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眠れないから親友の女の子の話でもする
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22 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 05:28:46.43 ID:wvRdY72E0
メールと挨拶を毎日少し。

エリは その後 好きな人に告白して恋人になったようで、うまくいっていると思った。

もう季節は受験勉強の体制に入ってて、進路希望調査も適当に書いてた僕は 高校を何処にするか悩んでいた。

学校側からは やたら進学校を薦められてたけど、出来れば近場がよかった。

結局近場で1番偏差値が高いところにしようかな、と考えながら帰り道を歩いていた。

なんとなく後ろを振り返ったらエリが顔を俯かせてトボトボ歩いていた。



24 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 05:34:21.59 ID:wvRdY72E0
いつも友達と一緒にニコニコ笑ってるイメージしかなかったからビックリして、初めて自分から声かけたと思う、さすがにその時は人目についたら、なんて考えてられなかった。

「どうしたの?」

「あ、哀川さん。やっぱり哀川さんだったんだ、違ったら どうしようかと思って声かけれなかったんだ」

無理やり作ったような笑顔を浮かべて、エリは手に持っていたプリントをくしゃくしゃにしていた。

一瞬だけ見えたプリントは希望の高校が書かれてたけど、こういうことするからストレスかなんかたまって悩んでるんだろうな、と感じた。



25 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 05:36:57.12 ID:wvRdY72E0
結局エリはくしゃくしゃにした進路希望調査のプリントについてなにも言わず、他愛のない話を続けてた。

でも家に帰っても気になってしょうがなかったので、その日メールに「勉強くらいなら手伝うから」と書いて送った。

エリからの返信はこなかった。初めてだったけど、気にしないことにした。



26 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 05:42:22.70 ID:wvRdY72E0
次の日からいつもの生活だった。

何事もなかったよう挨拶して、僕が送ったメールについて触れずに過ごしていた。

それから一週間後、エリからメールがあった。

「今更で、ほんとう申し訳ないけど、勉強教えてください」

勿論 快くオーケーした。


でも土曜日に僕の家に行くってなった時、さすがにそれは…と濁したら、「彼氏も一緒にいいく!」って言い出した。

もっと嫌だったけど結局オーケーしてしまった。



27 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 05:46:15.87 ID:wvRdY72E0
当日。
エリは宣言通り彼氏さんと一緒にきた。

僕の家は両親が不在がちなので そういった心配はないけど、友達をあげるってはじめての事だったので結構緊張した。

エリは どうやら彼氏と同じ高校(僕が予定してた高校よりもランクがうえだった)に行きたいらしく、それで思い悩んでいたそうだ。

確かにエリは相当頭が悪かったから、納得してしまった。

彼氏のヤマオカ(仮名)くんは無口だったけど 冷たいというわけじゃなくて、喋るのが苦手なんだろうな、という印象だった。

僕も無口なほうだったけど、その分エリが賑やかだったのでちょうどよかった。




28 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 05:51:05.44 ID:wvRdY72E0
物覚えが悪いことは知ってたけど、その日のエリ熱心に覚えようとしてた。

ヤマオカくんも一生懸命わかりやすく言葉を選んでた。


その日から毎週土日のどっちかはエリ達が僕の家にきて勉強する習慣ができた。

たまに彼氏が予定あってエリが1人でくることもあったけど、一応 僕の家も兄弟がいるので そこは毎回、変に緊張した。

肉親に友達見られるのも変な感じだった。僕は普段から見てるのに。



29 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 05:56:38.55 ID:wvRdY72E0
その日、兄弟が出かけていたので居間で勉強してたらエリがそわそわして落ち着かない雰囲気だった。

「どうしたの?」

「うーん、なんか、落ち着かないなって。なんでだろう…」

きょろきょろしながらエリが答えを探す。

僕の家は両親が不在がちで、家を使う頻度も低めなので最低限の家具しかなかった。

小5の時に引っ越したのもあって、居間には食卓、冷蔵庫、食器棚、テーブル、ソファ、テレビ、そして電話をおく小さな棚くらいだった。

僕は見慣れてたけど、エリはそうでもなかったらしい。

「物が少なくて落ち着かない」とエリがこぼした。



30 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 05:59:16.95 ID:wvRdY72E0
そういえば僕の部屋に入った時も、机とベッドしかないのを見て「ものが無いんだね」と言ってた。

普通の家はもっと生活感があるんだろうなぁ、って、少しエリが羨ましかった。



31 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 06:06:25.44 ID:wvRdY72E0
冬休みに入る前、クラスで大掃除があった。

