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中学時代の仲間でかけがえのない人が出来た話
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345 :サボテン:2005/05/19(木) 00:51:50 ID:Z6irFUte
コーヒーを作っていると、直美ちゃんがキッチンにやってきた。
「いいことしようか?」と言って、ニヤニヤしていた。
「いいことって?」と聞くと、腕を引っ張ってイスに座らせた。
「絶対にこっち見たらダメだからね」そう言われて黙って、壁を見ていた。
何やらカチャカチャとコーヒー
カップをいじってる音が聞こえる。
「こっち向いていいよ」と言われたの
で、恐る恐る後ろを向くと、直美ちゃんはコーヒーカップを二つ持って立っていた。
「どちらか一方のカップには、塩が入ってるよ。どっちを選ぶ?どちらかを選んで余った方を私が飲むよ」
賭みたいなことをしようとしているようだった。
俺は迷わず右側の無地のカップをってに撮った。
「それでいいんだ?知らないよ どうなっても、本当にそれでいいんだよね?」と直美ちゃんはしつこい。
俺は引かず それをグッと飲んだ。普通のコーヒーだった。と言うことは、余った方に塩が入っている。
「やらなきゃ良かった・・・」と、直美ちゃんはコーヒーを見ながら言った。
「食べ物を粗末にすると罰が当たるよ」と、俺は飲むように促した。
直美ちゃんは顔をしかめながらカップを傾けた。
「あ、意外に飲める!!」と、直美ちゃんが言うので、俺も一口飲んでみた。
苦塩辛くてとても飲めた物ではなかった。
「だまされてやんの〜」と意地悪っぽく直美ちゃんは笑っていた。
つづく
346 :サボテン:2005/05/19(木) 00:53:54 ID:Z6irFUte
ちゃんとしたコーヒーを飲みながら、バイクの話をした。
仲間で今度ツーリングに出かけようという話だ。
直美ちゃんは、落書き帳にペンで持ち物や、目的地をサラサラと書いていった。
「晩ご飯はどうする?」いつになるか分からないツーリングの計画を、二人でまじめに考えていた。
できれば二人で行きたいと思ったが、口には出せなかった。
だけど、いつかは必ず生きたいな、と心の中で思っていた。
「暇があれば私たち二人だけでも行きたいね」
直美ちゃんが少し照れた感じで言った。
びっくりした、俺の思ってることが伝わったのかな?そう思いにやりと笑っていた。
「何?どうしたの?」
不思議がる直美ちゃんが、キョトンとした顔で俺に聞いてきた。
「いや、俺も同じこと考えてた」となるべく爽やかに言うつもりだったが、恥ずかしくて照れくさく話した。
「本当?じゃ、絶対行こうね!」と、直美ちゃんは今にもツーリングに出かけるかのような調子だった。
つづく
コーヒーを作っていると、直美ちゃんがキッチンにやってきた。
「いいことしようか?」と言って、ニヤニヤしていた。
「いいことって?」と聞くと、腕を引っ張ってイスに座らせた。
「絶対にこっち見たらダメだからね」そう言われて黙って、壁を見ていた。
何やらカチャカチャとコーヒー
カップをいじってる音が聞こえる。
「こっち向いていいよ」と言われたの
で、恐る恐る後ろを向くと、直美ちゃんはコーヒーカップを二つ持って立っていた。
「どちらか一方のカップには、塩が入ってるよ。どっちを選ぶ?どちらかを選んで余った方を私が飲むよ」
賭みたいなことをしようとしているようだった。
俺は迷わず右側の無地のカップをってに撮った。
「それでいいんだ?知らないよ どうなっても、本当にそれでいいんだよね?」と直美ちゃんはしつこい。
俺は引かず それをグッと飲んだ。普通のコーヒーだった。と言うことは、余った方に塩が入っている。
「やらなきゃ良かった・・・」と、直美ちゃんはコーヒーを見ながら言った。
「食べ物を粗末にすると罰が当たるよ」と、俺は飲むように促した。
直美ちゃんは顔をしかめながらカップを傾けた。
「あ、意外に飲める!!」と、直美ちゃんが言うので、俺も一口飲んでみた。
苦塩辛くてとても飲めた物ではなかった。
「だまされてやんの〜」と意地悪っぽく直美ちゃんは笑っていた。
つづく
346 :サボテン:2005/05/19(木) 00:53:54 ID:Z6irFUte
ちゃんとしたコーヒーを飲みながら、バイクの話をした。
仲間で今度ツーリングに出かけようという話だ。
直美ちゃんは、落書き帳にペンで持ち物や、目的地をサラサラと書いていった。
「晩ご飯はどうする?」いつになるか分からないツーリングの計画を、二人でまじめに考えていた。
できれば二人で行きたいと思ったが、口には出せなかった。
だけど、いつかは必ず生きたいな、と心の中で思っていた。
「暇があれば私たち二人だけでも行きたいね」
直美ちゃんが少し照れた感じで言った。
びっくりした、俺の思ってることが伝わったのかな?そう思いにやりと笑っていた。
「何?どうしたの?」
不思議がる直美ちゃんが、キョトンとした顔で俺に聞いてきた。
「いや、俺も同じこと考えてた」となるべく爽やかに言うつもりだったが、恥ずかしくて照れくさく話した。
「本当?じゃ、絶対行こうね!」と、直美ちゃんは今にもツーリングに出かけるかのような調子だった。
つづく
347 :サボテン:2005/05/19(木) 00:54:55 ID:Z6irFUte
そうこうしていると、昼を回っていた。
昼食をとるために部屋から出ることにした。
