結婚することになった俺に過去を懺悔させて欲しい
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42 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:18:53 ID:TNYut6qL3
リーナの妹もとても人懐っこく、物おじすることなく俺と話すし、三人一緒にゲームもした。
せっかくだからと、夜は彼女と同じ部屋で過ごすことになった。部屋の壁は薄いし、別に間違いは起こらないよね、と話し笑うリーナの母親が とてもたくましく見えた。
それに、間違いは起こらないと信じてくれていたのではないかなとも思うが、むしろこっちが戸惑ってしまった。
夜は電気を消した部屋で、遅くまでいろんな話をした。
俺の腕にちょこんと収まり、じゃれつく猫のような彼女とその体温を感じた。
こんな幸せな時間があるだろうか。
時計の秒針が刻むリズムの中で、二人は語らいあった。
明日も遊ぶんだから、寝不足はいけないよと、寂しそうに言った彼女と、一度だけ口づけを交わした。最初で最後の、甘く切ない刹那を俺は忘れない。
44 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:20:26 ID:TNYut6qL3
夜が明けて、おいしい朝ご飯を食べた後に、二人で海を見に行った。
彼女にとっては、特別な存在ではないかもしれない、海。
俺はあまり海に行ったことがない分、海の近くに住んでる彼女を羨ましく思った。
二人で海を眺めた。寄せて返す波を、無言で見つめた。
俺の帰りの時間が迫っている。何か特別な事をするのも一つなのかもしれない。
だが、こうして二人で静かな時を過ごすことをもったいないとは微塵も思わなかった。
肩を寄せ合い、波打ち際に腰掛け、俺は肩を抱くくらいしかできなかったけど、それでも幸せだった。
夢のような二日間が、こうして幕を閉じた。
さようならと、涙ながらに言った彼女に、俺はまた会おうねと言葉をかけた。また、会おう。
もう一度、会いたい。会えると、信じて。
さよならは言わない。でも、本当はあの時に言うべきだったのかな。さようなら、って。
49 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:24:21 ID:xo5xTYWyH
俺はまた、日常に帰ってきた。
あんなに近くにいた彼女も、今は離れている。でも、二人で誓った約束を胸に頑張ろうと思っていた。
夜、二人で語った夢。
「一緒の大学に行こう」
そして、それは決して夢じゃない。
そう思っていた。
53 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:26:21 ID:TNYut6qL3
しかし、会ってからしばらく彼女と連絡が取れなくなってしまった。
メールが返ってこない。
いつもなら、メールが送られてくる時間にも、メールはやってこなかった。
チャットにも当然 彼女は姿を見せなかった。
不安に駆られた。
なぜ、連絡がつかないのか。
この間、会ったばかりなのに。
日に日に募る焦り。
彼女からの連絡が無くなって2週間ほど経った日に、突然それはやってきた。
彼女の母親からの連絡だった。
リストカットがいきすぎたらしく、入院したらしい。
悪い予感がした。そしてそれはほぼ間違ってはいなかった。
リーナの妹もとても人懐っこく、物おじすることなく俺と話すし、三人一緒にゲームもした。
せっかくだからと、夜は彼女と同じ部屋で過ごすことになった。部屋の壁は薄いし、別に間違いは起こらないよね、と話し笑うリーナの母親が とてもたくましく見えた。
それに、間違いは起こらないと信じてくれていたのではないかなとも思うが、むしろこっちが戸惑ってしまった。
夜は電気を消した部屋で、遅くまでいろんな話をした。
俺の腕にちょこんと収まり、じゃれつく猫のような彼女とその体温を感じた。
こんな幸せな時間があるだろうか。
時計の秒針が刻むリズムの中で、二人は語らいあった。
明日も遊ぶんだから、寝不足はいけないよと、寂しそうに言った彼女と、一度だけ口づけを交わした。最初で最後の、甘く切ない刹那を俺は忘れない。
44 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:20:26 ID:TNYut6qL3
夜が明けて、おいしい朝ご飯を食べた後に、二人で海を見に行った。
彼女にとっては、特別な存在ではないかもしれない、海。
俺はあまり海に行ったことがない分、海の近くに住んでる彼女を羨ましく思った。
二人で海を眺めた。寄せて返す波を、無言で見つめた。
俺の帰りの時間が迫っている。何か特別な事をするのも一つなのかもしれない。
だが、こうして二人で静かな時を過ごすことをもったいないとは微塵も思わなかった。
肩を寄せ合い、波打ち際に腰掛け、俺は肩を抱くくらいしかできなかったけど、それでも幸せだった。
夢のような二日間が、こうして幕を閉じた。
さようならと、涙ながらに言った彼女に、俺はまた会おうねと言葉をかけた。また、会おう。
もう一度、会いたい。会えると、信じて。
さよならは言わない。でも、本当はあの時に言うべきだったのかな。さようなら、って。
49 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:24:21 ID:xo5xTYWyH
