戦い
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私の育った家は、とても私を大学に行かせる事の出来る経済状態ではなかったのですが、父は1つ返事で笑って許してくれました。
しかし、家に帰る度、父も母も、いつも同じ服を着ており、私は下宿代や食費などは勿論ですが、アルバイト学費の一部も出し、月末にはバイト代が入るまで、酒瓶を拾い集めてパンに代えてもらい、食い繋いだ事も有りました。
しかし、それは、苦労したとは思っていませんし、今では良い思い出だと思っているのですが、やはり子供達にはさせたくないのが本心です。
特に息子の入った学部は学費も高く、4年で卒業出来ません。
回りにはバイトもしないで、高級外車を乗り回している者が何人もいるそうです。
上を見れば桐が無く、とてもその様な生活は させられませんが、学費とアパート代くらいは、出してやりたいと思ってしまいます。
子供達は、私が何も言わなくても、家に帰る間が無いほどバイトをしてくれ、食費などの生活費は、自分で稼いでくれています。
レベルは違っても、自分の学生時代を思い出し、これ以上は言い難いのが正直な気持ちです。
夫婦が壊れるかも知れない時に、くだらない親の見栄かも知れません。
家のローンと今後の生活を考えれば、2人の退職金も当てにならず、バブルの時代に、どうして大きな家を買ってしまったのかと悔やみます。
自分の甲斐性の無さ、不甲斐無さが嫌になります。
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5月11日(火)
出社すると、昨日休んだのが響き、仕事が山積みになっていて、アパートに戻れたのは11時でしたが、それでも仕事は片付かず、何日かはこの状態が続きそうです。
今朝は、寝坊をしてしまい、昼も どうにか食事が出来る時間しか無い状態だったので、今日は1回も妻に連絡が出来ませんでした。
妻からは今帰ったと7時にメールが入って来ましたが、返事も出せませんでした。
帰ってすぐに電話をしましたが、それは妻にでは有りません。
「もう寝ていたのか?お前はいいな。された俺はなかなか眠れない。」
「いや、まだ起きていた。そんな言い方をしないでくれよ。本当に私も反省している。」
「まあいい。少し聞きたい事が有るのだが。
お前は妻の中に出していたそうだな。妊娠したらどうするつもりだった?美鈴の身体に傷を付けるつもりか?
いい加減にしろよ。もう、どちらが嘘をついているかなんて、どうでもいい。
何もかも嫌になって来た。お前だけは絶対に許さん。」
中に出していた事を聞きたい思いも、怒りも有りましたが、この様な言い方をしたのには、それ以外にある考えが有りました。
「すまん、許してくれ。
確かに最初の日と生理前の2日間は誘惑に負けてしまった。
言い訳になるが、美鈴さんが途中で止めるのを嫌がって望んだ事だ。
いや、言い訳にならんな。誘惑に負けて、我慢出来なかった俺が悪い。
生理が来てくれて良かった。
その3日だけで、あとは必ず外に出していた。本当だ。」
昨年の野田なら得意になって、もっと私が悔しがる様な言い方をしたでしょう。
下手に出て謝るような態度が、美代子さんの話を聞いた後の私には、余計不気味に感じました。
「あとは外に?スキンを付けた事は無いのか?」
「すまん。美鈴さんに聞けば、ばれる事だから正直に話すが、いつもそのまま・・・・・。」
妻に私以外の男の物が入れられるのは、耐え難い事です。
ましてや、何も付けずに入れられるという事は、性器と性器が直に触れ合い、悔しさも違ってきます。
その上、中に出される行為は、私が中に出した時に、征服感を感じるのと逆に、妻を征服された様でとても許せる行為では有りません。
また、同じ中に出されたとしても、安全な時期かそうで無いかでは、大きな違いが有ります。
たとえ妊娠しなくても、妻の中で妻と私以外の男が結び付こうとするのです。
新しい命を作ろうとするのです。
それは何より許せる事では有りません。
