学生時代の謎の寝取られ事件とその黒幕の話
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238 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 17:41 ID:P9axuk8I
「違うんだ・・・」
「何が違うんだよ、お前の顔など二度と見たくない」
山本はそういうと部屋を出て行った。
「もう、山本なんか放っておきなよ」
村上は俺の腕をつかむとそう言った。
他のゼミ生たちは好奇の目で俺たちのことを見ていたのが気になったので俺は村上の手を振り解いて山本の後を追った。
村上が何か言っていたが俺は何も聞いていなかった。
239 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 17:44 ID:P9axuk8I
俺は山本が階段を下りているところで奴に追いついた。
「頼むから聞くだけでも聞いて欲しい」
「忙しいんだよ」
「殴りたければ好きなだけ殴ってもいい、だから俺の話を聞いて欲しい」
「俺は忙しいし、お前の事など殴る価値もない」
「お前の気持ちは分かるが頼むから聞いて欲しい」
241 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 17:48 ID:P9axuk8I
俺があまりにもしつこいから奴もとうとうじゃ、歩きながら話せよといってくれた。
俺は、まず、あの別荘での事件の事から話し始めた。
モノポリーをやりながら飲んでいるうちに急に眠くなったので眠気覚ましにデッキで潮風にあたりながらタバコでも吸おうとした。
タバコをくわえながらデッキチェアーに腰掛けたとこまでは覚えているがその後は全く記憶にない。
何故、そこから2階の部屋に行ったのかも覚えていないと。不思議でしょうがないと。
1日目も何故、いつのまにかに部屋に帰ったのか覚えていないと。
243 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 17:53 ID:P9axuk8I
「一日目はお前が酷く酔っ払って、同じく酔った英子をお前が抱えて部屋に行ったんだよ」
山本は面白くなさそうにそう言い放った・・・
英子?こいつ、何故、俺の英子の事を呼び捨てにしてやがんだ???
俺は少々というかかなりむかついたが、その後の事も奴に聞いた。
「2日目はデッキチェアーでお前が寝ちまったから、俺と村上でお前の事2階まで運んだんだよ」
「その後はしばらく3人で飲んでいたんだけれどもいつのまにか俺たちも寝ちまって気がついたら俺と英子だけがリビングでひっくり返って寝ていた。俺は嫌な予感がして2階に上がったら思ったとおり真っ裸でお前らが寝ていたんだ」
244 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 17:57 ID:P9axuk8I
「ちょっと待ってくれよ、俺が先につぶれて寝ていて、村上が俺の寝床に忍び込んだという事は考えられないか?」
俺は何とかならないかとよく考えずに軽口をたたいてしまった。
「お前は、ここまできてまだしらばっくれるつもりかよ!」
「お前はお前の部屋に寝かしたんだよ。ちゃんと服も着てた」
「だが、翌朝お前は真っ裸で隣の俺らが寝る部屋にいたんだよ」
「どう考えてもお前が村上の寝ている横に忍び込んだとしか思えないだろ」
山本の怒りは本気のようだった。
245 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:02 ID:P9axuk8I
「ごめん、本当に申し訳ないことをした」
「お前は村上とよろしくやってんじゃねぇか」
「イヤ、そんなつもりじゃないんだ。お前と村上の間をとりなおしてやるから頼むから許してくれ」
「いまさらあんな女とやり直す気は毛頭ない」
「そんなこというなよ、あいつ、頭はいいし、卒論とか手伝ってもらえるじゃんか」
「俺はお前と違って卒論なんて既に終わってんだよ、まぁ村上には手伝ってもらったがな」
「そうだろ、村上がいればいい論文がかけるよな。卒試も教えてもらえるだろ、考え直せよ」
「お前に汚された女にはもう用はねぇよ」
「・・・」
246 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:05 ID:P9axuk8I
「お前もしつこい奴だな、俺にはもう新しい女ができたんだよ」
