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涙の色は赤がいいだろ?
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39 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:24:22.43 ID:msabUvV8.net
「ああ、でもそれがどうしたんだ、今回の話と関係あるか?」

「つまりですね、意味があるのは「赤」という色ではなくて、「赤」という言葉だということです」

どういうことだ? それは同じ意味じゃないのか? 彼女の言いたいことが よくわからなかった。


40 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:24:52.40 ID:msabUvV8.net
「悪い、もう少し具体的に言ってもらっていいか?」

「そうですね、じゃあ赤色と聞いて何を思い浮かべますか?」

「そうだな、イチゴとかトマトとかか?」

「ふふっ、あなたが食いしん坊さんだということはよくわかりました」

いたずらっぽく笑いながら彼女はそう言った。

「いや、別にそういうわけじゃ……」

食いしん坊のレッテルを貼られるのは嫌なので、とりあえず否定はしといた。


41 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:25:25.25 ID:msabUvV8.net
「すみません、冗談ですよ。そのですね、じゃあ、赤色で危ないものといったら どうでしょうか?」

「危ないものか…… 赤信号とか、……そうか血か」

「正解です。そう、血ですね。血の色が「赤」と呼ばれていることが大切なんです」

「確かに血には危機感を覚える。だから赤がいいのか」

「そうです、別にあなたにとっての「赤」が私にとっての「緑」だとか、そんなことは どうでもいいんです。

血の色が「赤」と呼ばれている。

そして血が流れていると人は危ないと判断する。この二つが大切なんです。

何色に見えていようと、涙が血と同じ色なら、人はすぐにその人のSOSに気づいてくれるでしょ?」


42 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:25:53.81 ID:msabUvV8.net
「なるほどな、確かになかなか面白い話だな」

「どうですか? これで赤がいいと思ったでしょ?」

彼女の話は筋が通っていたし、納得もした。それでもやっぱり俺の心は変わらなかった。

「筋は通ってるんだ、納得もしてる、でもやっぱりなんか違う気がするんだよな」

上手く言葉をまとめることができなさそうだったので、そのまま口にした。




43 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:26:48.96 ID:msabUvV8.net
「そうですか…… 残念ですね。でも負けませんよ。必ず納得させてみせます」

また、いたずらっぽく笑ったその顔に、俺は見惚れていた。

「どうしたんですか? 聞いてますか?」

見惚れて、止まったままの俺に彼女が問いかけてきた。

「ああ、大丈夫だ。そうだな、望むところだ。納得させてみてくれ」

「はい、もちろん」

そう笑いながら言った、その笑顔に俺はまた見惚れた。

「そうですね、じゃあこんな話があります……」


44 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:27:18.98 ID:msabUvV8.net
それから毎日俺は公園に行き、彼女と話をした。

話の内容は涙の色の話だけではなく、お互いのことや、他愛もない話などいろいろ、本当にたくさん。

彼女と話す時間は俺にとってだんだん大切なものになっていき、普段人と喋る機会の少ない俺は、この時間だけが人と関わる時間になっていた。


45 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:27:48.46 ID:msabUvV8.net
もちろん、その間もバイトは継続しており、この前、今までのバイト料が本当に振り込まれた。


46 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:28:41.74 ID:msabUvV8.net
「これでどうですか? やっぱり赤がいいでしょ?」

七月が終わる頃になっても、涙の色の話に決着はつかず、俺たちは まだ話し合っていた。

「そうなんだけど、でもやっぱりなんか違うんだよな」

「またそれですか…… あ、もしかして私と話していたいから、わざと納得しないでいるんですか?」

彼女はニヤニヤ笑いながらそう聞いてきた。

最近では、彼女はこんな風に俺を からかうようにまでなっていた。

いつもなら すぐ否定するんだが、今日は少しだけ仕返しをしてみたくなったので、俺は真剣な顔で、「そうかもな」と言った。


47 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:29:15.09 ID:msabUvV8.net
そしたらさ、笑っちゃうよ、頬を赤くしながら、「ど、どうしたんですか急に」だってさ。

