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女だけどバイクの免許とったら人生が変わった話する
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780 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 13:50:41 ID:YHVMN5om
続き↓
ビデオ屋の駐輪場にアキオの赤い原付があった。
厚着してもやはり12月は寒い。バイクを停めて震えながら店に入る。新作のコーナーにアキオの姿をみつけた。
私「アキオ〜」
アキオ「オゥ!いらっしゃいませ。あ、アダルトはあちらですw」
私「アハハ。バカでしょw」
アキオと話していると私は いつのまにか笑っている。。
私「気分がパっと明るくなるような笑えるビデオないかな?」
アキオ「どした?なんかあった?」
私「...まあ。色々ありますわなあw」
アキオはしばらく顔を見つめていたが、どこかに行き、すぐにバタバタと走って戻ってきた。
アキオ「これ。オレのイチ押し!オレ、眠れなかった時、いつもビデオばっかり借りて見てたんだ。何でも聞いてよ♪」
私「へぇー『サボテンブラザーズ』...面白いの?」
アキオ「つまんなかったら金返すってw!...来週飲みに行くか?ホラ、免許取ったし。お祝い。」
私「うん。。そうだね。」
私は来た道よりもずっと温かい気持ちでバイクを走らせて家に向かった。
アキオが優しいのは大人になってもちっとも変わらないないなあと思いながら。。
とりあえずここまでです。今晩時間が出来たらまた来ますデス。。m(_ _)m
--------------------
795 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 21:27:45 ID:YHVMN5om
つ(続き)
>>780から↓
クリスマスソングが街中に流れ出す頃。ナッツの散歩中にアキオの姿を見かけた。
私「アキオー!」
アキオ「おぉ!」
アキオとは前の週に飲み会で会っていた。免許を取ったら二人で飲みに行く約束は、アキオの提案で飲み会になった。
近所の同じ小学校からの仲間やアキオの妹や妹の彼氏など10人ほどが居酒屋に集まった。プチ同窓会のようで懐かしくて楽しかった。。
私「この前盛り上がったね〜アキオは最後かなり酔っ払ってたけど覚えてる?w」
ア「...おぼろげにw。」
二人でホットの缶コーヒー片手に池の回りを歩きながら、色々な話しをした。話はいつしか恋愛の話になっていった。。
私はずっと心にひっかかっていたことをアキオに聞いてみた。
私「誰かと付き合ったとして、いつかその人の気持ちが変わってしまうんじゃないかとか、アキオは不安になったりとか、ある?」
アキオ「んー確かに絶対に変わらないとは、言い切れないよね...。けどさー先のこと心配してもしょうがないんじゃない。」
アキオの言い方がいつもと違ってそっけない感じがした。
私「アキオは東京で彼女いたの?」
ア「...いない。仕事しか頭になかったから。けど...大阪にいた時はいたよ。」
続
続き↓
ビデオ屋の駐輪場にアキオの赤い原付があった。
厚着してもやはり12月は寒い。バイクを停めて震えながら店に入る。新作のコーナーにアキオの姿をみつけた。
私「アキオ〜」
アキオ「オゥ!いらっしゃいませ。あ、アダルトはあちらですw」
私「アハハ。バカでしょw」
アキオと話していると私は いつのまにか笑っている。。
私「気分がパっと明るくなるような笑えるビデオないかな?」
アキオ「どした?なんかあった?」
私「...まあ。色々ありますわなあw」
アキオはしばらく顔を見つめていたが、どこかに行き、すぐにバタバタと走って戻ってきた。
アキオ「これ。オレのイチ押し!オレ、眠れなかった時、いつもビデオばっかり借りて見てたんだ。何でも聞いてよ♪」
私「へぇー『サボテンブラザーズ』...面白いの?」
アキオ「つまんなかったら金返すってw!...来週飲みに行くか?ホラ、免許取ったし。お祝い。」
私「うん。。そうだね。」
私は来た道よりもずっと温かい気持ちでバイクを走らせて家に向かった。
アキオが優しいのは大人になってもちっとも変わらないないなあと思いながら。。
とりあえずここまでです。今晩時間が出来たらまた来ますデス。。m(_ _)m
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795 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 21:27:45 ID:YHVMN5om
つ(続き)
>>780から↓
クリスマスソングが街中に流れ出す頃。ナッツの散歩中にアキオの姿を見かけた。
私「アキオー!」
アキオ「おぉ!」
アキオとは前の週に飲み会で会っていた。免許を取ったら二人で飲みに行く約束は、アキオの提案で飲み会になった。
近所の同じ小学校からの仲間やアキオの妹や妹の彼氏など10人ほどが居酒屋に集まった。プチ同窓会のようで懐かしくて楽しかった。。
私「この前盛り上がったね〜アキオは最後かなり酔っ払ってたけど覚えてる?w」
ア「...おぼろげにw。」
二人でホットの缶コーヒー片手に池の回りを歩きながら、色々な話しをした。話はいつしか恋愛の話になっていった。。
私はずっと心にひっかかっていたことをアキオに聞いてみた。
私「誰かと付き合ったとして、いつかその人の気持ちが変わってしまうんじゃないかとか、アキオは不安になったりとか、ある?」
アキオ「んー確かに絶対に変わらないとは、言い切れないよね...。けどさー先のこと心配してもしょうがないんじゃない。」
アキオの言い方がいつもと違ってそっけない感じがした。
私「アキオは東京で彼女いたの?」
ア「...いない。仕事しか頭になかったから。けど...大阪にいた時はいたよ。」
続
