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数年前、自殺しようとしてた俺が未だに生きてる話
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219 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 11:27:07.93 ID:e4i9ERjX.net
〈午前六時、○○公園で〉

俺は何度もレイの言葉を読み返した。

これって、俺と会ってくれるってこと・・・・・・だよな?

降ってわいたような幸運に、俺は興奮した。

レイが俺と会ってくれる。

謎の美少女が、その姿を俺の前に見せてくれる!



221 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:13:35.84 ID:e4i9ERjX.net
レイに会える!

俺は それから小一時間ほど、考え得る限りのことで一通り浮かれまくった。

服はどうしよう。

髪が伸びっぱなしなのは、帽子でごまかせるか?

それなら、風呂は? やっぱ入っていくべきか?

会ったら、まずなんて言う?

おはよう?それじゃおかしいよな。片手をあげるくらいでいいか?

どうでもいいようなことばっかだったが、あのときの俺には大事なことだった。



222 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:17:53.31 ID:e4i9ERjX.net
このとき、もし、その約束の午前六時が すぐそこに迫っていたら、俺は浮かれたまま出かけられたかもしれない。

昨日感じた動悸や冷や汗も何のその、レイに会いに家を飛び出したかもしれない。


けど、浮かれ終わった俺が気づくと、時間はまだ午前三時ごろだった。

約束までには三時間もある。

この三時間で、俺はあることに気づいてしまった。

そう、レイの約束は本当かどうか、ということである。



223 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:25:47.00 ID:e4i9ERjX.net
まさか、俺を家から出すための嘘じゃないだろうな。

黒いTシャツに縞のシャツを羽織り、下はジーンズという、当時の俺が思ってたイケてる格好で鏡の前に立ち、俺はふと考えた。

そういう実体のない疑いは、考え出すと止まらないもんだ。

俺は どんどんその疑いの虜になった。



224 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:29:37.50 ID:e4i9ERjX.net
第一、だ。

○○公園で待ち合わせ、レイはそう言ったけど、そもそもそれはおかしくないか?

Aの家を探すときに、俺の住んでる場所に見当をつけたとしても、どうしてレイがそこまで来れる?

だって、レイはインターネットの向こうの人間だ。

それが、たまたま俺の家の近くに住んでた、なんて偶然、ありえるか??



225 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:34:44.92 ID:e4i9ERjX.net
いまからここまでの電車やバスが出てるなんてあり得ないし、可能性としては車で来るっていうのはあるが・・・・・・

レイが車を運転できるような年だなんて、あまり考えたくはない。

いや、十八とか、二十歳とか、それくらいだったらアリか?

俺の思考はほんの少しそれた。

レイの顔が、綾波レイじゃなく、一瞬ミサトさんに変わった。



226 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:37:53.17 ID:e4i9ERjX.net
まあ、ミサトさんでも、全然いけr・・・・・・

いやいやいやいや。俺は自分でツッコんだ。

そういう問題じゃない。問題は、レイが本当に待ち合わせ場所に現れるのか、だ。

俺をだますわけじゃなく、本当に来てくれるのか。



227 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:40:18.13 ID:e4i9ERjX.net
俺が決断できないまま、時間は刻々と過ぎていった。

午前四時。

午前五時。

午前五時半。

俺の家から○○公園までは、徒歩で十五分。ダッシュで十分。

午前五時四十五分。

ああ、もう出ないと間に合わない。



228 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:50:12.31 ID:e4i9ERjX.net
よし、行こう!

俺は土壇場でそう決めると、ドアノブを握った。

親が起きるのは、いつも六時過ぎだ。

けれど、俺は音がしないように、細心の注意を払ってノブを回した。

そのときだった。

カタン、郵便受けが音を立てた。

そうだ、昨日もこの時間に新聞配達が来たんだ!

見られるわけでもないというのに、俺は反射的に床に座り込んだ。

ややあって、バイクの音は遠ざかっていく。

けど、俺はしばらく そこから動けなかった。

時計の長針の立てた、やけに大きな音に顔を上げると、それはちょうど五時五十分を指したところだった。



229 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:55:17.41 ID:e4i9ERjX.net
まだ、走れば間に合う時間だ。

ばくばくいう心臓を抱えて、俺は必死で立ち上がろうとした。

けど、一旦縮こまってしまった体は言うことを聞かず、時計はその間も進み続けた。

五時五十一分、五時五十二分、五時五十三分、、、、、、

行かなきゃ。

俺は震える足で立ち上がった。

まだ間に合う。

レイはきっと待っててくれてる。



230 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 14:58:33.98 ID:e4i9ERjX.net
ドアが大きな音を立てるのも構わず、俺は部屋の外に飛び出した。

慌てたもんだから、久々の靴下を履いた足が廊下を滑って、危うく階段からも落っこちそうになった。

後ろを振り返らずに、玄関に走った。

そして、思わず舌打ちをした。

やべえ、俺の靴がねえ。



231 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/09(水) 15:07:26.50 ID:e4i9ERjX.net
長い間、出てなかったんだから、それは当然と言えば当然かもしれなかった。

使わない人間の靴なんて、出しておいてもしょうがないんだから。

「あーもう・・・・・・」

俺は小さくつぶやきながら、手当たり次第に靴箱を開けた。

でも、慌ててるせいか、どっか奥にしまわれちまったのか、全然見当たらない。

「くそっ」

俺は口汚くつぶやくと、便所サンダルを突っかけて外に出た。

小学校の頃買ってもらったマリナーズの帽子を目深にかぶって、鞄も何も持つことなく。

初対面の女子に会う、というよりは、完全に不審者の格好だった。



234 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 03:15:20.86 ID:s7iJPSG6.net
玄関ドアを開けると、当たり前だが、そこは外だった。

家の中の空気とは違う、なんか冷たいっていうか、さらっとしてるっていうか、そう、新鮮な、っていうのが近いかな?

そんな空気が俺を包んだ。あたりはまだ暗かった。

近所の家の窓からは明かりが漏れていたが、道を歩く人は誰もいなかった。

午前六時に家を出るなんて、たぶんラジオ体操のとき以来だ。

俺は一瞬ぼうっと立ち尽くし、それから慌てて下を向いて歩き出した。

犬を連れたじいさんが角を曲がって こっちに来るのが見えたからだ。



235 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/10(木) 03:25:04.85 ID:s7iJPSG6.net
まあ、それで歩き出したはいいが、じいさん&犬に驚いた俺が向かったのは、公園とは逆方向だった。

やばい。。。。。。

後ろを振り向けないまま、俺は後悔した。

ただでさえ時間に遅れそうだってのに、走らなきゃ間に合わないってのに!

どうして俺はとっさに歩き出しちまったんだろう。

じいさんを避けたいなら、もう一回、玄関の中に引っ込めばよかっただけなのに。

そしたら、いまごろ安全な場所に、ベッドに潜り込んでいられたのに。

とっさの二択で、俺は引き負けたんだ・・・・・・



>>次のページへ続く
 
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