イケメン同期に振り回された俺の人生について語る
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190 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/22(月) 23:24:54.81 ID:358xs2sq.net
「じょ、冗談だよ・・・そんな怒ることじゃないだろ・・・。」
思っても見なかった反応をされ、俺は戸惑ってしまった。
少し離れたベンチに座っているカップルが、健太郎の声に驚いて俺たちを見ていた。
健太郎は ふさぎこんだまま、しばらく身動きも取らず、何もしゃべらなかった。
う、なんか、気マズイ・・・。
ホモカップルの痴話喧嘩みたいじゃんか、ここ新宿だし・・・。
俺はそんなノーテンキなことを考えていた。
ふさぎこんだまま、次に健太郎から出てくる言葉など予想もしていなかったから。
「大地のことが好きだよ。だから、もう会えない。ごめんね。」
突然の告白、突然の決別宣告だった。
夏はすぐそこにいるのに、俺の手は冷たくなっていた。
■つづく■
191 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/22(月) 23:26:12.10 ID:358xs2sq.net
つづくではありますが、このあとも投稿します!
が、ちょっとだけ再開まで時間くださいorz
194 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:02:48.73 ID:s1RHru00.net
スマイルプリキュア組が海に花火に楽しんでいる夏の日、俺はTシャツとパンツ一丁のまま、ベッドに寝っ転がっていた。
携帯の過去メールを、ポチポチと無意味にさかのぼって見ていた。
健太郎の告白から、しばらく連絡を取らない日々が続いていた。
あいつが俺のことを好きだなんて、考えもしなかった。
元々、自分の気持ちを話すようなやつじゃなかったけど。
だから春に会いたがらなかったんだなと、ようやく合点がいった。
でも、好きだから会いたくないなんて。好きだからこそ会いたいんじゃないのか。
今年もラフティングに行きたかったけど、どうやら叶いそうにない。
「じょ、冗談だよ・・・そんな怒ることじゃないだろ・・・。」
思っても見なかった反応をされ、俺は戸惑ってしまった。
少し離れたベンチに座っているカップルが、健太郎の声に驚いて俺たちを見ていた。
健太郎は ふさぎこんだまま、しばらく身動きも取らず、何もしゃべらなかった。
う、なんか、気マズイ・・・。
ホモカップルの痴話喧嘩みたいじゃんか、ここ新宿だし・・・。
俺はそんなノーテンキなことを考えていた。
ふさぎこんだまま、次に健太郎から出てくる言葉など予想もしていなかったから。
「大地のことが好きだよ。だから、もう会えない。ごめんね。」
突然の告白、突然の決別宣告だった。
夏はすぐそこにいるのに、俺の手は冷たくなっていた。
■つづく■
191 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/22(月) 23:26:12.10 ID:358xs2sq.net
つづくではありますが、このあとも投稿します!
が、ちょっとだけ再開まで時間くださいorz
194 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:02:48.73 ID:s1RHru00.net
スマイルプリキュア組が海に花火に楽しんでいる夏の日、俺はTシャツとパンツ一丁のまま、ベッドに寝っ転がっていた。
携帯の過去メールを、ポチポチと無意味にさかのぼって見ていた。
健太郎の告白から、しばらく連絡を取らない日々が続いていた。
あいつが俺のことを好きだなんて、考えもしなかった。
元々、自分の気持ちを話すようなやつじゃなかったけど。
だから春に会いたがらなかったんだなと、ようやく合点がいった。
でも、好きだから会いたくないなんて。好きだからこそ会いたいんじゃないのか。
今年もラフティングに行きたかったけど、どうやら叶いそうにない。
196 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:08:38.98 ID:s1RHru00.net
早苗は「何かスポーツするとか、趣味でも見つけなさいよ。」と言ってくれたが、スポーツやる相手もいないし、一人で楽しめる趣味なんてやってもつまんないし。
友達もいないし、恋人もいないし、俺はこのまま孤独死していくのかなぁ。
そんなことをぼんやり考えていた。
そんな腐った生活を一変させてくれたのは、気分転換に機種変したiPhone5だった。
周りは ほとんどスマートフォンにしていたが、困らなかったので機種変してなかったのだ。
旧友にメールアドレス変更を呼び掛けたら、LINEの存在を知らされ、LINEに登録したら、地元の中学や高校の友達と再び繋がりができたのだ。
中には、知らないうちに関東に出てきてる奴もいて、いつか会う約束もできた。
197 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:13:43.39 ID:s1RHru00.net
実は、メールアドレス変更を言い訳にして、健太郎にもメールを送った。
まず送るかどうかしばらく悩んで、次に内容について悩んで、結果「スマホにしたから変更よろ」という差し障りのない内容で送った。
これで返信がこなかったら さすがに堪えると思っていたが、「おっけー変更しておくねー」と、至ってフツーの返信がきた。
(なんだ、全然大丈夫じゃんかよ。)
胸にずっとつっかえていたものが取れて、強がったものの、泣きそうになるくらい安心した。
