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イケメン同期に振り回された俺の人生について語る
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128 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:29:31.15 ID:7U2DNARy.net
そんな白石と再び話せるようになったのは、そう遠くない日だった。

決して、喜ばしいきっかけではなかったが・・・。


もうあれから5年も経ったという事実が一番の驚きだが、きっかけは、人々の心に大きな爪あとを残した、東日本大震災だった。

そのとき俺は外回りをしていて、白石は事務所にいた。

二人顔を合わせたときの安堵したあいつの顔は今でも覚えている。もはや口を利かないなんて言っている事態じゃなかった。

気がついたら、何事もなかったかのように、話せるようになっていた。



129 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:30:30.71 ID:7U2DNARy.net
大変不謹慎なことを言うようで申し訳ないんだが、震災後にオールスターズDX3が無事放映されたことは有難かった。

『諸事情により津波を連想するシーンはカットしてあります』と、映画館に看板が出ていて、震災の重大さを改めて感じたのも懐かしい。


映画終了後、俺たちは しばらく席を立てなかった。感動で。

近くのカフェに移動してからは、ダム崩壊のように口々に感想を言い合った。

「なぜSplash☆Starのふたりが、手を繋がずにスパイラルスタースプラッシュを出せたのか」という考察を最後に、2時間近くの、はじめてのプリキュア映画反省会が終了した。



130 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:31:23.07 ID:7U2DNARy.net
駅の改札にたどり着くまで、白石は興奮冷めやらぬ状態だった。

俺と違って、初代からずっとプリキュアを応援し続けていたから無理もない。


「石黒くんと知り合わなかったら、一生この感動を知れなかったかもしれない。本当にありがとう。」

恥ずかしげもなく、よくこんなことがいえるもんだ。

俺は急に照れくさくなって、改札をくぐって「じゃあな」と言った。

「こんな僕と、一緒にいてくれてありがとう。」

白石は、そう付け足した。


自分の電車のホームまで歩き出す。やっぱり、白石といると居心地がいい。

しばらく歩いて後ろを振り返ったら、白石は変わらずそこにいて、嬉しそうに手を振ってきた。

俺も手を振り返す。


あたたかい、春の匂いがした。



131 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:32:21.06 ID:7U2DNARy.net
変わらず夏は暑かった。

プリキュアたちがキャンプで特訓をしているころ、俺たちも一泊二日のキャンプを計画して旅立っていた。

テレビで見たラフティングをやりたくて、はるばる群馬まで来たのだ。

俺がレンタカーを運転して、白石は助手席で歌っていた。

思えば、ブラック企業にいたときから去年の夏も含めて、東京に出てきて夏にどこか友達と出かけるのは、はじめてだ。

気分は上々だった。



132 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:32:57.15 ID:7U2DNARy.net
ただでさえラフティングは俺の夏を盛り上げたのに、さらにテンションを最高潮に持っていく出来事があった。

女の子二人グループから、俺たちふたりにお声がけがあったのだ。女の子側から声を掛けてくれたのは、人生ではじめてだった。

もちろん、白石が一緒だからというのは重々承知していたが、俺はこのとき出会いに必死だったというか、荒れていたのだ。



133 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:33:39.17 ID:7U2DNARy.net
夏のはじまり、早苗にメールで復縁を匂わせたとき、

「言っとくけど、大地とやりなおす気はまったくないからね。友達としてじゃないなら、もう会わないし連絡もしないから。」

とストレートパンチの返信で希望を絶たれてしまったからだ。

そのときは冗談で済ませて事なきを得たが、いい加減、俺も早苗を吹っ切っらなきゃいけない。

新しい出会いを見つけようと、心に決めていたのだ。



134 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:34:12.18 ID:7U2DNARy.net
女の子二人は、同じように近くのコテージを借りていた。

せっかくだからと俺たちの部屋に呼んで、楽しく飲み交わした。

一人は明らかに白石狙いなのがわかっていたが、もう一人は俺に悪い印象を持っていない様子が感じられて、ひと夏のアバンチュールを楽しめそうな予感がビンビンしていた。

白石もいつも通りニコニコしていたが、口数は少なかった。



135 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:34:52.58 ID:7U2DNARy.net
アバンチュールの予感は的中した。

