結婚することになった俺に過去を懺悔させて欲しい
(3ページ目) 最初から読む >>
\ シェアする /
57 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:30:09 ID:TNYut6qL3
俺と離れてから、彼女はなぜか精神的に不安定な状態に戻ってしまった。
原因は分からない。
付き合っていく内に、少しずつリストカットの回数も減った。
ODもなくなった。
そう言っていた彼女。
だが、実は違ったのだ。
やめられない自分を見せ続けられなかった。だから、隠れてやるしか、俺にばれないようにやるしかなかったのだ。
唯一打ち明けられるはずの俺にすら、言えなくて、辛くて。隠し続けることが、どれだけ辛かっただろう。
彼女は、俺が届かない場所に行ってしまった。手繰り寄せなければいけない。彼女を、もっともっと、受け入れなければ。そして、彼女に、受け入れられなければ。
59 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:31:49 ID:TNYut6qL3
それ以降 彼女の母親とも連絡を取るようになった。何かあれば、すぐ連絡してくれるようになった。
彼女からの直接の連絡は ほとんどなくなった。
でもこんな形で終わらせたくない。
願いは、通じるのかな。
例え、どんな事があっても、ずっと一緒にいるよって約束したのに。
彼女と会って、1か月。
夏休みが終わってしばらくし、ようやく彼女から連絡があった。
とても落ち込んだ文章だった。
ところどころに、ごめんねと書いてある。
寂しいメールだった。
前までの女の子らしいメールではなくなっていた。
そんな彼女にかける言葉はたったひとつだった。
「何があっても、俺はずっとそばにいてあげるから」
俺と離れてから、彼女はなぜか精神的に不安定な状態に戻ってしまった。
原因は分からない。
付き合っていく内に、少しずつリストカットの回数も減った。
ODもなくなった。
そう言っていた彼女。
だが、実は違ったのだ。
やめられない自分を見せ続けられなかった。だから、隠れてやるしか、俺にばれないようにやるしかなかったのだ。
唯一打ち明けられるはずの俺にすら、言えなくて、辛くて。隠し続けることが、どれだけ辛かっただろう。
彼女は、俺が届かない場所に行ってしまった。手繰り寄せなければいけない。彼女を、もっともっと、受け入れなければ。そして、彼女に、受け入れられなければ。
59 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:31:49 ID:TNYut6qL3
それ以降 彼女の母親とも連絡を取るようになった。何かあれば、すぐ連絡してくれるようになった。
彼女からの直接の連絡は ほとんどなくなった。
でもこんな形で終わらせたくない。
願いは、通じるのかな。
例え、どんな事があっても、ずっと一緒にいるよって約束したのに。
彼女と会って、1か月。
夏休みが終わってしばらくし、ようやく彼女から連絡があった。
とても落ち込んだ文章だった。
ところどころに、ごめんねと書いてある。
寂しいメールだった。
前までの女の子らしいメールではなくなっていた。
そんな彼女にかける言葉はたったひとつだった。
「何があっても、俺はずっとそばにいてあげるから」
60 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:33:10 ID:TNYut6qL3
そして、季節は秋の色に変わった。
彼女は相変わらず立ち直れずにいた。
リストカットもやめられなかった。
精神も どんどん不安定になっていった。
同じ大学に入ろうと言う約束が、彼女をさらに追い詰めていた。
だけど、大学にさえ入ってしまえば、俺は何とでもしてあげられると思っていたから。
その思いこそが最大の過ちだったのだけれど。
そう思っていた、だから。
62 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:35:07 ID:TNYut6qL3
なぜこんな言葉を投げかけたのか。
今でも分からない。
でも、俺ができることがあるとすれば、一歩踏み出す彼女の背中を押してあげることだと。
勘違いしていたんだ。
俺は、何でもしてあげられると。
そして、それをしっかり乗り越えて、大学で一緒に過ごせると。
学校に行かないまま、終えてほしくないと。
俺の勝手なエゴだった。
卒業前に、学校に行って欲しかった。
理由なんて分からない。
俺の高校生活が充実していたから?
