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同じアパートに住んでいた病弱な女の子の話
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63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:15:49.89 ID:FIxHJNom0
女の子は、「寂しくて」と何回もつぶやいていた

僕は正直意味がわからなかった。

それから女の子は少しずつ話はじめた


「私、絶対もうすぐ死んじゃうから、もう何年も体がよくならなくて、お母さんもこの前 もうなおらないかもってだれかとはなしてて」

「だから寂しくないように、せめて、子猫と一緒に天国にいきたいなって思ってそれで」

何回も言うけど、よくわからなかった。



64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:16:51.38 ID:FIxHJNom0
だから僕は「猫がかわいそうだよ」とつぶやいて、女の子の上に横たわった猫を撫でた。

本当に死んでしまっているのだと思った。

ぐったりして、首の骨が折れてしまっているみたいだった。



65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:18:10.43 ID:FIxHJNom0
女の子は、また一人で死にたくなかったからという言葉を繰り返して ぼろぼろ泣いていた。

もう一度、「猫が、かわいそうだよ」と同じ言葉を僕はつぶやいた

女の子はなきながら、ごめんなさいごめんなさいと何度もあやまっていた。



66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:21:04.27 ID:FIxHJNom0
僕はぼーっと窓の外を眺めてた。

外のほうに焚き火が見えて煙が上がっている風景をなんだかすごく思い出す。

そのとき、生き物は死んだら、土か煙か食い物になるっていう話を思い出した。



67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:22:54.63 ID:FIxHJNom0
「お墓つくってあげないと」

僕はそういって、猫を抱きかかえて、部屋を出ようとした

女の子は「私もいく」そういって立ち上がって、寝ていたほうがいいよ、っていう僕の言葉も聞かずに ふらふらした足どりで、パジャマのまま外にでようとしていた

急激に冷え込んだ外気に少したじろいで そのまま引き返して、コートをいそいそと羽織っていた



68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:23:47.65 ID:FIxHJNom0
それから空き地までいって、家からもってきたスコップで僕は穴をほった。

「ねぇ」と女の子は僕に話しかけてくる

「生き物、殺しちゃったことある?」



69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:25:09.54 ID:FIxHJNom0
遠慮がちに、まるで僕に怒られるのではないかという風に女の子が聞いてくるので、

「あるよ」そう答えて、

「ちょっと前に、えさをやらずに金魚を死なせたこととか、蟻を気づかないうちに踏みつけたこととか、蚊をたたいて殺したこととか」



70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:26:13.42 ID:FIxHJNom0
女の子の質問に答えながら、穴を掘った。

ひとしきりほり終わったところで、猫を穴の中へいれて、土をかぶせた。

私もかける、と女の子がいうので、二人そろって土をかけた



72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:27:55.99 ID:FIxHJNom0
僕が手を合わせると、同じように隣で女の子も手をあわせてた。

ごめんなさい、ともう一度だけ女の子が呟いたことを今でも思い出す。

それから、さっきの生き物を殺してしまった話の続きをした。

「土手でつくしを摘み取ったこととかね」

「つくし?」

「そうつくしだよ」

近くの焚き火で木の弾ける音がきこえた



73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:30:05.02 ID:FIxHJNom0
「どうして、それが生き物を殺したことになるの?」

二人並んで歩きながら、女の子がきいてくる

「つくしだって生き物なんだよ、わかりにくいけどね」

僕は続けた

「つくしだけじゃないよ、そこに生えてる草だって花だってそれから」

僕は焚き火を指指して、

「あの焚き火の中の枝も、もとは生き物なんだよ」とそう答えた。

「そうなんだ……」

不思議そうにじっと焚き火を女の子は見つめていた



74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:31:55.69 ID:FIxHJNom0
僕も焚き火をじっと眺めてゆらゆら揺れる炎と、枝が燃える音を聞いた。


パキパキ。

「あ!」

突然、女の子が叫ぶ。

僕は驚いて女の子をみた。

「あの音、そっくり!」

「え、何に?」

僕がきくと、女の子は大きく目を見開いてこう答えた。

「猫の、骨の音!」



77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:33:06.47 ID:FIxHJNom0
「私、生き物って猫とか人間とか犬とか、大きいものだけだと思ってた」

その場で女の子は両手を広げて、

「でも、こんないっぱい、いっぱい生き物っているんだね」

僕はうん、と答えた。

「こんないっぱい、すごい、すごいね」



78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:34:01.09 ID:FIxHJNom0
「それなら、私が死んでもあんまり寂しくないのかも!」

それから女の子がどうなったのかを、僕はここでは語らない



80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:34:21.76 ID:FIxHJNom0
終わり。

聞いてくれたひとありがとう!



82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:38:36.54 ID:6LQtz8U10

面白かった


83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/26(火) 10:38:43.02 ID:6IAZVLfC0
おつかれ


悪くはなかったよ

もうちょっとダークな感じが出てる方が良かったかも


 
カテゴリー:読み物  |  タグ:泣ける話,
 


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