男はクリトリスを舌で転がし、もう一方の指で双乳を代わる代わる揉みしだきながら、的確に女の急所を攻め立てていきました。
「はっ、はっ……はぁっ……」
遙海の喘ぎ声が明らかに変わっていきます。大きく開いた太腿の内側に痙攣のさざ波が走り、男の指を逃れるように遙海はシーツの上でどんどんずり上がり、ヘッドボードに頭を着けて首を曲げた不自由な姿勢で切れ切れに叫びます。
「ああっ、ダ、ダメぇ! も、漏れちゃう!」
遙海の訴えを聞いても、男の指の動きは弱まるどころかますます激しさを増していきました。
その男の手に同期したように私も、これ以上ないほど高まりきったこわばりを激しくしごき上げていました。
男の指は遙海の膣内を掻き毟るような動きを見せ、その激しさは膣壁を痛めてしまいそうな勢いでした。
その時、私は男に完全に同化していました。
私に代わって、妻・遙海を完全に壊し犯して欲しいと、憎いはずの画面の中の男に私は、どす黒い欲望をぶつけていったのです。
「ダメっ、で、出るぅ!……あっ、ああっー……」
男が股間から顔を離した途端、断末魔のような鋭い叫びとともに、遙海の秘裂から勢いよく飛沫が噴き出しました。
大きく拡げて踏ん張った両脚と後ろ頭でブリッジするように反り返り、天に向かって突き上げた股間から、透明な液体が何度も何度も間歇的に噴き上げます。
叫び声はピタリと止み、遙海は苦悶するかのような表情で固く目を瞑り息を詰めて高みに達しました。
下腹の筋肉が小刻みにブルブルと震える以外、ブリッジの体位のままで凍りつく遙海の肢体。
初めて見る妻の壮絶な潮吹きに、私も低く呻いて膨らみきったこわばりから大量の精液を飛ばしていました。
股間からの潮の噴出が止み、ブリッジが崩れて遙海の体がシーツの上に沈みます。
深すぎる絶頂は1分近くも続いたようでした。
詰めていた息が吐き出され、鞴のように胸を喘がせ粗い呼吸を続ける遙海を見下ろして男は腰のタオルを外します。
私は思わず息を詰め目を見張りました。
膝立ちした男の股間には、私のものより少なくとも二回りは長大なこわばりがそそり立っていたのです。
気配を感じ目を開けた遙海が男の足元ににじり寄ります。
そして、腹を叩かんばかりにそそり立つ男のシンボルに頬を寄せ、さも愛おしそうに頬ずりするのです。
「凄かったわ……今度はあなたに……お口でさせて……」
その言葉に、立ち上がって仁王立ちになった男の前に跪いて遙海は、目の前の股間に顔を寄せて行きます。
根本からぶら下がる大きな二つの胡桃を舌で舐め上げ、血管の浮いた太幹を、長く伸ばした舌で唾液を塗り込めるように何度もなぞる様子をカメラは克明に捉えます。
這い上がった舌が赤黒い亀頭の周りをクルクルと這い回り、尖らせた舌先が亀頭の先端に開いた尿道口をチロチロと刺激します。
O字型に開いた口で赤黒い亀頭を呑み込と、すぐに浅く深くのストロークが始まりました。
口中では舌が複雑な動きを見せているのでしょう、遙海の口元は様々に歪み、溢れ出した涎が奇麗な形の顎を伝って垂れ落ちます。
垂れ下がった大きな睾丸をやわやわと揉みながら甘い鼻声を洩らして男のシンボルを長々としゃぶり続け、やがて、遙海は両手を男の毛深い太腿に回し、裂けそうなほどに口を開いて、これ以上はできないほど奥にまで長大なこわばりを呑み込んでいきました。
固い亀頭が喉奥を突き、咽せそうになって喉を鳴らしながら、それでも遙海こわばりに吸い付き離そうとしません。
頬をすぼめて吸い上げる度に、濡れた音に交じって淫らな吸引音が響きます。
私との営みでももちろん、遙海がフェラチオをすることはありましたが、それは挿入前の通過儀式であって、時間にすればいつも1分程度のものでした。
今、遙海が見せているのは、身も心もすべてを捧げて強い牡に奉仕する従順な牝の姿でした。
遙海の舌と指は、仁王立ちする男の股間のすべて、後ろの固く締まった窪みにまで這い回ります。
時には、バンザイするように挙げた両手で男の乳首を刺激しながら、口では反り返ったこわばりを舐めしゃぶり吸い上げます。
こんな淫らなフェラチオを仕掛けられれば、どんな男でもひとたまりもなく精を搾り取られてしまいそうですが、木原は時折低く呻くだけで、奉仕する遙海を余裕を持って見おろし、彼女の柔らかい髪の感触を確かめ、揺れる双乳に伸ばした手で乳房の丸味と張りを楽しんでいました。
淫らな口唇奉仕に遙海自身、興奮がいや増すのでしょう。息が上がり、目の周りが紅く染まって、くびれ腰が無意識のうちにくねります。
「ねえ、もう、堪らないの私……あなたの凄いのをちょうだい……」
