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バイクで日本一周してる女の子と仲良くなった話
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43 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 09:43:27.27 ID:DP/9YheF0
ひたすらに平身低頭の冬美だが、別に誰も怒ったり呆れたりしている訳じゃない。

少なくとも俺はそうだ、さてどうやって立ち直らせてやろうかwwww

俺『もーいーよ、それより体は大丈夫?、二日酔いになってないか?』

冬美『あ、はい、大丈夫です。久しぶりに布団でゆっくり寝させてもらったんで、いやー、偉大ですね布団ってww』

俺『ははは、そーそー今夜は何食う?、っつうか何食いたい?』

冬美『えーっと・・・・特に何と・・・、じゃあアレがいいです、奥尻で譲二さんが作ってくれたスパゲティ!』

俺『あんな適当なモンでいいのか?ここはキャンプ場じゃないぞww』

冬美『いやー、あの晩御飯は、あたしがキャンプの自炊に目覚めた記念すべき料理なんですよww』

俺『ん?、じゃあそれまでは何食ってたんだ?』

冬美『カップラーメンとかコンビニ弁当とか・・・・、でもあれから地元の店で食材買って、色々料理したりするようになりました!』

俺『そうかwww、じゃあ三十分待ってろ、すぐ作ってやるから!』

冬美『はい!お願いします!』


それからの一週間は穏やかなモンだった、毎晩夕食を一緒にとり、毎晩一緒に酒を飲んだ。

一日一日と冬美はウチになじんで行き、姉ちゃんとも毎日行き来して茶飲み友達として仲良くやっていた。


晴れた日は日帰りであちこち走りに行き、雨の日は一日中俺の本棚の前で過ごしていた様だ。


だんだんお互いに立ち入った話もするようになって行った、人に歴史ありとはよく言ったモンで、いくら話しても話し足りなかった。

でも寝る部屋は相変わらず別だった、

この時の俺は何だか、ずっとこのままでもいいような気になってきていたのだ。

もし俺があのタイミングで、酒なりノリなりの勢いで押し倒しても、恐らくは拒まなかっただろうと思う。

でも 俺はそれをしたら、冬美とはそれで終わりになってしまう様な気がしていた。

あくる日の俺が居ない昼間に、黙ってバハに荷物を積んで出て行ってしまうのではないかと。

・・・・それだけは絶対に嫌だった、そんな終わり方なんて真っ平だ。


あっという間にその週は過ぎて行き、冬美がウチにやってきて最初の週末が来ようとしていた。



44 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 09:46:50.62 ID:DP/9YheF0
生産技術屋さんの俺は一応週休二日なのだが、製造業なので現場は土日関係なし。

故に土日昼夜関係無しに容赦なく呼び出されるのがデフォだ、でも今週の土日だけは勘弁してもらう事にした。

誰でも長い人生の中で色々な事があるだろうが、夏の北海道で出会った女の子と過ごす秋の週末がそう何回も有るとも思えない。

金曜は全身全霊で仕事をこなし、定時で上がって携帯の電源を切り家電は留守電にした、準備万端だwwww


俺『おうただいま、今日は何やってた?』

冬美『お帰りなさい譲二さん、イマイチ天気悪かったですから・・・・また本棚の前で一日中過ごしてました』

俺『本なんて どこでも読めるだろーが、せめて温泉行くとかしたらどーよ?』

冬美『いやー、でも自分以外の人の本棚って、何だか楽しくってwww、譲二さん見かけによらず読書家だしwww』

俺『へ?、俺が読書家?ここにあんのは西原理恵子とか はじめの一歩とかスラムダンクとか しょうもねーマンガばっかりだろーよwww』

冬美『そんなこと無いですよ、本棚って人が表れるし、・・・・譲二さんらしいなあってwww』

俺『はー、まあ一人の日中に何しようがお前の勝手だけどな・・・、でも明日は晴れるみたいだし、サクッと走りにいかねーか?』

冬美『いいですね!・・・・あの、じゃあ行きたい所、ていうか したいことがあるんですけど・・・?』

俺『ん?なんだ?』

冬美『・・・・・・・林道に、行ってみたいんです、あの、普段あんな格好してますけど、実は、その・・・・』

俺『・・・?????』

冬美『あの、あんなバイク乗ってますけど、実は林道とかダートとか、まともに走ったこと無くて・・・』

俺『・・・・・なるほどwwww、で、この機会に初体験してみたい、てー訳だなwww、おkおk!、やばい所連れてってやるwww』

冬美『ちょwwwwあんま やばいとこはwwwwヤメテホシスwww』


そんな訳で その翌日の土曜日は、冬美と連れ立って某林道に行く事になった。

それまでも何回となく日帰りで通った林道だが、その翌日にそこで起こったあるアクシデント。

一生忘れられない思い出の大きな山場が、いきなりそこで起こったのだ。



45 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 09:49:04.58 ID:DP/9YheF0
そういえば ぬこと冬美のファーストコンタクトを書いてなかった。

