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バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話
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236 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 19:11:18.72 ID:Q5UKg1qg.net
「でもどうしたのお兄さん?いきなり来るなんてらしくないけど」
「いや、その・・・会いたくなった・・・じゃ、ダメか?」
「「「「おおおおーーーーー」」」」
「うぇ!あ、ぅ・・・」
赤面しながら俯く白石。
「あれあれ?白石ちゃん?」
「これはキスの展開かな?」
「え、あ、こ、困りますって先輩!お兄さんも何か言ってよ!」
「・・・・・」
思考は別の事を考えていた。
昔から無防備だったとはいえ ここまでとは…
「あ、す、するの?・・・ん・・・」
気が付くと少し背伸びをしながら白石が目を瞑って俺の方を向いている。
そんな白石の腕を引っ張って適当にその辺のタクシーをひっ捕まえて乗り込む。
「え!?うわぁちょ!ちょ・・・おにいさ・・・」
俺の突然の行動に戸惑う白石。
232 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 18:59:32.28 ID:Q5UKg1qg.net
「白石、住所どこ?」
「え・・・○○駅の近くのアパート」
「すいません、そこの駅まで行ってもらえます?」
運ちゃんは不思議そうに俺らを見たが何も言わず小さくうなずくと そのまま発進した。
あらゆることにいら立つ。
こんなに心かき乱さる位なら、もっと早く白石に会いに来るべきだったということにたった今気づいたこととか。
肩を貸していただけの男に対して小さく嫉妬していることも。
それらをみっともないとか情けないとか認識していながらこんなことをしている自分にも腹が立つ。
「お兄さん・・・痛い・・・」
「あ、わ、わり!」
思考に気を取られて力が入りすぎていたらしい。慌てて手を放すと掴んでいた部分を白石がさする。
「その、すまんかった・・・」
白石の方を見られなくて窓の外に視線を送りながら謝罪する。
「強引すぎだよ・・・」
些かトゲのある口調でそういって白石は俺が渡した時計を握っていた。
「でもどうしたのお兄さん?いきなり来るなんてらしくないけど」
「いや、その・・・会いたくなった・・・じゃ、ダメか?」
「「「「おおおおーーーーー」」」」
「うぇ!あ、ぅ・・・」
赤面しながら俯く白石。
「あれあれ?白石ちゃん?」
「これはキスの展開かな?」
「え、あ、こ、困りますって先輩!お兄さんも何か言ってよ!」
「・・・・・」
思考は別の事を考えていた。
昔から無防備だったとはいえ ここまでとは…
「あ、す、するの?・・・ん・・・」
気が付くと少し背伸びをしながら白石が目を瞑って俺の方を向いている。
そんな白石の腕を引っ張って適当にその辺のタクシーをひっ捕まえて乗り込む。
「え!?うわぁちょ!ちょ・・・おにいさ・・・」
俺の突然の行動に戸惑う白石。
232 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 18:59:32.28 ID:Q5UKg1qg.net
「白石、住所どこ?」
「え・・・○○駅の近くのアパート」
「すいません、そこの駅まで行ってもらえます?」
運ちゃんは不思議そうに俺らを見たが何も言わず小さくうなずくと そのまま発進した。
あらゆることにいら立つ。
こんなに心かき乱さる位なら、もっと早く白石に会いに来るべきだったということにたった今気づいたこととか。
肩を貸していただけの男に対して小さく嫉妬していることも。
それらをみっともないとか情けないとか認識していながらこんなことをしている自分にも腹が立つ。
「お兄さん・・・痛い・・・」
「あ、わ、わり!」
思考に気を取られて力が入りすぎていたらしい。慌てて手を放すと掴んでいた部分を白石がさする。
「その、すまんかった・・・」
白石の方を見られなくて窓の外に視線を送りながら謝罪する。
「強引すぎだよ・・・」
些かトゲのある口調でそういって白石は俺が渡した時計を握っていた。
233 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 19:02:24.99 ID:Q5UKg1qg.net
目的地に着くまで車内での会話はなく、信号のたびにミラーでこちらの様子を見てくる運ちゃんの視線がウザったくて痛く刺さった。
料金を払ってタクシーを降りる。
「それで、何でお兄さんがここにいるのかな?」
視線が痛い。それでも尚優しい口調なのがもっと痛い。
「いや、その、だからなんというか・・・こう・・・」
考えてみりゃ、なんでなんだろう。明日は昼過ぎからバイトが入ってたりとか、月曜にはゼミの課題とかもあるのに。
「ちゃんと、言って?」
目の前の白石の瞳が不安げに揺れる。
ああ、そうだ。ちゃんと言わなければ、電話でも話せるのにここに来たのだ。
目の前にいるからには しっかり伝えなければ。
文章にならなくても、
「あ、のな、その・・・白石がここに来てから俺とゆっくり話す機会無かったと思うから、その、えーと・・・」
言葉に詰まる。これ以上何を言えば良いのだろうか。
「・・・そっか、不安だったんだね・・・」
心臓が鷲掴みにされたような感覚を覚える。どんなに思っていても直接は言葉にしなかったそれが白石の口から出た。
