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妻の過去

 

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2006/12/19 01:46┃登録者:バタフライ┃作者:名無しの作者
夏すぎたぐらいに、妻がパソコンで旅行の写真の整理とかネット証券でオンライントレードとかやってみたいたいっていうので、仕事でも使う俺のとは別に通販でノートパソコン1台買ったのよ。

そんで、俺の使っていない外付けハードディスクもくれてやってさ。


まぁ俺29で、妻27、付き合って5年、結婚して3年半。

そんで子供もまだいないし、俺の仕事(某省のノンキャリ、ドサ回りばっか)の都合で、東京育ち(青梅だけどね)の彼女の友達もいない、

人口10万ぽっちの地方都市暮らしに付き合わせているわけなんで、このぐらいの暇潰し的なことはいいかなと。

パソコンに向かっている時間の増えた妻の背中を見ても、文句言うでもなく放っておいたわけ。


で、パソコン買って1カ月。もう9月に入っていたと思う。

定例会で使うとかいう、地元県会議員用の資料づくりやってて、夜11時すぎに帰宅したら、妻が口とんがらせて、半べそかいてるわけ。

聞けば、ネット証券から提供されている売買注文を出すソフトに不具合起きて注文ができなくなったってんだよね。

俺は「いっかい削除してインストールし直せば?」っていったんだけど、「いろいろやったけどわかんない」って始まったんよ。

うちの妻って普段は取り澄ましてて、どっちかってとSっぽいヤツなんだけど、こういうトラブった時ってのは、おろおろと子供っぽくてちょっと可愛いもんで、俺は一日中パソコンと格闘していたから、もう目がチカチカしてたんだけど仕方なく、風呂から上がった後、缶チューハイ片手に作業を始めたのよ。


とはいっても、俺もそんなにパソコンに詳しくはないもんで、再インストールするしか分からなくて、ソフトの在処を探したら、なんのことはない、妻のやつ、そのソフトを俺のあげたハードディスクに入れちゃってたのよ。

しかもUSBが外れてたもんだから、パソコンの方としても困ったってわけで、まぁ本体にインストールしなおせば良かろうと、

俺はUSBぶっさしてみたんだけど、そしたら、ガリガリって言いながら、懐中電灯みたいなマークでてきて、ディスクの中を読み込むじゃない? 

そん時に妙な文字列が見えたのね。


それが「ザーメン」とか「女教師」「中出し」とかさ。

俺、一瞬、自分が保存していたヤツだと思って、ヤバって思ったんだけど、妻には ちゃんとフォーマットしてから渡したはずだし、

俺のヤツはだいたいエロサイトからダウンロードしてきたときのファイル名そのままだから、英数字なのね。

では、こいつはなんだろうと。

妻は、楽しみにしてるダウンタウンの番組見終わったら「おねがいしますね〜」って言って先に寝ちゃってから、ちょっと罪悪感にドキドキしながらも、探索を始めたわけ。


まずハードディスクの中身をチェック。

でもとりあえずは二人で言った韓国とかニューヨークとかの旅行写真のフォルダが日付ごとに綺麗に並んでいるだけ。

疑問を感じた俺はハードディスクの容量を確かめてみたんだけど、使用領域は120G中98G! 

写真なんて1Gにも満たないのに この容量はなによ…。

そしたら表示に出てるじゃないの「1個の隠しフォルダ」って。

俺は笑いをこらえながらすべてを表示させて、半透明のフォルダをクリ—ック!!


そしたら、出てきた出てきた大量のエロ動画と画像が。

そんなに頻繁にはセックスもしたがらないのに…このエロ女め!!と俺は大興奮で、はやる気持ちを抑えてひとつひとつ順番に見始めたのよ。

するとさ、どうも変なのな。

でてくる女優、AとかSとかって名前や髪型は何回か変わっているみたいなんだけど、よっくみると、みんな同じフェロモン女なの。

ちょっときつめだけど すっきりと華のある顔立ちで、おっぱいは大きめ、全体的にはすらっとして色が白くて………。


あっ!

気付いた瞬間、思わず自分の口を手で抑えたよ。

間違いない!! うちの奥様でいらっしゃる!!

