欲しい」

「私も妻と関係を持つのだけは許して欲しかったです。では一千万で示談ですね」

「いや・・・・・一千万なんてとても払えない」

「じゃあどうしたいと?」

「百万なら何とかするから、どうかそれで」

「これは一度裁判でもして、村の人達にも私がどのような酷い目に合ったのか、聞いてもらった方が良さそうですね」

「やめて!」

香澄はそう叫ぶと泣き出し、それを見た幸三が私を見ました。

「マス夫君。私も君と同じ立場だった。でも子供達の事や色々考えて我慢した」

「我慢した?どこが我慢したのですか?妻を抱いておいて、よくそのような事が」

「その事は本当にすまなかったと思っている」

「俺は我慢などしません。徹底的にやってやる。第一我慢しろなんて、加害者が被害者に言う言葉か!」

「そのようなつもりでは・・・・・それにただ我慢して欲しいとは・・・・・・」

幸三が詩織と香澄の顔を交互に見た事で、今までの事を知っている私は何を言いたいのか分かりました。

おそらくみんなで集まって、詩織と香澄を私に抱かせる事で、今回の事を治めようと相談したのでしょう。

いくら浮気した妻でも、普通なら二度と他の男に抱かれるなど耐えられない事です。


しかし彼らは麻痺している。

麻痺していると言うよりも、自分の妻を抱かせる代わりに他の女を抱ける事が、楽しみになっているのでしょう。



以前、集金に行った時、あるお爺さんから聞いた事があります。

昔はこのような山間の村では、何も娯楽が無かった。

それでどの家も子沢山でした。

人々が集まっても これと言った話題も無く、話はすぐにそちらの話題になってしまう。

「あそこの嫁さんはいい尻をしている」

「隣の嫁は、締りが良さそうだ」

それは男だけではなく、女だけで集まれば よその旦那の品定めをする。

「あそこの旦那は、凄く立派な物を持っているらしいわよ」

それは行動にも現れ、よその奥さんのお尻を触るなどは日常茶飯事。

そして触られた奥さんも、嫌がるどころか触った男の股間を触り返す人もいた。


中には仲の良い二組の夫婦で一緒にお風呂に入ったり、最後まではいかなくても夫婦交換紛いの事までして、お互いの興奮を高めていた者までいたそうです。

それは このような閉鎖的な村の習わしのようなものだと思って聞いていましたが、今の状態を考えれば習わしなどではなくて、その時々で自然発生的にそうなったのかも知れません。

健二と幸三はこの土地の者では無く、そのような昔の事は知らないはずなのですが、自分の妻を抱かれる悔しさよりも、よその奥さんを抱ける喜びの方が大きくなっているのでしょう。


国道が通り、車で街まで すぐに行けるようになったと言っても、その街も この村よりは家が多いと言うだけで、たいした娯楽がある訳ではありません。

仕事に追われるだけの楽しみの少ない田舎暮らしで、妻以外の女を抱ける楽しみを覚えてしまった。



そう言う私も、ずっと詩織と香澄の身体ばかり見ています。

ただ彼らと違うのは、私は妻を二度と他の男に抱かせる気はありません。

彼らと仲良く、妻を交換し合う気など無いのです。

あくまでも私が考えているのは一人勝ちで、それ以外に今の屈辱感を癒す方法など無いのです。


目には目を。

私は考えていた条件を話そうと思いましたが、やろうとしている事が お金と引き換えに性的な事をさせるという、売春紛いの事なので、下手をすると刑法に触れます。

また長期間行動を制限するので、受け取りようによっては人身売買にも近く、言い方を間違えれば私の弱味になり兼ねません。



最初から一千万など払ってもらえるとは思っておらず、妻と離婚せずに この村に残ろうと決めたので、出来れば裁判をして大事にする事も避けたかったので、初めからこの条件を飲ませる気でいたのですが、それで言い出せずに躊躇していたのです。

