変わり果ててしまった妻
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「私どもも、不思議に思ったのですが、青山は調査費用の節約だと言って、日時や張り込む場所までをも、事細かに指定して来ました。
ご主人がゴミを出しに行って、初めて彼女と会った日の朝の一時間。一時間だけですよ。
まるであの日、あの時間に、あの場所で彼女と会う事を知っていたかのように」
妻は顔を上げて、不安そうな顔で所長を見た。
「出張に行った日も、張り込むホテルを指定されて、夕方から その日の夜までで良いと言われました。
浮気するなら、会社指定のホテルを使うかどうか分からないので、通常は、その前からご主人を尾行するのですが、あのホテルで二人が会う事を確信しているかのように。
一番不思議に思ったのは、彼女の部屋に入るところが撮れれば そこで打ち切ってくれと言うのです。
それ以降の調査費用は払わないと。
不貞を証明するには部屋に入って行った事だけではなくて、そのくらいの時間二人きりでいたかも重要なので、普通は部屋から出て来た写真も撮るのですが、青山は入っていく姿だけで良いと。
後でクレームをつけられると嫌なので、出てきたところも撮りましたが」
所長は彼女の部屋から出て来る私の姿が写った写真を置いた。
「これはご主人が彼女の部屋に入ってから、15分後に出て来たところの写真です。私の言っている意味は分かりますよね?」
まだ起きている娘達を気にしてか、妻は声を殺して泣いていた。
妻には羽振りの良いところを見せていたが、やはり内状は苦しいようで、青山は細かく時間を指定して調査費用を値切ってきたという。
「離婚しよう」
妻が一瞬驚いた顔をしたところを見ると、自分にも疚しい事があったので、強気に振る舞って自分を誤魔化していただけで、真剣に離婚までは考えていなかったようだ。
しかし、自分から離婚を切り出していて、青山に抱かれていた証拠も押さえられた妻は、今更、離婚したくないとは言えずに俯いてしまう。
「ご主人、待って下さい。奥様にきちんと説明してからでないと」
「いや。この期に及んでも一言も謝罪のない妻に対して、今は本当に離婚したいと思っている」
これは私の本心でもあった。
あの優しく素直だった妻が自分の非を認める事も無く、私に対して謝ろうともしない事で、今後も今のような愛情が持てるのかどうか疑問に思えてきていた。
子供達のためにも離婚だけは避けたいと思っているが、それは自分を偽っているだけで、本当は独占欲だけで離婚を躊躇っているのかも知れないと。
他の男に、妻を盗られたくない。他の男に、これ以上妻の身体を使わせたくない。
離婚してしまって、他の男と妻が幸せそうに暮らすのが我慢出来ない。
裏を返せば、このような気持ちが、まだ妻を愛している証拠なのかも知れないが。
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二人が帰ると、私は妻を残して家を飛び出した。
妻は このような女ではなかった。このような妻を見ているのが辛かった。
そして、私の足は、知らぬ内にあの小料理屋に向かっていた。
店は相変わらず繁盛していて、恵理は私に軽く会釈をしただけで、意識的に私には近付かない。
「お客さん、二度目ですよね?」
着物を着た艶っぽい女将にお酌をしてもらい、何もかも忘れてしまいたい私は限界を超えて飲んでしまって、酔い潰れてそのままカウンターで眠ってしまった。
その後、二人の女性に支えられて奥の和室に連れて行かれ、布団に寝かされた迄は何となく覚えているが、その後の記憶は全く無い。
そして私は、性器が生温かいもので包まれる心地良い感触で起こされて、目の前にある女性器をぼんやり眺めながら記憶を辿っていた。
次第に記憶が戻ってくると小料理で眠ってしまった事を思い出し、
そうだとすると私の上に裸で逆向きに覆い被さっているのは恵理に違いないと思い、
彼女の鼻筋の通った整った可愛い顔と、初めて会った時に胸元から見えた白く軟らかそうな乳房を思い出してしまい、思わず目の前の性器に吸い付いてしまった。
「やっと目を覚ましてくれた?ここは随分前から目を覚ましていたけれど」