198 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:18:25.30 ID:s1RHru00.net
そのあとは、何もなかったころと同じようにメールをした。
スマホは便利だぞとか、LINEで旧友とたくさん話したとか、こっちの事務所はいまこんな状況だとか、そっちはどうなんだとか。
健太郎もスマホに興味を示して、今度機種変しようかなと言っていた。
メールでは何ら変わりないやりとりをしていたが、「会おう」という話は、どちらからも持ち出さなかった。
俺は会いたかったが、それを俺が言ったらまずいかなと思っていたのだ。
199 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:23:41.37 ID:s1RHru00.net
ようやく腐りきった生活から抜け出せたと思った矢先、俺は入院するハメになった。
LINEで再会した友人とバドミントンをやったときに、靭帯を痛めてしまったのだ。
そりゃそうだ。しばらくずっとゴロゴロしかしてなかったんだから。運動不足というよりは、自分がもう若くないことをしみじみ感じさせる出来事だった。
ただ、この入院事件でよかったことがある。
健太郎がまっさきにお見舞いにきてくれたのだ。
俺の大好きな梨と、退屈しないようにたくさんの漫画を持って。
200 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:28:43.39 ID:s1RHru00.net
会っていなかった間は、次どんな顔して会えばいいんだよと思っていたが、予告なしに突然お見舞いにきたもんだから、いつも通りに再会してしまった。
いつも、日曜日にプリキュアを見に来た健太郎を迎える、あの感じで。
健太郎は、いつもの優しい健太郎だった。
俺のつまらない話を聞いて、笑ってくれて。
でも、いままでと、ただひとつ違うところがあった。
「もっと早くから大地と知り合ってたらよかったのにな。」
「大地がずっと入院してたら毎日一緒にいられるからいいね。」
そう言って、いままであまり言わなかった、健太郎の感情を表に出すようになったのだ。
202 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:33:44.55 ID:s1RHru00.net
退院してからも、それは変わらなかった。
また いままで通りプリキュアを見に来るようになったし、俺に対する感情を隠すことなく、伝えてくるようになった。
特に関係を迫ってくるわけでもなかったから、俺は気にせず過ごしていた。
それに、健太郎から大切にされるのは嬉しくもあった。
健太郎とも元通りになれたし、LINEで話す友達も増えたし、ウルトラハッピー!あとは彼女を作るだけだ!と張り切っていた。
このときの俺が、一番どうかしてたって今でも思う。
この年の秋と冬が、人生で一番しんどい季節になるとは知らずに。
204 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:38:52.66 ID:s1RHru00.net
頭に血がのぼっていた。
気温は すでに秋を感じさせるぐらいになっていたが、そんなもので頭が冷えるほどじゃないくらい、俺は怒っていた。
どこに行くわけでもなく、人気のない静かな夜の町をズカズカと歩いている
俺の数メートル後ろを、健太郎が何も言わずにトボトボと追ってきていた。
「だから、付いてくんなって言ってるだろうが。」
一瞬振り返ってそう言っても、健太郎は何も言わずに後を付いてきていた。
205 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:39:35.90 ID:s1RHru00.net
高校のころの友達がセッティングしてくれた、合コンの夜だった。
話の流れで健太郎に報告したら、すごく困惑した顔をして、「僕も一緒に行きたい。」と言い出したから、連れて行った。
お前女興味ねーじゃんw合コンいってどうすんだよwと言ったものの、健太郎がメンツに加われば、女子のレベルが上がりそうだと踏んだのだ。
案の定、女子のレベルはいままでにないくらい高かった。
しかも どの子もいい子ばかりで、俺の胸は期待で膨らんだ。
健太郎が、爆弾発言をするまでは。
206 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:39:51.46 ID:s1RHru00.net
「僕は大地が好きなんだ」と、とんでもないことを言ったのだ。
一瞬場の空気が固まって、その後は爆笑の渦だった。
おかげで俺と健太郎はホモキャラ扱いで笑いのネタになり、ただのコメディキャラで、その夜が終わってしまった。
だから俺は健太郎に腹を立てて、頭を冷やすために外を歩いていたのだ。
しばらく歩いて頭が冷えてきたころ、「お前、ほんとに何がしたいんだよ!!」と、立ち止まって後ろについてきた健太郎に言った。
207 :石黒 ◆5w9kBvAhHY @\(^o^)/:2016/02/23(火) 00:42:08.40 ID:s1RHru00.net
「男と恋愛したいなら、おんなじように男が好きな連中とすればいいだろ。俺を巻き込むなよ。なんで今日、付いてきたんだよ。最悪の夜になったじゃねーか!!」
うつむいて立ちすくんでいる健太郎に罵声を浴びせると、健太郎はいつものごとく黙りこくって、何も言い返してこなかった。
「黙ってないでなんとか言えよ。」
毎度、不機嫌になると黙り込む健太郎にさらに腹が立って、俺は健太郎に近づいていって、問い詰めるように続けた。
おい、と肩をどつくと、健太郎は顔を上げて、吐き捨てるように言った。
「お互いのためにならないもんね。」
「・・・はぁ?」
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