「2-2で、それぞれのコテージで飲まない?」

酒もだいぶ入ってきたころ、彼女たちのスキンシップが増えてきて、これは行けると確信して下心丸出しの提案をしてみたところ、あっさりとOKが出たからだ。

善は急げで、はやる息子を抑えながら用を足し、はやる気持ちを抑えながらトイレから飛び出すと、壁にもたれかかって腕を組んでいる白石と目が合った。



136 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:36:07.28 ID:7U2DNARy.net
女の子たちはどうやら、一度自分たちのコテージに戻ったらしい。

白石は何かを言いたげな顔をしていたが、先手は俺が取った。

「わかってるわかってる、言いたいことはわかる!」

顔の前に手を突き出して、STOPモーションをかけた。


「わかるけど、これも経験だって。」

「なんのだよ・・・。」

「ヤったことないから、男が好きって思ってるのかもしれないじゃん。」

そう言いながら、部屋に余ったアルコールやお菓子を袋につめてやった。



137 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:38:08.56 ID:7U2DNARy.net
「旅の恥は掻き捨てだしな、上手くいかなくても大丈夫だって。」

袋を手渡しても、白石は困った顔で立ちすくんだままだった。

「男になってこい!白石健太郎!」

俺は白石の背中をドンッと押して、女の子のバルコニーへと後押しをした。


「ひゃっほーーーい!!」

白石を見送ったあと、俺はベッドに向けて飛び込んだ。

はやくこないかなーー!!



138 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:38:57.74 ID:7U2DNARy.net
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何か月ぶりだろうか。この感触は。

幸せな気持ちに包まれて眠っていた俺の目覚ましになったのは、バルコニーのドアが、大げさにバタンッ!としまった音だった。

寝ぼけ眼で携帯をみると、時計はまだ6時をさしていた。

どうやら白石が帰ってきたようだ。こんな朝早くかよ・・・。

同じくその音で目覚めた昨晩の相手は、白石に気づいて慌てて服を着て、「またあとでね」とだけ残して、自分のバルコニーへ帰っていった。



139 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:39:51.25 ID:7U2DNARy.net
「おはよう。」

背中を向けたまま無言で荷物の整理をしている白石に声をかけるも、白石は何の返事もせずに、俺と目もあわせずに洗面台へ向かった。

パンツ一丁のままベッドからおりて白石を追いかけて、「よう、昨日どうだった?」 と笑いながら声をかけると、一瞬だけ俺を見て「何もあるわけないだろ。」と冷たく言い放った。

冷たい言葉と俺を残して部屋に戻っていったところを見て、さすがの俺も、明らかに白石が怒っていることがわかった。

「もう帰ろう。」

俺が部屋に戻ると、相変わらず目を合わせずに、白石がそう言った。



140 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:40:54.37 ID:7U2DNARy.net
一日目はラフティングで終わっちゃうから、二日目はどこに行こう!ここに行きたい、あそこにも行きたい、一日じゃまわりきれない!と出発前から嬉しそうにプラン立てをしていたはずなのに、もう帰ろうなんて。

「せっかくプラン考えたのに、もったいないじゃんか。」

「石黒くんが帰らないなら、ひとりで電車で帰るけど。」

「わかった、わかったから。俺も帰るから怒るなよ。」

整えた荷物を背負いだした白石を慌てて制止して、俺も急いで荷物の整頓と部屋の片付けに取り掛かった。

その間も、白石は一言もしゃべろうとしなかった。



141 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:41:39.10 ID:7U2DNARy.net
女の子二人にお別れも言えず、俺たちの車は東京へと走り出した。

車内でも白石はまったく言葉を発さず、怒りオーラだけを発していた。

30分もそのままだとさすがに息苦しくなって、「せっかくの旅行なのに、そんなにカッカすんなよー。」と、ハンドルを握りながらチラチラ横目で訴えると、ようやく白石が口を開いた。


「石黒くん、僕とキスしよう。」

「はぁ!?」



142 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/20(土) 02:42:28.12 ID:7U2DNARy.net
何の冗談かと思ったが、白石はマジな顔でこっちを見ていた。

「いや、できるわけないだろ。」

「どうして?友達だから?」

「友達だからとかいう問題じゃないだろ・・・。」

(お前、男じゃん。)

そう言おうとする前に、白石は呆れたように言った。

「その気持ちと同じだって、どうしてわからないのかな・・・。」



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カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, 純愛, 胸キュン,
 


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