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電車で隣に座った女性が○○した話をする
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51 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:02:48.18 ID:CD39ZXTP0


あ…。

本来であれば他人と偶然にも目が合ってしまった場合、すぐに視線を外すのだが横にいた女性は以前、電車内でゲロった女性と なんとなく雰囲気が似ていた。

ので、疑念のような視線を送ってしまった。

すると女性が

女性「あ、あの」

話しかけられた瞬間「あぁ、やっぱりあのゲロった人だ」と確信した。



53 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:04:03.68 ID:CD39ZXTP0
実のところ逃げ出したかった。知らんぷりをしてしまいたかった。

が、返答した。

俺 「……はい。」

女性「こ、この前、電車で………の方ですよね?」

ずいぶん省略された質問だったが、無理もない。

俺はコンマ数秒悩んでから覚悟を決め…。

俺 「あ……。はい。…もう具合、大丈夫ですか?」



57 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:04:44.49 ID:CD39ZXTP0
あれから数日経っているのだからまだ具合が悪いわけがない。

ただ、返答としては間違っていなかったらしい。


女性「やっぱりそうですよね?!本当にご迷惑おかけしました。」ペコッ

返答一発目で物凄く丁寧に謝られ、俺は密かにホッとした。

改めて女性を見ると随分物腰の柔らかそうな人だった。

美人とか可愛いとかいうタイプの顔ではなかったが、おっとりした優しげのある顔だった。



61 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:05:25.13 ID:CD39ZXTP0
なんだかんだで、あの日は最初から最後まで女性の顔は ほとんど見えなかったからなぁ…。

俺 「い、いいえ…俺なんもしてないですよ。」

女性「そんな事ないです。本当に助かりました。」

元々女性と話すのは得意でもなく、職場も年配のおばさん以外に若い女性は居ないので俺は少し緊張していた。

丁度その頃、待っていた電車がホームに入ってきた為 俺と女性は電車の中に乗り込んだ。



62 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:06:08.25 ID:CD39ZXTP0
空席はたくさんあったが、なんとなく扉横の隅にある手すりに?まり立っている事に決めた。

すると女性も俺に添う形で近くの取っ手に捕まって俺に喋り始めた。

女性「いつもこんな時間まで残業とかされてるんですか?」

俺 「あ、はい。最近は ほぼ毎日ですね…。 えっと…、」

女性「はいw 私も残業です…w でもまぁ今日はたまたま、というか。」

俺 「あぁ、そうなんですか。お仕事、何されてるんですか?」

女性「っと…。その。ゲームを作ってます。」

俺 「ゲーム?」


ゲームという言葉に思わず反応してしまった。

俺は けっこうゲーム好きである。



63 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:06:35.13 ID:IEIqMMtm0
その娘さんもわざわざお礼して偉いな

知らんぷりして逃げる奴も多いだろうに


64 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:06:39.83 ID:CD39ZXTP0
女性「はい。PS3とかのソフトを作ってる会社で働いてます。」

俺 「おー、凄いっすね。俺もゲームやりますよ。」

女性「本当ですか?!普段どんなのやってらっしゃるんですか?」

俺 「…オンラインゲームとかよくやってますね…。」

女性「お〜・・・。」


・・・。


どうやら女性が期待していた答えではなかったらしい。



68 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:07:13.10 ID:CD39ZXTP0
俺 「どんなゲームを作ってらっしゃるんですか?」

女性「…うーん。最近は対戦系のゲームを…。あまり有名な会社ではないので、知らないと思いますけど。」

俺 「なんて名前の会社です?」


興味津々の俺。


女性「えっと、○×って会社です」

俺 「ぁ、知ってる」


何が『あまり有名じゃない』だ。ゲーム好きならそれなりに知れてる会社だった。



73 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:08:38.28 ID:CD39ZXTP0
女性「ご存知でしたか?」

俺 「はい。でもすみません。そこのゲームはやった事ないです。」

女性「あらら…。」

俺 「すみません……。」


ちょっと気まずくなってしまった。この空気は嫌なので話題を変えようと思った時


女性「…そ、それよりこの前の事なんですけど。」

俺 「え?」

女性「その…会えてよかったです。本当にありがとうございました。ずっとお礼言いたくて」

俺 「あ…いや、別に…。」


ドキッとした……。心臓がドクンってするのがわかった。「会えてよかった」とか女性に言われるのは初めてだったから。



76 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:09:22.04 ID:CD39ZXTP0
女性「あの日、友達との飲み会の帰りでして」


女性は淡々とゲロッた日の事を話し始めた。

きっと気にしているのだろうと思い、あえてあの日の話題は避けていたのだが、まさか向こうから話を振ってくるとは

俺 「お酒は弱い方なんですか?」

女性「はい。なのであまり飲みません。」

俺 「あんまり飲まないタイプなのに、飲まされちゃった感じですか。」

女性「久しぶりに会った友達と居酒屋に行って…、少ししか飲まないつもりだったんですけど…」

俺 「…隣に居ただけでも お酒の匂い凄かったですよ。」

女性「はい。私、飲めないわけじゃないんです。飲むとすぐ頭が痛くなるから飲まないだけで。あまり悪酔いしたりもしませんし。」

俺 「あぁ・・・そういう事ですか。」



77 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:10:04.85 ID:CD39ZXTP0
女性「ただ、あの日は…。」

俺 「飲んだと。」

女性「はい…。ガブガブ飲んでました。」

俺 「ガブガブってw」

女性「お酒は嫌いなわけじゃないんです。でも、しばらくすると頭が凄く痛くなってきて、後悔するんですよね…。」

俺 「あらら、それはまた難儀な体質ですね…」

女性「はい…。」



80 :名も無き被検体774号+:2013/12/12(木) 22:10:43.13 ID:CD39ZXTP0
俺 「で、その帰りだったわけですね。」

女性「えぇ。店を出た時点で既に頭は痛かったんですけど、改札口を通った辺りで吐き気までしてきて…」

俺 「…。」

女性「その日は、仕事で先輩に理不尽な怒られ方して、イライラしてたので…自棄酒飲んじゃいました。」

俺 「なるほど…。」

女性「あとは……あんな感じです。」

俺 「色々大変でしたね。」

女性「いえ、本当にご迷惑おかけしました。」ペコッ

俺 「あぁ、もう謝んなくていいですから」オタオタ


女性は思っていた以上にお喋り好きだった。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:胸キュン, これはすごい,
 


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