「ただ我慢させないとは どういう意味です?ここまで来たら、はっきりと言って下さい」

幸三は私が食い付いて来たと思ったのでしょう。急に声に張りが出ました。

「はっきり言おう。私達が真希さんにしたのと同じ事を、香澄や詩織さんにしてもらって構わない。6人で同じ秘密を共有しようじゃないか」

やはり5人で この事を話し合っていたようで、健二も大きく頷きます。

既に自分の妻が他の男に抱かれる事に対する抵抗は薄れ、他所の奥さんを抱く事の喜びの方が大きくなっている彼らにとって、これだと今迄通り楽しめ、

お互いに秘密を共有する事で他の者に秘密が漏れるのも避ける事が出来、

これほど都合の良い解決方法はありません。


しかし私にとって、これでは何の慰みにもならないのです。

結果的に、今では それを楽しめるようになったのかも知れませんが、彼らのように泣き寝入りのような真似はしたくない。

「断わります。一千万分、私に仕えてくれるのなら別ですが」

「どう言う意味です?」

「現金の代わりに私の為に働いてくれるなら、その条件を飲んでも良いと言っているのです」

「ある程度の条件は呑むから、私が言ったのと どう違うのか教えて欲しい」

「詩織さんと香澄さんに、一千万円分働いてもらう。

妻に対しても一千万円分償わせる。

ようは妻を含めた三人を、私が雇って身の回りの世話をさせると言う事です」


それは言葉が違うだけで、朝から彼らが話し合って決めた事と似たようなものだと思ったのでしょう。

その証拠に このような条件を出されたにも拘らず、5人ともが安堵の表情を浮かべました。


「一日一万円で雇ってあげます。ですから一千日間。

つまり三年弱の間、詩織さんと香澄さんに私の身の回りの世話をしてもらう。

それは24時間私に雇われている事になるのですが、昼間は普通に家の事をさせてあげます。

今迄通り子供達の世話もすればいい。

ただし夜は私のところに来て下さい。

言い換えれば昼間は自由な時間のある、住み込みの家政婦のようなものです。

但し時々は昼間世話をしてもらう事もあるでしょうし、雇い主である私に逆らう事は一切認めない。

三年弱の間 24時間私に雇われている事を忘れてもらっては困る。

私は勝手な男ですから、無理難題を言う事もあるでしょうが、逆らった時点でこの契約は無かった事にします。

それで良ければ誓約書を」


堅苦しい事を言っているだけで、やはり自分達が考えていた事と似たようなものだと思った5人は、詩織が持って来た紙に私が言う通り書き始めました。


「本日より二年九ヶ月の間・・・・」


「別に期限を切らなくても、マス夫君の気が済むまで何年でもいいぞ」


「いいえ。このような事は、はっきりさせておかないと」

私の言っている意味を勘違いしている健二は、期限を切られる事が逆に納得出来ないようでした。

健二は一生このような関係を続けたいのでしょう。

しかし、私の次の言葉で、全員の書く手が止まってしまいます。

「その間 私以外の如何なる男とも、関係を持たない事を約束します。

例えそれが夫であろうとも例外ではありません。

お二人は、その間、真希と詩織と香澄の三人とは、如何なる理由が有っても身体の関係を持ちませんと書いて下さい」


「マス夫君、これでは・・・・・・・」

私に詩織と香澄を抱かせ、自分は今迄通り妻と香澄を抱くつもりだった健二は、私の言葉に不満を露にします。

健二が「これでは」の後に言いたかった言葉は「俺達はどうなる」だったのでしょう。


「それは当然でしょう。

私は妻と詩織さんと香澄さんを、各自一千万で雇うのだから。

仕事の内容は私の身の回りの世話だけをしてもらうのだから、違った表現をすれば、期間中三人は私の妻になるようなものです。

本当なら昼間も一切帰さないで、働いてもらおうと思っていたのですが、家の事をさせてやろうと言うのは私の好意だ」


「それにしても、そのような条件は・・・・・」


「それなら健二さんが一千万円分働きますか?

毎日ガスボンベを担いでもらっても、慣れていないし、歳が歳だから一日一万円は払えない。

良くて八千円、仕事振りによっては七千円。

これだと三年半から四年近くかかりますが、それで良ければ そうして下さい。

その間、農作業など出来ないから、当然収入はゼロになる。

詩織さんなら夜来て朝までいれば一万円になる。

朝までと言ってもあなた方は噂が怖いでしょうから、誰にも知られないように日が昇るまでに帰ってももらってもいい。

嫌ならこの事は無かった事にして裁判で結構です。





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