中学時代の仲間でかけがえのない人が出来た話
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389 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:01 ID:y8/uDIXL
直美ちゃんは、俺の唇に届くようにつま先で立っていたらしく、疲れてきたのか二人一緒にその場で転んでしまった。
「ごめん、何かムードぶち壊しだね」と直美ちゃんが、泣きながら笑った。
そして、また座ったまま抱き合った。
そして何度もキスを重ねた。
が、それから先に踏み込むことは無かった。
きっと、直美ちゃんが日本に帰った後寂しくなってどうにかなってしまうような気がしたからだ。
しばらく座ったまま抱き合っていた。直美ちゃんは眠そうに目をトロンとさせていた。
壁の時計を見ると、そろそろ立たなければならない時間になっていた。
「そろそろ時間だよ」と言うと直美ちゃんは頷いて、渋々と俺に絡めていた腕を解いて、立った。
「今度は日本で会おう!」と元気に俺の肩をたたいた。
直美ちゃんの重いトランクを持ち、部屋の外へ出た。
直美ちゃんは元気な表情だったが、どこか翳りがあるような気がした。
そして、階段を下りて外へ出た。さっきよりまた曇っていた。
こんな天気の日に別れるのは辛かったが、何とか無理矢理元気を絞り出した。
別れは辛いけど、また日本で会えるし、手紙のやりとりだって出来る、と自分に言い聞かせながら歩いた。
つづく
390 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:28 ID:y8/uDIXL
空港に着いて、まだ少し時間があったから喫茶店で少し休んだ。
「来る時はワクワクしながら空港の中歩いてたけど、帰りはやっぱり辛いよね」
直美ちゃんはアイスティー(ミルク?)を飲みながらポツリとつぶやいた。
「だよね。修学旅行で帰るときの雰囲気と似てるよね」
俺が話すと、直ちゃんは「あぁ、分かる分かる!」と元気になった。
それから少し修学旅行の話をしていた。
そして、喫茶店を出た。出たところで直美ちゃんが俺の手を引っ張って言った。
「ねぇ、ここで別れよう。なんか、最後まで二人でいると泣き出しちゃいそうだから・・・」と、もう今にも泣きそうな顔だった。
俺は最後まで見送ろうと思っていたが、俺も涙がこぼれてきそうだった。
「わかった。それじゃ、気を付けて帰ってね。今度は日本で会おう。」
出来るだけ泣かないようにと思ったが、ポロリと流れてしまった。
「泣かないでよ、私も泣いちゃうから」と直美ちゃんは手で目を押さえた。
俺はトランクを床に置いて直美ちゃんを抱きしめた。
そしてキスをした。
人目は気にならなかった。外国だということもあっただろうが、本当に他はどうでも良かった。
「じゃ、日本でね。手紙書くから。バイバイ!」
最後に直美ちゃんは笑顔を見せてくれた。
俺も、笑顔で見送った。
つづく
直美ちゃんは、俺の唇に届くようにつま先で立っていたらしく、疲れてきたのか二人一緒にその場で転んでしまった。
「ごめん、何かムードぶち壊しだね」と直美ちゃんが、泣きながら笑った。
そして、また座ったまま抱き合った。
そして何度もキスを重ねた。
が、それから先に踏み込むことは無かった。
きっと、直美ちゃんが日本に帰った後寂しくなってどうにかなってしまうような気がしたからだ。
しばらく座ったまま抱き合っていた。直美ちゃんは眠そうに目をトロンとさせていた。
壁の時計を見ると、そろそろ立たなければならない時間になっていた。
「そろそろ時間だよ」と言うと直美ちゃんは頷いて、渋々と俺に絡めていた腕を解いて、立った。
「今度は日本で会おう!」と元気に俺の肩をたたいた。
直美ちゃんの重いトランクを持ち、部屋の外へ出た。
直美ちゃんは元気な表情だったが、どこか翳りがあるような気がした。
そして、階段を下りて外へ出た。さっきよりまた曇っていた。
こんな天気の日に別れるのは辛かったが、何とか無理矢理元気を絞り出した。
別れは辛いけど、また日本で会えるし、手紙のやりとりだって出来る、と自分に言い聞かせながら歩いた。
つづく
390 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:28 ID:y8/uDIXL
空港に着いて、まだ少し時間があったから喫茶店で少し休んだ。
「来る時はワクワクしながら空港の中歩いてたけど、帰りはやっぱり辛いよね」
