数年前、自殺しようとしてた俺が未だに生きてる話
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367 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:13:47.71 ID:uGHuDPhd.net
「え、なんでだよ」
自分の言い出したことだというのに、俺は焦った。
「だって、親の言うことだぞ? 聞いた方が・・・・・・」
「あなたは本当に言うことが ころころ変わるのね」
今度はレイが皮肉を言った。
「親を批判しながら、今度はその言葉を聞くべきだというの?」
「それはだって・・・・・・」
「教えてあげる」
すると、レイはよくわからないことを言った。
368 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:22:58.71 ID:uGHuDPhd.net
「あなたは、誰の言うことも聞く必要はない」
「誰かの言葉通りに生きる必要もない」
「・・・・・・という、私の言葉さえ、本当は聞く必要はないの」
「わかる?」
「えっと・・・・・・わからない」
本音だった。
だって、親の言うことは聞くべきだ。
先生や、友達の言うことにも、耳を貸すべきだ。
誰もが そう口を揃えるし、そうでなかったら、実際どうするべきか わからないこともある。
「私は何も、すべて一人でやれと言ってるわけじゃない」
すると、レイは言った。
「あなたは他人の言葉に惑わされる必要はないって言ってるのよ」
369 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:27:38.73 ID:uGHuDPhd.net
「惑わされる?」
「ええ」
レイはうなずいた。
「だって、新聞の切り抜き一つで、あなたはどれだけ消耗した?」
「どれだけの時間を無駄にしたの?」
「それは、惑わされているからでしょう?」
「でも、それは・・・・・・」
「そんなものは無視することよ」
「直接、目を見て罵られたのなら怒るのもわかるけれど」
「新聞の切り抜きは、新聞の切り抜きで、それ以上のものじゃない」
「つまらない憶測で、自分を傷つけるのは無駄」
370 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:39:52.04 ID:uGHuDPhd.net
「でも、俺の親は こんな感じなんだ。だから、俺が思ったのは憶測なんかじゃなくて・・・・・・」
「それでも、よ」
レイの言葉は、静かだけれど力強かった。
「他人が何を考えてるかなんて、どうだっていいことなの」
「見えないし、聞こえない」
「馬鹿正直に憶測して傷つくことなんてない」
「あなたは、トゲが刺さると知りながら、目についたイガ栗を全部素手で拾おうとしてるの」
「他の人は、それを避けて歩いているのに」
「あなただけが、自分から拾ったイガ栗のトゲが痛いと嘆いてるのよ」
「そんなもの、拾わなければいいだけなのに」
「え、なんでだよ」
自分の言い出したことだというのに、俺は焦った。
「だって、親の言うことだぞ? 聞いた方が・・・・・・」
「あなたは本当に言うことが ころころ変わるのね」
今度はレイが皮肉を言った。
「親を批判しながら、今度はその言葉を聞くべきだというの?」
「それはだって・・・・・・」
「教えてあげる」
すると、レイはよくわからないことを言った。
368 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:22:58.71 ID:uGHuDPhd.net
「あなたは、誰の言うことも聞く必要はない」
「誰かの言葉通りに生きる必要もない」
「・・・・・・という、私の言葉さえ、本当は聞く必要はないの」
「わかる?」
「えっと・・・・・・わからない」
本音だった。
だって、親の言うことは聞くべきだ。
先生や、友達の言うことにも、耳を貸すべきだ。
誰もが そう口を揃えるし、そうでなかったら、実際どうするべきか わからないこともある。
「私は何も、すべて一人でやれと言ってるわけじゃない」
すると、レイは言った。
「あなたは他人の言葉に惑わされる必要はないって言ってるのよ」
369 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:27:38.73 ID:uGHuDPhd.net
「惑わされる?」
「ええ」
レイはうなずいた。
「だって、新聞の切り抜き一つで、あなたはどれだけ消耗した?」
「どれだけの時間を無駄にしたの?」
「それは、惑わされているからでしょう?」
「でも、それは・・・・・・」
「そんなものは無視することよ」
「直接、目を見て罵られたのなら怒るのもわかるけれど」
「新聞の切り抜きは、新聞の切り抜きで、それ以上のものじゃない」
「つまらない憶測で、自分を傷つけるのは無駄」
370 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:39:52.04 ID:uGHuDPhd.net
「でも、俺の親は こんな感じなんだ。だから、俺が思ったのは憶測なんかじゃなくて・・・・・・」
「それでも、よ」
レイの言葉は、静かだけれど力強かった。
「他人が何を考えてるかなんて、どうだっていいことなの」
「見えないし、聞こえない」
「馬鹿正直に憶測して傷つくことなんてない」
「あなたは、トゲが刺さると知りながら、目についたイガ栗を全部素手で拾おうとしてるの」
「他の人は、それを避けて歩いているのに」
「あなただけが、自分から拾ったイガ栗のトゲが痛いと嘆いてるのよ」
「そんなもの、拾わなければいいだけなのに」
371 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:47:42.12 ID:uGHuDPhd.net
「俺が望んで傷ついてるって言うのか?」
そんなはずない、俺は反論しようとした。
「俺は、傷つきたくない。そんなこと、絶対に・・・・・・」
「なら、そういう癖がついてるのね」
レイはあっさりと言った。
「トゲは時に甘美だもの」
「自己憐憫には ちょうどいいのよ」
「そんなこと・・・・・・」
ない。
そう思いたかったが、完全には否定できないような気もした。
他人の気持ちに敏感な自分。
そして、敏感なゆえに傷つく自分。
俺は やっぱりそんな自分が好きだったからだ。
そして、それがレイの言う、〈イガ栗を好んで拾いに行く〉ということだろう。
372 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 11:52:03.58 ID:uGHuDPhd.net
俺は切り抜きを横目で見た。
これがイガ栗なら、どうしたら俺は これを拾わずにいられるんだろうか。
気づかないふりをする?
