バイト帰りに出会った女子高生との数年間の話
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352 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:07:07.10 ID:NvS4gIBG.net
「いやいやまだまだだよ。でもそんな感じだから音楽で忙しくてね・・・お兄さんから彼氏できなかったんだよねーww」
「・・・誰か紹介してやろうか?」
この言葉を笑いながら言うのに幾らか間を使った。できないくせにと白石は即座に言って笑う。
お察しの通りである。そんなことが出来るなら度々白石の所に足を運んだりなんかしないだろう。
「でもいい人だと思うな。お兄さんの彼女。お兄さんのいいところに気づけるんだもんww」
はにかみ笑いで俺の方を見て白石が言う。
今考えればお世辞だったのかもと思うけど、その時の俺は大分浮かれたんだ。
だって社会人になってから たぶんその言葉が一番うれしかったから。
353 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:09:02.35 ID:NvS4gIBG.net
いい気分のまま我が家に帰ると家の横で人が倒れていた。
というか戸田さんが寝てた。
若干呆れも入っていたがとりあえず声は掛ける。
「戸田さん、戸田さん!こんなとこで寝てたら風邪ひきますって…」
「んー…こじまくーん?あと十分…」
「いやダメですって。ホントに風邪ひきますから…」
そういって体を揺するが起きる気配がない。
数秒考えて、鍵を開けて扉をひらっきぱなしにして「寝てる戸田さんが悪い」と確認も取らずに抱きかかえてそのまま家の中へ。
靴を脱がせてからベットに連れていって戸田さんを剝く。
この行程に若干の慣れを覚えている自分がいることに何とも言えない感情を覚えるがとりあえず下着だけ残して後は全て脱がせる。
354 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:12:09.42 ID:NvS4gIBG.net
「やっぱり大変なのかな…」
付き合いだしてから気づいたことだが戸田さんは金曜は会社近くで飲むことが多い。結構気苦労が多いのかもしれない。
「んんー?」
不意に戸田さんが寝息をあげてむくっと体を起こした。
「あ、大丈夫ですか?」
「あれー?えへへーwwこじまくーん…んん?小島君?」
あ、酔ってる。会社では もうちょいしっかりしているんだが・・・
「俺の家の前で寝てましたから とりあえず家に入れて寝かせて脱がしましたけど かまいませんでしたか?」
「えっち〜ww」
上機嫌だな。戸田さんは意外にも酒好きだ。同時に俺の周りの奴らと同じく好きな割には強くない。
「けど どうしたの?今日定時近くで上がって言ったよね〜?ww」
「あー…」
どう説明しろと?
「元カノと散歩して元気づけてもらいました。」ってか?
言えるわけがない。
「いやいやまだまだだよ。でもそんな感じだから音楽で忙しくてね・・・お兄さんから彼氏できなかったんだよねーww」
「・・・誰か紹介してやろうか?」
この言葉を笑いながら言うのに幾らか間を使った。できないくせにと白石は即座に言って笑う。
お察しの通りである。そんなことが出来るなら度々白石の所に足を運んだりなんかしないだろう。
「でもいい人だと思うな。お兄さんの彼女。お兄さんのいいところに気づけるんだもんww」
はにかみ笑いで俺の方を見て白石が言う。
今考えればお世辞だったのかもと思うけど、その時の俺は大分浮かれたんだ。
だって社会人になってから たぶんその言葉が一番うれしかったから。
353 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:09:02.35 ID:NvS4gIBG.net
いい気分のまま我が家に帰ると家の横で人が倒れていた。
というか戸田さんが寝てた。
若干呆れも入っていたがとりあえず声は掛ける。
「戸田さん、戸田さん!こんなとこで寝てたら風邪ひきますって…」
「んー…こじまくーん?あと十分…」
「いやダメですって。ホントに風邪ひきますから…」
そういって体を揺するが起きる気配がない。
数秒考えて、鍵を開けて扉をひらっきぱなしにして「寝てる戸田さんが悪い」と確認も取らずに抱きかかえてそのまま家の中へ。
靴を脱がせてからベットに連れていって戸田さんを剝く。
この行程に若干の慣れを覚えている自分がいることに何とも言えない感情を覚えるがとりあえず下着だけ残して後は全て脱がせる。
354 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:12:09.42 ID:NvS4gIBG.net
「やっぱり大変なのかな…」
付き合いだしてから気づいたことだが戸田さんは金曜は会社近くで飲むことが多い。結構気苦労が多いのかもしれない。
「んんー?」
不意に戸田さんが寝息をあげてむくっと体を起こした。
「あ、大丈夫ですか?」
「あれー?えへへーwwこじまくーん…んん?小島君?」
あ、酔ってる。会社では もうちょいしっかりしているんだが・・・
「俺の家の前で寝てましたから とりあえず家に入れて寝かせて脱がしましたけど かまいませんでしたか?」
「えっち〜ww」
上機嫌だな。戸田さんは意外にも酒好きだ。同時に俺の周りの奴らと同じく好きな割には強くない。
「けど どうしたの?今日定時近くで上がって言ったよね〜?ww」
「あー…」
どう説明しろと?