一旦口を離して振り返ってそう言うと、また口に含んでしまったのは恵理ではなくて女将の美穂だった。
一瞬不味いと思ったが、ただでさえセックスから遠ざかっていた私は、彼女のツボを得た舌の動きから逃げられない。
「ずっと舐めていたら、オチンチンが欲しくなっちゃった」
彼女は身体を起こすと こちらを向いて跨って、私のいきり立つ性器を中に収めると目を見詰めながら器用に腰を前後させる。
「どお?・・・・・気持ちいい?」
豊満な乳房の先にある大きな乳首。
器用に動く肉付きの良い腰。
腰の動きに合わせて見え隠れする、包皮から飛び出した薄いピンクの大きな淫核。
それを見ているだけでも、私は返事が出来無いほど興奮していた。
「私のオマンコ・どお?・・・・・私のオマンコ・・気持ちいい?」
次第に彼女の声は大きくなり、狂ったように腰を使いながら、最後が近い事を告げていたが、不思議と私に終わる気配は無かった。
顔を見ると、アップに結われた髪が解れて汗で頬に張り付き、その先端が半開きの口の中に入っていて、私は今までに経験した事が無いほどの興奮を覚えていたが、まだ酔いが残っているからか、放出するまでには至らないのだ。
彼女は勝手に動いて その状態で二度続けて達したので、私は下から強く抱き締めて、何度も激しく突き上げてやったが、それでも私は終わらなかった。
「凄かったわ。こんなに凄いのは久し振り。いいえ、初めてかも知れない」
「まだですよ。今度は女将さんが下になってください」
「私はもう・・・・・私はもう駄目・・・・」
しかし私は許さなかった。青山に対する怒りを、青山の女である彼女にぶつけていた。
「もう出して・・・・もう終わって」
「まだまだです」
私は普段、決して長く持ち堪えられる方では無いと思う。
今までにも酔った時に遅い事はあったが、これほどまでに射精感が起こらない事は初めてだ。
ましてや熟した女将の容姿と、その女将をレイプしているかのような感覚に、凄い興奮を覚えているのに。
「だめ・だめ・・・もうだめ・・・出して・・お願いだから出して」
「まだまだ、これからです」
何回達したのか分からないほど彼女は乱れ、声は擦れて それが更に色気を醸し出し、ようやく私にも最後が近付いてきた。
「出すから口を開けて。口の中に出してあげるから、早く口を開けて」
これで終わってもらえると思ったのか、彼女は必要以上に大きく口を開いた。
「凄かったわ。死ぬかと思った」
妻に対する罪悪感は無く、妻に対しても そうなので青山に対する罪悪感など全く無い。
それどころか、青山の女をもっと無茶苦茶にしてやりたかったが、私には それだけの体力が残っていなかった。
「お客さんの名前をまだ聞いていなかったわ。こんな関係になってしまってから聞くなんて、順序がおかしいわね」
私の事について、彼女は恵理から何も聞かされていないようだ。
「ご主人に悪い事をしてしまったな」
私はわざと惚けた。
「離婚して今は独り身なの。ただ彼はいるけれど、別れようと思っているからいいの」
セックスとは不思議なもので、つい数時間前まではろくに話しもした事のなかった二人が、一度肌を合わせただけで親近感を持ってしまって、彼女は青山の事を話し始めた。
「彼は有る会社の社長で、このお店は彼に持たせてもらったの。
その頃は羽振りも良かったけれど、最近は苦しいみたいで、毎月のお手当てはいらないから、この店を私の名義にして欲しいとお願いしたら、苦しくても女には格好をつける人だから、あっさりと書き換えてくれたわ。
だから彼とはこの辺が潮時かと」
彼女は したたかだった。
青山との事が原因で離婚され、女独りで生きていくのだから仕方の無いことだが。
「また来てくれる?来てくれるわよね?」
彼女はスラックスの上から、私の性器を擦りながら言う。
「またしてくれる?の間違いじゃないのか」
「嫌な人・・・・そうよ。また抱いて欲しいの」
私は自棄になっていたので、こんな色っぽい女をまた抱きたいと思ったが、今回の私は異常だっただけで、次は酒を飲んで挑んでも、今回のように、これほど彼女を満足させる事は出来ないだろう。
ましてや正気で彼女を相手すれば、熟練の技で私など1分もあれば沈められて、彼女が今回のセックスに惹かれたのなら、次回は失望するに違いない。
