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浪人生の俺が図書館で声をかけた女の子のこと
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45 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:10:39.93 ID:xb55BC3Y0
俺はとっさに謝った。

「あ、ごめん・・・その・・・俺の家庭がスタンダードみたいな言い方は良くないよね。」

チサトは一瞬息を吸い込んで

「俺君は謝らなくていいと思う。幸せな人は幸せのままでいいと思う。」

俺:「・・・」

チサト:「・・・」

その時だった。



46 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:12:28.49 ID:xb55BC3Y0
俺はチサトの手首に切り傷を見つけた。

一瞬だったが、彼女は俺の視線を見逃さなかった。

ぱっと彼女が動くのと、俺が彼女の腕を掴むのが同時だった。

俺:「この傷は・・・」

チサト:「俺君は・・・知らない方が良い。」

俺:「でも・・・」

チサト:「世の中にはね、俺君みたいな幸せな人は知らないことがいっぱいあるの。とにかく私は大丈夫だから。」

彼女はその日は足早に帰っていった。



52 :名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 16:19:07.19 ID:fBsXQv4O0
うむ、おもしろそうだ

帰ってきたら読むからなるべく進めておいてね


53 :7:2012/10/13(土) 16:19:15.95 ID:Jf1Z8OKj0
>>1おつ
のんびり行こうぜ




55 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:32:59.07 ID:xb55BC3Y0
戻ってきた。

コーヒーとドーナツでまったりしながら続ける。

黙々と独り語りしてたのかと思ったら案外見ていてくれた人がいて驚いた。



56 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:36:45.18 ID:xb55BC3Y0
>>48
だよね。口が滑るとはまさにこのこと。

>>50
「大変なことになった」とか書くほどのことかな?
って感じだったのでこんなスレタイに



57 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:37:23.26 ID:xb55BC3Y0
<続き>

俺は この頃からほとんど勉強していない。

簡単に言えばチサトを救うっていう大義名分を作って受験から逃げたんた。

夏の終わり頃になると、たまたま出会う予備校組の友達と模試の結果の話なんかになる。


友人:「模試の結果どうよ?ようやく旧帝大あたりがB判定だよ。浪人始めた時は もっと成績上がると思ってたよな。」

俺:「ああ・・・俺さ。なんかマーク欄間違えて、女子大とか受験科目違う学部選んじゃったりして・・判定不能だったよ。」

友人:「お前、なにやってんだよ。それセンターでやったら終わりだぜww」

俺:「あはは。そうだよなww」


なんか、浪人している友人たちにも置いていかれた気がした。



62 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:41:54.91 ID:xb55BC3Y0
俺は図書館にこもっていたが、ほとんど心理学とか精神医学の本を読み漁っていた。

親が自殺した子供の家庭環境とか、リストカットする子供の心理とかメンタルヘルスなんて言葉は当時知らなかったが、完全にその分野の虜になっていた。

夕方のチサトとの会話は秋になっても ずっと続いていた。

俺はよくカマをかけるようになった。

そこから彼女の心理を読み取ろうと必死だった。



64 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:44:25.22 ID:xb55BC3Y0
俺:「よく図書館で本借りていくけど、どんなの読むの?」

チサト:「うーん、小説は村上春樹とかが多いかな。」

俺:「結構借りてるじゃん、それだけじゃないでしょ?」

チサト:「まあ、イロイロね。」

俺:「見せてよ。俺も結構守備範囲広いから読んでみたいし」

チサト:「趣味じゃないと思うけどな・・・」


バッグから出てきた本は

『十五歳の遺書』

『分裂症の少女の手記』

などなど・・・ヘビーなものばかり。



65 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:46:40.46 ID:xb55BC3Y0
多重人格に関する本を一冊だけ貸してくれた。

まあ、図書館の本の又貸しはマズイんだが・・・

彼女は俺の目を見て悲しそうに言った。


「俺君は優しいから、こういうの読まない方がいいよ。どんどん深みにはまっちゃう。」

秋の風がチサトの長い髪を揺らした。

髪を掻き上げた瞳は涼しげで電灯に照らされた彼女は本当に綺麗だった。

本を受け取った時、僕は恋に落ちた。



66 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:48:05.05 ID:xb55BC3Y0
季節は木枯らしが吹く冬に向かっていた。

あいも変わらず、僕は図書館でグダグダして、彼女は昼間謎の活動をしては夕方になると図書館に来ていた。

変わったことといえば、僕が恋したことぐらいだろう。

僕は彼女のことが知りたくて、イロイロ聞き出そうとするけど、チサトは自分のことは いつもはぐらかして終わる。

それ以上追求したら、どこか遠くに行ってしまいそうで、俺は口をつぐむ。




67 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:49:06.76 ID:xb55BC3Y0
街がクリスマスのイルミネーションで彩られた寒い夜だった。

チサトはポツリとこういった。

「もう年末かぁ。どこか・・・見つけないとな。」



69 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:51:27.92 ID:xb55BC3Y0
俺:「え?」

チサト:「いや、なんでもない。俺君には迷惑かけられない。」

俺:「なに?いや、俺にできることなら何でもするよ。」

チサト:「ちょっと・・・イロイロあってね・・・年末は家にいたくないんだ。」

俺:「どういうこと?」

チサト:「あの人たちがくる・・・」

俺:「誰?あの人たち?」


薄笑いを浮かべたチサトは遠くを見ながら

「洗濯ばさみってね、使い方によっては・・・ものすごいことができるんだよ。」

と意味不明なことを言った。



71 :名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 16:52:30.71 ID:GnThoAov0
なんか怖いな

支援


72 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:54:04.32 ID:xb55BC3Y0
俺は焦った。言っていることの意味の半分も分からない。

でも、思ったんだ。

彼女を守らなきゃいけない。



74 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:55:01.66 ID:xb55BC3Y0
俺:「ちゃんと伝えてくれなきゃ、力になれないよ。」

チサト:「・・・あの人たちはね・・・大勢で私を囲んで・・・・それから・・・」

急に両手で耳を塞いで頭を振るチサト



77 :タクロウ:2012/10/13(土) 16:56:40.83 ID:xb55BC3Y0
ちょっと普通じゃない。

落ち着いたチサトは

「ごめん。もう思い出したくないし。俺君も聞いてもいいことない。」

目には うっすらと涙が浮かんでた。

それから泣きそうな顔で無理やり笑って

「こんな話、俺君にしか話したことないよ。」

と呟いた。




>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, 相手の過去,
 


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