イケメン同期に振り回された俺の人生について語る
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208 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:43:35.42 ID:s1RHru00.net
健太郎の顔には、怒りがにじみ出ていた。
「僕が大地を好きでいても、大地は気持ち悪くて迷惑なだけだし。すこしの望みもない、不毛な片思いをしてる僕も惨めなだけだし。お互いのためにさっさと忘れたほうがいいよね。すいませんね。」
こんな風に言い返してきたことが初めてだったから、戸惑いもあったが、それ以上に怒りの感情のほうが強かった。
「なに逆ギレしてんだよ。キレたいのはこっちのほうだっつーの。」
俺は、健太郎を睨み返した。
209 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:44:29.13 ID:s1RHru00.net
「俺はいままで、お前がゲイでも普通に接してやってたじゃん。それでも まだ不満だっつーのか?これ以上なに望んでんだよ?」
健太郎も俺の目をまっすぐ見て、そしてまた何もしゃべらなくなった。
「だから何とか言えって。」
もう一度肩をどつくと、健太郎は視線を少し落とした。
「大地と・・・・・・。」
そういって、ふたりの間に沈黙が流れた。
サワサワと木々が風に揺れる音だけが聞こえた。
「ずっと一緒に生きていきたいって、思ってるよ・・・・・・。」
210 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:45:03.10 ID:s1RHru00.net
自分でもどうしたらいいかわからないんだよ
大地が好きなんだよ、大好きでたまらないんだよ
大地に迷惑かけちゃいけない、迷惑かけたくないって
初めて僕を理解をしてくれた嬉しさと ごっちゃになってるだけだって そう思って何度も忘れようとしたし、何度も大地から離れようと思ったけど
でもだめなんだよ
お互いのためにならないってわかってる
大地の迷惑になってることもわかってるけど
わかってるのに どうしても好きでたまらないんだよ
女だったら彼女にするって いつもいつも言われる僕の気持ちわかる?
どれだけ後悔したかわからないよ
なんで女じゃないんだろうって
なんで大地と付き合えないんだろうって
なんで好きになってくれないんだろうって
もうどうしたらいいか、よくわからないんだよ
健太郎の顔には、怒りがにじみ出ていた。
「僕が大地を好きでいても、大地は気持ち悪くて迷惑なだけだし。すこしの望みもない、不毛な片思いをしてる僕も惨めなだけだし。お互いのためにさっさと忘れたほうがいいよね。すいませんね。」
こんな風に言い返してきたことが初めてだったから、戸惑いもあったが、それ以上に怒りの感情のほうが強かった。
「なに逆ギレしてんだよ。キレたいのはこっちのほうだっつーの。」
俺は、健太郎を睨み返した。
209 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:44:29.13 ID:s1RHru00.net
「俺はいままで、お前がゲイでも普通に接してやってたじゃん。それでも まだ不満だっつーのか?これ以上なに望んでんだよ?」
健太郎も俺の目をまっすぐ見て、そしてまた何もしゃべらなくなった。
「だから何とか言えって。」
もう一度肩をどつくと、健太郎は視線を少し落とした。
「大地と・・・・・・。」
そういって、ふたりの間に沈黙が流れた。
サワサワと木々が風に揺れる音だけが聞こえた。
「ずっと一緒に生きていきたいって、思ってるよ・・・・・・。」
210 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:45:03.10 ID:s1RHru00.net
自分でもどうしたらいいかわからないんだよ
大地が好きなんだよ、大好きでたまらないんだよ
大地に迷惑かけちゃいけない、迷惑かけたくないって
初めて僕を理解をしてくれた嬉しさと ごっちゃになってるだけだって そう思って何度も忘れようとしたし、何度も大地から離れようと思ったけど
でもだめなんだよ
お互いのためにならないってわかってる
大地の迷惑になってることもわかってるけど
わかってるのに どうしても好きでたまらないんだよ
女だったら彼女にするって いつもいつも言われる僕の気持ちわかる?
