幼なじみとの馴れ初め
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「人をふっといて、今更だぞ〜」
香織は俺の方を見ずに、手だけを振った。
3日後、陽子から手紙が届いた。
俊也さん、あなたがあの日の事の償いの為に、私と付き合い出したって事は知ってました。
あんな事があって辛かったけど、でも結果として、俊也さんと付き合えて良かったと、私は思ってました。
でも俊也さんは、ずっとあの日の償いのままで。
責任とか償いとか、それだけなら愛じゃないです。
愛されてないのに、ずっと一緒にいるのは辛いです。
出来る事なら俊也さんの愛で、あの日の事を忘れさせてほしかった。
でも、もう・・・
俊也さんは十分、償いを果たしてくれました。
これからは自分の為に、俊也さんが愛せる人をみつけて下さい。
ありがとう。楽しかった。これからもっともっと、楽しみたかったけど・・・
さようなら。
陽子
大学に入学した俺。
入学して1ヶ月が経つが、引っ込み思案な性格が災いし、友達はまだいなかった。
一人で登校し、一人で授業を受け、一人で昼食を摂り、一人で帰る生活。
慣れない一人暮らしで、正直寂しかった。
でも、自分からなかなか解けこめない俺。
情けない・・・
「隣り、空いてますか?」
学食で昼食を摂る俺に、声をかけて来た女。
見上げると・・・
「彼女、出来た?」
「いや・・・」
「優しいから、もてるでしょ?」
「いや・・・」
「うそ〜っ!絶対もてるって!」
「そんな事ねぇよ!」
「ごめん・・・怒った?」
「いや・・・」
「怒ってるでしょ?」
「いや・・・」
「あたし・・・迷惑かな?」
「いや・・・」
「静かにしてた方がいいなら・・・黙ってようか?」
「うるさくてもいいから・・・俺の彼女になってほしい。好きだよ。ずっと好きだった。香織・・・」
「あたしだって・・・ずっと俊ちゃんの事・・・好きだったんだよ」
「そうなの?」
「そうだよ。子供の時から好きだったんだからね。」
「えっ?」
「あたしのアルバムね〜・・・俊ちゃんがいっぱい写ってんの!」
「それはそれは・・・奇特な方で・・・」
「『蓼喰う虫も好き好き』って事!」
ヴァージンロードをゆっくりと進む香織。
そしてそれを待つ俺。
「大学だけは、きちんと卒業します。」
香織の家に挨拶に行った19歳の正月に、香織の父親とした約束。
俺たちはきちんと4年で卒業し、香織はOLになり、俺は都内の商社に勤め、2年後にこの日を迎えた。
香織を待つ間、俺は昔の事を思い出してた。
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