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バイトに出逢いなんてある訳ない
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83 :名も無き被検体774号+:2014/01/14(火) 01:56:56.33 ID:h4OuHW3hP
今の会話を聞いてか、美里が赤いランドセルをひっくり返して何かを持ってきた


美里「悠人!見てみて!!」


美里が持ってきたのはテストの様だ


悠人「97点。」

美里「すごいでしょ!」

悠人「ああ、しっかり勉強したところを覚えてるな。・・・でもこの間違いは何度もやったとこだろ?」

美里「いいじゃん〜・・・!」

美里母「まるで兄妹みたい」


美里「そう?」

悠人「・・・」


急に何故だか切なくなって来た


美里「悠人・・・?どうしたの?」

悠人「俺・・・こういう家族みたいなの・・・始めてだから・・・」


美里母「悠人君ご両親とかは?」

悠人「うちは道場やってて、物心着いた時から両親とは師弟で・・・」

言わなくてもいいのに この時はなぜか止まらなかった


悠人「俺・・・家族とまともに会話すらしたことなくて・・・」

美里「悠人・・・」



84 :名も無き被検体774号+:2014/01/14(火) 02:04:39.31 ID:h4OuHW3hP
悠人「兄とは仲が良かったけど、長男だからって色々あって・・・結局 兄は潰れちゃって・・・」


涙を堪えるので精一杯だ

ああ・・・俺って情けない・・・


悠人「こうやって、みんなと飯食うのが・・・憧れで・・・」

ふわっと・・・誰かが俺を抱きしめてくれた


美里母「事情はよく分からないけど・・・私達ならいつでも付き合うわ」

美里「そうだよ。悠人はもう他人じゃないんだから!」

悠人「・・・ありがとうございます」


その夜

俺は久しぶりに兄貴にメールをしてみた

返信なんか期待していなかったが家族が恋しくなったのだ

両親は好きじゃないけど兄貴は今でも大好きだ

周りからの重圧で潰れちゃってからはあまり会話も無かったけど・・・


悠人(とりあえず近況を報告して・・・)

悠人『俺は元気にやってます。』


数分後・・・返信が来た


ただ一言・・・

『頑張れよ』



85 :名も無き被検体774号+:2014/01/14(火) 02:09:08.19 ID:h4OuHW3hP
俺には その一言で十分だった

悠人『兄貴もな』


ボロボロの携帯を放り投げてベッドに横になる

悠人(頑張れと言われたからにはここで精一杯の成果を上げてやる・・・!)


翌日の学校に向けて眠った

その日は珍しく夢を見た

よくは覚えてないけど・・・

多分兄貴と・・・両親

みんなで楽しく食卓を囲んでた

いつか・・・

こんな風に・・・



88 :名も無き被検体774号+:2014/01/15(水) 02:11:14.95 ID:KnRVReDjP
学校・・・


野茂「なぁ?」

悠人「ん?」

野茂「お前、どこでバイトしてんだっけ?」

悠人「教えない。お前くるだろうし」

野茂「だって三木さんもバイトしてんだろ?遊びに行ってもいいじゃん!」

悠人「俺は遊んでるわけじゃない」

野茂「でも楽しいだろ?」

悠人「・・・楽しい」

野茂「それのおすそ分けしろっての!」


野茂がヘッドロックをかけて来た


悠人「やめろ・・・結構苦しい・・・」

野茂「おしえろよ〜」

悠人「なぜそんなに気にするんだ?普通のコンビニだぞ?」

野茂「くっそ真面目なお前がちゃんと接客出来るのか気になるんだ」

ニヤニヤ

悠人「絶対教えない」

野茂「ちょぉ〜w冗談だよ〜w」


野茂は唯一と行ってもいい友人だ


悠人「・・・お前はバイトとかしないのか?」

野茂「う〜ん・・・俺、そういうの苦手だし」



89 :名も無き被検体774号+:2014/01/15(水) 02:17:40.19 ID:KnRVReDjP
悠人「そうか」

野茂「バイト中三木さんどう?」

悠人「どうって?」

野茂「やっぱ可愛い?」

悠人「・・・」


なんと返して良いのやたら・・・


野茂「もぉ〜w恥ずかしがるなよw」

悠人「恥ずかしがらないお前がおかしい」

野茂「だって可愛いって思うことは自然じゃん?」

悠人「・・・そうだな」

野茂「で、可愛い?」

悠人「・・・ああ」

野茂「そっかぁ〜」

悠人「お前は三木さんが好きなのか?」

野茂「好きってか・・・可愛いなぁって。見た目だけでは好きにはなれないんだ」

悠人「・・・お前にしては まともだな」

野茂「お前こそ好きなんじゃないのか?」

悠人「俺がか?」

野茂「だって最近すげー仲良いじゃん」

悠人「特にそういった感情はないが・・・」

野茂「素直じゃねーなぁ」

悠人「・・・・」



90 :名も無き被検体774号+:2014/01/15(水) 02:25:49.31 ID:KnRVReDjP
野茂「お前がどう思うかは自由だけど、もっと素直になった方が楽だぜ?」

悠人「俺は素直だ」

野茂「いや、お前って出会った頃から ずっと何かを押さえ込んでる感じがするんだ〜」

悠人「俺が・・・?」

野茂「お前って悩みとか相談しないじゃん?」

悠人「・・・・」

野茂「まさか悩みが無い訳じゃないだろ?」

悠人「・・・当然だ」

野茂「俺に話せとは言わないけど・・・いつかそれをそれを打ち明けられる相手が出来るといいな」

悠人「野茂・・・」

野茂「おっと、俺はそういう重い悩み相談は無理だからな!恋の悩みなら俺にお任せしていいけどよ!」

悠人「・・・いい奴だと思ったが、間違いだったか」

野茂「ちょ!それどういうことだよ!」

悠人「間違えても お前には相談なんかしないってことだ」

野茂「おまっ・・・一応心配してやったのに!」

悠人「それだけは礼を言おう」

野茂「だけってなんだよ!だけって!」



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:読み物  |  タグ:青春, 胸キュン, ほのぼの,
 


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