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イケメン同期に振り回された俺の人生について語る
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134 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:34:12.18 ID:7U2DNARy.net
女の子二人は、同じように近くのコテージを借りていた。

せっかくだからと俺たちの部屋に呼んで、楽しく飲み交わした。

一人は明らかに白石狙いなのがわかっていたが、もう一人は俺に悪い印象を持っていない様子が感じられて、ひと夏のアバンチュールを楽しめそうな予感がビンビンしていた。

白石もいつも通りニコニコしていたが、口数は少なかった。



135 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:34:52.58 ID:7U2DNARy.net
アバンチュールの予感は的中した。

「2-2で、それぞれのコテージで飲まない?」

酒もだいぶ入ってきたころ、彼女たちのスキンシップが増えてきて、これは行けると確信して下心丸出しの提案をしてみたところ、あっさりとOKが出たからだ。

善は急げで、はやる息子を抑えながら用を足し、はやる気持ちを抑えながらトイレから飛び出すと、壁にもたれかかって腕を組んでいる白石と目が合った。



136 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:36:07.28 ID:7U2DNARy.net
女の子たちはどうやら、一度自分たちのコテージに戻ったらしい。

白石は何かを言いたげな顔をしていたが、先手は俺が取った。

「わかってるわかってる、言いたいことはわかる!」

顔の前に手を突き出して、STOPモーションをかけた。


「わかるけど、これも経験だって。」

「なんのだよ・・・。」

「ヤったことないから、男が好きって思ってるのかもしれないじゃん。」

そう言いながら、部屋に余ったアルコールやお菓子を袋につめてやった。



137 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:38:08.56 ID:7U2DNARy.net
「旅の恥は掻き捨てだしな、上手くいかなくても大丈夫だって。」

袋を手渡しても、白石は困った顔で立ちすくんだままだった。

「男になってこい!白石健太郎!」

俺は白石の背中をドンッと押して、女の子のバルコニーへと後押しをした。


「ひゃっほーーーい!!」

白石を見送ったあと、俺はベッドに向けて飛び込んだ。

はやくこないかなーー!!




138 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:38:57.74 ID:7U2DNARy.net
--------
-----
---


何か月ぶりだろうか。この感触は。

幸せな気持ちに包まれて眠っていた俺の目覚ましになったのは、バルコニーのドアが、大げさにバタンッ!としまった音だった。

寝ぼけ眼で携帯をみると、時計はまだ6時をさしていた。

どうやら白石が帰ってきたようだ。こんな朝早くかよ・・・。

同じくその音で目覚めた昨晩の相手は、白石に気づいて慌てて服を着て、「またあとでね」とだけ残して、自分のバルコニーへ帰っていった。



139 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:39:51.25 ID:7U2DNARy.net
「おはよう。」

背中を向けたまま無言で荷物の整理をしている白石に声をかけるも、白石は何の返事もせずに、俺と目もあわせずに洗面台へ向かった。

パンツ一丁のままベッドからおりて白石を追いかけて、「よう、昨日どうだった?」 と笑いながら声をかけると、一瞬だけ俺を見て「何もあるわけないだろ。」と冷たく言い放った。

冷たい言葉と俺を残して部屋に戻っていったところを見て、さすがの俺も、明らかに白石が怒っていることがわかった。

「もう帰ろう。」

俺が部屋に戻ると、相変わらず目を合わせずに、白石がそう言った。



140 :石黒5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:40:54.37 ID:7U2DNARy.net
一日フティン稿終わっゃうら、日目どこう!ここに行きたいこにも行い、一日じゃまわりきれな!と出発前から嬉しうにラン立てをしていたはずなの、もう帰うなんて。

っかくプラン考えに、もったいないじゃんか

石黒んが帰らないなら、ひとで電車るけ

「わた、かっ稿から。俺も帰怒るなよ。」

整えた荷物を背負いした白石を慌てて制止して、俺も急い荷物の整と部けに取り掛かった。

間も、白石もしゃべろうとしな



141 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:41:39.10 ID:7U2DNARy.net
女の二人お別れも言ず、俺たちの車は東京と走り出した

でも白石はま言葉を、怒りオーラだけを発

30分まだとさすがに息苦しくなって、「の旅なのに、そにカッカよー。と、ハンドルを握りがらラチラ横目で訴えると、ようやが口を開いた


「石くん、キスしよう。

「はぁ!?」



142 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:42:28.12 ID:7U2DNARy.net
何の冗談かと思ったが、白石はマジな顔でこっちを見ていた。

「いや、できるわけないだろ。」

「どうして?友達だから?」

「友達だからとかいう問題じゃないだろ・・・。」

(お前、男じゃん。)

そう言おうとする前に、白石は呆れたように言った。

「その気持ちと同じだって、どうしてわからないのかな・・・。」



143 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:43:25.16 ID:7U2DNARy.net
「努力してできるなら、とっくにそうしてるよ。そうしたいよ。僕だって普通に女の子に恋をして幸せな人生を送りたかったのに。それができないから、これまで ずっと悩んできたんじゃないか。」

