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妻と結婚するまでの話
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577 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 03:30:29 ID:Z6uyZeCY0
そう考えながらも、彩の電話を待っていた。彩と会って話がしたいと思った。

その思いは、日が経つにつれ、強くなっていった。

渡辺の電話から2週間が過ぎようとしていた。彩からの電話は未だなかった。



579 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 03:39:54 ID:Z6uyZeCY0
俺は不安になりかけていた。

振り返ってみると、この2週間、彩のことばかり考えていた。

もしかして渡辺に踊らされていたのでは。渡辺を疑ってみたりした。

自分から彩へ電話をしようかとも思ったが、もし渡辺が俺に話したことが でたらめだったらと考えると怖くてできなかった。



580 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 03:49:32 ID:Z6uyZeCY0
いや、渡辺を信じて待とう。

疑っては信じる。その繰り返しだった。


疑っている器の小さい自分が嫌で渡辺にも電話できずにいた。

そして終には、渡辺と彩ができているのではと考え始めた。

よくよく考えると単なる友人である渡辺に島村とのことや今の自分の気持ちを素直に話すものだろうか。

しかも島村の件に至っては、ホテルに行ったことまで話をしているのである。

そう考えると彩と渡辺がもっと深い仲であると考える方が自然のような気がした。



582 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 04:25:51 ID:Z6uyZeCY0
そうしているうちに1か月が経った。

未だ彩からの電話はない。

俺の彩への思いは限界まで来ていた。

渡辺の電話を無かったことにしてしまおうとも考えたが、俺の心の中は もうすでに時遅しの状態だった。





584 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 04:33:07 ID:Z6uyZeCY0
気がついたら、俺は羽田行きの飛行機の中にいた。

渡辺には余計なことは言わず、ただメールで出張で東京に行くから飲もうとだけ連絡したら、OKと返ってきた。

もちろん出張はうそだが・・・・・

久しぶりに渡辺と新宿で会った。

ちなみに渡辺は大手商社のエリートサラリーマンである。



585 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 04:40:30 ID:Z6uyZeCY0
会社の話などをした後に俺の方から切り出した。


俺「そういえば、彩から連絡ないんだよな。渡辺、なにか知ってるか?」

渡辺「いっいや・・・・・」

なんか歯切れが悪い。


俺(ちょっと強い口調で)「お前、彩とあれから会ったか?」

渡辺「あっ1回だけな」


俺「お前、なんか隠してるだろう!」

強く迫る俺に たじろぐ渡辺。


渡辺「○○(俺)、すまん!」



587 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 05:05:54 ID:Z6uyZeCY0
渡辺はこれまでのことを話しだした。


渡辺は俺に連絡した後、彩に電話をしてそれを口実に呼び出した。

都内の公園の駐車場。渡辺の車の中。


渡辺「彩ちゃん。○○にはもう電話しない方がいいかもしれない」

彩「えっ?どうしてなの?」

渡辺「彩ちゃんが傷つくのは忍びないから」

彩「○○君、何か言ってた?」

渡辺「あいつ会社の娘と付き合ってて、もしかしたら結婚するかもって言ってた。だから俺、彩ちゃんの気持ちは○○には伝えなかった」

彩「・・・・・そうなんだ」

渡辺「ごめん。力になれなくて」

彩「・・・・・渡辺君のせいじゃないから」



588 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 05:12:39 ID:Z6uyZeCY0
渡辺「ごめん」

彩「もう誤らないで、悲しくなるから」

助手席でうつむく彩。長いまつ毛が少し濡れている。

白いサマーセーターを押し上げた胸。網目から薄いピンクのブラが透けている。

そして、デニムのミニスカートから伸びた素足。色っぽかった。



589 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 05:20:12 ID:Z6uyZeCY0
ごくっと生唾を飲み込む渡辺。渡辺は彩を自分のものにしたいと思った。

彩「やっぱり、これも運命なのかな・・・・・」

ぽつりとつぶやき、顔を上げた彩。瞳がウルウルしている。渡辺は顔を近づけると唇を重ねた。

渡辺「ごめん」

彩「いいの。もういいの」



590 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 05:31:49 ID:Z6uyZeCY0
再び、唇を重ねる。