直美ちゃんはアイスティー(ミルク?)を飲みながらポツリとつぶやいた。
「だよね。修学旅行で帰るときの雰囲気と似てるよね」
俺が話すと、直ちゃんは「あぁ、分かる分かる!」と元気になった。
それから少し修学旅行の話をしていた。
そして、喫茶店を出た。出たところで直美ちゃんが俺の手を引っ張って言った。
「ねぇ、ここで別れよう。なんか、最後まで二人でいると泣き出しちゃいそうだから・・・」と、もう今にも泣きそうな顔だった。
俺は最後まで見送ろうと思っていたが、俺も涙がこぼれてきそうだった。
「わかった。それじゃ、気を付けて帰ってね。今度は日本で会おう。」
出来るだけ泣かないようにと思ったが、ポロリと流れてしまった。
「泣かないでよ、私も泣いちゃうから」と直美ちゃんは手で目を押さえた。
俺はトランクを床に置いて直美ちゃんを抱きしめた。
そしてキスをした。
人目は気にならなかった。外国だということもあっただろうが、本当に他はどうでも良かった。
「じゃ、日本でね。手紙書くから。バイバイ!」
最後に直美ちゃんは笑顔を見せてくれた。
俺も、笑顔で見送った。
つづく
391 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:50 ID:y8/uDIXL
さっきまで、二人で歩いてきた道を、今度は自分一人で歩いていた。
確かに寂しかったが、日本で会えると思うとそうでもなかった。
外は雨が降っているらしかった。売店で傘を買って外に出ると、結構強く降っていた。
今度は相合い傘もいいかな。と、一人にやけた。にやけながら歩いていると、ふと空しくなった。黙々と歩いた。
むなしさをかき消すように、ばしゃばしゃと水たまりも関係なく歩いた。
途中で、どうでもよくなり傘をゴミ箱に捨てて、濡れながら帰った。
アパートに帰り、ぐしゃぐしゃのまま部屋に入った。やはり、傘を差せば良かったな、と思いシャワー浴びた。
シャワールームの片隅に、見たことのないシャンプーが置いてあった。
直美ちゃんが忘れていったものだった。それを見てまた寂しくなり、やけどをするくらい熱いシャワーを浴びた。
シャワーから出ると、暑くて喉が渇いた。
普段口にすることの無いビールを冷蔵庫から取り出して一気に流し込んだ。
すぐに、脈拍が上がり息が苦しくなる。それもかまわず、また一口飲み込んだ。
苦さに耐えられず、一人顔を歪ませていた。
気付くと、部屋はすっかり真っ暗になっていた。
時計は夜の9時半になっていた。酔い潰れてパンツ一枚で寝転がっていた。
明後日から仕事なのに、俺は何をしているんだろう?そう思いながら、Tシャツを着て机に向かい、日記帳を開いた。
昨日までは楽しいことが書かれていが、その日は寂しさを書かなければならなかった。
それでも、意外にすらすらと書けるもので、ページは3ページになっていた。
日記帳を閉じて、ベットに潜り込んだ。今日の朝まで直美ちゃんが寝ていたベットに入ると、直美ちゃんのぬくもりを感じようと布団を抱きしめてみた。
情けないことに匂いまでかいでしまった。
そして、直美ちゃんのぬくもりを探しながら眠った。
つづく
392 :サボテン:2005/05/24(火) 00:31:52 ID:y8/uDIXL
こんばんわ。間を空けてしまい申し訳ないです。友人が亡くなったので葬式の準備や色々と忙しかったものでなかなか書けませんでした。
きょうはここまでです。
おやすみなさい。
--------------------
493 :サボテン:2005/06/02(木) 01:09:31 ID:jlIyNW40
>>391からの続き
朝起きると、まだ雨が降っていた。
二日酔いで頭が痛かった。飲めもしないアルコールを無理に煽った結果がこれだ。
二度とビールは口にしないと、心に決めつつシャワーを浴びる。
直美ちゃんの置いていったシャンプーが目にとまり、そのシャンプーを使わせてもらった。
直美ちゃんの風呂上がりの時の、いい香りと同じ香りがした。少しニヤニヤしながら髪をガリガリと洗った。
シャワーを浴びて、喉が渇いた。冷蔵庫を開けると、水しかなかった。取りあえず、それを一気に飲み下した。ふーっと、大きく吐いた息にはため息も少し混じっっていたような気がした。
テレビを付けると、乳幼児の育て方のような番組が流れていた。
いつかは・・・、と妄想が始まった。立派な家に、広い庭。そして、俺と直美ちゃんと、その子供・・・。
そんな妄想をしていたが、プツリとそれは切れてしまった。楽しい妄想の変わりに、直美ちゃんがいないという寂しい現実に戻っていた。
