2chの男女恋愛に関わる 復讐話寝取られ話旅スレ に特化した話題を掲載していきます。
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ブタとチビの話
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108 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 13:32:08.47 ID:Omu9vydwO
父といえば、我が家の父も定年退職をして日中家にいる事が多くなった。

たーくん のことはあらかじめ話していたので驚きはしなかったが、父には豚以外の人間の子供は未知生物に思えるらしく どう振る舞ってよいのかわからない様子。

たーくん は敏感に相手の気持ちが読める子だった。

ある日 台所の机で新聞を読んでいた父に、 たーくん が絵をプレゼントした。

「お父さん、こう!お礼、こうだから」

ありがとうの手話を たーくん の背後から父に伝えると、微妙に違うが なんとなくそれらしい手話をした。

小走りで居間に戻ってくる たーくん はちょっと誇らしげにニヤついていた。


父が新聞を読んでるふりをしながら じっーと見入ってるその絵には、大きな魚が一匹描かれていた

玄関の脇に置いてある道具を不思議そうに見ていた たーくん に、父が釣りをする道具だよーと教えたことがある。

かんなり前のことだった。たーくん はちゃんと覚えていた。

それから暫くして、父がさすらいの一人旅をして帰ってきた時、「坊やに…」ともみじ饅頭を私に渡してきた。

自分で渡せよ〜〜

あなたのコミュ力は確かに私が引き継いでいる。



109 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 13:45:25.92 ID:CJ5IZghy0
とうちゃんww


110 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 14:22:53.52 ID:Omu9vydwO
父と娘の関係は付かず 離れず、ベタベタしないのが我が家流だった。たーくん は それが気になるらしい。

三年生になって、遊ぶことより漢字や計算の宿題をやることが増えてきた。遊び足りなくて お姉さんはちょっと寂しい。

私の部屋のテーブルで宿題をしている たーくん の近くで、仕方ないので漫画を読むことにした。


時間を忘れて ときめいていると、いつの間にか たーくん が消えていた。

トイレかなー家の中で誘拐は無いし放っとこう(・@・´)

…と再び読みふけっていると、なぜか私の部屋に父がいた。大人になってから父を部屋に入れたことがない。

たーくん が何事も無かったように机に向かって、その真横に父が教師のようなウムムという顔で座っていた。

な、なんでここにいるの?と聞きたかったけど言えなかった。それぐらい父と娘は遠いのだよ たーくん 。


また別の日には、居間で何をしてたか忘れたけど私がぼーっとソファに座っていたら、台所から父を連れてきた。

そこまではいいが、あろうことか何故か父と私の手とり繋がせようと…した。

…やめんかいッ!とは言えずに ははははーと笑うしかなかった。

2人だけの時にチラシに《お父さんと仲良し。だから心配しないで》と書いて見せた。

しかし たーくん はいまいち納得してないご様子。

《ほんとだよ?》

疑わしげに首を傾げている…。

なんだよもう(´・@・`)

正直 私はハハハと呼んで母派なんだよ。いきなりパパハになるのは無理だよ〜



111 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 14:24:48.43 ID:Omu9vydwO
一旦昼寝します。



113 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 15:00:51.33 ID:aHeXaOjq0

おやすみ〜




114 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 16:21:32.09 ID:BYS+HnwmO
なんつーほっこり話なんだ!続き楽しみにしてるよ!


117 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 21:52:49.86 ID:Omu9vydwO
秋頃になる。

たーくん が我が家に来る(つまりは お見舞いに行くのが)週に一度になり、二週間に一度になり、減って行った。

たまに来た時も、居間の たーくん がいつも座っていた場所に落ち着くなり、カバンから あのドラミちゃん色のお守りを出して装着していた。

忘れていたわけでないけれど、四つ葉もお守りも。

でも何となく… 必要としていない たーくん を見て安心していた。

当時家で してたと おばさんから聞いたことがあったが、実際にしてるのは あの2年生時以来だった。

実は たーくん は、友達や先生から見えないようなカバンの一番見えにくい所にずっと入れて持ち歩いていたらしい。


私がおばさんからお祖父さんの話を聞いてから、あえて見ないようにしてきた たーくん の不安な心がまた顔を出した。

四次元ブサイクポケットを首から下げたまま大人しく勉強をしている たーくん …。

おばさんの元に連れてく時間になっても、自分から立ち上がってすぐに行こうとしない。駄々をこねるわけではないけど、少しでも時間を遅らせたいようだった。

そんな態度からお祖父さんの具合が良くないのかもしれないと思っていた。でもおばさんには なかなか聞けなかった。



118 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 21:59:05.11 ID:Omu9vydwO
図々しいのだろうか。でも気になって心配でそうしたかった。