仲間と過ごす時間は最高だと、知ってほしかったから?
学校に行かないと、大学に行けないと思っていたから?
思い通りにいかずに、俺も焦っていたのかもしれない。彼女を変えられると言う、俺の勝手な思い込み、過剰な自意識がそうさせたのか。
65 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:35:52 ID:TNYut6qL3
今となっては、数え切れないほどの理由や言い訳が思い浮かぶが、この時の俺はこの言葉を選択した。
それだけは、事実。
そして、その言葉こそが、人生最大の過ちであることを知った時にはもう、手遅れだった。
少しずつ、悪魔は歩み寄ってきていた。
69 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:37:52 ID:xo5xTYWyH
「学校に行ってみようよ」
俺の提案に、彼女は必死に抗った。絶対に行きたくないと。
でももう、その時には俺の頭には一緒の大学に行くと言う目標しかなかった。
そのためには、どうしても学校に行って欲しかった。ちゃんと卒業してほしかった。
今からでも手遅れではないと言う話を聞いたから。だからこそ、だからこそだったんだ。
学校に行って、もし何かがあっても以前の事件で うすうすと気付いているであろう教師達。
彼女は被害者だと知っているのだろう?
そんな彼女を守ってくれると、信じて。
71 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:39:18 ID:TNYut6qL3
行こう行かないの問答が1週間ほど続いた。
俺は どうしても行って欲しかった。学校に、行って欲しかった。
何度でも言う。
あの時なぜ俺は こうまでして彼女を学校に行かせたかったのか。
俺は。俺は…。
そして、頑固に学校に行くのを拒んだ彼女だったが、ついに折れた。
「来週から学校行ってみるね」
そのメールを俺は心底喜んだ。
彼女が、学校に戻れる。戻ってさえしまえば、きっとなにかしら楽しいものを見つけられるはずだと。
俺が彼女を学校に復帰させてあげることができるんだ。そんな、バカな歓喜を。
もしかしたら、彼女以上に俺がどうにかしていたのかもしれない。
72 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:39:46 ID:TNYut6qL3
その来週が、やってきた。
彼女の母親からも、娘が学校行ってみると言ったので驚きました。という連絡をもらった。
もはや、有頂天だった。
俺は、連絡を心待ちにしていた。
学校、楽しかった。
その一言が聞きたかった。
その日彼女からのメールは届くことはなかった。
だが、俺は心配はしていなかった。
何かあったら、必ず連絡が来るはずだからと。
嫌な予感なんて、なかった。
73 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:40:22 ID:TNYut6qL3
翌日の昼になって、彼女からメールが届いた。
「学校、行ってきたよ」
文面を見た途端、違和感を覚えた。
俺は期待していた。
明るく学校の話をしてくれるのだと。
そう思っていたから。
「どうだった?」
明るい調子でメールをした。
そして、返信されたメールを見て、俺は背筋を凍らせた。
77 :◆D1IdoXvPnU :2014/09/27(土)22:41:48 ID:TNYut6qL3
「やっぱり、ダメみたい。ごめんね。大学も、行けない。ごめんね。ごめんね。ごめんね。本当に、ごめんね。何一つできない。私は、もう、だめなのかも。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。一緒に大学に、いけない。ごめんね。ごめんね。ごめんね。ごめんね。私は、だめなんです。ごめんね。」
言葉では言い表せない、ある意味戦慄に近い感情を覚えた。
電話をかけるが、つながらない。
彼女の母親に連絡をした。
彼女は、今日も変わらず学校に行ったそうだ。
せめて、家にいてくれれば。
俺は、その場を動けなくなった。嫌な汗が、額を、背中を、腕を、携帯を握りしめる手をしっとりと濡らした。
>>次のページへ続く
\ シェアする /
関連記事
easterEgg記事特集ページ
