だが、シェアの話が進み彼女から話を聞くと色々と疑問がわいて来た。
まず、契約者は年長であるA子の彼氏だ。彼は30歳で5年間スーパーのバイトをしている男だった。これまで定職に就いたことが無いそうだ。
そして、彼の名義では審査が通らなかった。
彼女は仕事を探している最中だし、C君も定職には就いておらず、A子はなぜか名義人になることを渋っていた。
家を借りれないとなるとシェアの話はなくなると思っていたが そうではなかった。
ある日突然、審査がおりたと彼女から聞いた。
これには凄く疑問を感じた。
僕は凄く不安になり、一度シェアするメンバーと僕とで話したいと言った。
そして、A子の家で話し合いがもたれた。
集まった時間は、A子の仕事の事情で午前1時。
家に着くと他のメンバーは集まっていてA子の3歳の子どもはまだ起きていた。
まず、A子から話の概要を聞いた。
驚いたのは彼女とC君は なぜ契約できたのかを聞いていなかった。
僕はこの時点で、ストーリーは解っていた。
契約出来た経緯はこうだ。
A子の知り合いで、ある男がA子の彼氏に偽の雇用契約書を作成。そしてA子と結婚している事にした。
これだけでは、大家が彼女とC君の同居を怪しむので この二人を婚約中として、証拠に偽の結婚式場の契約書を作成。
A子のいい分は婚約はいつでも解消できるし、全部嘘の事だから安心してと。
ここで、僕はA子に詰め寄った。
これは明らかな詐欺だし、彼女を犯罪に巻き込まないでくれと。
もう大惨事。A子は何かわめいてるし彼女は号泣。
A子の彼氏は僕に殴り掛かる準備は出来ていた。
C君は至って冷静で、彼はそんな事情なら住みたくないし 僕君にも悪いから、一人で住む家探すわ。と言い残し彼は部屋を出た。
それを聞いたA子はさらに僕を罵倒した。
私の人生を壊された!と
僕はもう黙っていられなかった。
C君含めて、彼女の人生を壊そうとしてるじゃないか!
それにその彼氏。
本気でA子を幸せにしたいなら、お前が仕事を見つけて家を探すのが筋なんじゃないか!と。彼氏はなぜか しくしくと泣いていた。
そしてA子は僕を別室に呼んで二人で話した。
A子は泣きながらこう話した。
私は今キャバクラで働いてて、偽の契約書を作ってる男と円光していて、この家に住んで彼と結婚して幸せに母親らしく過ごしたいの。
そしてお決まりの文句。
あの子には父親が必要なの。とタバコ臭い部屋で午前三時でも起きている子どもを見ていると、どういう話をされても一つも真剣味が伝わってこない。
その後この話はなくなり、彼女は1ヶ月間A子と連絡が取れなかったようだが、僕宛にメールがA子から届いた。
書類作成と契約破棄の金27万を払ってほしい。という内容だった。
僕が払わなきゃいけないなら それなりに対処しますとだけ返信してから、返事は無い。
その話は彼女には黙っていた。
幼なじみの友人を半ば修復出来ないくらい引き裂いてしまったのだから。
彼女は定期的にメールをA子に送っていたが返信は無かった。
だがある日 返信来たと彼女は喜んでいた。
内容は、私のせいでこんな事になって僕君にも迷惑かけてゴメンね。許して。
という内容だった。
この日から傷を埋めるように毎日A子と電話していた。
金を払えって言って来た女が ここまで何事も無かったように振る舞うのはとても怖かった。
そして、彼女がAV女優である事が発覚した。