「・・・」
俺はこの時非常に嫌な予感がした。
まさか・・・
「・・・お前、まさか、え、英子と付き合ってんじゃないだろうな」
「そのとおりだよ、お前にはもう関係のない話だがな・・・」
「ちょっと待てよ、いくらなんでもそりゃないんじゃないか?お前は俺の一番の友達だと思ってんのにお前、よくそんな事できるな」
「何言ってんだか」
248 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:17 ID:P9axuk8I
この時の衝撃はかなり酷かった。
しかし、言う事は全て山本のほうがまともだった。
確かに、俺の方が山本の彼女に手を出した。
しかも英子と一つ屋根の下で過ごしていたにもかかわらず・・・
当然、その現場にも山本もいた。
お互い裏切られたもの同士、かなり落ち込んだ状態で車で行動をともにしていたらそういう関係になるのも無理はない。
俺に山本を批判する権利などなかった。
しかも、その後、俺は自分の意志で村上と寝ている。
249 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:22 ID:P9axuk8I
「何言ってんだか」
山本のこのセリフはかなり堪えた。
俺はバカかもしれない。自分の事ばかり考えていた。英子の気持ちも山本の気持ちも考えていなかった。
英子にしてみれば自分の彼氏が自分というものがありながらしかも同じ空間にいたのに他の女と真っ裸で寝ている姿を見たのだ、ショックはかなりでかかっただろう。
250 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:26 ID:P9axuk8I
山本も信じていた自分の親友に彼女を寝取られたのだ。怒って当然だ。
それをどの面下げて彼女との仲を取り直してくれと頼めるのだろうか・・・
しかも、山本と英子が付き合っているとは・・・
俺は悲嘆にくれた。
英子とはここのところものすごく親密になってきたし卒業して仕事にも慣れたら婚約してもいいなぁとか思ったりしていた。
山本とは卒業後も一生付き合える友達だと思っていた。
251 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:30 ID:P9axuk8I
俺はこのままかけがえのないものを二つ同時に失うのは我慢できなかった。
「二兎を追うものは一兎も得ず」
俺はこの時点で英子の事はきっぱりと諦めて山本との付き合いを大事にしたいと思った。
「山本、本当に許してくれ。俺は、英子の事はきっぱりと諦める。英子にも本当に申し訳のないことをしたと伝えて欲しい」
「・・・」
今度は山本が無言になった。
「俺は、女のことで山本との友情をこわしたくない。村上に手を出した俺が言うのもずうずうしい話だが、俺のことを許して欲しい」
252 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:33 ID:P9axuk8I
「お前・・・」
さすがに山本も言葉が出なかった。
「ずうずうしいにもほどがあるぞ・・・」
山本はやっとのことでそう口にした。
「分かっている。本当にずうずうしいと思う、でも、お前との友情をこわしたくない。英子とお前の事も心から祝福したい」
「お前・・・なんて奴だ!」
257 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:56 ID:P9axuk8I
「何が祝福だ!」
山本は顔を真っ赤にして怒り出した。
「お前は自分が何をしたか分かってないようだな」
「気に障ったなら勘弁してくれ」
俺はとにかく謝るしかなかった。こびへつらってでも山本との友情は壊したくなかった。
258 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:01 ID:P9axuk8I
「許す許さないの問題じゃないんだよ」
「俺がゼミ生の間でなんて呼ばれているかお前知ってんのかよ」
山本は瞬く間もないくらい早口でまくし立てた。
「負け犬とか寝取られとか捨てられ君とか言われてんだよ」
「皆、別荘での事件を知らないから、俺が村上に捨てられたとしか思われてないんだよ」
どうやら山本は村上に捨てられたと思われているようだった。確かに、事情を知らない奴らから見ると村上が俺に乗り換えたくらいに思えるだろう。