俺はまた、日常に帰ってきた。
あんなに近くにいた彼女も、今は離れている。でも、二人で誓った約束を胸に頑張ろうと思っていた。
夜、二人で語った夢。
「一緒の大学に行こう」
そして、それは決して夢じゃない。
そう思っていた。
53 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:26:21 ID:TNYut6qL3
しかし、会ってからしばらく彼女と連絡が取れなくなってしまった。
メールが返ってこない。
いつもなら、メールが送られてくる時間にも、メールはやってこなかった。
チャットにも当然 彼女は姿を見せなかった。
不安に駆られた。
なぜ、連絡がつかないのか。
この間、会ったばかりなのに。
日に日に募る焦り。
彼女からの連絡が無くなって2週間ほど経った日に、突然それはやってきた。
彼女の母親からの連絡だった。
リストカットがいきすぎたらしく、入院したらしい。
悪い予感がした。そしてそれはほぼ間違ってはいなかった。
57 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:30:09 ID:TNYut6qL3
俺と離れてから、彼女はなぜか精神的に不安定な状態に戻ってしまった。
原因は分からない。
付き合っていく内に、少しずつリストカットの回数も減った。
ODもなくなった。
そう言っていた彼女。
だが、実は違ったのだ。
やめられない自分を見せ続けられなかった。だから、隠れてやるしか、俺にばれないようにやるしかなかったのだ。
唯一打ち明けられるはずの俺にすら、言えなくて、辛くて。隠し続けることが、どれだけ辛かっただろう。
彼女は、俺が届かない場所に行ってしまった。手繰り寄せなければいけない。彼女を、もっともっと、受け入れなければ。そして、彼女に、受け入れられなければ。
59 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:31:49 ID:TNYut6qL3
それ以降 彼女の母親とも連絡を取るようになった。何かあれば、すぐ連絡してくれるようになった。
彼女からの直接の連絡は ほとんどなくなった。
でもこんな形で終わらせたくない。
願いは、通じるのかな。
例え、どんな事があっても、ずっと一緒にいるよって約束したのに。
彼女と会って、1か月。
夏休みが終わってしばらくし、ようやく彼女から連絡があった。
とても落ち込んだ文章だった。
ところどころに、ごめんねと書いてある。
寂しいメールだった。
前までの女の子らしいメールではなくなっていた。
そんな彼女にかける言葉はたったひとつだった。
「何があっても、俺はずっとそばにいてあげるから」
60 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:33:10 ID:TNYut6qL3
そして、季節は秋の色に変わった。
彼女は相変わらず立ち直れずにいた。
リストカットもやめられなかった。
精神も どんどん不安定になっていった。
同じ大学に入ろうと言う約束が、彼女をさらに追い詰めていた。
だけど、大学にさえ入ってしまえば、俺は何とでもしてあげられると思っていたから。
その思いこそが最大の過ちだったのだけれど。
そう思っていた、だから。
62 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:35:07 ID:TNYut6qL3
なぜこんな言葉を投げかけたのか。
今でも分からない。
でも、俺ができることがあるとすれば、一歩踏み出す彼女の背中を押してあげることだと。
勘違いしていたんだ。
俺は、何でもしてあげられると。
そして、それをしっかり乗り越えて、大学で一緒に過ごせると。
学校に行かないまま、終えてほしくないと。
俺の勝手なエゴだった。
卒業前に、学校に行って欲しかった。
理由なんて分からない。
俺の高校生活が充実していたから?
仲間と過ごす時間は最高だと、知ってほしかったから?
学校に行かないと、大学に行けないと思っていたから?
思い通りにいかずに、俺も焦っていたのかもしれない。彼女を変えられると言う、俺の勝手な思い込み、過剰な自意識がそうさせたのか。
65 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:35:52 ID:TNYut6qL3
今となっては、数え切れないほどの理由や言い訳が思い浮かぶが、この時の俺はこの言葉を選択した。
それだけは、事実。
そして、その言葉こそが、人生最大の過ちであることを知った時にはもう、手遅れだった。
少しずつ、悪魔は歩み寄ってきていた。
69 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:37:52 ID:xo5xTYWyH
「学校に行ってみようよ」
俺の提案に、彼女は必死に抗った。絶対に行きたくないと。
でももう、その時には俺の頭には一緒の大学に行くと言う目標しかなかった。
そのためには、どうしても学校に行って欲しかった。ちゃんと卒業してほしかった。
今からでも手遅れではないと言う話を聞いたから。だからこそ、だからこそだったんだ。
学校に行って、もし何かがあっても以前の事件で うすうすと気付いているであろう教師達。
彼女は被害者だと知っているのだろう?