234 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 19:04:39.27 ID:Q5UKg1qg.net
情けなさと、白石を信じていないかのように感じてしまう その感情は、もしかしたら付き合いだしたころから あったかもしれない。
それが白石の口から零れると、堰を切ったように感情があふれてきた。
「不安だよ・・・他に説明のしようがないくらい物凄い不安だよ。俺より色んなことで スゲー奴とか一杯いるだろうし、だから・・・」
だから、どうというのだろう。白石が望むようにするのが一番幸せになるんじゃないのか?だったら、俺は…
「はぁ・・・おにーさん。ちょっと・・・」
呆れたように嘆息した後に白石が俺を呼んで、着ていたシャツの襟を引っ張られて、白石の顔が近づいて、何か月かぶりにする彼女とのキスは、触れるだけのもので一瞬で離される。
「・・・煙草臭い・・・」
「・・・面目ない・・・」
白石と会えなくなってからと言うもの、煙草の消費が速くなった。原因は言わずもがな。
小言を言って、それでもまだ襟をつかまれたままの不思議な体勢で白石は俺を見ている。
237 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 19:15:16.01 ID:Q5UKg1qg.net
「お兄さんさぁ、私の事ばっかり考えすぎだよww」
「は?そうかな・・・」
そこまで四六時中と言うことではないと思うのだが・・・
「今の口ぶりだど どうせお兄さんの事だから『白石が幸せなら俺は・・・』とか考えたりしてるんでしょ?」
図星である。やはり俺は分かりやすいらしい。
「お兄さんはさ、もうちょっと自分にしてほしい事とか、したいこととかもっと言っていいと思うんだ。
そこでぶつかることもあると思うけど その時はぶつかりながら進んでいこうよ。
・・・私も、もっと素直になるし、もっと言いたいことがあるし、伝えたいことあるし・・・だから・・・」
顔を赤らめて俯く白石。泣きそうな顔をしているのは顔を見なくても声で分かった。
不甲斐ないばっかりだ。支えられてばっかり。
今からでも変わりたいな。変わって、こいつのことを俺がしてもらったみたいに支えていきたい。
「ごめんな。いっつも、頼りがいなくて、迷惑ばっかりかけて・・・」
襟を掴む白石の手にそっと触れる。
変わりたい。変われるかな。
「・・・ほんとだよww」
「うん。ごめん・・・ありがとう・・・」
握っていた白石の手が襟から離れ、そのまま俺の手を握った。
「・・・じゃあいこっか。」
久しぶりに、本当に久しぶりに向けられた笑顔を見て自然と幸せになる。
主語がない。
必要ないからと言えばそれまでか。
握った彼女の手はこれまでよりも大きく感じた。
238 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 19:20:42.45 ID:Q5UKg1qg.net
駅から徒歩で5分ほど行ったところにあるアパートの3階の一室が白石の家だった。
土地が土地だけに7畳一間で6万強という物件だが、水準が青森のそれで固定されている俺からしたら高いだけで むしろこの条件にしては中々安い場所なのだろう。
「はー・・・何か疲れた・・・」
肩に掛けっぱなしだった荷物を下ろして言葉が自然に漏れた。
「不安の種を無くせたからじゃない?」
・・・あながち否定できないのは どこかで事実と認めているからだろう。
「何か私も疲れちゃった・・・もうお風呂入って寝よっかな・・・」
「もう12時半だしな・・・」
「どうする?お兄さん一緒に入る?」
「あほか!お前なぁ・・・」
俺は俺で大学入ってから一人で女子の部屋何て初めてなわけで、色々考えてしまったりしているときになんてことを言ってきてんだ こいつは!
「嘘々w でもどうしよっか?お兄さん先に入る?」
「いや先入って来ていいぞ。その間に荷物の整理でもしてる。」
「ほんと?なら結構助かるかな。正直新歓飲みだったから先輩たち遠慮なく煙草吸ってさ・・・」
あ、と思い出したように白石はケータイを取り出して操作し始めた。
「あちゃ、やっぱり。先輩たちにすごく心配されてる・・・」
「あー・・・」
まぁ彼らからしたら「突然現れた彼氏を名乗る男がいきなり後輩を攫った」というシチュエーションなわけだから当然と言えば当然だ。
239 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/10(土) 19:24:37.91 ID:Q5UKg1qg.net
「『突然誘拐されたけど どうしたの?ご立腹?それとも妬いちゃったとか?w』だってさ」
何故だろうか。白石の先輩たちも伊達らと同じような匂いがする。
「お兄さんシャワーでいいなら私もいいかな。じゃあ先に入るけど覗いちゃだめだよ?」
「あーはいはい。」
「あ、下着は漁ってもいいけど戻しておいてね?w」
「漁んねぇし!お前の俺の評価どうしたんだよ!?」
いくらなんでも散々すぎる。
「入りたくなったら いつでもいいからね?w」
すっかり上機嫌な白石はそう言って脱衣所に入って行った。
何とはなしに部屋を見回す。整理が行き届いた部屋。
年相応の女子の部屋だけにぬいぐるみやらと言ったものは見られないが飾り気の無さはある意味で白石らしいといえる。
唯一彼女の部屋らしさが主張されているものと言えば、部屋の隅でスタンドに立てかけられている彼女の赤いギターくらいのものだ。
出会ったころから彼女が使っていたそれは変わらずに彼女の手で演奏されているようだ。
目に留まるものが無かったというのもあって持ってきたバックを開けて整理を始める。
>>次のページへ続く
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