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「機械と少年」
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512 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/23(月) 02:33:36.66 ID:fqn1hXu6P
ニカ「どうしてっ・・・!」

勇「俺を待っている仲間がいる」

ニカ「・・・・」

勇「ニカ、君は戦士ではない。人を戦う以外にも救う方法を知っている。」
勇「だが、俺にはそれが分からない。出来ることは戦うことだけだ」

ニカ「そんなこと・・・!」

勇「俺は戦って仲間を守りたい。・・・それが唯一俺が望む生き方だ」

ニカ「・・・あなたが死んだら・・・意味ないじゃない・・・」

勇「大丈夫だ。死にはない。ただ、こうして負傷した時には世話になるかもしれないがな」

ニカ「・・・リートちゃんを助けに行くんだね・・・?」

勇「ああ、あいつが助けを求めている」

ニカ「わかった。・・・でも今は休んで?」

勇「分かっている。」

ニカ「・・・あなたを万全の状態で送り出してあげる」

勇「頼む」

服を着て病室を出て行くニカ
ニカは俺にとってすごく重い存在だった
守れなかった仲間のうちの一人だからだ
兵士としての彼女を死なせてしまったのは自分の責任でもある
そう考えてしまうとニカと真正面から向き合うのが怖かった




-------------------------------------------------------



513 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/23(月) 02:39:39.14 ID:fqn1hXu6P
2週間が経った

勇「っ・・・・!」

ニカ「ゆっくりと・・・」

ベッドに座ったまま床に足をつける
今の俺の身体はひょろひょろで立つことすら出来なかった
力が入らない身体にイラつく

勇「ぐっ・・・!!」

まるで産まれたての子鹿の様だ

ニカ「無理はしないで」

勇「そうはいかない・・・!」

立ち上がりゆっくり歩く
一歩一歩がぎこちなく弱々しい
ここまで傷の回復は驚異的だった
ニカは俺の生命力の強さだと言っていたが
彼女達のお陰でここまでハイペースで回復出来たと俺は思っている
ここからは俺が頑張る番だ

勇「腕立て腹筋背筋スクワット・・・それでもってランニング・・・!!」

ニカ「無理に決まってるでしょ!!」

怒られた



515 :名も無き被検体774号+:2013/12/23(月) 12:31:52.82 ID:6vaOvHa80
ニカってタメ口だったっけ?


521 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/24(火) 13:50:47.04 ID:9JDcmkb7P
>>515
おわぁ・・・忘れてた

まぁなんか仲良くなったってことにしておいて




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522 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/24(火) 13:59:48.75 ID:9JDcmkb7P
それから再び一週間が経ち俺は基地に戻る事になった

ニカ「まだ万全じゃないんだけど・・・」

勇「そろそろ訓練に参加した方がいいと思ってな。傷も塞がったしもう大丈夫だ」

ニカ「・・・そう」

こいつこんな悲しそうな顔もするんだな

勇「ナカサ婆さんとカイによろしく」

ニカ「分かった。伝えておく」

バラララララ
病院の屋上にヘリが降りてくる
俺の他にあと4人ほどこのヘリに乗って基地に行く

ニカ「・・・気をつけて」

勇「ああ」


ヘリに乗り込もうとする俺の腕をニカが掴む


勇「・・・どうした?」

ニカ「・・・私、今でも勇さんが好きだから」

勇「・・・覚えておく。」

「もう出ますよ!」

勇「了解!」

ニカ「・・・じゃぁね」

手が離れニカが走り去る

勇「・・・俺は絶対に死なない」




----------------------------------------------------

523 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/24(火) 14:06:04.70 ID:9JDcmkb7P
ヘリはスティーアに行く・・・と思いきやなぜか本部に連れて行かれた

勇「俺はスティーアに・・・」

軍人「向こうの指示であなたは本部に連れてくるように言われています」

勇「向こう?」

それは本部なのか?
ヘリを降りると出迎えてくれたのはノールとクロム・・・そして、

ドレッド「よぉ!」

勇「ドレッド!!」


予想外の出迎えに少しテンションが上がった

勇「どうしてドレッドが?」

ドレッド「おめぇさんにはまだ戦線に復帰はさせねぇ事になった」

勇「え?」

ノール「お前さんは随分優秀なヴィント乗りの様だからな。
    ちょいと手伝って貰いたいことがあっての」

勇「・・・なんの事だ?」

クロム「あんたもきっと泣いて喜ぶわよ」

3人に連れられて格納庫の奥に連れて行かれる

勇「こんな深層部に来るのは初めてだ・・・」

ノール「こっからは最重要機密じゃからな」

最重要機密・・・重い響きだ



524 : ◆Z3ayXtoR4DEE :2013/12/24(火) 14:14:08.10 ID:9JDcmkb7P
格納庫の扉がゆっくり開き、ライトが点灯する

照らし出されたのは・・・

勇「・・・これは!」

4機のVT2がそこにあった
全てグレーとブラックのツートンカラーで細部は違うものの明らかにVT2だ

勇「VT・・・2・・・?」

クロム「いいえ、これはヴィント2の先行量産タイプ。VT2ではなくV2ね」

ついにあの機体の量産が始まったのだ

ノール「お前さんの言うとおり使いにくい機体だったからの。
    もうちと使いやすく設計し直したんじゃ」

勇「ブースターやスラスターの数が少ない?」

ノール「最低限の数に絞った分高出力のスラスターを装備した。
    ユニットの換装も一応可能にしてある」

勇「・・・そういえば俺のヴィントは?」

ドレッド「あんなんもう使えねぇ」

勇「・・・そうか・・・」

ドレッド「と、言おうと思ったんだがな。なんかメインのシステムが生きていてな。
     それに面白い現象も起きていたんだ」

勇「面白い現象?」

クロム「まぁ実際見た方が早いでしょう」



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:読み物  |  タグ:これはすごい,
 


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