259 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:06 ID:P9axuk8I
俺と山本を比べると成績はどっこいどっこいだけれども、教授受けは俺のほうがいいし
俺の自宅は都内のまぁ、割と高級な部類に入る住宅街だが奴の自宅ははっきり言って郊外は郊外でも本当の田舎だ。いわゆるチバラギ。
容姿も俺のほうが勝っている。
そんな奴が誇れるのは奴のまめまめしく動き回るところと誠実な人柄。
いわゆる「いい人」であった。裏を返せば「毒にも苦にもならない男」。
面白みにはかける。しかし、俺は奴にはいろいろと借りがあった。
これからも奴には世話になりたいと思っている。
260 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:09 ID:P9axuk8I
奴はあらゆる条件で俺にコンプレックスを抱いていたのかもしれない。
今考えてみると、奴も、友人の女遊びのアリバイに使われたり等、やつのプライドを今まで踏みにじってきたのかもしれない。
俺は、そんな自分勝手な自分に嫌気がさした。
「頼む、許して欲しい」
俺は、はじめて屈辱感に満ち満ちて奴に許しを乞った・・・
261 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:16 ID:P9axuk8I
「お前、マジで謝っているのか?」
山本は俺が涙目になって謝っているのを見て少々戸惑っているように見えた。
「お前が俺に何でそんなに謝るんだよ」
奴はだんだんしどろもどろになってきた。物凄く挙動不審に見える。
しかし、俺はかまわず続けた。
「村上との事は本当に申し訳ない」
「お前の気のすむような幕を引くつもりだ」
俺は山本のご機嫌を取るように続けざまに言った。
「お前が気のすむようにする、だから俺たちの関係も元に戻したい。今すぐという訳じゃない。あんなことがあったんだ。時間をかけて元に戻したいと思っている」
263 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:19 ID:P9axuk8I
「お、お前、何で、俺なんかに・・・」
山本は目をきょろきょろさせてせわしなくハンカチで汗を拭いたりめがねのレンズを拭ったりしている。
こいつは何故、急に落ち着きがなくなったのだろうか?
俺には分からなかった。
言葉もどもり気味になってきている。
「違うんだ・・・」
「何が違うんだよ、お前の顔など二度と見たくない」
山本はそういうと部屋を出て行った。
「もう、山本なんか放っておきなよ」
村上は俺の腕をつかむとそう言った。
他のゼミ生たちは好奇の目で俺たちのことを見ていたのが気になったので俺は村上の手を振り解いて山本の後を追った。
村上が何か言っていたが俺は何も聞いていなかった。
239 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 17:44 ID:P9axuk8I
俺は山本が階段を下りているところで奴に追いついた。
「頼むから聞くだけでも聞いて欲しい」
「忙しいんだよ」
「殴りたければ好きなだけ殴ってもいい、だから俺の話を聞いて欲しい」
「俺は忙しいし、お前の事など殴る価値もない」
「お前の気持ちは分かるが頼むから聞いて欲しい」
241 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 17:48 ID:P9axuk8I
俺があまりにもしつこいから奴もとうとうじゃ、歩きながら話せよといってくれた。
俺は、まず、あの別荘での事件の事から話し始めた。
モノポリーをやりながら飲んでいるうちに急に眠くなったので眠気覚ましにデッキで潮風にあたりながらタバコでも吸おうとした。
タバコをくわえながらデッキチェアーに腰掛けたとこまでは覚えているがその後は全く記憶にない。
何故、そこから2階の部屋に行ったのかも覚えていないと。不思議でしょうがないと。
1日目も何故、いつのまにかに部屋に帰ったのか覚えていないと。
243 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 17:53 ID:P9axuk8I
「一日目はお前が酷く酔っ払って、同じく酔った英子をお前が抱えて部屋に行ったんだよ」
山本は面白くなさそうにそう言い放った・・・
英子?こいつ、何故、俺の英子の事を呼び捨てにしてやがんだ???