おばさんに自分も一緒にお見舞いに行きたいという旨を伝えた。

父と たーくん と大きめなシュークリームを食べながら、 たーくん のおじいちゃんに会っていいかなと台所のメモ用紙に書いた。

驚いたようにぱっと私を見て、少し間を空けて頷いてくれた。父の口の端にカスタードが付いていた。

…そんなこんなで病院の個室で眠っているおじいちゃんに会いに行った。

名俳優の平○満さんを20歳老けさせたような穏やかで少し頑固そうなおじいさんだった。

たーくん のためにプリンとタマゴボー○を用意していた。タマゴボー○懐かしや…。あれ嫌いな人っているのだろうか。

おばさんが私のことを紹介してくれた。

たーくん は首から下げたまま お守りをおじいさんに見せて、おじいさんも朗らかに笑ってお守りを触ってた。

すみません。それ作った犯人はこの豚です。



121 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 23:21:23.99 ID:Omu9vydwO
驚いたことにっと言ったら失礼だけれど、おじいさんは手話が出来た。

たーくん の指の素早さには叶わないけれど、しっかりとキャッチボールになっているようだ。

たーくん もおばさんに話す時より、大きく短めに伝えていた。やだいいこッ


私も図々しく頂いたおやつを二人で食べていると、そういえば おばさんの姿が無い。はて(´・@・)

あとで聞いてわかった話だが、この時 おばさんは電話を掛けに行っていた。たーくん のお父さんに。

私と出会った頃からすでに、病院に来る度に たーくん は お母さんにお願いをした。

お父さんに電話を掛けて、と。いつもそうやって頼むのだそうだ。

でもワガママを言う感じでは無くて、“そういう時のあの子の顔がいつも本気なのよ。だから私も断れない”とおばさんは言う。



先に言っちゃうとね、おじいちゃんは この冬に亡くなるんだよね。

たーちゃんの心に秘めた願いは、この時までに叶えてあげたかった。

それが私とおばさんの願いでもあった。



122 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 23:32:07.49 ID:6WJR/jIm0
('A`)ああ


123 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 23:40:50.08 ID:aHeXaOjq0
お父さんとの関係がよくわからない

離婚してるんだと思って読んでたんだけど合ってる?

見落としてたらすまんこ


124 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/25(日) 23:42:38.51 ID:Omu9vydwO
>>123
うん。これから説明していきます。


それから私は、 たーくん とおばさんが病院に行く時には一緒に行くようになった。

そうしていく中で、コンビニや迎えに来た時の数分しか会話をしなかった おばさんとよく話すようになった。

おばさんも たーくん の繊細さを分かってた。

私にも聞けないことがあるように、おばさんにも息子に聞けないことがあった。

たーくん がいつも大切にしてくれていたお守り。

あの日 たーくん が泣いていたことに おばさんも気づいたはずだ。

「もしかしたらって思うと聞くのをためらってしまって…」

開けるのが怖い扉を目の前にしたようにおばさんは言った。

今まで見てきて知った たーくん の優しい気持ち、おばさんから聞いたおうちの事情を踏まえて、あ゛ー…とちょっと分かってしまった。


そんな時、 たーくん が見せてくれた。

お守りの中身。



125 :名も無き被検体774号+:2012/03/25(日) 23:44:52.16 ID:6WJR/jIm0
はよはよ(´∀`)


126 :名も無き被検体774号+:2012/03/26(月) 00:02:50.83 ID:BYS+HnwmO
序盤のジャガリコからは想像も出来ない様な話の広がりかただね
(・∀・)ワクワク




127 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/26(月) 00:05:32.30 ID:Omu9vydwO
たーくん のお父さんは たーくん の家には住んでいない。

たーくん のお母さんは今でもお父さんを、(これは私の主観だけど)愛してるのだと思う。

お父さんもお母さんと家族のまんま、離婚していない。

たーくん のおじいちゃんは たーくん のことが大好きだ。


お父さんは、 たーくん のお父さんは、 たーくん のことをすぐには受け入れられなかったそうだ。

どうしても自分の息子に障害があることを頭で理解しても受け入れられないのだと。

お父さんは お父さんでショックで、「あの人は悪い人ではないの。でも少し時間が必要だった…」とおばさんは言っていた。


だからと言ってお父さんは たーくん を傷つけるつもりもなく、自分自身の問題だと、家族になるために心の整理が必要だと。

それで別居しているそうだった。

幼くて何もわからない たーくん は、お父さんを悪く思うことも無かった。

でも たーくん だから、たーくん だから気づいてしまうんだよ。

自分のせいでお父さんとお母さんは一緒にいられない、と小さい心で気づいていた。



128 :名も無き被検体774号+:2012/03/26(月) 00:22:44.41 ID:k56beb5sO
>>1さんはイイ奴っぽいな


130 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/26(月) 00:35:46.47 ID:rhTHXP0SO
そんな たーくん を見て胸を痛めていたのが おじいちゃんだった。