その顔があまりにも可愛かったから、俺は もう少しだけからかうことにした。

「いや、その通りかもしれないと思ったんだ。一緒にいるのが楽しいから、話を続けていたいから否定してるのかなと思ってな」

「そ、そうですか…… ありがとうございます……」

なぜか少し伏し目がちに彼女はそう言った。

その顔に俺は、冗談だとも言えなくなり、しばらく沈黙が続いた。


48 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:31:08.03 ID:msabUvV8.net
沈黙を破ったのは携帯が鳴る音だった。

携帯を開くと、今日のバイトの終わりを告げるメールがそこにあった。


49 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:31:38.26 ID:msabUvV8.net
毎回思うんだが、バイトが終わる時間は、一体どういう基準で決められているんだろうか?

いつも終わる時間はバラバラで、何の規則性もない。どこかで俺を見張って時間を決めているんだろうか?

そう思って周りを見渡したが、そんなことができるような場所は、どこにもなかった。




50 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:33:00.06 ID:msabUvV8.net
「どうしたんですか?」

急にキョロキョロした俺を見て不思議に思ったんだろう、彼女がそう聞いてきた。

「いや、なんでもない……」

そう言おうとして、一つアイデアが浮かんだ。

もしここで この子に、このバイトのことを相談したら、きっといい解答を導き出してくれるのではないだろうか。

今までの会話からわかったことだが、この子は頭がいい。

その目は いつも真実を見透かしているように見えた。そんな彼女なら何かわかるかもしれない。


51 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:33:32.61 ID:msabUvV8.net
バイトのことは口外するなと言われている。

だが、まわりに監視がいるわけでもなさそうだし、ここで話してもバレることはないだろう。

それにいくら割がいいとはいえ、俺はこのバイトのことを不気味に思い始めていた。

さっき監視はいなさそうと言ったが、監視がいないなら一体何のためにこんなことをしているんだ?

いい加減はっきりさせるべきなのかもしれない。バイトを続けるにしても辞めるにしてもだ。

その足がかりにでもなるならと、俺は彼女に相談することにした。


52 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:34:06.62 ID:msabUvV8.net
「なぁ、相談があるんだけど、いいか?」

意を決して彼女にそう聞いた。

「相談ですか…… いいですよ、私で力になれることなら何でも言ってください」

彼女は力強い目でそう言ってくれた。

「実は……」


53 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:34:35.62 ID:msabUvV8.net
俺はバイトのことを全部彼女に話した。

俺が話している間、彼女は驚きながらも、黙って話を全部聞いてくれた。

「なるほど……」

話が終わると、彼女は一言そう言った。

「不思議な話ですね」

「それで、どう思う? このバイトについて」

俺は彼女に解答を求めた。


54 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:35:30.02 ID:msabUvV8.net
「そうですね、今考えられる可能性は三つですかね」

「三つ?」

「はい。一つ目は誰かがここを監視して、何か実験を行っているという可能性です」

「だがそれは――」

「はい、辺りを見渡したところ、監視できるような場所はありません。だからこの可能性は低いでしょう」

俺の言葉を遮って彼女は話した。


55 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:35:58.59 ID:msabUvV8.net
「二つ目は ただのイタズラという可能性です」

「だけど、お金が実際に振り込まれたんだ。イタズラの可能性は低いんじゃないか?」

イタズラのために金を振り込むとは とても思えないし、そんな奴がいたら馬鹿としか言いようがない。

「そうですね、この可能性も低いでしょう」


56 :名も無き被検体774号+@\(^o^)/:2016/03/12(土) 20:36:24.51 ID:msabUvV8.net
「そして最後三つ目は、あなたが嘘をついている可能性です」

「俺は嘘なんかついて――」

「知ってます。あなたは嘘をつくような人じゃありません。よってこの可能性はゼロです」

また、彼女が俺の言葉を遮って、そう言った。その声には少し力がこもっているように感じた。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:読み物  |  タグ:青春,
 


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