もう俺、大混乱。

そんな過去、まったく知らなかったもんね。

妻は、俺が胃潰瘍で入院した先の売店でバイトしていたのよ。

一見するとロシア系のハーフかクォーターかって感じで、人目をぐぐっと引き寄せる綺麗な子だなぁと思って。

なんとかお近づきになりたいと仕事絡みの知人に頼み込んで紹介してもらって……。


それが、AV出演歴ありですか? 妻が元AV女優って、国家公務員(ノンキャリだけどな)の俺にとっちゃ、いや一般の方でもそうだろうけど、マジでインパクトでかいよ。

知ってて結婚なら別にいいけど(いいのか?)、知らずにって。知らずにって。知らずにって。


しかもこれ、結構えぐいことやってるじゃん。

唾液交換とか顔射とか、露出、レイプ、痴女、SMと その美体を駆使してよくもまぁ、ハードディスクにあるだけで本数は13本、述べ50人以上とやっちゃってるじゃん。

挙げ句は引退記念アナルファックなんて、俺には触らせてもくれない場所使って。。。

しかもアナルに出されたザーメン掻き出して飲ませられたりして、とんでもない変態プレイまでをやってらっしゃる……。

俺はよくわかんないまま息も荒くなるし、ち○こも猛スピードで膨らんだり萎んだり大忙しよ。


いやいや待て待てと、ちょっと冷静になった俺は

「他人の空似で、それに気付いた妻が密かに収集していただけということもある」

と思ったんで、妻の体の特徴を想い出してみたわけ。


まずはありがちだけどホクロ。

あまり具体的には書けないけど足と胸にあるのね。

俺は動画を再生しながら、なんどもプレイヤーのバーを右に左にさせながら確認したら……あるのよ。

やっぱり(jpgとかgifとか静止画像の方はあったりなかったり、まちまちだったんだけど、目の光り具合とか星がいっぱいあって嘘っぽいし、修正してあるのは明白そうなんであてにならんと)


即離婚かとも思って、呆然としてしばらく動けなかったんだけど、とりあえず俺は自分の部屋から別のハードディクス持ってきてオールコピー。

コピーしてる間、ネットで その妻らしきAV女優の情報を集めてみたら、まぁ結構、そこそこ名の知れた人だったみたいで、もはや画像が見られなくはなっていたけど、「復活キボンヌ」なんてのもあって、コレ書いたヤツ、今頃も俺の妻がやってるAV観てハァハァしごいてのかもしれないと思うと、怒るやら哀しいやら、もう欝も欝。



コピーし終わったら4時近くになってて、妻を叩き起こそうとも思ったけど、興奮して何しでかすか分からない気持ちと隠されていてショックだという落胆とが複雑に入り交じってしまって、

結局「お前、俺に秘密ないか?」的なやんわりとした手紙オンリー。



そのままとりあえず、家を出てファミレスへ。

なんで黙っていたのだろうかとか、これからどうしようかとあれこれ思い悩んでたら、午前7時すぎに妻から携帯に電話あってさ。

「どこにいるの?」と尋ねる声は すっかり事態を把握しているらしく涙声で、向こうもだいぶ取り乱している様子。

このままファミレスで大げんかになっても恥の拡大なんで、とりあえず帰ることにしたわけ。


で、マンションの玄関を開けたら、妻は目を真っ赤に腫らしてパジャマ姿のまま、しょんぼりと「こっちに来て」って。

どんな態度取って良いのか、こっちもよく分からなかったんで、そのままついていくとクローゼットの奥の棚の上にある、ブーツをしまってある長めの靴箱を引っ張り出して、箱からDVDとVHSの束を取りだして、俺の前に差し出したのよ。

どぎついパッケージに描かれているのは かつての姿ってやつで。

「なんだよコレは」と俺は素知らぬふりをして迫ると、妻はいよいよ観念したらしく「全部あたし」とぽつり。


もう、そっからは話は成立はせず、俺が一方的に説明を求め、妻がひたすら釈明するって構図が続いてね。

まぁ一種の修羅場ってやつだったよ。


俺はその日、仕事は休むことにして、妻と今後を話しあったんだけど、俺の心はもう「離婚」に傾いていて、言葉にこそ出さなかったけれど、妻も諦めたように俺の言葉にはただ頷いて。