「何食べる?私はラーメン食べたいなぁ」と直美ちゃんは言っていた。
ラーメン屋なら知っているところがあったので、そこに行くことにした。
日本企業の海外駐在員がよく食べに行く店だから、それなりに美味しいよ、と自信を持って直美ちゃんにすすめた。
「楽しみだね、まさかロンドンでラーメン食べられると思わなかった」ととて喜んでいた。
昼の混む時間を過ぎていたので、ラーメン屋はすいていた。
店員がやってきて注文を英語で聞いてくる。
「何がいい?チャーシュー麺が美味しいよ」と直美ちゃんにすすめると、直美ちゃんは店員に向かって「チャーシューメン ワン!プリーズ!」と注文していた。
店員にちゃんと伝わったらしく、直美ちゃんは満足げな表情をしていた。
「イギリスの人にラーメンの注文を英語で聞かれるのもなんか面白いね」と、ロンドンのラーメン屋が気に入ったみたいだった。
「日本がこいしい?」と聞かれた。
恋しくないと言えば嘘になる。
最初の頃は言葉が通じないために枕を濡らしたこともあったし、日本人と言うことでスキンヘッドの人に因縁を付けられたりした時もあった。
「恋しいよ。それで寝ながら泣いたこともある」と正直に話したら、直美ちゃんは まじめな顔で「もしかして結構泣き虫?今日の朝も泣いてたし・・・」と心配そうだった。
「そうかな?でも、夜寝るときネガティブな想像して横になるとよく眠れるよ。泣き疲れて寝るような感じでね」と言うと大笑いされた。
「なんか分かるような気がするw」と直美ちゃんは、大笑いした後目を伏せた。
きっと直美ちゃんも何か思い当たる節があるんだろうなと思った。
訳を聞くと空気が重くなりそうになったのでやめた。
いつかきっと、訳を聞いて元気づけてあげたいと思った。
つづく
351 :774RR:2005/05/19(木) 01:55:25 ID:fnJwssIa
>>335
久しぶりに懐かしい話が読めたよ
書き手さん達、今幸せならイイナぁ
388 :サボテン:2005/05/24(火) 00:27:32 ID:y8/uDIXL
ラーメンを食べ終わり店を出ると、空が曇っていた。雨が降りそうだったので、アパートに戻ることにした。
歩きながら色々な話をした。バイクの話がメインだった。未だにタンデムの練習をしてると聞いたとき、一体誰と練習してるのだろう?と嫉妬めいた考えがうかんだ。
恥ずかしくなって考えるのをやめた。日本に帰ったら、直美ちゃんとバイクで走りたい。何度、そう思っただろうか。思いはつのるばかりだった。
途中、スーパーでお菓子や飲み物を買い込んでアパートに帰った。
飛行機の時刻を考えると、あまりゆっくりはしてられなかった。
何もやることが無かったから二人でオセロをしていた。
「何でそんなに弱いの!?だから、最初に角取らなきゃ!」と、何度も言われた。
将棋ならそこそこだが、オセロはからっきしだった。
「そうそう、そこに置けばこことこおがひっくり返るでしょ?」と直美ちゃんは丁寧に熱く教えてくれた。
オセロに飽きて、ラジオを聞きながらぼーっとしていた。
直美ちゃんはトランクの中を確認していた。
なんだか口寂しく思いコーヒーを淹れた。
「コーヒーここに置くよ」と、直美ちゃんの隣にコーヒーを置いた。
直美ちゃんは、少し元気がなかった。イギリスが気に入ってたから帰るのが惜しいんだろうなと思い声をかけた。
「今度は、俺も旅行でイギリスに来たいな。一緒に行こう」と言うと、直美ちゃんはにっこりと笑い頷いた。
窓の外を見ていると、直美ちゃんが後ろから抱きついてきた。二人ともそのまま、何も喋らず沈黙が続いた。
俺も抱きしめたくなり、後ろを振り返って、直美ちゃんを抱いた。
「なんか帰るの嫌だな、ずっとここにいたい」と泣きそうな声で直美ちゃんが言った。
「今度は二人で来よう。まだ俺も見てない所がいぱいあるから」
直美ちゃんは俺の胸に顔を隠しながら、頷いていた。
そうして、しばらく抱き合っていた。
そして、直美ちゃんが俺の唇にキスをした。
キスをしたままどれくらいの時間が流れただろうか?キスをしてる間は何も考えられなくて、ただ直美ちゃんの暖かい唇の感触を感じていただけだった。
つづく
389 :サボテン:2005/05/24(火) 00:28:01 ID:y8/uDIXL
直美ちゃんは、俺の唇に届くようにつま先で立っていたらしく、疲れてきたのか二人一緒にその場で転んでしまった。
「ごめん、何かムードぶち壊しだね」と直美ちゃんが、泣きながら笑った。
そして、また座ったまま抱き合った。
そして何度もキスを重ねた。
が、それから先に踏み込むことは無かった。
きっと、直美ちゃんが日本に帰った後寂しくなってどうにかなってしまうような気がしたからだ。
しばらく座ったまま抱き合っていた。直美ちゃんは眠そうに目をトロンとさせていた。
壁の時計を見ると、そろそろ立たなければならない時間になっていた。
「そろそろ時間だよ」と言うと直美ちゃんは頷いて、渋々と俺に絡めていた腕を解いて、立った。
「今度は日本で会おう!」と元気に俺の肩をたたいた。
直美ちゃんの重いトランクを持ち、部屋の外へ出た。
直美ちゃんは元気な表情だったが、どこか翳りがあるような気がした。
そして、階段を下りて外へ出た。さっきよりまた曇っていた。
こんな天気の日に別れるのは辛かったが、何とか無理矢理元気を絞り出した。
別れは辛いけど、また日本で会えるし、手紙のやりとりだって出来る、と自分に言い聞かせながら歩いた。
つづく
>>次のページへ続く
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