案の定、男よりも先に音を上げたのは遙海でした。涎だらけの口元で男を見上げ挿入を懇願します。
そんな遙海を満足げに見おろし男は、遙海の肩を押してベッドに這わせます。
再び膝立ちになった男の股間に顔を寄せた遙海の口に、超弩級のこわばりがねじ込まれ、片脚を跳ね上げられた両脚のつけ根に男が手を伸ばします。
「何だ? こんなに濡らして……昨日、旦那に抱いてもらったのに欲求不満なのかい、淫らな奥さん」
「そうよぉ、主人のじゃダメなの、あなたのこの凄いのじゃなくちゃ!……ね、お願い早くぅ!」
興奮と牡の逞しいものへの欲望が理性を遙かに上回ってしまったのでしょう。
私のことを口にされても、もう、遙海はその言葉を拒絶しようともしません。
確かに、この日、学会出張に出掛ける前の晩、私は妻を抱いています。
いつもは快感を堪えて静かに達する遙海でしたが、この夜はいつも通りの愛撫でも驚くような濡れ方で、挿入してからも、いつになく感じて、悦びの声が溢れ出そうになるのを無理矢理押し殺していたことを思い出しました。
その時は、いつもよりも熱く、貪欲な膣壁の締め付けに耐えかねて私は、挿入後、3分と持たずに果ててしまったと思います。
妻はいつものように「良かったわ」と言ってくれましたが、それは口先だけの言だったのでしょう。
画像でも、遙海の股間には新しい蜜液が夥しく溢れ出していることが見て取れます。
それは大陰唇の周りを彩る薄くしなやかな恥毛を越え、つけ根から太腿にまで流れ出すほどの濡れ方でした。
ピチャピチャ、クチュクチュという濡れた音も、遙海の期待と興奮の深さを如実に証明していました。
「ねえ、もう、ダメ……堪らないの……あなたの凄いオチンチンを私に……ねえ、ちょうだい」
「どこに何を欲しいんだい? 遙海」
「ああん、いじわる……あなたのこのオチンチンを遙海のオマンコにちょうだい!」
とうとう、遙海はあからさまな言葉で木原の男を求めました。
その顔は、興奮を通り越して、逞しい牡を求める生々しい欲望が剥き出しになった、見たこともないほど淫らな牝そのものの顔でした。
終に妻が汚されるという思いに痛いほど胸を締め付けられながら、私のペニスはその時、木原に負けないほどの固さで激しく勃起していたのです。
この後、ビデオには遙海と木原の交わりが延々と記録されていました。
あからさまに男を求める妻を余裕で焦らしながら木原は、その長大なこわばりを濡れきった秘裂へゆっくりと突き立てていきました。
木原のこわばりには避妊具は着けられていません。
そして、遙海もそれを拒むこともなく、当然のように生のままの男を受け入れていきました。
シーツの上に仰向けなって大きく脚を拡げた正常位に始まり、シャワーと短い休憩を挟んで二人は、様々な体位、様々なプレイで3時間近く交わり続けました。
男の人間離れしたスタミナにも圧倒されましたが、一切のタブーなしに互いに貪り合い、流れるように体位を変えて交わり続ける様子から、二人がこれまでに何度もこうやって愛を交わしてきたことを思い知らされ、私は滂沱の涙を流しながら最後まで画面から目を離すことができませんでした。
正常位で逞しい男に組み伏されて、自ら少しでも深い挿入をねだって、高々と上げた両脚を男の腰に絡みつける遙海。
対面座位では互いの唾液を飲ませ合う深い口づけを交わし、騎乗位では、男の腰にまたがって自ら肉棒を秘裂に納め、重々しく揺れる乳房を自分の手で押し揉みながら、抜き差しを男に見せつけるように放恣に脚を開いて淫らに腰をくねらせます。
側位では、更にショッキングな場面が私を待ち受けていました。
少しも焦らず着実なピストンを繰り返す木原の手が、艶やかに張った尻を這い、撫で回し、みっしり詰まった尻肉の弾力を楽しむかのように強く鷲掴みにすると、遙海は絞り出すように叫びました。
「ああっ、あなた……撲ってぇ!」
「何だって、何処を撲って欲しいんだ?」
「ああん、お尻よ、お尻……いけない遙海の淫らなお尻を撲ってぇ!」
私には、心臓が止まるほどの驚きでした。
ここまで見てきて、遙海が完全に木原という男に身も心も屈服させられていることは分かっていたつもりでしたが、あの貞淑な妻が、こんな破廉恥な行為まで木原にねだるとは……。
怒りさえ通り超し、私の胸の中には冬の氷原のように寒風が吹きすさんでいました。
ピチッ、ピチッ……バチッ……パンッ……
肉が肉を打つ重たい音が響き始めます。
男の手が尻肉に振り下ろされる度に遙海は、掠れた叫び声を上げ狂おしく身もだえしています。
しかし、それは痛みを感じて嫌がっているのではありませんでした。