てな訳で、今更 ぬこと冬美出会うの巻。姉ちゃんちで潰れた次の晩の話ね。

続き

大雑把なスパゲッティを食いながらビールを飲み(やっぱり飲むww)、その後は さきイカをつまみに2人でバーボンを舐めていた。

冬美は水割りでグイグイ、俺は生でチビチビと。飲む程に酔うほどに話は弾み、どんどん いい酒になっていく。


冬美『そういえば譲二さん、ウチにぬこが居るって言ってませんでした?』

俺『ああ居るよ、でも居ない時は1週間くらい平気で居ないからな、昨日の朝は居たけど今日はどうかな?』

冬美『そうですか・・・、会いたいんですけど、仕方ないですよね、何せ ぬこだしwww』

俺『ああそうだな、まあ気が向けば帰って・・・んん?』


その時 居間の網戸が急にガタゴト音を立てた、俺は聞きなれているが冬美は驚いている様子。

冬美『ちょwwwなんすか そのラップ音www』

俺『ああ、噂をすれば何とかだな、おいお客さんだ、上がって挨拶しれwww』


サッシと網戸を両方開けると、ささっとセスエンスローjrが居間に入ってきた。

サイズは虎の子並みで顔は般若系の悪人顔、はじめて見る冬美に若干戸惑い気味だが別におびえる風でもない。

悠然と歩を進めて定位置であるテレビの上にジャンプして上がり、いつもの様に上から目線で人間どもを睥睨し始めた。

冬美『わー・・・・・、すごーい大きいー・・・、百万回生きたぬこにそっくり・・・・』

俺『なんだそれ化けぬこか?、鍋島とかの?』

冬美『ちょww違いますってww絵本のキャラクターですYO!』

俺『絵本?こんな可愛くないのが子供向けの絵本?、子供トラウマになるんじゃねえかwww』

冬美『いや、確かに可愛くないんですけどねwww、でも泣けちゃうんですよ、それに作者がバイク乗ってんですYO!』



46 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 09:50:57.55 ID:DP/9YheF0
俺『バイク乗ってる絵本作家?若いのか?』

冬美『いやーそれが その絵本てもう三十年くらい前の絵本で、著者近影の写真がバイクに跨って笑ってる写真でーwww』

俺『そんな昔にバイク乗ってたのか、CBナナハンとかならカッコイイなー、でも もうかなり爺さんだよな?』

冬美『え?、いやあの女の人ですよ、佐野洋子さんて人、ビシッと決めてて、もう、女バイカーの元祖って感じ!』

俺『へー!、そんな昔に女がバイク乗ってて、しかも職業が絵本作家か、なかなかの大物だな!』

冬美『そうなんですよー、もうかっこよくって!あんな風になりたいなあ・・・・・』

俺『そーか、お前がそんなに言うんならナカナカのアレなんだろうな、俺も一度読んでみっかなwww』

冬美『あーもう、早く譲二さんに読ませたい!、本当にそっくりなんですよ、この、えっと・・・?』

俺『セスエンスローjrだよwww、でもみんなただ単にぬこって呼んでるww』

冬美『なんすかその外人wwww』


このあたりで2人とも酒が脳まで回ってしまい、記憶は定かでないwwww

2人で膝を突き合わせ、GARRRRRの付録(林道ガイド)等をつまみに更に飲んだくれた。

まー毎日この様な事を繰り返しつつも、ついに記念すべき週末はやって来る。

金曜はガルルとバックオフを部屋いっぱいに開いてあーだこーだ、最終的に選んだのは奥羽山脈をまたぐ峰越林道の内の一つ。

当日の朝六時半に起きて居間に行くと、もう気合充分の冬美が朝飯の準備を済ましていた。



47 :譲二兄貴:2011/12/26(月) 09:53:28.45 ID:DP/9YheF0
台所で朝飯の支度をしていた冬美に おはようと声をかけ、すでに開けられていたカーテンから外を見ると秋晴れのいい天気だ。


俺『おう、いい天気だな、昨日は雨で今日は晴れ、絶好の林道日和だなww』

冬美『え?晴れがいいのは分かりますけど、昨日が雨だとなんでいいんですか?』

俺『いやあのな、雨降ると林道の穴ボコに水たまったり、小さな沢みたいな流れになってたりしてなwww』

冬美『えー・・・まさか わざわざそこに突っ込んだり・・・・するんですねwwwww』

俺『台風級の雨風だと土砂崩れ起こってたりして危ないけどな、ちょっとぐらいの雨で湿り気があるくらいが楽しいんだよ』

冬美『・・・・・やっぱり、行くの止めようかな・・・・・・・』

俺『大丈夫だよ、道幅いっぱいの深い水溜りや流されそうな濁流なんて そうそう無いからwww、やばいと思ったらすぐ引き返せばいいんだよ。』

冬美『・・・・分かりました、あのあたし、超遅いと思いますけど、置いていかないで下さいね!』

俺『おkおkwww、行く前からあまり考えんな、さ、朝飯くうべ、うまそーだなおいwww』


御飯、味噌汁、半熟の目玉焼き、もやしとほうれん草の炒め物、美味い、マジで美味い。

朝から二回もお代わりしてしまうほどだ、きっといい奥さんになるわ こいつwww


飯を食い終わって出発の準備を整える、行き先が林道なので2人とも当然のフル装備だ。

2人ともジャージの中に着込むタイプのプロテクタージャケット、モトパンにオフブーツ、ニーシンガード。

リアシートにテルモスと工具が入ったバッグを括り付け、待ちかねている冬美を促していざ出発。

冬美はリアシートに例のEDジャケットと小さ目のバッグをくくりつけ、普段と違う勝負ジャージ(本人談)でバッチリ決めている。

目に痛いくらいの真新しい赤いジャージは やっぱりキツネ印なのだが、胸の辺りにFOX HONDAとロゴが入っている。

ワークス向けの非売品ぽいけど、まあ多分コラボ商品という奴だろうな。その辺の林道でも冬美的にはサハラかバハなのかもwww

俺はいつもの着古したジャージだ、コケまくって付いた草の汁やら泥やら何やら得体の知れない汚れと穴だらけ。





>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, 胸キュン, すっきりした話,
 


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