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逆転
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人生の多くを共に歩んだ情が絡むと面倒です。そんな事で自分を言い含めるのは真っ平です。

私とて俗物的な人間ですから、今迄の思い出が山ほどあり妻への感情が何もないとは言えません。

それは仕方がない事でしょう。人間なのですから。

それでも私は新たな一歩を踏み出したい。仕事での緊張をほぐしてくれる心休まる家庭が欲しい。

そんなものが有るのか無いのか私は知りません。だって、そんな経験がないのですから。

思い起こせば親父も家では無口でした。あいつも私と同じ人生を歩んでいたのかな?


「女に理屈は通じない。言うだけ疲れる」

親父がよく私に言った言葉です。その結果、母は我侭な女でした。

もちろん、妻のように不倫に走った訳ではありませんが。

言いたい事を言い合える関係でありたい。父と母のような夫婦にはなりたくない。

そう思っていたのに今は親父と変わらぬ人生です。
れでも何処かで変えたいと思っていました。


『俺は親父とは違う』

親子でも価値観は違うのです。離婚が罪悪な時代ではありません。

子供達の事ばかり中心で、自分を犠牲にするなんて時代錯誤も はなはだしい。

今がそのチャンスだ。

子供達には あの子らの人生がこれから一杯ある。俺の人生は その半分もない。

間違っている考えかも知れないですが、勝手ながらそう思いたい私です。


それにしても、妻のあんなに腫れた目は何なのか?

私をこれ程ないがしろにして来て、不倫がばれたからと言って泣く必要があるのか?
こんなに長い男との付き合いで、愛情は私によりもあの男に強く感じているのではないでしょうか?

証拠が出た時点で、いつものように開き直れば済む事だと思います。

男に帰る家庭があって、自分になくなるのが辛いのか?それは彼女の勝手です。

好きな男と私の目を気にせずに会えるのは都合がいいと思うのですが。

きっと子供達に自分の不貞を知られてしまったのが、ショックだったからなのかも知れませんね。


手際よく身支度を整えて、いつもよりも早い時間に家を出ました。

妻に口をきかせる隙を与えたくなかったのです。それと敵陣に どう攻め込むか もう一度考える時間も欲しい。

さあ、今日は決戦です。

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時間を潰してから朝一で妻の会社に行こうかと思いましたが、踏ん切りが付かず少し早く出勤してしまいました。

デスクに座りボーッと考えていると同期の男が声を掛けて来ます。

「おい今日は早いな。何かあったのか?朝から深刻な顔をして どうした?」


この男は大学は違いましたが入社当日から妙に気が合い、その仲は今も変わりがありません。


「嫁さんと ちょっと揉めてな。頭に来て早く出て来たんだ。お前も経験あるだろう?本当に腹が立つよなぁ」


「雅ちゃんも気が強いからな。何があったか分からんが、お前さんが頭を下げた方が無難だぞ。へそを曲げられて、飯の用意もしてくれなくなったら目も当てられん。早い内に機嫌取りをしておけ」