夕方には「明日、離婚届を取ってくるぞ」と心に決めてたんだけど、俺は どうしても妻に「なんでAVにでたのか。

そして、それをどうして俺に隠していたのか」と聞きたくて、タイミング見計らっていたら、妻の方から少しずつ話し始めてくれたのね。


妻が言うには、きっかけは都内で女子高生やってたころに新宿でスカウトされたんだそうで、

最初は写真だけで、顔を出さない約束だったんだけど、事務所の方からは「既に何百、何千もの女の人がAVでているし、何も特別なことではないんだ」とさんざんに吹き込まれ、目の前に札束が積まれて、制服を脱ぎながら少しずつ少しずつ感覚が麻痺していったんだと。


で、スカウトから2カ月、高校卒業してS女子大(エスカレーターな)に入った年の5月にAVデビュー。

ただ、AVに出演してから、周囲の目が怖くなり、もの凄く後悔の念に襲われたのもあって、2年にも満たないうちに引退と。

引退後は いつ親や友人、学校や知人、近所の人なんかにバレるかと、ひどく敏感になってしまい、いつも怯えながら暮らしていたんだとさ。


俺に隠していたのは、引退直後に付き合った男に、正直に話したら「お前は豚以下に汚れた女」と言われ、男の友人も加わって、入院を要するほど徹底的に暴行されたためトラウマになってしまったっていうんだわ。

俺は一度も妻には手を挙げたことはないけど、その男も優しかったのが豹変したそうで…。


いつかは俺には話そうと心に決めて、出演作の全部をこっそり持っていたんだけど、やっぱり言えなかったってんだよね。

「話してしまいたい」と「隠しておきたい」の間で揺れ動いて、なぜか出演作の現物は折を見て捨ててしまうことにして、サイトから丸ごとダウンロード購入したヤツを告白用にとって置こうとしたんだとさ。

俺は「信用してきちんと話して欲しかった」っていったけど、妻は「失うのが怖かった」と。


離婚ってことで腹は決まったはずなんだけど、当然、俺の中では「自業自得じゃねぇか、都合のいいこといってんじゃねぇよ」ってのと

「どんな過去でも今は俺の妻。俺が守ってやらんとこの子はどうなる?」ってのが激しく戦ってねー。


パッケージの中で縛り上げられて、こっちに向かってバイブ突っ込まれた尻を突きだしているのも確かに妻なんだけど、

デートで待ち合わせしていた時のこととか、プロポーズした夜のこと、結婚式のこと、夫婦で行った旅行のこととかも想い出しちゃって……。



俺たち、夜になってもリビングに部屋に電気もつけず、会話もなく、ただ時間だけが過ぎていったのね。

そのうち妻が「でも、見つかって良かった」って言い出して。

「このまま、あなたを騙して嘘ついて暮らし続けてたら、あたしきっと罰が当たった。

もう消せない過去なんだから、これからはちゃんと背負って生きていく」と。


そして無理な作り笑いなんか浮かべて、
「今まで幸せをくれてありがとう。100点満点で1000億兆点の旦那様でした」
だと。

で、慎ましく正座して、きっちりと両手を床について「お世話になりました」と土下座なんかしたんだけど、そのまま顔上げられなくなっちまいやがってさ。

俺の方も込み上げてくるものがあって、歯食いしばって耐えてたんだけど、やっぱり負けてしまって「AVぐらいなんだってののの」(マジで「ののの」ってなったね。声震えてたもの)。

やっとのことで
「隠していたのは許せんけど、お前はきちんと話した」
と伝えて、ぐしゃぐしゃの泣き顔の妻を抱き寄せて、「私、汚いから」と懸命に嫌がる彼女にキスをしたのよ。