そんな彼女を守ってくれると、信じて。
71 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:39:18 ID:TNYut6qL3
行こう行かないの問答が1週間ほど続いた。
俺は どうしても行って欲しかった。学校に、行って欲しかった。
何度でも言う。
あの時なぜ俺は こうまでして彼女を学校に行かせたかったのか。
俺は。俺は…。
そして、頑固に学校に行くのを拒んだ彼女だったが、ついに折れた。
「来週から学校行ってみるね」
そのメールを俺は心底喜んだ。
彼女が、学校に戻れる。戻ってさえしまえば、きっとなにかしら楽しいものを見つけられるはずだと。
俺が彼女を学校に復帰させてあげることができるんだ。そんな、バカな歓喜を。
もしかしたら、彼女以上に俺がどうにかしていたのかもしれない。
72 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:39:46 ID:TNYut6qL3
その来週が、やってきた。
彼女の母親からも、娘が学校行ってみると言ったので驚きました。という連絡をもらった。
もはや、有頂天だった。
俺は、連絡を心待ちにしていた。
学校、楽しかった。
その一言が聞きたかった。
その日彼女からのメールは届くことはなかった。
だが、俺は心配はしていなかった。
何かあったら、必ず連絡が来るはずだからと。
嫌な予感なんて、なかった。
73 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:40:22 ID:TNYut6qL3
翌日の昼になって、彼女からメールが届いた。
「学校、行ってきたよ」
文面を見た途端、違和感を覚えた。
俺は期待していた。
明るく学校の話をしてくれるのだと。
そう思っていたから。
「どうだった?」
明るい調子でメールをした。
そして、返信されたメールを見て、俺は背筋を凍らせた。
77 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:41:48 ID:TNYut6qL3
「やっぱり、ダメみたい。ごめんね。大学も、行けない。ごめんね。ごめんね。ごめんね。本当に、ごめんね。何一つできない。私は、もう、だめなのかも。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。一緒に大学に、いけない。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。私は、だめなんです。ごめんね。」
言葉では言い表せない、ある意味戦慄に近い感情を覚えた。
電話をかけるが、つながらない。
彼女の母親に連絡をした。
彼女は、今日も変わらず学校に行ったそうだ。
せめて、家にいてくれれば。
俺は、その場を動けなくなった。嫌な汗が、額を、背中を、腕を、携帯を握りしめる手をしっとりと濡らした。
80 :名無しさん@おーぷん :2014/09/27(土)22:42:52 ID:1MhngTxMx
>>77
なんかぞくっときた
そうか…14年前にはすでにヤンデレは完成していたのか
79 :名無しさん@おーぷん :2014/09/27(土)22:42:50 ID:EzsAMoi0p
なんか怖くなってきたアアア
81 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:43:10 ID:TNYut6qL3
何度も電話をかけた。その度に虚しく留守番センターの案内が流れる。
居ても立っても居られなくなった俺は、学校を早退した。そして、近くの公園で、必死に携帯と格闘した。
役立たずの、携帯電話。
俺と彼女を、つなげてくれ。
早く。
早く…リーナと…。
なぜか、涙があふれ出していた。
携帯を握りしめ、うずくまる。
少しずつ、後悔の念が生まれてきていた。
あんなことを、なぜ言ってしまったのだろうと。
その時。
役立たずの携帯電話が静かに、はっきりと着信を告げた。
83 :フライ・ド・かぼちゃ◆FryYNdEELg :2014/09/27(土)22:45:06 ID:3Iry6AOv4
やべぇ
ぞわっとするお
85 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:46:00 ID:xo5xTYWyH
俺はチャットルームでは月と名乗っていた。
チャットでは、お月さんや、月君、げっちゃんと呼ぶ者もいた。
げっちゃんとは、get chanceにかけて仲間の一人が勝手に呼びめた。
そんなお月さんは、リーナと言う少女と出会った。
87 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:55:03 ID:TNYut6qL3
ある日のチャットルーム。
今日はみんな思いのほか早く落ちてしまった。俺とリーナだけが、チャットルームに残っていた。
他愛もない話をした後、彼女がつぶやくように言った。
「私、HN変えたいな」
リーナはそのまま、彼女の名前がりなだった事に由来するHNだ。
チャットルームに来た日は、何も考えずにつけてしまったらしい。
新しいHNを二人は考えた。よく俺たちはハンゲームというサイトのゲームで遊んでいて、俺HNをすごく気に入ってくれていたから(ここでは書けないけど)
俺は彼女にとっておきの名前をプレゼントした。
「じゃあ、俺のHNからひとつ、りなのからひとつとって羽優はどう?」
彼女はとてもその名前を気に入ってくれた。
「すごく、かわいい感じ!」
リーナは次の日からチャットルームで羽優と名乗るようになった。
>>次のページへ続く
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