妻の話では、最初に犯された日、妻が野田に跨る体位の時、野田はスキンを付けてその中に出し、あとは外に出したと言っていましたが、野田に途中で付けるだけの配慮があるとは思えません。
また、快感に負けてしまっていた妻が、途中で止めるように強く言ったとは思えず、ましてや、両方がある程度の歳だと、妊娠し難いと思っているとしたら、途中で止めないで欲しいと、頼んだ可能性も有ります。
私に言ったのと同じ様に
“お願い、止めないで。美鈴はもうすぐなの。そのまま、そのまま中に出して。”
とお願いしたかも知れません。
最初の日、中に出されたのは間違い無いと思いました。
「それ以外は、本当に中に出していないだろうな?あとは何処に出していた?」
「お尻やお腹の上にも出したが、ほとんど・・・・・口に・・・・・。」
「飲ませたのか?」
「すまん。以前に関係があった時は、飲めと言って飲ましてしまった事は有ったが、今回は違う。
何も言わなくても、口に出すと飲んでくれた。
他に出した時も、自分から吸い付いてきて、残りを飲んでくれたりもした。
俺からは何も言っていない。本当だ。
・・・・・・言い訳にならないな。君にしたら大した違いは無いな。本当に悪かった。」
私は唖然としました。
不倫していた時、度々野田に言われて、飲まされていた事は聞いて知っていました。
飲まされる行為は、中に出されるのとは違っていても、何故か同じくらい嫌な物です。
野田の話を信用している訳では無いのですが、自分から進んで飲んだと聞き、飲まされたのとは比べられないほどの、怒りや寂しさを感じました。
その話が本当なら、その行為には妻の野田への愛しさ、野田の物への愛着を感じてしまうからです。
私が野田に電話をして、今までなら悔しくて野田に聞けないような事を聞いたのも、野田の話を信じて、野田のペースに嵌った振りをするためなのに、危うく引き込まれてしまうところでした。
「お前は、美鈴に何をした?
美鈴が その様な事をしたのは、何かされたからに違いない。くそー。
あんな奴、俺から捨ててやる。
いや、離婚はしない。
別れないでこのまま飼い殺しにしてやる。
やはり着の身着のままで放り出した方が楽になれそうだ。
違う、離婚だけはしない。」
そう言って一方的に電話を切りました。
野田が嘘をついているとすれば、それはただ犯罪行為を誤魔化したいだけでは無く、美鈴を自分の物にする為に、私の気持ちを揺さぶり、私を追い詰める事が目的だと思い、その作戦にわざと乗り、精神的に追い詰められている振りをしようと思ったのです。
今の言動で、もう一歩だと思ってくれれば、何らかの行動を興すはずです。
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5月13日(木)
昨日は、流石にメールではなくて、携帯とアパートに電話して来ましたが、私が出なかったので、留守電に
“どんなに遅くてもいいので、電話して来て下さい。”と入れて有りました。
子供染みた考えですが、何か私の様子が変だと思わせ、妻に心配させたくて、色々聞きたい思いを我慢して電話に出ませんでした。
ただこれは、妻がまだ私の事を心配してくれれば、の話しですが・・・・・・・。
今日も留守電に入っていて、口だけかも知れませんが、かなり心配している様子だったので、電話しましたが、妻が話す前に。
「美鈴、どうして嘘をつく。最初の日にも中に出されていただろ?
お前の全てが信用出来なくなった。そんな小さな事をと思っているのか?
お前には哀訴が尽きた。」
「ごめんなさい。ごめんなさい。言えませんでした。無理やりされて、その上・・・・・・。自分が惨めで、言えませんでした。」
私に圧倒されたのか、その事はすぐに認めました。
「どうして正直に言わない?まだ隠している事が有るだろ?
生理前に、中に出された事は話せたのに不自然だ。
お前の嘘が分かる度に、どんどんお前を疑ってしまう。
本当は、自分から進んで抱かれに行ったのでは無いのかとさえ思えて来る。隠すな。」
妻が泣いているのが分かりました。
「それは本当です。信じて。脅されて無理やり・・・・・・。信じて。」
「お前が逆の立場なら信じられるのか?