まず机を廊下に出すんだけど、それぞれ机を廊下に持っていって体の大きい男子が机を受け取って並べる、って感じに作業してた。

僕が男子に机を渡した途端、他の机よりも少し乱暴に音を立てて置いて、他の人と顔を見合わせてクスクス笑ってた。

なんかつらかったけど、そんなの日常茶飯事なのでスルーしようとしたら、エリの声が聞こえた。

「ちょっとうるさいんだけど、もうちょっと静かにおけないの?」

珍しくエリが怒っていた。

男子たちは「わりぃわりぃ」と言いながらニヤニヤしてた。

掃除が終わって机並べてた時、その男子から腹いせのように机の角を蹴られた。

こんどはエリが見てなかったけど、何故か気にならなくなった。

エリが文句を言うことでそっちに矛先が向かうのを恐れてたから少し安堵した。



32 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 06:13:27.80 ID:wvRdY72E0
冬休みの間もたまにエリとヤマオカくんは勉強しにきた。

ヤマオカくんがメアドを教えて欲しいって言ったのも冬休みの間だ。

メアドを登録するのはエリの他に幼馴染しかいなかったので3人目だ。増えていくメモリがちょっと嬉しかった。

でもエリの勉強の調子はあまりよくなかった。

希望校に受かるかどうかは結構厳しい。

でもエリはめげずにがんばっていた。


「もし落ちても勉強しなかった私が悪いから!でも大学はヤマオカくんと一緒に行きたいから、ちゃんと勉強は続けるよ、いままで以上に!」

ポジティブだなぁ、と感心した。



33 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 06:18:31.39 ID:wvRdY72E0
正月が終わって始業式を明日に控えた、最後の冬休み。

エリと2人で勉強してた最中に兄弟…僕の双子の弟が帰ってきた。

その日は居間で勉強してたから鉢合わせしてしまった。

弟は露骨に嫌そうな顔をしたけど、エリは気にせず挨拶をしていた。

「あけましておめでとう!お邪魔してるよー」

「どうも。」

弟とエリは同じクラスになったことがあるけど、どうやら話すのは はじめだったようで、少しぎこちない挨拶だった。



34 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 06:23:06.75 ID:wvRdY72E0
「弟くん、学校と家だと全然違うねー、クールっていうの?ちよっとびっくりしちゃった」

エリは臆することなく弟に話しかける。

二卵性だから僕と全然似てない弟は学校では そこそこ友達もいたし 成績も優秀だったから、劣等感しか抱いていなかった。

家族といっても あんまり話すこともないから、家の中でガンガン話しかけてくエリは ほんとうに凄いと思った。

この時 内心僕はびびってた。弟とどう接すればいいかわからなかったから。たぶん弟も困惑してたと思う。



35 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 06:26:17.93 ID:wvRdY72E0
この時エリは「弟くんも一緒に勉強しようよ!」と持ちかけて、僕は緊張で倒れてしまいそうだった。

お世辞にも仲が良いとは言い難い弟が快くオーケーすると思ってなかったからだ。

でも意外なことに弟は少し考えたあと、「いいよ」とオーケーした。

意外すぎて弟はを凝視すると、少し嫌そうに眉を寄せて顔を背けられたのが印象的だった。



36 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 06:32:26.56 ID:wvRdY72E0
勉強しようよ!と持ちかけたのはエリだったけど、勉強というよりも半分はエリの勉強を見守る回になっていた。

今回は僕より成績が良い弟がいたのでエリの面倒は主に弟が見て、僕は自分の勉強を進めてた。

弟のように進学校に行くつもりはなかったから、正直そこまで勉強する必要もなかったんだけど、喋るのが億劫だったので丁度よかった。

弟は次第に学校での調子を取り戻して仲良くエリと話してた。

帰り際にメアドを聞いていて、やっぱり僕と違うなぁと改めて認識した。



37 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 06:33:29.02 ID:wvRdY72E0
頭がぼんやりしてるせいで誤字ばっかですね。

脳内で訂正してくれるとうれしいです、ごめんなさい。

気をつけよう…。



38 :名も無き被検体774号+:2012/01/23(月) 06:37:37.88 ID:wvRdY72E0
その日のメールで「やっぱ兄弟だから仲良くしないとね」とエリは言っていた。

「エリが仲良くすんの?」

「違うよ、哀川くんがだよ!あれから話した?」

「なんも話してない」

「えー…」

僕の家族があまり交流がないって薄々感じていたようで、エリは僕と弟が仲良くなってほしそうにしていた。

仲が悪いというよりも、お互いに干渉しないみたいな関係だったので、どうするべきか悩んだ。



>>次のページへ続く
 
カテゴリー:人生・生活  |  タグ:泣ける話, 青春,
 


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