何をするわけでもなく、何となくテレビをぼーっと見ていた。そんなことをしていると、あっという間に昼になっていた。
取りあえず、外に出てみた。
外はまだ雨が降っていて、歩道のところどころに水たまりが出来ていた。構わずそれを踏んで歩いてみる。
傘を差してはいたが、あっちの方向に傘をさしていたから、あまり役には立たなかった。
でも、日本に帰れば毎日のように会えるんだよな、大好きな直美ちゃんと大好きなバイクで一緒に走れるんだよな。
歩いていると、何となく前向きな考え方ができていて、笑いながら歩いている自分がいた。
そして、ずぶ濡れのままスーパーで買い物をした。
つづく
494 :サボテン:2005/06/02(木) 01:10:11 ID:jlIyNW40
ひとりカートを押しながら、スーパーの中を歩いていると直美ちゃんと買い物をしたときのことを思い出した。
あぁ、日本でもああやって一緒に買い物できるだろうか。
そう思いながら、色々とカートに商品を入れていく。
そう言えば、いつか日本で、高志と直美ちゃんが買い物をしてる時にバッタリ会ってしまったことを思い出した。
それを考えると少し複雑な気分になったが、考えても仕方ないと思い、そのまま、忘れてフリをして買い物を続けた。
スーパーから出ると、雨は少し小降りになっていた。傘を少し横にずらしてさした。ずらした空間には、妄想で生まれた直美ちゃんがいる。
そして、自分の脳内では、相合い傘をしながら二人で話していた。
情けなく思ったが、自分に忠実になろうと、訳の分からない決心をしていた。
そのまま、妄想で生まれた直美ちゃんと歩きながら部屋に戻った。
そして、一気に現実に戻り、また鬱な空気に包まれた。
スーパーの袋から、ジュースを取り出して、コップに注がずそのまま飲んだ。少し、スッキリしたが歩き疲れたのかそのまま寝てしまった。
起きると夕方の5時半。外は雨はやんでいたが曇っていた。よく眠ったおかげでスッキリした。
今度直美ちゃんに手紙でも書こう。そう思いつつ、夕食の準備をした。
準備と言っても、出来合いのものを火にかけて温めるだけだ。それを食べながら、明日から再開する仕事の準備をした。
一通り準備はできた。
机に向い、いつもの日記を書いた。自分の妄想をニヤニヤと書き込んでおいた。
明日に備えて寝ることにした。
スーパーの帰り道と同じように、ベッドの横は少しだけスペースを残しておいた。
直美ちゃんのためのスペースだった。
つづく
495 :サボテン:2005/06/02(木) 01:10:37 ID:jlIyNW40
次の日はカラリと晴れた。
なんだか気分が良くて、自転車を飛ばす。渋滞する遅い車を次々と追い抜いていく。バイクに乗った気分で走る。
店に入り、いつもより でかい声で元気よく挨拶する。みんな、キョトンとしていた。
「休みはどうだったい?日本から友達でも?」と聞かれ、直美ちゃんのことを話した。
「なぜ俺にも知らせなかったんだ?君の恋人なのか?」と聞かれ、恥ずかしながら頷いた。
「お前は、今日残業だ!」
同僚はニヤニヤと笑いながら、俺を小突いた。
それに俺もニヤニヤと笑って答えた。
その日の仕事は、いつもよりスムーズに進んだ。いいアイデアも浮かんだ。なんだか、直美ちゃんが来てから自分が少しだけ変ったような気がした。
昼食を食べていると、同僚達が直美ちゃんのことをもっと聞かせろと俺に詰め寄ってきた。
「写真はもってないの?見せてよ」と言われ、仕方なく財布から一枚取り出して見せると、みんなからポカポカと叩かれた。嬉しかった。
仕事が終り、また自転車をすっ飛ばして帰った。
大家のおばさんに元気よく挨拶して、部屋に入った。
おもむろに、CDをかけた。Room335が流れてくる。やはり明るい気分の時に聞きたい曲だ。以前は、曲と正反対の状況で聞いたが、今回は違った。
ゆっくりとボリュウムを上げる。部屋一杯に音が響いた。
隣の黒人の女性が、「もう少し静かにしてよ」と苦情を言いに来た。素直に謝ったが、心はウキウキ気分のままだった。
しばらくの間、明るくて楽しい、メリハリのある生活が続いた。
つづく
496 :サボテン:2005/06/02(木) 01:11:51 ID:jlIyNW40
そして、数日後に仕事から帰ってくると手紙が届いていた。直美ちゃんからだっだ。
封筒を丁寧に開くと、中からは便せん三枚と写真が出てきた。
手紙には、日本に帰ってから、寂しい日が少しあったことや、早くまた会ってデートしたいことが可愛い文字で書かれてあった。
それを読んでいると、涙がぽつぽつと机の上にこぼれていた。