どれだけ後悔したかわからないよ
なんで女じゃないんだろうって
なんで大地と付き合えないんだろうって
なんで好きになってくれないんだろうって
もうどうしたらいいか、よくわからないんだよ
211 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:45:41.74 ID:s1RHru00.net
再び、ふたりの間に沈黙が流れた。
早口でまくし立てた健太郎は、興奮して肩で息をしていた。
俺の頭は健太郎の言葉で すっかり落ち着きを取り戻していたが、なんと返していいかわからず、何もしゃべることができなかった。
ただ、顔をゆがめている健太郎を、見つめることしかできなかった。
「それでも、大地が好きなんだよ・・・・・・。」
健太郎は小さい声でそう言ったのを最後に、俺に背を向けて歩いていった。
俺は、しばらく歩き出せず、その場に立ちつくしていた。
212 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:55:03.94 ID:s1RHru00.net
健太郎と絶交してから、季節は いつしか冬の訪れを迎えていた。
健太郎に蔑ろにされていた春、健太郎に一方的に決別された夏、そして健太郎と喧嘩別れをした秋。
とにかく今年は振り回された一年だった。
あのとき健太郎に逆切れされたことは、まだ許せていなかった。
合コンをめちゃくちゃにされたのは こっちなのに、なんで俺が責められなきゃいけないのか、納得いかなかった。
213 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:58:21.78 ID:s1RHru00.net
ただ、あの夜の健太郎の言葉を何度も思い出して考えてもいた。
(人を好きになるって、どういうことだろうか。)
自分の心を、もう一度、探ってみる。
好奇心、嫉妬心、独占欲、支配欲、いろんな感情。
やっぱり、俺は早苗とやり直したかった。
もう一度想いを伝えよう。きちんと告白しよう。
あのときのクリスマス、寝坊してしまったことを謝ろう。
そう決意して、何度もシミュレーションをして、俺は早苗を呼び出した。
214 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 01:01:26.82 ID:s1RHru00.net
キュアビューティーが留学に悩んでいた冬の寒い日、いつものファミレスのテーブルで、早苗を前にしていた。
実際に目の前にすると、異常に緊張してしまって、あれだけシミュレーションしたのに、うまく切り出せなかった。
「重大な話ってなに?」
そうせっつかれて、俺は苦し紛れに健太郎の話を出した。
絶対内緒にしてほしいんだけど、あいつ実はゲイでさ、この前、俺のこと好きだって、告白されちゃったんだよね。
215 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 01:02:04.55 ID:s1RHru00.net
俺にとっては思い切ったカミングアウトだったが、早苗は驚くことなく、ついに告白したんだーと言って、
「知ってたよ。初めて会ったときから。」
と、逆に驚くことを言ってきた。
初めて・・・会ったとき?
ちょっと待て、初めて会ったのって去年の新年のことか?
「初めて三人で会ったとき、あんまりわかりやすいから聞いちゃったんだよね。それで。」
「ちょっとまて、あいつが俺のこと好きになったの、今年の春くらいからだぞ。」
「そんなわけないじゃない。もっと、ずっと前からだよ。」
そんな、まさか・・・。
216 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 01:02:58.05 ID:s1RHru00.net
去年の新年があまりに前のことすぎて、俺はそれまでのことが思い出しきれなかった。
でも待てよ、夏にラフティング旅行で あいつを追いやったり、秋に横浜まで迎えに越させたり、クリスマス無理やり付き合わせたり、色んなことを健太郎にしてきたような気がした。
「てっきり大地も健太郎くんのこと好きになりつつあるかと思ってたけど、違ったんだ?」
「へ、変な冗談よせよ。そんなわけないだろ。」
そ、そうだ。健太郎のことで動揺してる場合じゃない。今日、早苗に気持ちを伝えるために呼び出したのだから。
俺はギュッと拳を握り締めて、早苗の目をじっと見据えて、告白した。
217 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 01:04:09.81 ID:s1RHru00.net
早苗からの返事は、すぐだった。
「ごめん。大地とは もうそういう関係にはなれない。それと、私いま彼氏いるから。」
お、おい
おい、うそだろ
「うそついてどうするの。」
うわ言のようにうそだろ、と言った俺に、早苗はキッパリそう言った。
聞いたら、去年の冬から彼氏がいて、もうそろそろ一年になるという。
「な、なんでだよ!!」
俺は思わず声を上げてしまった。
218 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 01:05:17.88 ID:s1RHru00.net
「どこのやつだよ!?会社のやつか!?年下か!?」
「なんでそんなこと教えなきゃいけないのよ。」
「どうして付き合ったんだよ!?」
「なにこれ尋問?」
俺は完全に目の前が真っ白になっていた。
なぜだ、なぜこんなことになっているんだ。
早苗と付き合っていたときの失敗は反省している、いまでは大人になって、相応しい男になったつもりだ。
別れてからも、ずっと心のどこかで早苗を想い続けていた。
俺のこの気持ちはどうなるんだよ。どうしてくれるんだよ。
219 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 01:05:52.12 ID:s1RHru00.net
俺の耳には、もう何も入ってこなかった。
俺の頭には、体中の血という血がのぼりつめていた。
どうして言ってくれなかったんだとか、どうしていままで俺と会ってきたんだとか、早苗は もう何も言い返してこなくなっていたが、それでも俺は混乱していて一方的にしゃべりつづけていた。
「お前には、ほんとにがっかりしたよ!最低だよマジで!!」
俺がしゃべり終えたのを確認すると、早苗はにっこり笑って言った。
「満足した?」
>>次のページへ続く
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