もちろん卒業式なんて出たかったわけがない。
そもそも大学で友達が少ない俺なんか、仮に卒業できていたとしても卒業式にいくきはなかった。
でも行かないといけないと思ったんだ。
なぜなら行かないと前にすすめない気がしたから。
「俺留年しましたー(笑)」って恥さらして笑って、もっといいとこに内定とってやるって意気込んだ。
その夜はさしで、山中と飲みに行った。
大衆居酒屋に男二人で生中をごくごく飲む。
山中の酒は新社会人として期待と興奮の味。
俺の酒の味は留年の悲壮感をまぎらわせるための涙の味となった。
最後に山中に握手を求めた。
俺「山中...頑張れよ」
ちなみに山中は證券会社に勤めることになっている
山中「おう! すずきもがんばれよ!内定とったら連絡しろよ あと卒業も確実にな!」
俺「うん!」
ガシッ
じゃあまたな...
そして大学5年目を迎えた俺は嫌な気持ちでキャンパスにむかう。
1年生の時...入学したときにみたキャンパスの色と今みるキャンパスの色は本当に違ってみえた。多少はかわったが、ほとんど変わっていないはずなのに...
大学5年といやあ、そりゃあぼっちだ。俺は寂しくひとりで授業を受け、寂しくひとりで帰る。
予想はしていたが、意外とぼっちに慣れていない俺にはつらいものがあった。
ある日、俺は大学のキャンパスないで水村ゆかとすれ違った。
ゆかちゃんはザリア充みたいなグループ四人組だった。
きずかれないふりをしたが、向こうから声をかけてきた。
水村ゆか「あ! 鈴木さん! え、卒業したんじゃなかったんですか??」
こいつはいきなり傷口に塩をぬる
俺「はは、ちょっと必修落として留年しちゃって、」
水村ゆか「そうなんですか、なんかごめんなさい! 頑張ってくださいね!」
俺「うん、ありがとうじゃあまた」
去り際に聞こえた...
水村ゆかの友「なにあいつきもくない??」
水村ゆか「だよねーはは バイトの先輩だったのよねー」
たったこれだけのことだったが
次の日から俺は学校に行かなくなった
たぶん、なんでたかが後輩の女とこういうことがあったくらいで、学校に行かなくなるの?って思うやつは多いと思う。
俺が弱いのもあるけど、もともと疲弊しきっていた精神に追い討ちをかけるような形になったからだと思う。
大学5年前期4月
ここから俺の引きこもり生活が幕をあける
>>295
わかる、わかるぞ