797 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 21:34:58 ID:YHVMN5om
続き↓
私「もしかして、遠距離になったから別れたとか?」
私の言葉に、アキオの動きが止まった。
アキオ「別れたんじゃなくて.....事故で死んだ。オレの彼女。」
私はハッとして固まった。
私「...ごめんね。知らなくて...。」
アキオ「...違う。謝るなよ。オレ...」
私「無理して言わなくていい。余計なこと聞いてごめん...。」
私は自分に腹を立てていた。婚約が破談になった時、好奇心で話を聞きたがる人がいた。好奇心や下手な同情ほど人を傷つけるものはないと痛いほど知っていた。
だけど今、自分は同じような事をしてアキオを傷つけたのではないだろうか...。
アキオ「いや、冬子姉ちゃんに聞いてほしい。東京では誰にも言えなかったから...。」
ポツリポツリとアキオは語り出した。
アキオが大阪にいた頃付き合っていた年上の彼女は、仕事の帰りに車にはねられて亡くなった。ほとんど即死状態だったそうだ。
アキオ「オレ、自分も死ぬかと思ったよ。苦しくて、苦しくて、苦しすぎて...。それで変な話しだけど、なんか自分の中でオレは一回死んだように感じてる。。」
アキオは彼女を亡くしてしばらくは大阪で自暴自棄の生活を送り、大阪を離れ東京に就職したのだった。
私はアキオが車の免許を取らなかった本当の理由をこの時に初めて知った。。
続
798 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 21:39:53 ID:YHVMN5om
続き↓
アキオ「こっちに帰ってきて やっと彼女のことを落ち着いて思い出せるようになったんだ。それまでは思い出すのもつらかったよ。。」
アキオの言葉を聞きながら私は先週の飲み会を思い出していた。
二次会でアキオは、ふざけた曲ばかりカラオケで歌って場を盛り上げた。なのに一曲だけマジメな顔でブルーハーツの「ラブレター」を歌った。
その顔がいつもと違っていて印象に残っていた。。(あの時アキオの目が赤かったのはお酒のせいだけではなかったんだな。。)
アキオの話を聞くうちに私は押し込めていた感情の蓋が開いた気がした。
私はアキオに自分のことを話し始めた。婚約していたこと、ずっと虚しい気持ちだったこと。バイクに乗り始めたきっかけの春樹さんの話。告白出来なくてモヤモヤした気持ちも。。
アキオは頷きながらじっと聞いてくれた。
アキオ「オレ、最近思うんだけどさ。好きだって気持ちをぶつける相手がいるってスゲー幸せなことなんだと思う。。
好きな人がいたりフツーに付き合ったりとか。誰もありがたがったりしないし、オレも彼女が死んで自分の前から消えて思うようになったんだけどさ。。
気持ちが変わることは人間だから、しかたないかもしれないけど。
大事なことは、今を後悔しないように大切にすることなんだと思う。。
オレ、ずっと免許取ることも彼女を思い出すことも逃げてたけど...。もう逃げんのは、やめたよ。。」
続
799 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/15(水) 21:43:51 ID:YHVMN5om
続き↓
私はアキオと話しているうちに涙が止まらなくなり、被っていたニットの帽子を鼻のあたりまで思い切り引っ張った。
しゃがみこむとナッツが心配そうに私に寄ってくる。私はナッツに顔を埋めてまた泣いた。
アキオ「泣くな!ナッツに鼻水がつくだろーがw」
私が泣きながら、えへへと笑うといつもどうりの空気が戻ってきた。
アキオ「オレさー...いや、やめとこw」
私「ナニナニ?言ってよ〜。(鼻声)。」
アキオ「や、、、オレの初恋、冬子姉ちゃんだからな。」
私「!...嘘デショ?」
アキオ「(謎の微笑)」
アキオは片手をポケットに突っ込んで手を振って見送ってくれた。
その姿に小さい時のアキオが重なって見えた。
アキオ、昔は泣き虫だったのに、いつのまにか立場が逆転してる。。
「好きだって気持ちをぶつける相手がいるってスゲー幸せなことなんだと思う。。。」
アキオの言葉が私の頭の中でグルグル回る。
ふられてもいい。ふられてもいいから春樹さんにちゃんと言おう。じゃなきゃ前に一歩も進めない。。
一時停止していた時計がまた動き出そうとしていた。。
今日はここまでです。続きは明日...かも。読んでくれてありがとうございます。。
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844 :四国冬子 ◆z5/LX/5n.U :2005/06/17(金) 13:52:27 ID:o12cmyub
つ(続き)
>>799続き
とうとう春樹さんに、電話することにした。告白する、決心で。。
私は溜め息を何度もついてようやく携帯の発信ボタンを押した。もう後戻りはできない。。
私「こんばんは。」
春樹「あー久しぶり。冬子ちゃん元気だった?」
私「はい。今、話しても大丈夫ですか?」
春樹「いいよー。今、帰ってきてちょうど晩メシ食ったところ。コンビニ弁当だけどw」
私「お疲れさまですね。忙しいんですか?」
春樹「そうでもないよ...。バイクの調子どう?」
しばらくは他愛のない話しを続けた。ひとくぎりついたところで私は話しを切りだした。
今日を逃したらもう言えない気がする。
私「話しが、あるんです。」
春樹「...なに?」
目を閉じて覚悟を決めた。
私「あの。一回しか会ってないのに、こんなこと言うとびっくり、するかもしれないけど...。
私、初めて会って名刺を貰った日からずっと春樹さんの事を考えてて、バイクに乗れるようになったのも春樹さんのおかげだしホントすごい感謝してて...何て言ったらいいのか...
うまく言えないんだけど、春樹さんのことが...好きなんです。」
続
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