最初は唇だけだったけど、俺は「ぜんぜん汚くない。お前は綺麗だ」って、髪とかおでことか、耳とか手とか足とかもう至るところにキスキスキスキス…。

そこからは妻のパジャマも無理矢理脱がしちゃって、俺も裸になって、二人で無言のままで、互いに貪り合うように抱き合ってね。


深く互いを確かめ合った後は冷蔵庫にあった野菜とかで軽い食事を取って、二人で風呂に入ってベッドへ。

「これからは隠し事すんなよ」なんていいながら、くすぐり合ったり、軽く噛み合ったりしてふざけているうちに、するっと入っちゃってさ。

結婚してからずっと妻の要望でゴム付きだったんで俺は「あっ」って少し慌てたんだけど、このときの妻は すごく綺麗に微笑みながら「そのままで」ってね。

激しさは全然なかったけど、ものすごく長い時間、繋がっていたわけ。

最後にもう一度キスをして俺は「お前は これからも俺の妻だ」って宣言したら、「ありがとう」と妻の目からすぅっと涙がこぼれてね。

そのまま妻に腕枕させて、さらに手を繋いで、結構晴れ晴れとした気分で眠ったのね。


で、朝。

さぁ俺たちの再出発の日だって、起きたら、妻が、いないのよ。


嫌な予感しまくりで、フルチンのまま家中探したんだけど、やっぱりいないわけ。

旅行カバンも見あたらなくて、妻のクローゼットもがぽっと空間が開いてるし、携帯鳴らしても繋がらないし、で、ダイニングテーブルを見たら、朝食が用意されていて、ナプキンの上に置き手紙があってさ。

「ごめんなさい。夕べは抱いてくれてありがとうございました。とても嬉しかったです。

でも、こんなにも汚れて、しかも、あなたのような優しくていい人を騙してきた私には あなたと暮らす資格がありません。

わがままで勝手なことばかりして ごめんなさい。今までありがとうございました。

あなたに愛されたことは生涯絶対に忘れません。さようなら」と。


手紙の中には妻名義の預金通帳と印鑑が輪ゴムでくくられていてさ。

さらに、もう結構な年数の経っている離婚届に妻の名前が記入されててね。

あいつめ、いつかこんな日が来るのを覚悟しながら俺と暮らしていたのか、そう思うと、気付いてやれなかったことが悔しくて泣けてきて。


俺は急いで服来て、車で探しに出かけたけど駅もバスのターミナルもどこにも見当たらなくて。

駅員に旅行カバンもった二十代後半ぐらいの女を知らないか尋ねたけど、さっぱり要領も得ないし、

だいたい、まとまった金を置いてちまって、過去があって金がない女がたとえ綺麗でも、いや綺麗だからこそ 世の中でどういう目に遭わされるのかって想像もしたくないに どんどん想像してきちゃうし…。



一日中探し回って どこにもいなくて、彼女の実家にも電話してみたけど、逆に義母から「なにかあったの?」と尋ねられちゃって、まさか娘さんはAV女優でしたと話すわけにもいかず、返答に困って「事情は後で説明します。

とりあえず戻ってくるか連絡あったら私のところへ」って一方的に電話切ったわけ。


仕事は病気ってことにして、1週間休みを取って上京して、思いつくところを片っ端から妻を捜し続けたんだけど空振りでね。

妻の実家や友人からも当然、捜索願を出した地元警察からも見つかったという連絡もなし。

マンションに戻っても部屋は真っ暗。

ただ妻の残り香がいたるところに残っていて、これがまた えらい淋しいのよ。


結局、俺は仕事しながら休日には妻を捜す生活がそれから3カ月。

残念ながら12月に入った今も彼女は見つかってないのよ。

離婚届は いまだ出さずにいるし、実家のご両親にも満足な説明ができないでいるわけ。

でもね、そうしているのは妻とは いつかまた会える気がするからなんだよね。

願っている、というより「絶対にそうだ」と確信してるよ。

元AV女優を妻に待つなんて、こいつはアホな男と思う人、多いだろうけど、もう別に気にしてないのね。

まぁ、これから先のこと考えれば、俺、いちおう国家公務員だから上にバレたら仕事は変えなくちゃいけないかも知れないし、周囲の冷たい視線とか偏見にゃ耐えなくちゃならないとか、いろいろ考えることはあるよ。

でもさ、AVに出てた女を好きになったわけじゃなくて、好きになった女がAV女優という過去を持っていたということだし。

まぁ世の中1人ぐらいこういうバカもいていいじゃないかと。

そう思いながらいつ妻が帰ってきてもいいように部屋片づけたり、夜中にはこんな形で顛末をまとめてみたり。


こうしてる間に、あ、ほら、玄関のチャイム鳴ったし——。




 
カテゴリー:大人の話題  |  タグ:相手の過去,
 


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