それとも・・・・・・?
「簡単よ」
「握りつぶして、ゴミ箱に入れるの」
俺は早速その通りにした。
何だか、すっきりした気分になった。
373 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 12:04:50.39 ID:uGHuDPhd.net
「他人は適当なことを言う」
「自分以外のことに、真剣になってくれる人間は稀」
「仮に、それが真剣な助言だったとする」
「それでも、その助言があなたに合うかはわからない」
レイは続けた。
「覚えていて」「選ぶのはあなた」「他人は責任を背負わない」「あなたの行動の責任を取るのは、あなただけ」
「わかった」
俺は うなずいた。
けど、うなずきながら ほんの少しその言葉に違和感を覚えた。
それはきっと、俺に助言をくれる立場のレイが、自分の言葉を信じるな、そう言っているような気がしたからかもしれない。
374 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 13:42:13.60 ID:uGHuDPhd.net
俺は その日、Aの観察を休んだ。
レイと話しているうちに時間も過ぎていたし、それも暴れたせいで身体のあちこちが痛かった。
自己憐憫。
レイが見たら、そう言われるだろうなと思いながら、俺は身体についた傷を眺めた。
皮がめくれたミミズ腫れの跡を、内出血して血の滲んだ打撲の跡を。
375 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 13:48:41.37 ID:uGHuDPhd.net
これは、俺がイガ栗を拾って、それを踏みつけた跡だった。
痛くなかったわけじゃない。けど、その痛みを感じたいと思ったことも きっと事実だった。
もしかしたら、俺はそうして自分を罰したかったのかもしれない。
唐突に、そんな考えが頭に浮かんだ。
親の期待に応えられない自分を、不登校をして、引きこもりになった自分を。
376 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 13:53:42.82 ID:uGHuDPhd.net
でも、同時にこんな考えも浮かんだ。
不登校や引きこもりは俺のせいじゃない。
この傷は、俺自身がつけたものだけど、俺はこんなふうに罰せられるべきじゃない。
「なら、罰を受けるべきは誰なの?」
すると、頭の中のレイが現れ、俺の耳許でささやいた。
「あなたのせいじゃなかったら、これは誰のせいで、誰が責めを負うべきなの?」
俺は傷跡から顔を上げた。
そして、そこにいるはずのない、想像のレイを振り向き、言った。
「それは・・・・・・Aだ」
377 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/13(日) 14:03:45.24 ID:uGHuDPhd.net
「Aに決まってる」
「そうよね」
その答えを聞いて、頭の中のレイは嬉しそうにわらった。
つられて、俺も口角を上げた。
吐く息に混じって、気持ち悪い笑い声が漏れた。
「Aだ」
俺は小さく声を出してつぶやいた。
そうすると、いままで薄ぼんやりとしていた俺の言葉は、実体となって現実に姿を現した。
それは俺の手にしっくり収まる、ナイフの形をしているように見えた。
382 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/14(月) 03:28:54.23 ID:R20nqEHV.net
それから、俺が新たな習慣を始めた。
何を始めたのか。聞いたら、みんなきっと驚くだろう。
なんと、俺が始めたのは俺は筋トレだったのだ。
なぜかって言われたら、なぜだろう。
別にレイに勧められたわけじゃないし、遅ればせながらビリーに憧れたわけじゃない。
俺は、俺の意志で筋トレを始めた。
もちろん、最初は腹筋10回くらいなものだったけど、それも記録をノートにつけて、だんだん回数を増やしていった。
383 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/14(月) 03:44:40.70 ID:R20nqEHV.net
Aを殺すのには筋力が必要だ。
俺は そう思ったのかもしれない。
それとも、運動神経がない分を、せめて筋力でカバーしようとしたのかもしれない。
それはわからないが、いま一つだけ言えることは、あのときの俺は強くなりたい、そう思っていたんだろうということだ。
・・・・・・いや、少し違うな。
「強くなりたい」だなんて、そんなことは いじめられたときから思ってた。そのときこそ、俺には強さが必要だったんだから。
だから、強くなりたい。俺はそう「思った」だけじゃなかった。
強くなりたいとそう思って、なおかつ そのためには どうしたらいいか、やっと理解していた。
〈現実を変えるのは行動〉