同期の境は相談するに与いのある男です。同期ですから妻の雅子の事もよく知っていますし、お互いに子供が出来る前は家を行き来していたものです。

しかし今、唐突に そんな相談も出来ませんし、夫婦円満を演出していた私には、とても口には出せません。

相談相手を思い浮かべていた時に、1番に頭に浮かんだ男ではありますが、見栄が邪魔してしまいました。


『えーーい、なるようにしかならない!俺一人でやってみるさ!』

相談するチャンスを逸した私は決めました。

今の今迄、心の中で誰かを頼りにしていたのですが、自分の事位は一人で受けて立ちましょう。

昼食を終えて、会社に戻った私は、部下に外回りに行くと嘘を言い、妻の会社に足を向けました。

--------------------

敵陣の前に立ち、一旦は躊躇しましたが止らずにドアを開けます。


「岸部さんを呼んで貰えますか」

この規模の会社に受付等はありません。直接女性事務員に声を掛けました。

昨日玄関で小さくなっていた男が、慌ててこちらに向かって来ます。

この男、この場を何とか取り繕おうとしてか、私を外に連れ出そうとするのです。

「おいおい、俺は会社で話し合おうと言ったはずだぞ。そんな真似をするなら この場で話してもいいんだ。」

わざとに大きめの声で言います。当然男は慌てました。


「そっそうでしたね。こちらの応接室にどうぞ」


部長自ら私を応接室に通すのですから、余程重要な客だと思ったのでしょう。

私が声を掛けた女性事務員が怪訝そうな表情をしながらも、直ぐに立ち上がり最敬礼しているのでした。

オフィスに薄いドア1枚で隔たれた狭い応接室で、私は男に横柄な物言いをしました。


「雅子は出て来てるか?居るなら直ぐに呼べ。それと社長もな」


「奥様は お得意様のところに行ってもらっています。直ぐに連絡して呼び戻しましょうか?

それから社長には何の関係もありません。あくまでも個人的な話ですからね」


昨日とうって変わって横柄な態度に出てきます。

男は社長をこの席に着かせるつもりはないのでしょう。反対の立場なら誰だって避けたいものです。
そりゃぁ嫌でしょう。そんな事は私も重々承知です。


「あいつ居ないのか。逃がしたんじゃないだろうな?

まあ、呼び戻すって言うんだからそんな事はないか。社長は居るんだろう?

まさか社長迄居ないと言うんじゃないだろうな?

それなら俺が電話で呼び戻してやろうか?」


「だから社長には関係のない話しでしょう」


「そんな事はないさ。会社での不祥事は長の責任でもあるだろう」


「・・・・関係はないさ・・・・」


「その判断はトップにしてもらおう」


ソファーから立ち上がる私を見て、男は立ち塞がりました。


「まぁ、落ち着いて話し合いましょう。それで納得してもらえなければ私から社長を呼びますよ」


妙に不敵なこの態度は、何処から来るのか?

此処は相手のフィールドで、私にはアウェイなのですから、相手は気が大きくなっているのかもしれません。

でも、今はひるむ訳には行かない!だって、この男に対して私は何の落ち度もないのです。


「何か勘違いしてないか?

俺はあんたと刺し違ってもいい覚悟やよ。

昨日言っただろう。明日はないって。

社会的に見たって俺の立場は強い。

その位は、あんただって分かるだろう?

出る所に出てみようか」


「・・・・・・・・・」


こいつは圧力に弱い男だと一寸した気配で分かってしまうのは、私だって伊達に年を取った訳じゃないからです。


「・・・男と女の不祥事は何処にでも転がっている話しだ・・・内々の話にして貰えないだろうか・・・」


「冗談じゃない」

男を押し退けて応接室を出ようとする私の腕を掴むその顔は、昨日と同じ情けないものでした。

「済まないが座ってくれ。落ち着いて話し合おう」

形勢逆転!此処からは私のペースで話を進められると判断し再度ソファーに腰を下ろしました。

「申し訳ない」

男も座り、テーブルに付きそうな位に頭を下げています。

臭い芝居をしやがって!きっとこの場を何とか乗り切る事しか考えていないでしょう。

いつもは、それなりの顔をして居るであろうこの男の惨めな姿を、この薄いドアを開けて社員に見せてやりたいものです。

こんな男を上司と仰ぐ ここの社員達は、この姿を見ても会社の為に必死で頭を下げている尊敬すべき上司に映るのかも知れません。

そんな事があるはずはないと思ってはいるのですが、孤立無援な敵陣に殴りこんだ私には、全てが相手の援軍と感じてじまいます。


「社長を呼ぶ気になったのかな」

私も結構やるじゃないですか。人間追い詰められると、自分でも分からなかった性格が顔を出すのでしょう。窮鼠猫を噛むと言うところかな。

この感じは完全に私のペースに乗ったと思っていいでしょう。

男は深々と下げた頭を上げようとしません。


>>次のページへ続く
 
 


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