色々聞きたいが、今日はもう時間が遅い。
どうしてその事を黙っていたのか、その事だけでいいから、正直に詳しく話せ。」
妻は涙声で、ぽつりぽつりと話し出しました。
最初の日、1回目が終わった時に中に出された事を知り、私は泣いて抗議しましたが、課長は聞き入れてくれず、その後も全て中に出さました。
次の日、また脅されてアパートに行くと。
「どうだ、美鈴。私を思い出したか?私を未だに愛している事を思い出したか?」
「愛してなんかいません。思い出すも何も、私が愛しているのは主人だけです。」
「いや、違う。そう思い込んでいるだけだ。美鈴は今でも私の事を愛している。
何か私が脅した様な形になってしまったが、昨日来てくれたのは、写真を見て愛し合っていた時を思い出し、自分の本当の気持ちに、気付いたからだと思っていた。
しかし、美鈴は優しい言葉を掛けてくれない。以前の様に愛していると言ってくれない。
それならば美鈴が早く気付く様に、2人の愛の証を作ろうと思った。」
「酷い。愛してもいないのに。それに、もしも出来たとしても私は生みません。年齢からしても生めないし、何より課長の子供など生みたくも有りません。」
「生むか生まないかは、どうでもいい。2人の愛の結晶が出来たかどうかが重要なのだ。」
私が帰ろうとすると、前日撮られた写真を出し。
「いいのか?私も脅すような事はしたくないが、これも美鈴の為だ。
いつか自分の本当の気持ちに気付いた時、必ず悔やむ。私の人生はこれで良かったのかと、必ず悔やむ。
私は美鈴に、その様な悔いの残る人生を送らせたくない。」
課長の話は真実では無い事ばかりでしたが、写真を見せられると、逆らう事が出来ません。
この日、課長は、わざとゆっくり動きながら。
「昨日1日だけでは、出来てないかもしれない。
今日からもがんばろうな。美鈴が私の子供を身ごもれば、必ず本当の自分に気付く。
今は、知らず知らずの内に生活の事や、子供達の事を考えてしまい、自分の本心を隠してしまっているが、そうなれば必ず本当の自分に気付く。」
私は、何も言えずに、ただ泣いていました。
「どうした?生むにしろ生まないにしろ、年齢的に危険が伴うから怖いのか?
それならどうして、自分の本心にふたをして、素直になろうとしない?
私の事を愛していると言えない?
私も美鈴を危険な目には合わせたくない。
自分に正直になり、私を愛していると言ってくれれば、本当の自分を曝け出してくれれば、この様な事はしたくない。
どうだ?私を愛しているか?正直に言ってみろ。」
そう言いながら腰の動きを早くされ、出されてしまうと思った私は“本当はあなたを愛しています。”と言ってしまいました。
それを聞き、また動きを おそくしましたが、時々早くしては“出そうだ”と言われ、その度に私は
“あなたを愛しています。”とか“本当はあなたと一緒に暮らしたい。”とか言わされ続けました。
その後も関係を持つ度に、中に出したいと脅されながら、同じ事を言わされましたが、私はそれよりも妊娠していないかが心配でした。
生理前に嫌々ながらも、中に出される事を承諾したのは、課長に
“安全な日は中に出させろ。そうしないと誘惑に負けて、いつ出してしまうかも分からん”
と言われたからです。
生理が来た時は、凄く嬉しかった。今の私の境遇を忘れるほど嬉しかったです。
しかし、生理中も手や口でさせられ、すぐに現実に引き戻され、生理が終わった後の事を考えると、怖くて仕方が有りませんでした。
生理後も写真で脅されて、仕方なくアパートに行きましたが、あの様な苦しい思いは二度と嫌で、課長のを入れられている時は、もう脅されなくても
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