俺がアキに接していくことで もし感染してしまっても責任はとれないとか
他の人とまっすぐ人生を歩んでほしいとか色々言われたけど、俺はそんなつもりはないってハッキリ言ったよ
夜にアキのお父さんも帰ってきてからは落ち着きながら話ができた
アキのお父さんは
「俺君の親御さんたちに1度相談してみなさい。
それで了承してくれるのであれば、アキにとっても僕達家族にとっても、こんなに心強い味方は居ないからね。
でも現実は違う。
俺君の両親を悪く言うつもりはないけどきっとNOと言うだろう。
当たり前だ。
アキの父親の僕ですら一緒に暮らしていて怖いと思う時があるんだから」
こういわれた時はさすがに言葉が出なかったな
俺は自分の両親には言えなかった
否定されるのが怖かったから言えなかった
もしかしたら、両親にNOと言われて気持ちが変わってしまうかもしれない自分がいるかもしれない。そう思うと怖くて相談することが出来なかった。
実際に両親に相談する事が出来たのはアキの実家に行ってから1年くらいたってからかな。
アキは人が大勢いるような場所へ行くことを避けるようになっていた
思い返せば4人で会っているときも後半1年くらいはやたらと4人だけでの飲み会が多かった気がする。
考えれば考えるほど思い当たる節がある
膝に包帯をグルグル巻きにしているときがあって
「どうしたの?」って聞くと
「膝擦りむいちゃったんだよね…」って言ってた
俺はてっきり捻挫でもして、心配されたくないからそんなことを言っているのかと思ってたけどは本当に擦り傷だったって事だよな
大勢の人が集まるような場所に行きたくなくなってしまったアキは必然的に家にこもるようになる
もちろん出かけたりもしたけど基本は車でドライブとか、他人と触れないようにする配慮が常に必要だった
俺は本当に自分が情けないと常に感じた
毎日一緒に居れる訳ではないし東京に戻って仕事して暇さえあれば岡山に行くっていう生活だった
一番苦労しているのは間違いなくアキとアキの家族だし俺は苦労なんて何もしてなかったから
アキは自分で使った箸やお皿やコップ、洋服など全て自分で洗っていた
アキが使った箸に付着した口の中の粘膜が誰かの指のささくれに触れることで感染してしまうかもしれないし、そういった心配を周りにかけたくない
自分に気を使ってほしくないという思いから自分で洗うようにしていたらしい
でもそうすると、今度は洗いものをするアキに気を使い始める
結局その堂々巡りで、自分が行動することで周りにさらに気を使わせる
家族も知らず知らずのうちに敏感になってしまっていた
アキは、いつからか部屋にこもるようになってしまった
俺はアキの家に通っていたけど苦ではなかった
俺が来ることによって少しでもプラスになればいいと思って通っていたし
実際、通う事が俺自身のプラスにもなってたから
でもあるときアキのお母さんに言われたんだ
俺君は何のために通ってくれてるの?って
この質問にはすごく考えさせられた
アキのために通っていると思っていたけど、よくよく考えるとアキのためではなく
自分のために通ってたって事に気が付いたんだよね
自分のために通っている俺ってアキのために本当にプラスの存在なのか
もしかしたらマイナスの存在なのかもしれない
俺は俺の欲求を満たすために通っていただけなのかもしれない
アキの力になりたいと思っていたけど負担にしかなってないのかもしれない
アキと2人でゲームしたりレンタルビデオを見たり色々したけど
アキの中では常に感染させないように気を使っていて、常に俺への配慮を怠るわけにはい状況だっただろうし辛い思いをさせてしまっているのかもしれないとも考えた
俺はアキと生活している訳でもないし、一緒に生活しているアキの家族とは同列ではない
苦労するのはアキの家族とアキ本人で俺ではない
もちろん通う事に意味がないとは思わなかったけど、必要な存在なのかどうかは分からなかった
アキ本人に聞きたいけど聞けない
聞いてしまったら、岡山に来る事が苦痛だって勘違いされてしまうかもしれないから
でもアキ自身は生きることに苦痛を感じていたかもしれない
通っているなかでアキ本人から、もう2度と来ないでとか来てくれても迷惑なだけとか、そういう事を言われたこともあった
俺はそういわれても気にしなかったけど、気にしないで通う俺にむかついた時もあったのかなって今となっては思ったりもする
HIVに感染してしまって気分が滅入るところから躁鬱になってしまう人とかもいるのかな?
アキがそうだったのかどうかは俺は分からないけど、その場合はHIVと躁鬱の薬は併用できなかったりもするだろうしどうするんだろう
体は元気なのに自由に行動できない、周りに極度な気遣いさせてしまう
すごくつらいと思う
普通の会社とかなら健康診断にHIVの検査とかは無い場合が多いだろうし黙って普通に生活することも可能だけど、アキは違った
外に出ることが罪で人と話すことが罪で普通に生活することが罪だと思い込んでいるようだった。
アキには家族という見方がいたし俺だっていた
それなのに生きているだけで迷惑だと思ってしまったのかもしてない
そう思ってしまっている人はアキ以外にも沢山いるかもしれない
感染専門で働いているものです。
HIVとAIDSは別物です。
海外の文献・論文は調べられないかと思いますので
薬物治療に関しては数多くの薬物・新薬があり、それらを組み合わせたレジメンが存在します。
専門性が高くなりすぎ専門資格がいろいろあります。
相当前からですが、発症しない・理論上寿命まで(薬物の臓器に対する影響除外)が可能です。
死なない疾患となりました。(耐性菌除外)
まだ感染初期の若年者の場合 特にウイルス量を検出限界や微量まで減らすことも当然となっており
まず他人に感染させてしまう、性交渉も含め危険は0ではないですがまずありません。
これは医療を受けられる国で治療を受けている場合の事です。
最近の出来事として感染者から生まれた子供に関しての世界的ニュースがありました。
上記の書き込みに対してはお悔やみ申し上げます。
確かに現在の日本では偏った考えが広まっていると思いますので常々良い方向に向かっていけばと願っています。
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