「元カノと散歩して元気づけてもらいました。」ってか?
言えるわけがない。
355 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:15:26.41 ID:NvS4gIBG.net
「…女の子?」
悟り切ったような目で見ていた戸田さんの その言葉を理解するのに数秒かかり、声すら出せなかった。
「やっぱりか〜…」
「いや、いないですって!」
否定するしかなかった。疚しさとかそういうのを戸田さんよりも俺自身に言い訳するためにだった。
「別に嘘つかなくてもいいよ〜怒ってないし。小島君がばれないように女の子二人を同時に相手にできる位器用だと思ってないしね〜ww」
それを信用といっていいのか分からなくて何とも言えない表情をした。
それでも確信に似た何かを感じたようで戸田さんは俺の声を柔らかく流す。
「怒ってないからさ…私、まだ、かのじょ…でいて、いいよね?」
その言葉は、俺が聞いた中で一番怯えた様な表情で同時に一番弱々しい声だった。
「うわき…」
「へ?」
「うわき、してもべつ…にいいよ…?でも、私が、いちばん、がいい…」
それ以上戸田さんは何も言わなかった。
戸田さんの体が横に倒れていく。
357 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:18:49.67 ID:NvS4gIBG.net
「…戸田さん?」
雰囲気的にいたたまれなくなって寝たふりとかかと思ったが どうやらこのタイミングで本気で寝落ちしたらしい。
「…何だかなぁ」
そっと戸田さんにタオルケットだけかけてベランダに出て静かに煙草を吸い始める。
どうするにしろ早めにした方が傷が浅いのは分かってる。分かっていて怖いのだ。人を傷つけるのがただ怖いのだ。
酔っていたのだろう。次の日に起きてみると戸田さんは何事も無かったかのように振る舞っていた。俺もそれに救われて何事もないかのように振る舞った。
戸田さんは最初から変わらず俺をぐいぐい引っ張っていく人だった。だからその日の散歩も戸田さんの思い付きみたいなものだった。
夜になっても眠らない街とはいえ夜道の散歩は昼とはまた違った風情を見せたりする。ゆっくりと戸田さんと雑談しながら歩く。
360 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:22:11.07 ID:NvS4gIBG.net
戸田さんが「あっちに行ってみよう。」というと次は俺が「こっち色々面白そうな気配がする!」
なんて言ってフラフラあてどなく彷徨った。
途中から「この方向ではまずい」とは思っていた。思っていたが口には出さなかった。
会わないだろうなんて高をくくっていた。
「あっちに行きませんか?」
なんて一言言えば良かったのも分かっていた。それでも口に出さなかった。
「へぇ、ここからこう駅に出るんだ!」
そこは白石がいつも演奏している駅だった。
新たな発見に純粋に驚く戸田さん。
対して俺はその場に来てようやく微かな期待感とそれを優に超える焦りとかに近い感情を持っていた。
そしてその焦りは現実になる。
361 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:25:19.45 ID:NvS4gIBG.net
「…お兄さん?」
振り向かなければいいんじゃないかとか考えたけど、それは出来なかった。
余りにも悲しそうなその声の響きを無視できなかった。
「しら、いし…」
振り返ってどうしたらいいのか分からなかった。
「綺麗な人じゃん…お幸せに。」
いつもの白石からは考えられないような、冷たく、それでいて吐き捨てるような口調だった。
たった一言。
その言葉が突き刺さる。
「あ、ちょ!おい!」
声をかけても白石は振り向くことなく行ってしまった。
「…今の人は?」
続きを紡ぐのは憚られたのだろう。どこか分かった風に戸田さんは俺を見ていった。
「いや、そんなんじゃ…」
何も言っていないのに弁明口調だった。どうしようもないほどに慌てていた。
「小島君さ、嘘つくとき目合わせてくれないよねww」
僅かに笑ったような声を聞いて、しまったと思い戸田さんの目を見る。優しくて、どこかに諦めというのを孕んだ目だった。
363 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:30:59.01 ID:NvS4gIBG.net
「ごめんね、今日ちょっと用事で来たから…」
その場で振り返ると足早に去っていく戸田さん。
「あ…」
頭ではわかっていた。戸田さんを止めなければ、何とかして引き留めなければ。声を出そうとして、喉で声が消える。
声が出ないなら追いかけて手を引いたりとか、そのあと落ち着いてから弁明する幾らでも方法はあったはずなのに、そこから動けなかった。
動けないまま手を伸ばして、届かないと分かって手を下ろす。一人取り残されたままどうしようもない感情に苛まれる。
最悪だ。いや違う、俺が最低なのだ。