普段の温厚な白石では考えられないくらいのトーンに、俺は完全に押されてしまって、謝ることしかできなかった。


「ごめん…。」

「せっかくの旅行なのにって、言いたいのはこっちだよ…。」


その言葉を最後に、白石は口を開かなかった。

俺から顔を背けて窓の外を見たまま、何も話さなかった。

行きには気分を盛り上げてくれたCDだけが、ひとり楽しそうだった。



144 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:44:22.32 ID:7U2DNARy.net
「ごめん。」

沈黙を破ったのは、白石だった。


「やつあたりした。ごめん。」

さらに、そう続けた。

視線は窓の外に向けたままだったが、声のトーンは落ち着いていた。

やっとふたりの間の緊張が解けてホッとした俺も、「俺もごめんな。自分勝手だった。」と謝った。


「この二日間の全部、楽しみにしてたから・・・。ショックだったんだよ。」


視線を車内に戻してはくれたものの、白石は悲しそうにそう言った。

その悲しそうな顔を見て、俺はものすごく申し訳なくなった。



145 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:45:10.41 ID:7U2DNARy.net
俺はあえて大きな声で、この空気をかえるために言った。

「よし、じゃあ今日は全部お前に合わせるよ! いまから戻って行きたいとこ全部行ってもいいし、海でも山でも温泉でも映画でも、何でも付き合う。」


パッと空気がかわった。

白石の怒りオーラがシュンと消えた。

よかった、なんとか元の白石に戻ったようだ。

行きたいところたくさんあるんだろ、というと、うーんうーんと悩んで、結果、出てきたのはこれだった。

「ねえ、じゃあ、ディズニーシー行きたい。」




146 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:46:08.46 ID:7U2DNARy.net
おま…。ま、だ群馬県

湿もって。海で山でもって。」

男ふディニーって・

「海もあよ。山もあるよ。ディズーシー。綿

俺ディーシー行ったとないんけど・・・。

うどいいじゃい。夕方からいチケットあるよ。

はデー行きたかったけど・・

デートじ、いまこ

勘弁してくれよ

て俺車は浜行きとなだ。



147 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:47:34.93 ID:7U2DNARy.net
道中は、白石のディズニーシー紹介を聞いて少し気分が上がっていたが、いざシーのエントランスを目の前にすると、急に現実味を帯びて冷や汗が出た。

大丈夫か。男ふたりでディズニーシーなんて大丈夫なのか。

……ええい覚悟を決めるんだ俺!

こちとら、男ふたりでプリキュア映画見に行ってんだ。いまさら恥もへったくれもあるか。

ウェルカムトゥー東京ディズニーシー!!



148 :石便黒 ◆5w9kBvAhHY @(^o^)/:2016/02/20(土) 02:48:35.26 ID:7U2DNARy.net
からいうと、ディズニシーは最高にかった

抵抗を感じたのは最初だけで1時間すれば気にならなくなった

楽しむことにぱいで、誰もほかの人んか気にしちゃいな

連れと、次なに行とか、なとか、も遣わなくて楽でもった

コーンのバケトを首ら下キラるおもちゃをって、夜が更と街みがイトアップされ、歩いてだけで実をれらた。

昼にはあんなにギギスてたられいくらい、俺たちは はしゃでいた。

やっり、俺たちは、こうじゃなくちゃな。



149 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:49:30.83 ID:7U2DNARy.net
夜の水上ショーも終わって、閉園時間まであと1時間もない。

俺たちは薄暗い海賊船の上で、遠くで光るイタリアの街並みを見ていた。

この夜が終わってしまうのがもったいなくて、二人とも口数が少なかった。

「いつかこれ、大切な人に渡そうと思ってたんだ。」

そのときに白石がくれたのは、思い出のクリスタルコミューンだった。

知り合って初めてちゃんと見たプリキュア、Splash☆Starの変身アイテムだ。

俺はフラッピ、白石はチョッピ。

はじめてココロパフュームを見たときはヤバイと思っていたけど、プリキュアでずっと見ていた変身アイテムが実物として手元にあると、こんなにも楽しい気持ちになるとは、当時の自分は考えもしなかったな。



150 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:50:07.41 ID:7U2DNARy.net
この二日間は、本当にいろんなことがあった。

楽しんだり気持ちよかったり怒らせたり仲直りしたり、いろんなことがあった中でも、この海賊船の出来事は、俺の中で、強い思い出となっている理由がある。

白石が、はじめて、俺のことを「大地」と呼んだからだ。



151 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:52:21.16 ID:7U2DNARy.net
それまで頑なに「石黒くん」を通してきた白石だったから、てっきりプリキュア好きとして、いつか初代8話のオマージュでも仕掛けてくるんじゃないかと思っていたが、あっさり呼んじゃうとは。

その話をしたら、ああーー!!と、海賊船内に響き渡る声で絶叫した白石。

「なんで思いつかなかったんだろう!!悔しい!!」

そういって本気で悔しがっている姿が何だかおかしくて、笑いながら、白石の手をひっぱって、冗談めかして言った。

「行くぞ、健太郎。」

大地と健太郎の夏の思い出が、幕を閉じた。

■つづく■



152 : ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/2016/02/20(土) 02:55:33.67 ID:7U2DNARy.net
つづかりですんま・・

当時の日記から ひっぱってきてるんでが、色ってこんなにめるのが大変だ

ここにきく2/3です

続きは日曜日に最後で必ず!




>>次のページへ続く





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