その言葉を理解したとき、強くなりたい、そう願うだけの俺は消えた。
その瞬間に、俺は「強くなる」準備ができたんだ。
384 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/14(月) 04:01:45.82 ID:R20nqEHV.net
準備ができたら、そこからあとは もう行動するのみだ。
思えば、Aの観察も、筋トレも、目標のために何かを積み重ねていくという点では同じことだった。
まあ、でも筋トレの方が客観的な成果を実感できるから楽しかったかもしれない。
だって、例えば「部屋を出る」から「家を出る」って行動の間。
俺的には、その間には ものすごい隔たりがあって、越えるのが大変だったわけだけど、それって、俺以外にはピンとこない話なわけだ。
けど、最初「腹筋10回」がやっとだったのに、「腹筋50回」できるようになったって、そう言ったら、おおすごいじゃん、ってなるだろ?
やればやるだけやっただけ、目に見える効果がある。
それは俺にとって かなり励みになった。
385 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/14(月) 04:06:36.32 ID:R20nqEHV.net
それから、筋トレには思わぬ効果もあった。
一日中、寝たりパソコンをしてるより、身体の調子がよくなったんだ。
腹も以前より減るようになって、俺は親のいない間に階下に降り、自分で飯を食うようになった。
とはいっても、料理なんかしたことないから、炊飯器の白米に納豆と卵みたいなやつだったけど。
まあ、健康にはよかったかな、とは思ってる。
386 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/14(月) 04:11:11.08 ID:R20nqEHV.net
そうするうちに、3/27が過ぎて、学校は とうとう春休みに入ってしまった。
「新学期を待った方がいいわ」
レイはそう言った。
「そうする」
俺は素直にそう言った。
けど、内心は、春休み中でもチャンスがあったら逃す手はないと思っていた。
これは俺の戦いだ。
387 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/14(月) 04:19:10.55 ID:R20nqEHV.net
実はこの頃、俺は、例の自転車に乗ったAをどうするかについて、一つの答えを出していた。
自転車を転ばせる。
俺の以前の考えは、実は正解に近かった。
俺の計画は、Aが自転車から降りている状態ならば、成立する。
ということはつまり、Aから自転車を奪えばいいのだ。
388 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/14(月) 04:24:35.70 ID:R20nqEHV.net
けど、奪うとは言っても、事前に盗んだりはできない。
なぜなら、自転車がなければ、Aが車で送り迎えされることもあり得る。
そんなことになったら、ナイフで刺すどころじゃない。計画自体がおじゃんになる。
それならどうするか。
そこで俺が考えたのは、塾に止めてある状態のAの自転車を、パンクさせるという手段だった。
389 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/14(月) 04:37:08.98 ID:R20nqEHV.net
自転車をパンクさせてしまえば、Aは夜道を歩かざるを得なくなる。
そうなったら、こっちのものだ。
俺は そう考えた。
もちろん、Aが家に電話して迎えに来てもらう、という選択肢もあり得る。
けど、その可能性は少ないだろう、俺はそう判断したのだ。
なぜなら、夜道を心配するような家族なら、そもそも最初からAを自転車で通わせたりしないだろう。
大体、ゆっくり歩いても塾からAの家までは三十分ほどで、迎えに来るような距離でもない。
それに、どのみちパンクした自転車は持って帰らなければならないのだ。
スポーツタイプの高そうなものだし、放置も考えにくいだろう。
390 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/14(月) 04:45:43.77 ID:R20nqEHV.net
これは、俺が毎日観察を積み重ねた結果の答えだった。
けど、俺はこの方法だけに固執するつもりはなかった。
肉体的にも、精神的にも、俺は強くなっていた。
だからもし、Aが親に迎えを頼むことになっても、それは それでいい。
俺は そう思っていた。
自転車がパンクするなんて よくあることだ。Aは特別警戒心も抱かないだろう。
それなら、チャンスはまだ いくらでもある。俺はいつか、そのチャンスをものにできる。そう考えていたんだ。
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