ただ、寂しくて悲しくて流すいつもの涙とは違っていた。
よく分からないが、なんだか嬉しくて涙が出ているような気がした。
手紙を一通り読んでから写真を見ると、高志やミカちゃんがこっちに向かってピースしていた。
久志だけが何故か腕組みをして後ろを向いていたのが、面白くて泣きながら笑った。
そして、その写真を、壁に画鋲で留めておいた。
直美ちゃんが一人だけ写ってる写真や、イギリスで撮った写真は、ベッドに横になったときにいつでも見られるように、ベッドのすぐ横の壁に飾っておいた。
手紙を大事に引き出しにしまって、返事を書こうとした。が、封筒と便箋が一つもなかった。仕方なく、近くの文房具屋に走った。
夕暮れの歩道をきびきびと歩き、文房具屋に向かった。文房具屋に入ると、いつもの、店番のお姉さんが、また?見たいな顔で俺を見た。
ニヤッと笑い頷いておいた。どの便せんにしようか迷った。無難にピーターラビットにした。いつかもそうだったが、直美ちゃんは意外にも、ピーターラビットが気に入ってるようだったから、またそれにした。
レジに持っていくと、お姉さんが色つきのマーカーペンを黙って3本くれた。
「これはサービスね」と一言、無表情で俺に言った。
ありがとうと礼をして店を飛び出して走って帰った。
部屋に入り、すぐに机に向かって返事を書いた。
この時間帯は腹が減っている時間だったが、気にせず便せんにペンを走らせた。
スラスラと書いては、ペンを止めて、考えながら書いた。
しばらく寂しくて、情緒不安定だったことや、よく妄想をしていたことを書いておいた。
そして、せっかくもらったマーカーペンで、便せんの周りを囲んだ。
よく見ると、小学生が自由帳に書く様な、意味不明な線がふにゃふにゃと走っていた。
つづく
497 :サボテン:2005/06/02(木) 01:13:59 ID:jlIyNW40
友人が亡くなって、葬式の後の事や色々と手伝いをしていました。取りあえず落ち着いたので、また書き始めます。
仲のいい友人だったので少し尾を引きそうです。
今日はここまでです。おやすみなさい。
--------------------
533 :サボテン:2005/06/03(金) 01:36:17 ID:EHVpBiku
気付くとイギリスにいる時間も残り少なくなっていた。時間が流れるのはとても早いものだと、改めて感じた。
そして、流れた時の中にはいつも直美ちゃんが、いた。
大変な修行だったが、ここまで来れたのは直美ちゃんがいたからこそだった思った。
早く直美ちゃんに会いたい、そんな思いが俺の尻に鞭を入れてくれた。
ふと思い立ち、今まで直美ちゃんからもらった手紙を読み直してみた。
いつも可愛い文字で、遠く離れた日本の地元での出来事や、自分が思っていることを会綴ってくれている。
どんどん読み進んでいくと、ある日の手紙から文末に必ず、「愛してるよ。大好きだよ」と書かれていた。
それを見ると、少し恥ずかしくなり、手紙を机の上に伏せた。
自分も必ず、文末には「愛してるよ」と書いてはいたが、他人に愛していると言われると、やはり妙な気分になる。
時間を調整して国際電話なるものをかけてみた。直美ちゃんの声が聞こえてくると、感激した。
いつもは手紙のやりとりがメインだったから、久しぶりに聞く声はとても新鮮だった。
「元気だった?」直美ちゃんは元気に俺に聞いてきた。もちろん元気だったが、上手く話せなかった。
人と話すのは意外に大丈夫なのだが、直美ちゃんと話をするときは、ちょっとだけ緊張する。
好きな人の前では、どうしてか何を話せばいいのか考えてしまう。
「日本はどう?暑い?」
直美ちゃんは一つ間を置いてから、
「うん、暑いよ。久しぶりに話せてすごく嬉しい」と、しっとりと答えた。
それは自分も同じだった。
会いたくて会いたくて仕方なくなってきた。
この思いをどう伝えればいいか、会話しながら考えた。ストレートに伝えよう。そう思い会話をぶった切って、言った。
「会いたくて会いたくてどうしようもない。何かおかしくなりそうだ」
本当にストレートだった。
直美ちゃんは、え?と小さく声を出し、静かになった。
「私だって会いたいよ、毎日寝る前はあんたのこと考えてるよ」と、少し声を震わせて言った。
俺はすでに涙が流れていた。
「帰ったら一緒にいつもの峠走ろうな。俺も頑張るから、直美も頑張ってな。」
何か吹っ切れて、素直に言いたいことが言い出せるようになっていた。
つづく
>>次のページへ続く
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