「はぁっ……はぁーん……んんんっ……はぁっ……」
「ああん、お、お尻が……お尻が熱いのぉ……つ、突いて、もっと突いてぇ!」
明らかに撲たれることで遙海は強い性感を感じていました。男の容赦のない打擲は、大きく開かれた尻の谷間、アナルにまで及びました。
「だ、ダメぇっ……いっ、いくっ、いっくぅー……」
激しく撲たれながら尻肉を真っ赤に染めて、遙海は憚りを忘れた悦楽の叫び上げて達しました。
男のピストンが止まっても、長い時間、遙海は真っ赤に腫れ上がった尻をブルブルと痙攣させ続け、長い乱れ髪が絡みつく汗まみれの顔には、口元に涎の筋さえ流れていました。
その後も、松葉崩しで秘裂深くを激しく抉られ、長大なこわばりで子宮を突き上げられ背を仰け反らせて踊り狂い、後背位では、顔と胸をシーツに付けて自ら尻を高々と掲げた牝犬の姿勢をとり、豊尻を鷲掴みにされ、アナルにまで指を受け入れながら犯されて、快感と男への服従の言葉を叫ぶのでした。
その間、体位を変える毎に、遙海は自らの蜜液で濡れ光る男のこわばりを嬉々として咥え、貪るように舐めしゃぶります。
最後は正常位に戻って木原を受け入れ、激しく唇を吸い合いながら決定的な言葉を叫びました。
「どうだ、俺のチンポは……旦那のよりも良いだろう?」
「ああっ、そうよ、そうよぉ……比べものにならないわ……凄いのぉ……ああっ、いいっ……あなたのチンポ!」
最初は、私のことを持ち出されると激しく抗った妻が、何の躊躇いもなく私と男を比較して淫らな言葉を叫ぶのでした。
小1時間もほぼ連続して交わりながら、木原はまだ一度も射精していません。
その間、萎えることもなく緩急様々に女を攻め続けることなど、私には及びもつかぬことでした。
私には与えることのできない途方もない悦楽を受けてのたうつ妻の女体を打ちのめされながら私は見つめ続けました。
「あぅっ、いいっ……いいのぉ……あなたの逞しくて固いのがいいのぉっ!」
「ああっ、突いてぇ……グリグリしてぇ……大っきいチンポでグリグリしてぇ!」
快楽に狂わされているとはいえ、あの上品な妻の口から便所の落書きのような卑猥極まりない言葉を吐かせるとは……。
木原も最後のモードに入ったらしく、遙海の両腿を抱え上げると激しいピストンを連続して繰り出していきます。
逞しい牡に本気で追い上げられて妻は、もう言葉にもならない呻きを立て続けに上げながら、シーツを掻き毟ってのたうち回りました。
「いっ、いくわ……いっちゃう……あ、あなた……あなたも来てぇ!」
「どこに欲しいんだ?」
「ああっ、中っ……中よぉ……遙海の中にいっぱいちょうだい!」
美しい顔を引き攣らせて、狂ったように妻は中出しをおねだりするのでした。
やがて、低い唸り声とともに男の腰が大きく二度、三度と打ち付けられ、そして、ぴたりと止まりました。
「ぁー……!」
巨大なこわばりから迸る煮えたぎった樹液を膣奥に受けて、声にならない断末魔の叫びを上げて遙海は逝きました。
身も心も融け合うような二人の絶頂は深く長く続きました。
やがて、大きくため息をつくと木原は、結合を解き遙海の傍らに身を横たえました。
エクスタシーの海に漂う遙海が満足げに木原の胸に顔を寄せます。
黒々とした恥毛は愛液と汗でべっとりと濡れそぼり、秘裂は傷口のように開いて、その中から白濁した男の絶頂のしるしがドロリと流れ出しました。
その少し下、左の尻の膨らみが始まる間際に、小さなほくろが見えます。
それは愛しい妻の、私しか知らないはずだった愛らしいしるしでした。
その後、シャワーを浴びて汗を流した二人は、再び体を合わせ、たっぷりと濃密な時間を過ごしました。
これ以上、詳しく書くことは控えますが、
手錠や縄で緊縛された妻は、ローターやバイブ、見たこともない淫らなオモチャを秘裂は、おろか、アナルにまで使われて乱れ狂い、数えきれぬほどの回数、絶頂に押し上げられていました。
そして、信じられないことに、木原はその間、最初の一度を含めて四回も精を噴き上げていたのです。
私より、はるかに年上なのに、木原という男は驚くべき精力の持ち主でした。
とても私には及びもつかない木原の巨根と絶倫さに、牝として妻はすっかり屈服させられてしまったのでしょうか。
膣内深くに二回、シックスナインからの淫らなフェラチオでは妻の口に一回、そして、最後はバックから深々とアナルを突き立てて……。
この時、妻は秘裂にも太いバイブを突き入れられたまま絶頂し、快楽極みに股間から失禁のしぶきを飛ばしながら失神していました。
もう、何を見せられても驚きません。
