酔いつぶれている真横で彼女が友人とセ●クスを始めてしまった
バイト先での話。
漏れ=ユウジは、なんでか知らんが女子受けがよく、その新しいバイト先でも直接声をかけられはしないものの、女の子達の間に「ユウジ君いいよね」という声があるのは聞こえていた。
彼女=ヒロミもそのうちのひとりで、同期のバイトの子といろいろ漏れのことを品定めしていたらしい。
経過は省くけど、結局、漏れとヒロミは付き合うことになった。
しかし そのバイト先では未だバイト同士で付き合うケースがなかったらしく、ウルサイ社員がいたことからも、漏れらは付き合っていることを内緒にした。
そんな状況の中、社員を巻き込んだ大々的な飲み会が催された。
1次会で たらふく飲んだ漏れらは、特に人員落ちすることもなく、そのまま2次会のカラオケボックスに突入。やんやの大騒ぎ。
大勢で狭いボックスにひしめき合うもんだから、ソファは満杯。
ヒロミはその日、ミニスカートを履いていた。
女の子を優先的にソファに座らせて、男は床に座り込んでマイクの奪い合い。
すると、友人のひとりが漏れにそっと耳打ちする。
「ユウジ、ちょっと見てみろよ。ほら、あっち」
「何よ? どうしたの?」
「ヒロミちゃん、パンツ丸見え。ウオ! 白!」
「……。あ、ああ! いいですな!」
床に座るのはいいんだけど、なんでコイツら、カラオケのディスプレイがわざわざ見えにくいこんなところに集まっているのかと思ったら、ヒロミのパンツが目的だったらしい。
よく見るとソファだって空いている。
漏れはもう冷や冷やで、(ヒロミ! パンツ見られているよ!)なんて必死に彼女に念じたけど、まったくの無駄。
結局 バイトの男全員と言っていいほどにヒロミは楽しまれて、ムチャクチャに盛り上がったまま、2次会はお開き。
もう全員ベロベロ。
床にはつぶれて何人も倒れているし、おんぶされている女の子もいる。
漏れも酒に強くなかったために、立っているのがやっとの状態。
朦朧とした意識の中、ヒロミを捜す……いた。彼女は平気みたい。
「オイ、ユウジ! 大丈夫かよ、お前」
と、バイト内で一番仲のよかったイトウが、漏れに声をかける。
「オイ! ユウジ! ッたく仕方ねえな。ここから帰れンのか?」
「ウイ……多分、平気だと……」
「ダメだな、コイツ。お前ンち、どこだっけ?」
「チャリで20分……」
「チャリ? 面倒臭ェな! おーい、ここから一番近いヤツ、だれ?」
ひとまず漏れを、だれかの家で介抱するつもりらしい。すると、
「あ、私ンち、一番じゃないかもしれないけど近いよ」とヒロミが名乗りをあげた。
「ヒロミちゃん、近い? でも女の子の家だしなァ」
バイト先では漏れらが付き合っていることは内緒のため、仲のいいイトウもその事実を知らない。
するとヒロミは、「でもユウジ君、絶対帰れないよね。とりあえず落ち着くまで家にくれば」
「え。あ、いいの? じゃあユウジ、ヒロミちゃんのところ、いいってよ!」
「ウ、ウーン……」
「ユウジ君、大丈夫?」
「コイツ、多分ここから動けんな。ったく面倒なヤツだ」
「イトウ君、ユウジ君と一緒に来てくれる?」
「つーかそうするしかねェだろ、この状況だと」
というわけで、漏れはイトウの背中に載せられてヒロミの家へ向かった。
歩くこと数分、ヒロミの家に着いた。
ひとり暮らしのヒロミは、駅から近い、住宅街のアパートの一室を借りていた。
漏れも何度か彼女を送ったことはあったけど、付き合って間もないために、部屋には未だ入ったことがなかった。
「着いたー。ここだよ。ささ、どうぞ」
「おお、もう着いたのか。助かった。コイツ重いよ」
「イトウ君、お疲れさま。どうもありがとうね」
「いえいえどういたしまして。じゃあ俺帰るわ」
「え、そんな、悪いよ。お茶でも飲んでいけば?」
「いいの? つーか俺が帰るとヒロミちゃん、ユウジとふたりきりか」
「ウフフ。でもユウジ君、つぶれちゃっているから平気だよ」
「でもさすがに疲れたな。じゃあお言葉に甘えて」
そんな会話が耳に入ってきた。というわけで、3人でヒロミの部屋。
目の前がいきなりパッと明るくなる。いい香り。女の子の部屋って感じ。
でも漏れはベロベロ。立っていられない、目を開けていられない。
そのままどさりと倒れこんでしまう。
そのあと、足だかを持ってずるずると引きずられたところまで記憶があるんだけど、泥酔の辛さには耐えられず、そのまま眠りについてしまった。
でも酔っ払って寝ちゃうと、時折目が覚めるでしょ。
漏れも何度か目を覚ましたんだ、心配で。
でもイトウとヒロミは どうやら飲み直しに入ったらしく、部屋の中にウイスキーのいぶした香りが漂っていた。
漏れも参加しようと試みるんだけど、どうやら酔いは相当深く、結局また眠りについちゃうってのが何度か続いた。