365 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:33:55.96 ID:NvS4gIBG.net
そのまま帰る気にもなれず、かといって立ち竦んでいるのも出来なくて歩き出した。
歩いてれば少しくらいは思考が形になってくれるかと思ったが全くそんなことはなかった。
20分位歩いたんだと思う。
時計は見てないけど何となく歩いた時間が分かったのは白石と来た公園に気づいたらいたからだ。
ぼんやりと川面を眺めて煙草をふかす。
俺が全て悪いのは分かっている。
そのことに自己嫌悪しながら同時にどこかで良かったとおもっていた。
それがまた自己嫌悪を加速させる。
長引かない方が良いと理解しながら自分からそれを打破することをしなかった。
自分で言いだして傷つけたくなくて、外的要因に任せたのだ。
違う。違うだろ。
人を傷つけたという事実が自分にかかるのが嫌だっただけだろ。
そのことに対する自己嫌悪と、これ以上板挟みにならなくていい安堵。その安堵に対するさらなる自己嫌悪。
ぐちゃぐちゃの感情が思考を濁らせていく。
それでも一つだけ理解していた。いい加減に決めるべきなのだ。今でも好意がある白石か、尽くしてくれる戸田さんか。
こればかりは伊達にも相談できない。俺が考えて俺が結論を出さねば。
366 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:37:38.46 ID:NvS4gIBG.net
数日後に戸田さんが家に来た。戸田さんの方から俺に会いに来た形だ。
「あ、小島君!何か食べたいのある?食材買って来たんだ?」
戸田さんも緊張しているのだろう。食材買って来たのに食べたいものあるなんて正直無理があるだろう。
「あの…」
戸田さんは俺の横をするりと抜けて台所に立つ。
「あ、今料理するからちょっと待っててね!」
「戸田さ、」
「小島君お肉とかダイジョブだよね?」
戸田さんのペースに巻き込まれそうになる。長引かせない方が良いと分かってるだろ。腹くくれ。大きく息を吸って、それを声に変える。
「と!ださん・・・」
勢い込み過ぎて後ろの方は尻すぼみに小さくなっていった。
真後ろでいきなり大声を出して驚くものかと思いきや戸田さんは違った反応を見せた。
肩が震えていた。
だが戸田さんは一度深呼吸をしてから俺の方に向き直った。
368 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:43:07.33 ID:NvS4gIBG.net
「…この前の子の事?」
戸田さんが確認するように俺に問う。そのまっすぐな瞳があまりにもまっすぐ過ぎて思わず目を逸らしそうになるが堪える。
俺から言いださなければいけない事なのだ。
「はい。」
短く、それでいて確かに戸田さんに言葉を返す。
戸田さんは分かっていたように頷いて。そっか、といってから一拍置いて続けた。
「私はね・・・私以上に小島君の事理解できる人いないと思ってるし、小島君が大抵何しても許容できるし、私、小島君の事、好きだし。」
戸田さん位綺麗な人からそう言ってもらえて、素直に嬉しかった
それでも、悲しそうに、戸田さんは どんな時よりも悲しそうに笑って俺に言う。俺の答えを知っているかのように、悲しげに。
「…すみません…」
それ以上に何を言うこともできない。言えなかった。ただ俺は頭を下げた。
「うん…知ってた…」
下げた頭を上げると平然としたように戸田さんが笑っている。
そんなわきゃねーだろ…!何だって都合よく眼を逸らそうとしてるんだよ!
爪が食い込んで白くなっている拳も、口の端を小さくかんでるのも、今にも泣きそうになって目尻に涙をためているのも、全部分かってるくせに逃げるなよ!俺が出した答えなんだろ!お前には正面から受け止める義務があるんだよ!
369 :1 ◆Rvi/ZSmlcg @\(^o^)/:2016/09/11(日) 01:48:04.64 ID:NvS4gIBG.net
「小島君が私の事を好きじゃないのはね、知ってた。
ううん、なんか違うな…えっと、私を見てるようで私の先に見える何か、誰かを見てるのに気づいてたの、
でも、別れるのはいやで、ごめんね、私の我儘で余計に傷つかせることになって…」
「違う、違うんです…」
俺が悪いのだ、心から思っていてくれた戸田さんに中途半端な気持ちで応えようなどと考えた俺が、傷つけるのが怖いと思っていた。
違う。
そうじゃない。
俺は人を傷つける事をして、そのことで自分が傷つくのが怖かったのだ。
その都合のいい理由として傷つけるのが怖いと言って逃げたのだ。
「小島君さ、自分から私に何かして欲しいみたいに言ったこと無いの気づいてた?
私ね、それでも応えようとしてくれる小島君に甘えてたの。
だから…私と、別れてください。」
何でそんなことまであなたが言うんですか。
違う。
俺が悪いのに。
俺が全て悪いと分かった上で、その上で俺が傷つかないようにという言葉なのが突き刺さる。
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