どうして そうなっちゃうんだろう、他人の私は思うけれど、おじいちゃんは義理の息子を拒絶するようになった。

病室にお父さんが来てくれた時も、お父さんの存在は見ようとせず口を聞かなかった。

そうして おじいちゃんとお父さんの間には、冷たい距離が出来ていた。

みんな たーくん を中心に動いてる心なのに、それが たーくんを苦しめた。



事情が分かってきて私の心境も曇ってきた。

なすすべもなく、居間で過ごしていた時に たーくん が私のそばに寄ってきた。

何も伝えずに黙々とお守りの袋から折られた紙を取り出して私に差し出してきた。

たーくん の目は、あの初めて会った時に電信柱のそばで私を見たあの眼差しに似ていた。

一年以上経っていたので折り目所は少し汚れていた。

私の下手くそな星よりも青くしっかりと描かれた沢山の星、その下で立っているおそらくおじいちゃんと思われる人と、お花を持って笑う背の高いお父さんがいた。

肌色で顔を描き、髪の毛を黒く、少しヘンテコな洋服も緑や青で太く描かれていた。

もう見せてもいい、そう思って絵を見ながら涙をこぼした。

お花は おじいちゃんの所にお見舞いに来たお父さんを思い出したんだろうか。

おじいちゃんは元気そうに立っている。

おじいちゃんもお父さんも、横顔で描かれていて口が大きく開いて笑ってるのか話しているのか。

私の涙につられたように目の前の たーくん の顔がくしゃ、て崩れて、しばらくそれ以上のことが何も出来なかった。


《早くお願いごとをかなえてほしい。どうしたらそれが出来るの?》


前よりずっと上手くなった字で たーくん が聞いてきた。

たーくん なりに沢山がんばったけど、おじいちゃんに時間がないのに、間に合わない。

それで初めて誰かに助けてもらおうと思ったんだろう。



131 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/26(月) 01:34:25.84 ID:rhTHXP0SO
私は私が思うことを伝えることにした。


夢で終わらせちゃいけない。

どうしてこんな時にもチラシにボールペンなんだろう。

こんなに長い時間があったのに、真剣に手話を覚えようとしなかった。


《神様はずっと上の方にいるから、時間がかかるのかもしれない私はこう思うよ

自分の力で、 たーくん の口で大好きな人に伝えなきゃいけない

神様がいるならその人は たーくん の言葉を聞いてくれる 絶対》


そう書いた紙を手渡すと、 たーくん は何度も読み返すようにじっと眺めていた。

私は自分の部屋に戻り、ただ綺麗だからという理由で買ったが使わずに眠り続けていた便箋を取り出した。

小さな花がいっぱい散らばってる女の子用のだけど、ちゃんとした紙に書いてほしかった。


《お話することをこの紙に書こう!

間違ったら何枚使ってもいいから

いっっっちばん言いたいことは何?》


しかし たーくん は首を横に振った。唇を噛んで嫌という顔をしていた。

先程渡したチラシもテーブルの上に置かれていた。

気まずくて重い空気になった。

あららららら、私なにか失敗したのかも



と、ここで実はそばにいた…ははは

父が立ち上がって書斎→居間へと戻ってきて たーくん の前に筆ペンを置いた。

視界には入っただろうが たーくん は身動きせずじっとしている。

ドンッて父がテーブルを叩きながら自分で置いた筆ペンを取って、なんだよもう(・@・`)私の可憐な便箋に荒々しく字を書いた。


《弱虫は食いしん坊! 強くなりなさい》

………。

最初のは いらないような。私へのメッセージも兼ねてるようでドキリとした。

ドンッの段階で振動にびくぅッてした たーくん は、先程までの顔をくずしてぼんやりと勇ましい文字を見ていた。

父は深い皺を作って渋く笑った。

オジイチャンみたい(´・@・`)

それから便箋と筆ペンを たーくん の前に置くと、塾の講師のような態度で人差し指で便箋をトントンと叩いた。

普段私やおばさんみたいな女子としか深く接しない たーくん に、父というのは すごく響いたご様子。

私まで緊張してきた。

たーくん は自然と正座して、私もなぜか正座して、父は新聞を読むふりをしに台所に消えた。

そして、何度も書き直して たーくん の伝えたいの言葉の台本が出来た。



132 :名も無き被検体774号+:2012/03/26(月) 01:38:30.54 ID:rhTHXP0SO
いったんとめます。



133 :名も無き被検体774号+:2012/03/26(月) 02:05:20.64 ID:Mu5vp9Y+0

続き楽しみにしてるお



138 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/26(月) 14:07:04.14 ID:rhTHXP0SO
たーくん が気持ちを伝える相手はおじいちゃんです。

車中でも たーくん は少し緊張していた。

便箋は予行演習のようなもので、病室での たーくん は改めて自分の言葉で伝えるようだった。

例えば豚は、たとえ家族といえども心の奥底の本音を伝える時には いっぱいいっぱいになるしアフアフする。

たーくん もシャイな子なので勇気が必要だったと思う。



143 :1 ◆yq3nyLskLY :2012/03/26(月) 15:14:41.54 ID:rhTHXP0SO
しょうがないから短歌で(´・@・`)

病院で。 たーくん 手話で。おねがいを。

涙目ぱんぱん。おじいちゃんも。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:いい話  |  タグ:泣ける話, ちょっといい話, ほのぼの,
 


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