そして、手を胸に添えて彩の胸の感触を確かめる。

渡辺「触ってもいい?」

彩「・・・・・」

少し強めに揉んでみる。

渡辺「見てもいい?」

彩「・・・・・」

サマーセーターの裾をまくり上げる。薄いピンクのブラが露わになる。



592 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 05:41:02 ID:Z6uyZeCY0
渡辺「外すよ」

彩「・・・・・」

渡辺の手がブラのホックに手が掛る。

彩「渡辺君!ごめん」

渡辺を押しのける彩。

彩「こんなんじゃだめだよね。私、やっぱり○○君のことが好きだから」

渡辺「・・・・・」

彩「こんな気持ちじゃ。渡辺君にも失礼だよね」

渡辺「・・・・・俺、彩ちゃんのことすきだからかまわないけど」

彩「渡辺君、ごめん」


彩は助手席のドアを開けると車を飛び出して、駆けて行った。そんな彩を渡辺は茫然と見送った。





593 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 05:46:53 ID:Z6uyZeCY0
それ以来、彩とは連絡を取ってないらしい。


再び、新宿の居酒屋。

渡辺「ほんとにすまん!」

俺「ちょっと腹立つけど、いいよ。お前が彩のこと好きだったのは俺も知ってるから」

渡辺「ほんとにすまんな」

俺「お前のおかげで、俺も彩のことが今でも好きなのがわかったから」

渡辺「本気か?」

俺「ああ、マジだ」



594 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/24(月) 05:52:00 ID:Z6uyZeCY0
居酒屋を出ると俺は勇気を振り絞って彩に電話を掛けた。

俺「久し振り!彩」

彩「えっ、どうして?」

俺「今からそっちの近くまで行ってもいいか?話したいことがある」

彩「・・・・・今、どこにいるの?」

俺「東京に来てる。少しだけでいいから時間をくれないか?」

彩「うん。わかった」

それだけ言うと俺は彩の実家の最寄りの駅へと向かった。



621 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/26(水) 06:33:51 ID:4+CRj/bb0
彩に会いに行く電車の中で俺はこれまでの自分の人生について振り返る。

バイト先での彩との出会い。

彩の就活。そして内定。海外研修旅行。小林。

彩の就職。島村。

俺の九州への異動。智美との出会い。

智美の過去。智美の身体を駆け抜けていった男達。尾崎。伊藤。大橋。

平山の配属。

そして智美との別れ。

渡辺からの電話。



622 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/26(水) 06:37:44 ID:4+CRj/bb0
1つ1つの出来事が、今に繋がっている気がした。

そして今、俺は再び彩のところへ向かっている。

彩は俺のことを受け入れてくれるだろうか。受け入れてくれなければ、それも運命だろう。

今は自分の気持ちに正直に行動しよう。そう決めた。

そんなことを考えているうちに駅に着いた。人波を掻き分けて改札へと向かう。



624 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/26(水) 06:47:19 ID:4+CRj/bb0
改札の向こうに彩が立っていた。

約1年半ぶりの再会。彩は髪を茶色に染めて少し大人びて見えた。

二人、何も言わず、じっと見つめあう。

彩の目が少し潤んでいるようにも見えた。


俺「久しぶり!」

右手を差し出す。

彩「ほんとだね」

右手を差し出して、俺の手に重ねた。

少年のころの気持ちに戻ったようで、ドキドキした。


俺「ちょっとだけ、時間くれる?」

彩「うん」


そう言うと俺は彩の手をとって歩き出した。



625 :692 ◆r5m21u0gDo :2007/12/26(水) 06:52:46 ID:4+CRj/bb0
駅の近くの公園のベンチ。

この公園は、付き合いだしたころよく行ったところだった。

俺「元気だった?」

彩「うん」

そんな通り一遍の会話を続けた。

なかなか言いたい一言が口に出せない俺がいた。







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カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春,
 

 
 
 
 

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