ワロタ
今度は窓にカーテンを絞め
完全防備状態にして俺と坂倉はタバコに火をつけた。
なんとなく悪ぶっていた俺達はタバコを普通に吸うようになっていた。
「こら!ガキャ〜!てめえらタバコ吸ってんじゃねえ!ここ開けろコラァ〜!!」
母ちゃんはカーテンを絞められて帰ったふりをしつつも その窓の下に伏せて盗み聞きを続行していた・・・
しつこいよ母ちゃん・・・・
「わ・・悪かったよ。今、開けるよ!」
ガラガラガラ・・・・
「てめえ!1!いつも言ってんだろ! タバコ吸うなら私の前で吸えって! 隠れて吸って火事とか起こしたらどうすんだ! 吸いたきゃ私の前で堂々と吸え!」
うちの母ちゃんは高校時代は それはもう漫画に出てきそうなクソヤンキーで覚せい剤以外は全て経験していた。
高校時代の写真を見せてもらったがトータルテンボスのアフロにもう一発サンダーをかましたようなバカでかい頭に真っ赤な口紅をひき、ロンスカにぺっちゃんこのカバンを抱え「押忍」と書かれたマフラーを装着していたほどだ。
そんな母ちゃんだから俺がタバコを吸おうと酒を飲もうと文句は一切言わなかった。
ただただ言われたのは「私の前でやれ」
陰でこそこそ悪さをすると焦ってロクな結果にならないってのが母ちゃんの持論で 例えば隠れてタバコ吸ってる→見つかりそうになり 焦ってどっかに投げ捨てる→火事を起こす」となったら取り返しがつかないと。
だからいつも「何かするなら私の前でやれ」が口癖だった。
今、思うとホント変わった母ちゃんだったな・・・
そんなこんなで坂倉が帰った後に母ちゃんと坂倉の事をしゃべっていたが母ちゃんが変な事を言い出した。
「あの子、イイ子だと思うよ。だけどなんていうのかな・・・ 凄い私の顔色をうかがってたわね」
「そりゃそうだろ。窓から急に怒鳴りつけてタバコ吸うなら私の前で吸え!って言われたら顔色も伺いたくなるって。」
「そうじゃなくて・・・う〜ん・・・ とにかくなんか凄い怖がってたように見えた。ま、勘違いならいいんだけどね〜」
母ちゃんの言ってた事はこの後的中してたことを知らされる・・・
時はもう少し進み6月。
6月には6年生で最大と言ってもいいイベントの修学旅行が控えていた。
当時特に好きな子がいたわけでもないが
「もしかしたら告白されるんじゃねえか?」とかバカな脳内シュミレーションを繰り返し前日はなかなか寝付けずにいた。
そして修学旅行当日。
バスに揺られ、俺達は旅館に着く。
そして旅館に着くなり いきなりハイキングに行くと教師達が言い出す。
坂倉「どうする?めんどくせえしバっくれる?」
俺「いや、無理だろ〜。絶対点呼取るし。めんどくせえけど行こうぜ〜。」
女子1・2・3「坂倉君〜!」