それなのにどんなに拒絶しても考えてしまう。
綾子はどんな反応するだろうか。
どんな声で話すのだろう。
デートの時にはどんな服を着て来てくれるんだろう。
だからデートに行くたびにやや微妙な空気になる。
俺ももう24歳だ。
結婚とか子孫とか、いろいろなことを考えなくちゃいけない。
ぶっちゃけ童貞をなんとかしなければいけない。
ある日、とうとう綾子の夢をみてしまった。
前を走っている成長した姿の綾子に走って追いかけるだけの夢。
綾子を追いかけていた筈がいつの間にか俺は綾子を追い抜いてしまった。
追い抜いたときに、綾子が何か喋っていたような気がして、耳を澄ましたとこで夢は終わる。
目覚めてからものすごく変な夢だと思った。
途端にこれがきっかけになったのだろう。
綾子にたまらなく会いたくなって、我慢ができなくなった。
ここで、中学の時から綾子と仲がよかった女子にメールを送る。
SNSで仲よさそうにしていたから、連絡先を知っているものだと思った。
綾子のSNSは2年ぐらい前から更新がとまっており、きっともう放置している。
1時間ぐらいしてから送ったメールに返事がくる。
「久しぶり!いきなりメール送ってきてどうしたの?普通LINEじゃない?笑」
そのまんまこの文章できた。
LINEがいいらしいので、仕方なくLINEに切り替えて返事する。
「いきなりでごめんな。綾子って覚えてる?連絡先知ってたら教えてほしいんだけど」
綾子はきっと東京にいるのだろう。
幸いにも俺は空港があるところならどこにでもいける。
すぐにメッセージに既読がつき、返事がくる。
友「覚えてるけど・・・まさかあんた何も知らないの?」
俺「え?なにかあった?」
友「綾子、交通事故で亡くなったんだよ」
まじか…
oh...