俺は少々というかかなりむかついたが、その後の事も奴に聞いた。
「2日目はデッキチェアーでお前が寝ちまったから、俺と村上でお前の事2階まで運んだんだよ」
「その後はしばらく3人で飲んでいたんだけれどもいつのまにか俺たちも寝ちまって気がついたら俺と英子だけがリビングでひっくり返って寝ていた。俺は嫌な予感がして2階に上がったら思ったとおり真っ裸でお前らが寝ていたんだ」
244 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 17:57 ID:P9axuk8I
「ちょっと待ってくれよ、俺が先につぶれて寝ていて、村上が俺の寝床に忍び込んだという事は考えられないか?」
俺は何とかならないかとよく考えずに軽口をたたいてしまった。
「お前は、ここまできてまだしらばっくれるつもりかよ!」
「お前はお前の部屋に寝かしたんだよ。ちゃんと服も着てた」
「だが、翌朝お前は真っ裸で隣の俺らが寝る部屋にいたんだよ」
「どう考えてもお前が村上の寝ている横に忍び込んだとしか思えないだろ」
山本の怒りは本気のようだった。
245 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:02 ID:P9axuk8I
「ごめん、本当に申し訳ないことをした」
「お前は村上とよろしくやってんじゃねぇか」
「イヤ、そんなつもりじゃないんだ。お前と村上の間をとりなおしてやるから頼むから許してくれ」
「いまさらあんな女とやり直す気は毛頭ない」
「そんなこというなよ、あいつ、頭はいいし、卒論とか手伝ってもらえるじゃんか」
「俺はお前と違って卒論なんて既に終わってんだよ、まぁ村上には手伝ってもらったがな」
「そうだろ、村上がいればいい論文がかけるよな。卒試も教えてもらえるだろ、考え直せよ」
「お前に汚された女にはもう用はねぇよ」
「・・・」
246 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:05 ID:P9axuk8I
「お前もしつこい奴だな、俺にはもう新しい女ができたんだよ」
「・・・」
俺はこの時非常に嫌な予感がした。
まさか・・・
「・・・お前、まさか、え、英子と付き合ってんじゃないだろうな」
「そのとおりだよ、お前にはもう関係のない話だがな・・・」
「ちょっと待てよ、いくらなんでもそりゃないんじゃないか?お前は俺の一番の友達だと思ってんのにお前、よくそんな事できるな」
「何言ってんだか」
248 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:17 ID:P9axuk8I
この時の衝撃はかなり酷かった。
しかし、言う事は全て山本のほうがまともだった。
確かに、俺の方が山本の彼女に手を出した。
しかも英子と一つ屋根の下で過ごしていたにもかかわらず・・・
当然、その現場にも山本もいた。
お互い裏切られたもの同士、かなり落ち込んだ状態で車で行動をともにしていたらそういう関係になるのも無理はない。
俺に山本を批判する権利などなかった。
しかも、その後、俺は自分の意志で村上と寝ている。
249 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:22 ID:P9axuk8I
「何言ってんだか」
山本のこのセリフはかなり堪えた。
俺はバカかもしれない。自分の事ばかり考えていた。英子の気持ちも山本の気持ちも考えていなかった。
英子にしてみれば自分の彼氏が自分というものがありながらしかも同じ空間にいたのに他の女と真っ裸で寝ている姿を見たのだ、ショックはかなりでかかっただろう。
250 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:26 ID:P9axuk8I
山本も信じていた自分の親友に彼女を寝取られたのだ。怒って当然だ。
それをどの面下げて彼女との仲を取り直してくれと頼めるのだろうか・・・
しかも、山本と英子が付き合っているとは・・・
俺は悲嘆にくれた。
英子とはここのところものすごく親密になってきたし卒業して仕事にも慣れたら婚約してもいいなぁとか思ったりしていた。
山本とは卒業後も一生付き合える友達だと思っていた。
251 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:30 ID:P9axuk8I
俺はこのままかけがえのないものを二つ同時に失うのは我慢できなかった。