すべてのタブーを取り払い、ありとあらゆる性愛の限りを尽くして、極太のこわばりをアナルにまで受け入れて乱れ狂う画面の中の女が、私の知る淑やかで知的な妻・遙海と同一人物であるとは、どうしても信じることができないのです。
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それから、3日3晩かけて私は、レンタルルームから持ち帰ったビデオのすべてに目を通しました。
驚くことにその中で妻は、木原だけではなく複数の男と関係を持っていたのです。
それだけではありません。
ビデオの中には、レズビアンプレイも含め、複数の男女とのアブノーマル極まりないプレイも納められていたのです。
妻たちが事故死したあの日、直前まで二人が交わっていたラブホテルの清掃員は、もう一人、女性が同室していたのではと感じていたと言いますが、彼女の勘は正しかったのでした。
死に至るドライブの直前、昼下がりの密室で、妻たちは男1人に女2人という、常軌を逸した淫らな複数プレイを楽しんでいたに違いありません。
唯一、ビデオに登場する妻の相手には、男女ともにどれも全く面識がなかったことが、私にとって救いにもならない救いでした。
妻は、ビデオの中で今まで通りの美しい女でした。
そして、同時に、悦楽の限りを貪欲に求め尽くす限りなく淫らな女でもありました。
私の前では上品で貞淑な妻を演じながら、どうしてこれほど淫乱な女の内面を隠しおおせて生きることができたのでしょうか?
私はそれほど鈍感で馬鹿な夫だったのでしょうか?
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「解離性同一性障害」。
ふとこの言葉が頭をよぎりました。
一般には「二重人格」という言葉で知られ、複数の人格が一人の人間に現れるという精神的疾患です。
内面を隠して貞淑な妻を演じていたにしろ、複数人格が出現する病を病んでいたにしろ、知的で性の面では控えめな貞淑そのものの妻と、複数の男のみならず女とまで交わる淫乱極まりないふしだら女、この二つが妻・遙海の中に同居していたことは紛れもない事実のようです。
精神医学の専門書に依れば、「解離性同一性障害」の場合、重度の記憶喪失を伴うことが多く、主人格(この場合は貞淑な妻・遙海)と交代人格(淫乱極まりない女・遙海)の間では、記憶が継承・共有されないとされていますが、ビデオを見る限りそうとは言えず、精神医学を専門としない私には、かえって謎が深まるばかりでした。
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いつまでも休んでいるわけにもいかず、それから一週間後、私は仕事に復帰しました。
ただ、当分は病院側の配慮で昼間だけの勤務にしてもらえたので、夕方からは自由な時間を持つことができました。
その間、医学生時代の友人で精神科医をしている何人かに、「解離性同一性障害」のことを電話で尋ねましたが、妻のことを打ち明ける気持ちにはどうしてもなりませんから、一般論としての質問になり、彼らの答えもまた一般論としての答えで、妻の謎を解く手がかりにはほとんどなりませんでした。
友人たちは口々に、「実際に会って診察してみないことには何とも言えない」と言います。
医師としては当然の答えですが、それが叶うはずもありません。
興信所に頼んで妻のことを調べてもらおうとも考えましたが、すでに死亡していては調査のしようがなく、妻の相手達の調査を依頼するには、妻の映ったビデオを見せるしかなく、とてもそんな気持ちになりません。
八方ふさがりのまま日を過ごしているうちに、妻の四十九日が過ぎていきました。
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その日、難しい症例の患者の治療方針について後輩の主治医とのカンファレンスが長引き、いつもより帰りが遅くなりました。
すっかり暗くなった道をマンションへ戻る車内に携帯の着信音が鳴り響きます。
さては患者が急変したのかと急いで出ると、相手は知らない女の声でした。
「突然お電話してごめんなさい。奥様のことで、どうしてもお知らせしておきたいことがありましてお電話しました。お手間は取らせませんから、これからお会いできませんか?」
その声は柔らかく落ち着いた声でした。
一瞬、躊躇いましたが私は、女の申し出を受け入れ、指定された小料理屋へ車を走らせました。
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