経営の基盤もしっかりしていると聞いています。会社の経営姿勢が見えてきます。
妻は、自分だけ特別扱いされるのも おかしいと思い、出張を受けてしまいます。
「さあ、どんどん食べて。取って置きのワインもあるし」
「ええ、でもこんなに食べられません。それにワインは、車で来ていますから」
「代行を頼めば済むことだ。さあ、やろう」
結婚以来、夫以外の男性と二人で料亭の個室で食事、妻にとって始めての経験です。
そんな緊張も食事とワインが進むにつれ徐々に解れてきます。
「宮下さん、ワインを注いでくれないか。さあ、僕の横に来て」
「はい」
妻に断れる理由などありません。
「宮下さん、君も飲んで」
佐伯が妻にワインを注ぎます。さりげなく妻の体に触れます。
ワインの酔いも手伝っているのでしょう、妻も拒否しません。手の甲で乳房を押すように触れます。
「部長さん、だめっ、悪戯が過ぎます」
乳首をも押したのでしょうか。
ほんのり酔った顔が益々、ピンクに染まります。
敏感な乳首です。感じもしたのでしょう。
「ごめん、手が吸い寄せられたみたいだ」
佐伯は すっと引きます。女の恥ずかしがる事は無理強いしません。女の扱いに慣れているのです。
妻は佐伯に誠実さを感じてしまいます。若干の物足りなさも残るのです。
「そうだ宮下さん、君の車は先に代行に頼んで返しておこう。考えてみれば僕も代行を頼まなければいけない。君は僕の車で送って行こう」
少し考えればおかしいのが解る筈ですが、妻は佐伯の好意として受け取ります。
帰りがけ、佐伯から小さな包みを渡されます。
「社用の携帯電話だ。仕事の連絡用に使ってくれればいい。僕の番号とメールアドレスはインプットしておいた。後は自分で必要な分インプットすればいい」
どうして佐伯が直接、手渡すのか。妻はその不自然さに気がつきません。業務用なら、課から支給される筈です。
佐伯が個人で妻との連絡用に用意したものなのです。
食事が終わり、車に乗り込みます。佐伯が乗ってきた車はリムジンタイプの社用車です。運転席からは後部座席の様子は見えません。
乗ってみると後部座席は密室になるのが解ります。会議も出来るスペースです。運転席からは完全に遮断されています。クーラーボックスも付いています。
A亭から自宅へは20分位の道程でしょうか。
妻は安心しきっています。酔いが手伝い、シートにもたれ目を閉じ、少し頭を佐伯の方に傾げています。
妻は眠ってはいません、又眠れる状態ではありません。
密室にお互い悪く思っていない、しかも酔った二人だけが居ます。妻は何かを期待しているのかも知れません。
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どれ程走ったでしょうか、佐伯が突然、妻に接吻をします。
佐伯の胸を手で押します。ほんの小さな力です、形だけの抵抗は佐伯に悟られてしまいます。
「いやっ」と言う声も佐伯の唇に塞がれ吐息に変わります。
妻の小さな唇の形が変わるほど吸われ、佐伯の舌が妻の舌を誘い出します。初めは おずおずと舌を預けます。舌を舐め合っているうちに自分を忘れてしまうのです。
妻の舌を十分味わった佐伯は唾液を流し込みます、それも大量に。妻はゴクリと喉を鳴らし飲み下します。
食道を通り胃の腑へと流れ落ちていきます、それは乳首と女陰に電撃を放つのです。乳首は硬く尖り、女陰は濡れそぼります。
佐伯の手はブラウスのボタンを外し、ブラジャーの下にある乳首を捉えます。
掌でさわさわとこすり上げ、親指と人差し指で摘み捻ります。
ワインを口移しで飲ませ舌と舌を絡めながら、それは強弱をつけて続きます。
苦しくなったのでしょうか、溜息と共に顔が離れます。
佐伯はブラジャーを取り乳首を口に含みます。舌で転がし甘噛みします。妻は もう忘我の境地です。
顔を佐伯の肩に預け、半開きの口からは甘い善がり声と共に「あぁ部長さん」と声が漏れるのです。
妻は乳房への愛撫だけで達してしまったのです。
突然の佐伯の声に、妻は我に帰ります。
「宮下さん、そろそろ君の家だ」