「二兎を追うものは一兎も得ず」
俺はこの時点で英子の事はきっぱりと諦めて山本との付き合いを大事にしたいと思った。
「山本、本当に許してくれ。俺は、英子の事はきっぱりと諦める。英子にも本当に申し訳のないことをしたと伝えて欲しい」
「・・・」
今度は山本が無言になった。
「俺は、女のことで山本との友情をこわしたくない。村上に手を出した俺が言うのもずうずうしい話だが、俺のことを許して欲しい」
252 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:33 ID:P9axuk8I
「お前・・・」
さすがに山本も言葉が出なかった。
「ずうずうしいにもほどがあるぞ・・・」
山本はやっとのことでそう口にした。
「分かっている。本当にずうずうしいと思う、でも、お前との友情をこわしたくない。英子とお前の事も心から祝福したい」
「お前・・・なんて奴だ!」
257 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 18:56 ID:P9axuk8I
「何が祝福だ!」
山本は顔を真っ赤にして怒り出した。
「お前は自分が何をしたか分かってないようだな」
「気に障ったなら勘弁してくれ」
俺はとにかく謝るしかなかった。こびへつらってでも山本との友情は壊したくなかった。
258 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:01 ID:P9axuk8I
「許す許さないの問題じゃないんだよ」
「俺がゼミ生の間でなんて呼ばれているかお前知ってんのかよ」
山本は瞬く間もないくらい早口でまくし立てた。
「負け犬とか寝取られとか捨てられ君とか言われてんだよ」
「皆、別荘での事件を知らないから、俺が村上に捨てられたとしか思われてないんだよ」
どうやら山本は村上に捨てられたと思われているようだった。確かに、事情を知らない奴らから見ると村上が俺に乗り換えたくらいに思えるだろう。
259 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:06 ID:P9axuk8I
俺と山本を比べると成績はどっこいどっこいだけれども、教授受けは俺のほうがいいし
俺の自宅は都内のまぁ、割と高級な部類に入る住宅街だが奴の自宅ははっきり言って郊外は郊外でも本当の田舎だ。いわゆるチバラギ。
容姿も俺のほうが勝っている。
そんな奴が誇れるのは奴のまめまめしく動き回るところと誠実な人柄。
いわゆる「いい人」であった。裏を返せば「毒にも苦にもならない男」。
面白みにはかける。しかし、俺は奴にはいろいろと借りがあった。
これからも奴には世話になりたいと思っている。
260 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:09 ID:P9axuk8I
奴はあらゆる条件で俺にコンプレックスを抱いていたのかもしれない。
今考えてみると、奴も、友人の女遊びのアリバイに使われたり等、やつのプライドを今まで踏みにじってきたのかもしれない。
俺は、そんな自分勝手な自分に嫌気がさした。
「頼む、許して欲しい」
俺は、はじめて屈辱感に満ち満ちて奴に許しを乞った・・・
261 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:16 ID:P9axuk8I
「お前、マジで謝っているのか?」
山本は俺が涙目になって謝っているのを見て少々戸惑っているように見えた。
「お前が俺に何でそんなに謝るんだよ」
奴はだんだんしどろもどろになってきた。物凄く挙動不審に見える。
しかし、俺はかまわず続けた。
「村上との事は本当に申し訳ない」
「お前の気のすむような幕を引くつもりだ」
俺は山本のご機嫌を取るように続けざまに言った。
「お前が気のすむようにする、だから俺たちの関係も元に戻したい。今すぐという訳じゃない。あんなことがあったんだ。時間をかけて元に戻したいと思っている」
263 :山本の友人 ◆2BKt7TrzAk :03/02/07 19:19 ID:P9axuk8I
「お、お前、何で、俺なんかに・・・」
山本は目をきょろきょろさせてせわしなくハンカチで汗を拭いたりめがねのレンズを拭ったりしている。
こいつは何故、急に落ち着きがなくなったのだろうか?
俺には分からなかった。
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