なんでも、「逃げるように引っ越してきたけど、ちゃんとやれてるか心配で連絡とってみた」とのこと。
タマ曰く、自分と元彼は共依存って状態で離れてると自分がダメになってしまうらしい。
なんともメンヘラ極まりないんだが、当時の俺は自分が彼氏だと思っていたので絶対に自分のほうが元彼より居心地がいいと思い込んでいた。
その日の夕方、俺はタマを元彼の家に行く姿を見送った。
「行くなよ」って言えない自分が情けなくて、悔しかった。
ざわついた気持ちを抑えるように新宿のタワレコで視聴しまくった。
大好きなはずのアーティストの新譜も耳に入らなkった。
当然その日はタマも帰ってくると思い込んで、タマの家に帰った。
普段タマの私物には触らないようにしていたんだが、どうも気持ちの整理がつかず、タマのクローゼットをあけたんだ。
見なければよかったものが目に入り込んだ。
タマの化粧するときの鏡の裏に貼ってあったプリクラ。
俺と撮ったプリクラの真横にタマと元彼のプリクラが貼ってあった。
しかも、俺が引越し祝いにと買ってあげたファーのついたコートを着ていた。
うわぁ…
1のプリの真横に元彼って…
引越しをしたのがクリスマスになるちょっと前で、そのプリクラを見ているのは一月半ば。
ってことは俺が引越し祝いを買ってあげてから一ヶ月以内に元彼と会っている。
そこで一気に現実に戻された。
俺は どんなにあの子に優しくしようと、暴力でしか支配できない相手には勝てないんだなあって。
ああいう時って感情ないんだな。
本当になんにも思わなかった。悲しいとかムカつくとかそういうのも出てこない。
なんていうか、むしろ見たことを隠さなきゃってことのほうが大きかった。
ふむふむ
その日はタマは帰ってこなかった。
俺はバイトもあったし、翌日の午前中にはタマの家を離れ、バイト先に向かっていた。
その日の休憩中にタマからメール。
「帰ってきたよー。元彼とはもう完全にさよならしました!!」
みたいな内容で、その文のあとには俺に早く会いたいーみたいな内容だった。
それを見て自分で今日は どこに帰っていいのかわからなくなった。
自分の家に帰れば、会いたい攻撃が続くのはわかっていたし、タマの家に帰れば俺は いつものようにセックスに溺れるんだろうっとわかっていた。
ふむ