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浪人生の俺が図書館で声をかけた女の子のこと
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150 :名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 17:51:06.05 ID:EBFmn4M9O
うぉぉばれたwww

続けたまえ はよ

バン    はよ
バン(∩`・д・) バン  はよ
/ ミつ / ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄\ /___/ ̄


まだ?
(・ω・)
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄


151 :タクロウ:2012/10/13(土) 17:51:21.85 ID:xb55BC3Y0
K先生:「俺君は知らないでしょうけど、受験の相談にも乗ってたのよ。電話でね。まあ、私が紹介した夜間学部とか奨学金制度とかは全部跳ねつけられたけど。」

俺:「ずっと不思議だったんです。彼女、そんな贅沢言える状態じゃないと思うんですけど」

K先生:「俺君、あの子の家族のこと知らないの?」

俺:「いや、あえて聞きませんでした。」

K先生:「ホント、お人好しね・・・私はあの子の親とも面談したわよ。まあ、担任だしね。」

ああ、K先生はチサトの担任だったっけ・・・とかぼんやり考えてた。


155 :タクロウ:2012/10/13(土) 17:52:45.85 ID:xb55BC3Y0
K先生は守秘義務があるから細部は話せないと前置きしてチサトの家族について説明してくれた。

もちろんここで詳細に書くことは憚れる。


大雑把に書くとチサトの家は資産家だが、いろんなゴタゴタがあってチサトは親戚に引き取られて育てられたらしい。


157 :名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 17:53:20.25 ID:jx0UrPV30
ほうほう。



158 :タクロウ:2012/10/13(土) 17:53:41.51 ID:xb55BC3Y0
俺:「あの、虐待は・・・?」

K先生:「俺君さ。虐待されたって本人の口から言った?俺君が想像しただけじゃないの?」

俺:「まあ、そう言われればそうですけど。」


K先生:「それはチサトさん、っていうかあのタイプの典型的なやり方ね。

思わせぶりな言動で想像させて、相手を動かすの。

で、結果的には他人が勝手にやってくれたって事になるわけ。

今回の俺君の件だって、どうせ俺君が俺の家に来いとか言ったんでしょ?」


俺:「(千里眼?)・・・はい。」


161 :タクロウ:2012/10/13(土) 17:55:07.20 ID:xb55BC3Y0
K先生:「私もね。始めはあの子の力になろうとした。

親からの虐待も受けてるって信じて動いた。

でもね。違うのよ。全部あの子の妄想。

で、私がそのことに気がついたらサーっといなくなったわ。

次は貴方のところに行ったのね。」


俺:「なんで俺のところに居るって思ったんですか?」


K先生:「公園で話し込んでる二人をたまたま見かけてね・・・ピンと来た。

あの時、忠告すべきだったと後悔してるわ。」


163 :名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 17:55:20.59 ID:wYfsIDT70
俺と同い年くらいで親近感。

てか、願書って買うんだっけか?


167 :タクロウ:2012/10/13(土) 17:57:39.16 ID:xb55BC3Y0
>>163
大学に行ってもらうか、書店とかで買うんだったと思うよ。

<続き>

俺:「(軽く混乱)・・・あの、でも俺彼女を守りたいんです。」


K先生:「俺君・・・彼女と肉体関係になったの?」

俺:「・・・はい。」


K先生:「へえ、あの潔癖な子がね。男に身体を許したか。

アハハ進歩したね。君も大人の面構えになったよ。

でもね。もうあの子は追いだしな。

君はもう、自分の人生かけてあの子を守ったし、これ以上関わっても誰も幸せにならないよ。」


169 :タクロウ:2012/10/13(土) 17:58:50.16 ID:xb55BC3Y0
俺:「いま、一人暮らしするってアパート探してます。でも、なかなか見つからなくて」


K先生:「・・・貴方には酷かもしれないけど、無理やりでも追い出しなさい。あの子には帰るべき家ちゃんとあるんだもの。」


先生は やり切れなさそうにタバコの煙を吹いた。

俺は何が起きたんだか混乱しながら家に帰った。


170 :名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 17:59:32.66 ID:EBFmn4M9O
ほほう……続けたまえ


172 :タクロウ:2012/10/13(土) 17:59:46.07 ID:xb55BC3Y0
家に帰り着くと

チサトの様子が なんだかいつもと違っていた。

夕飯も早めに切り上げて、本を読み始めた。


俺:「どうかした?」

何気なく尋ねた。




175 :タクロウ:2012/10/13(土) 18:00:43.51 ID:xb55BC3Y0
チサトは怖いくらい睨みつけて言った。


「・・・ねえ。今日K先生に会ったんでしょ?私のこと追い出せって言ったでしょ?」


179 :タクロウ:2012/10/13(土) 18:02:31.13 ID:xb55BC3Y0
>176
あ、スペックは現在のです。高校卒業してすぐの話です。わかりづらくてごめんなさい。

<続き>

寒気がした。とっさに嘘をついた。

俺:「いや、数学のI先生とかに受験の結果報告したけど。それくらいだよ。」


チサト:「隠しても無駄。私、分かるんだからね。」


俺:「(寒気)いや、何言ってるんだよ。」


180 :名も無き被検体774号+:2012/10/13(土) 18:03:35.14 ID:GnThoAov0
チサトこえーよ((((;゚Д゚)))))))


181 :タクロウ:2012/10/13(土) 18:03:44.78 ID:xb55BC3Y0
チサト:「あなたも、K先生のこと信じるんだ。

あなたもK先生と同じね。

K先生は私の親の言う事、あっさりと信じちゃった。」


俺:「なに言って・・」


チサト:「どうせ、あなたも「あの人たち」の言う事を信じるんでしょ。

目の前の私よりも。私がどれだけ痛いって叫んでも、辛いって叫んでも・・・私の声は誰にも届かない。」


チサトは泣いていた。ずっと泣いていた。

抱きしめたけど、拒否された。


185 :タクロウ:2012/10/13(土) 18:04:49.66 ID:xb55BC3Y0
その2日後、ずっと見つからなかったアパートが見つかった。

引越しの日取りも決まり、チサトと俺の共同生活は終わった。


187 :タクロウ:2012/10/13(土) 18:05:31.05 ID:xb55BC3Y0
今でも、俺には誰の言葉が正しいのか分からない。


チサトは虐待を受けていたのかも知れない。

K先生の言う通り、チサトの妄想だったのかも知れない。

自分の見ている世界と、他人の見ている世界は実はまったく別の世界なんじゃないだろうか?

今でもたまに そんなことを考える。


190 :タクロウ:2012/10/13(土) 18:07:00.52 ID:xb55BC3Y0
ともかく春が来た


チサトと俺は大学生になった。

止まっていた時間が動き出した。

このあと、しばらく俺とチサトの交際は続いた。

だけど、それは冷め切っていて、虚しいだけの関係だった。

数カ月後、僕達は全くの他人になった。

チサトが今どうしているのか全くわからない。

きっとこの空の下で元気でいることを祈る。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:男女・恋愛  |  タグ:青春, 相手の過去,
 


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