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帰り道で、私は女将の事を考えていた。
誰とでも このような関係になる訳では無いと言い訳していたが、名前も知らない男に股を開く女。
以前は普通の主婦だった彼女が、このような女になったのは、青山と浮気した事で貞操観念が無くなったのか。
一度 人を裏切ってセックスに溺れてしまうと、その後は、箍が外れてしまって裏切る事など平気になり、本能のままに生きてしまうのか。
私は自分の事を棚に上げて、彼女は だらしない女だと蔑んでいた。
その時、私は、重大な事に気付く。
それは妻も、彼女と同じ種類の人間ではないのかという事だった。
私は初めて浮気をして朝帰りをしたが、妻を裏切った思いは全く無かった。
言わないだけで、妻が私に何か不満があって青山とこのような関係になったとしたら、妻が浮気したから私も浮気したでは同じ種類の人間になってしまう。
しかし、この時の私は、罪悪感など全く無かった。
それどころか、妻の裏切りを考えれば、このぐらいの事は大した事はないとさえ思っていた。
妻を捜すとカーテンが閉められた薄暗い寝室で泣いている。
「まだいたのか。早く出て行けよ」
一晩泣きながら考えたのか、私を見る妻の目が縋る様な目に変わっている。
いくら証拠を突きつけられたとしても、このように早く変わるのは青山が どのような人間か理解出来たのでは無くて、青山の人間性を初めから分かっていたのかも知れない。
自分を誤魔化して認めたくなかっただけだったのが、これで認めざるを得なくなっただけなのかも知れない。
「出て行く所がありません」
「青山は離婚して一人身だから、奴の所に行けば喜んで受け入れてくれるだろ?」
今までは そうなってしまうのを一番恐れていて言えなかったが、妻が青山の正体を認めつつある今なら言える。妻はそこまで馬鹿ではないと思ったのだ。
「バスの始発まではいてもいいから、取りあえずこの部屋からは出て行ってくれよ。この部屋に俺と二人だけで居るのが嫌で、千里から寝室を別にしたのだぞ」
いくら皮肉を言っても、気持ちが納まる事は無い。
「子供達とも最後になるから、少しの間でも子供達と一緒にいたらどうだ?」
「子供達をおいて出て行けません」
「高校生と中学生だから善悪は分かる歳だ。子供達も分かってくれるさ。俺が全て話すから」
更に妻に追い討ちを掛けると、妻の赤く硬直していた顔が、今度は一気に青ざめていく。
「いや!そんなのいや!」
「いやでも仕方が無い。全て千里がしてきた事だ」
仮に妻も騙されていたとしても、それと青山に抱かれていた事は話が別だ。
18年も連れ添った私を信用せずに、青山の話を信用したのには きっと何か訳がある。
私の身の潔白が証明されて、青山の非道さが分かっても、その事について一度も謝らないのはなぜだ。
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その日、私は会社を休んだが、妻も仕事には行かないようで、子供達が出掛けると初めて私に土下座した。
しかし、それは、私を裏切った事への謝罪ではない。
「この家において下さい。お願いします」
「それは出来ない。それよりも仕事に行かなくてもいいのか?
会社を首になったら、ここを出てからどのように食べていく?
そんな心配はないか。青山の愛人になって、お手当てを貰えば。
ただし その金は、青山が借金した金だが」
私は妻を泣かせたいのに、妻は必死に泣かないように我慢していた。
「青山のチンポを散々舐め回していたような、汚れた女の顔など見たくない。それに」
私は わざと汚い言葉で罵ったが、二人の男のなぶり者になった事までは、妻が不憫で言えなかった。
このような事をされても、妻を不憫に思う気持ちが残っている。やはり私は まだ妻を愛しているのか。
「子供達と離れられません」
「離れられないと言っても、本当の事を知れば子供達から離れていってくれるさ」
「子供達には・・・・・・」
「それに、子供達と暮らしたいだけで、俺とは どうでもいいのだろ?そんな奴と一緒に暮らせると思うか?」
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